有価証券報告書で分かるkubellの平均年収
株式会社kubellの第22期(2025年12月期)の有価証券報告書では、提出会社の従業員は355人、平均年間給与が7,594千円(759.4万円)、平均年齢が34.83歳、平均勤続年数が2.74年です。2025年12月31日現在の数字で、報告書は2026年3月23日に提出されました。
項目 | 第22期(2025年12月期) |
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従業員数(提出会社) | 355人 |
平均年齢 | 34.83歳 |
平均勤続年数 | 2.74年 |
平均年間給与 | 7,594千円(759.4万円) |
表の数値の出どころは、株式会社kubell「有価証券報告書(第22期)」の「従業員の状況」です(万円は千円の値を換算)。
報告書の注記によると、平均年間給与には賞与と基準外賃金が含まれ、期中に入社した人は年間に換算した額で計算されています。入社1年目の人も、1年分働いた場合の金額で平均に入る計算です。
平均の対象は株式会社kubell単体の355人
759.4万円は、株式会社kubell(提出会社)の従業員355人の平均です。同じ報告書の連結会社の従業員は、プラットフォーム事業の658人でした。
報告書は、事業をプラットフォーム事業の1つのセグメントとしています。エンジニアもPdMもセールスもコーポレート部門も同じ平均に入るため、エンジニアだけの平均年収とは別の数字です。職種ごとの水準は、後の節で求人の提示年収から確かめます。
第22期から確定給付企業年金の掛金を含めて算出
第22期の報告書は、平均年間給与の算出に確定給付企業年金の掛金を含める方法に変えたと注記しています。前の期より平均年間給与が増えた理由として注記が挙げるのも、この変更です。
過去の期の平均年収と並べて「何万円上がった」と読むと、算出方法の違いまで年収の伸びに数えてしまいます。第22期の759.4万円は、企業年金の掛金を含む額です。
確定給付企業年金は、会社が掛金を出して将来の年金を約束する仕組みです。毎月の給与として受け取る額ではないため、月々の手取りの比較では、求人の提示年収と給与欄の内訳を見るほうが実態に近くなります。
報酬はミッション・グレード制度の等級ごとの年収レンジで決まる
kubellの報酬は、年齢や社歴ではなく担う役割の大きさで等級を決める「ミッション・グレード制度」に沿って決まります。公式の採用サイトの「評価制度」のページによると、各等級の年収レンジを公開して報酬の決め方を透明にする方針です。
給与水準は外部のマーケット調査データを定期的に参照して設計され、エンジニアやPdMなど市場での評価が変わりやすい職種には、独自の給与テーブルを適用しています。同じ等級の中でも、成果に応じて昇給できる幅を持たせています(株式会社kubell 採用サイト「評価制度」)。
全社共通の年収レンジはバンド9からバンド1までの9段階
同じページの図「全社共通の年収レンジ」は、等級をバンド9からバンド1までの9段階で示し、最上位のバンド1の最高値は2,000万円を超える水準です。図の中には「エンジニアやプロダクトマネージャーなど、特定職種の年収レンジも別途設定しています」と書かれています。
キャリアの進み方は、マネジメント職だけでなく、高度な専門性で役割を広げるスペシャリスト職も選べる設計です。エンジニアとして手を動かし続けたい人も、等級を上げて年収レンジを上げられる仕組みです。
職種別の給与テーブルの金額はページに載っていないため、エンジニアやPdMとして応募するなら、自分がどの等級の想定で、その等級の年収レンジがいくらかを選考の中で確かめる必要があります。同じ SaaS の会社で等級別のレンジを公開している例は、SmartHRの年収|平均772.2万円と等級別レンジで比べられます。
評価は半期ごとに短期成果・バリュー・能力の3つの軸
評価は、上長との対話を通じて半期ごとに「目標設定」「評価」「フィードバック」を回す仕組みです。組織の戦略から一人ひとりの役割に落とした目標に対する「短期成果」、カルチャーの基礎になる「バリュー」、将来のキャリアを支える「能力」の3つの軸で評価します。
評価が半期ごとに回るので、入社後の評価の機会は年2回です。入社時の等級だけでなく、次の等級に上がるときに何が求められるかを面接で聞いておくと、入社後の年収の伸び方を見通しやすくなります。
求人の給与欄はみなし残業25時間と年2回の賞与が基本
Offers Jobs に掲載中のkubellの求人10件の給与欄は、どれも「みなし残業代25時間含」「賞与:年2回」の記載が共通です。あわせて「一部グレードから裁量労働制・年俸制・賞与無」(フルスタック・フロントエンド・データエンジニアの3件は「裁量労働制・賞与無月給制」)という補足があります。
つまり、提示年収にはみなし残業代25時間分が含まれ、一定のグレードより上では賞与の無い年俸制か月給制に変わる仕組みです。年収の総額は同じでも、月々の支給額と賞与の割合が等級によって違うので、オファーを受けたら内訳を確かめてください。
みなし残業の時間と超えた分の扱いの読み方はみなし残業はやめたほうがいいか|求人票の読み方に、年俸制で賞与と残業代がどう扱われるかは年俸制のデメリット|求人で見る賞与と残業代にまとめています。
特定の等級以上には株式報酬の制度がある
有価証券報告書は、役職員を中心に特定の等級以上の従業員へ、中長期の企業価値の向上に対するインセンティブとして新株予約権と譲渡制限付株式を付与する制度を導入していると書いています。
株式報酬は毎年の年収の欄に出ない報酬です。上位の等級で入社する場合は、付与の対象になるか・付与の条件はどうかを、オファー面談で年収と合わせて確かめておくと、報酬の全体像をつかめます。
Offers Jobs に載るkubellの求人の提示年収
Offers Jobs に掲載中の株式会社kubellの正社員求人は10件で、提示年収は下限が600万〜850万円、上限が800万〜1,200万円です。10件のうち8件は上限が1,200万円で、上限の中央値も1,200万円でした(Offers(株式会社overflow)調べ・掲載中の株式会社kubellの正社員求人 n=10・2026年11月1日時点)。
職種 | 事業・ポジション | 提示年収 | 求人 |
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サーバーサイドエンジニア | Chatwork事業のバックエンド | 600万〜1,200万円 | 90699 |
フロントエンドエンジニア | Chatwork事業 | 600万〜1,200万円 | 91065 |
フルスタックエンジニア | BPaaS事業 | 800万〜1,200万円 | 91064 |
サーバーサイドエンジニア | BPaaS事業のバックエンド | 600万〜1,200万円 | 91195 |
QA(品質保証)エンジニア | BPaaS事業 | 600万〜1,200万円 | 91197 |
QAエンジニア | BPaaS事業のQAエンジニアリングマネージャー | 750万〜1,200万円 | 93173 |
AIエンジニア | AIエージェントエンジニア | 600万〜1,200万円 | 91202 |
データエンジニア | 大規模DBエンジニアリング | 850万〜1,200万円 | 91194 |
サーバーサイドエンジニア | KBS事業のバックエンド | 600万〜800万円 | 91913 |
PdM | kubellストレージ | 600万〜800万円 | 93175 |
求人は入れ替わるため、表は2026年11月1日時点の掲載内容です。提示年収は求人ごとの幅で、kubellの職種別の平均年収とは別物と考えてください。
上限1,200万円の求人はChatworkとBPaaSの事業に集まる
上限が1,200万円の8件は、ビジネスチャット「Chatwork」の開発と、業務を代行するBPaaS(Business Process as a Service)の事業の求人です。データエンジニアの求人も、Chatwork と BPaaS の両方のデータを扱うポジションとして募集されています。
上限が800万円の2件は、クラウドストレージ「kubellストレージ」のバックエンドエンジニアとPdMの募集でした。同じkubellの求人でも事業によって提示年収の上限が違うので、応募先のポジションがどの事業のものかを先に見てください。
下限が高いのはデータエンジニアの850万円とフルスタックエンジニアの800万円です。データ処理の性能改善やデータウェアハウスの知識、Webのフロントエンドからバックエンドまでの実装経験が、必須の経験に並んでいます。
10件中9件が必須の経験に生成AI・AIツールの活用を置く
10件の求人の「必須スキル/経験」を1件ずつ読むと、PdMを除く9件が、生成AIやAIツールを業務で使えることを必須に挙げていました。エンジニアの求人で多い書き方は「AIをエディタ/IDEに統合し、自力でコード補完や生成を活用できる」と「生成AIの基礎を理解し、プロンプトを改善できる」の2行です。
QA(品質保証)エンジニアの2件は「自律的にAIツールを利用し、自身の業務の生産性向上に繋げている」、データエンジニアは「AIエディタ/エージェントを用いた開発経験」、AIエンジニアは「生成AIを活用したプロトタイピングの経験」を必須にしています。公式の採用サイトの「よくある質問」によると、社内では Gemini と Claude を全社に導入し、ChatGPT や Cursor なども利用を認め、AIツールの利用料は会社が負担しています(株式会社kubell 採用サイト「よくある質問」)。
応募するなら、職務経歴書に「どの開発でどの AI ツールを使い、何が速くなったか」を1〜2行で書いておくと、必須の経験を満たしていることが書類で伝わります。AIエンジニアという職種の年収を世の中の相場で見るなら、AIエンジニアの年収|統計と求人で見る相場が材料になります。
掲載中の求人の職種と提示年収をまとめて一覧できるのが、Offers Jobs のkubellの企業ページです。
同じ職種の公的統計(賃金構造基本統計調査)との比べ方
kubellの求人の水準を世の中の相場と比べるなら、厚生労働省の賃金構造基本統計調査で、実装を担う「ソフトウェア作成者」と、設計やプロジェクト管理を担う「システムコンサルタント・設計者」の2つの区分を見ます。令和7年調査の年収換算は、企業規模計でソフトウェア作成者が578.5万円、システムコンサルタント・設計者が889.0万円です。
職種(統計の区分) | 企業規模計 | 100〜999人 | 30〜34歳 | 35〜39歳 |
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ソフトウェア作成者 | 578.5万円 | 555.0万円 | 559.5万円 | 636.0万円 |
システムコンサルタント・設計者 | 889.0万円 | 854.3万円 | 866.1万円 | 968.1万円 |
表の数値は厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」の職種第1表と職種第5表(2026年3月公表・男女計・年齢別は企業規模計)を、Offers Magazine 編集部が年収換算した値です(きまって支給する現金給与額×12+年間賞与その他特別給与額)。
2つの区分は実装の仕事と設計・プロジェクト管理の仕事に分かれる
厚生労働省の「職種一覧と解説」は、ソフトウェア作成者の例にプログラマーや社内システムエンジニアを挙げ、情報処理プロジェクトマネージャは含めていません。システムコンサルタント・設計者の例には、システムコンサルタント、システムアナリスト、情報処理プロジェクトマネージャが並びます。
kubellの求人でいえば、サーバーサイド・フロントエンド・QAなど実装やテストを担う職種はソフトウェア作成者に近く、PdMやエンジニアリングマネージャーのように設計や進行の責任を持つ立場はシステムコンサルタント・設計者に近い区分です。自分の今の仕事がどちらに近いかで、見る行を選んでください。
規模は100〜999人、年齢は30代前半と後半の列で比べる
kubell単体の従業員は355人、連結でも658人なので、企業規模は100〜999人の列が近い比較です。平均年齢34.83歳をはさむ30〜34歳と35〜39歳の列も、同じ年代の相場として使えます。
ソフトウェア作成者の30代後半の年収換算636.0万円に対し、kubellのエンジニアの求人の多くは下限が600万円、上限が1,200万円です。経験を積んだ実装職なら、統計の平均を上回る年収帯の中で条件を話し合えると読めます。
ただし、統計は企業規模10人以上の事業所で働く人の平均、kubellの759.4万円は全職種の従業員の平均、求人の提示年収は募集時の幅で、3つは物差しが違います。相場の目安として並べ、自分の提示額の判断は求人の幅と等級の説明で行ってください。
Offers Jobs の正社員求人全体の年収帯と並べる
ほかの会社の正社員求人と並べるなら、Offers Jobs に掲載中の正社員求人の提示年収は、下限の中央値が550万円、上限の中央値が1,000万円です(Offers(株式会社overflow)調べ・掲載中の正社員求人 n=662・2026年11月1日時点)。
kubellの求人の多くは下限600万円・上限1,200万円で、下限も上限も全体の中央値を上回ります。上限800万円の kubellストレージの2件は、下限が全体の中央値を上回り、上限は全体の中央値を下回る位置です。
kubellへの転職で年収を確かめる進め方
kubellへの転職で年収を確かめるには、求人の必須の経験と自分の経歴を照らし、選考の中で入社時の等級と給与の内訳を聞き、オファー面談で提示額を判断する、という順に進めます。報酬が等級で決まる会社なので、等級の想定をつかむことが年収を確かめる近道です。
求人の必須の経験と自分の経歴を照らす
Chatwork事業のバックエンドの求人は、Webサービス開発の業務経験、RDBMS(リレーショナルデータベース管理システム)を用いたサービス設計・開発・運用の経験、Git と GitHub を使った開発フローの経験を必須にしています。フロントエンドの求人は、状態管理とコンポーネント設計、TypeScript、React・Angular・Vue.js などのフレームワークでの開発経験が必須です。
QAエンジニアの求人は、テストの計画から不具合管理・レポートまでの一連のテスト活動の経験、テストチームのリード経験、JSTQB(ソフトウェアテスト技術者資格認定)の Foundation Level の資格か同等の知識が必須です。PdMの求人の必須は、Webサービスのディレクションかプロダクトマネージャーの経験だけでした。
歓迎の経験には、ドメイン駆動設計、AWS(Amazon Web Services)や GCP(Google Cloud)での設計・運用、大規模なプロダクトの開発、チームリードやテクニカルリードの経験が並びます。満たしている歓迎の経験は、職務経歴書に規模や期間の数字つきで書いておくと、どの等級の想定かを面接で話し合う材料になります。
選考は書類選考とカジュアル面談、2回の面接のあとにオファー面談
Offers Jobs の求人に書かれた選考フローは、書類選考、カジュアル面談、1次面接、2次面接、オファー面談の順です(ポジションによって異なる場合があります)。公式の「よくある質問」では、選考の期間は約3〜4週間程度で、エンジニアなど職種によって課題選考がある場合があり、面接・面談は基本的にオンラインです。
カジュアル面談は、等級の考え方やポジションの事業を聞ける場です。年収の幅の読み方と面談での聞き方は、カジュアル面談の年収の聞き方|求人の年収帯の読み方にまとめています。
オファー面談で等級と賞与の有無、みなし残業の時間を確かめる
オファー面談では、提示年収の総額だけでなく、入社時の等級(バンド)、その等級の年収レンジ、賞与の有無と年俸制か月給制か、みなし残業25時間を超えた分の扱いを確かめます。上位の等級なら、株式報酬の対象になるかも同じ場で聞いておくと安心です。
勤務の条件も年収と合わせて見ます。公式の「よくある質問」によると、フレックスタイム制(コアタイムなし)で、原則は東京オフィスでの勤務、出社の曜日は組織ごとに決まっています。求人によって出社の頻度は月1日から週2〜3日まで違うので、応募するポジションの欄を確かめてください。
オファー面談で聞く項目を労働条件の面から整理した記事は、オファー面談で聞くこと|転職で労働条件を確かめる7項目です。
提示額を判断するには、同じ経験に対してほかの会社がどの年収帯を出しているかが材料になります。Offers Jobs の求人一覧で、職種と年収の条件から正社員求人を探してください。