ソフトウェアテストとは
パソコン、スマホ、冷蔵庫やテレビなどが適切に作動するかどうかは、ソフトウェアの状態にかかっています。リリース前にはあらゆる視点からテストを行い、細かく動作を検証するのが一般的です。
ソフトウェアテストとは、この時実施される一連のテストを指します。重要な開発工程の一部である、ソフトウェアテストの概要について見てみましょう。
ソフトが正常に動くか確認すること
ソフトウェアテストとは、ソフトウェアを起動した際、意図しない動きはないか、正しく動くかを観測・評価・検証する作業です。
テストを行う目的としては『欠陥やバグを見つける』『発表後の品質リスクを想定する』『要件を満たしていることを保証する』などがあります。
どの目的を重視するかはケースバイケースで、ソフトウェアの性質やニーズ、開発者によって異なるでしょう。
システム、運用などフェーズに別れる
一般的に、ソフトウェアテストが行われるのは工程・品質の観点・実行方法・技法の4つのフェーズです。
テストされないソフトウェアは正しい動作を保証できず、高い確率で誤作動を起こします。工程を細分化して網羅的にテストを行うことで、有益なテストが行えるのです。
複雑なソフトはテストも大規模になる
機能が多く複雑なソフトウェアほど、テストにかかる時間や手間は大規模です。
リリース前のソフトウェアについては、個々のプログラムがきちんと動作するかを検証したり、複数のモジュールを組み合わせたりなどしてテストを行います。
そして、こうした動作検証やモジュールの組み合わせは、仕組みの複雑なソフトウェアほど膨大で、検証すべきプログラムが多岐に渡るのが一般的です。環境に依存する機能がある場合は、環境との組み合わせも考慮せねばならず、検証にはさらに多くの時間がかかります。
ソフトウェアが複雑なほど、品質を担保するまでには、多くの手間と時間が必要となるでしょう。
ソフトウェアテストの相場は?
ソフトウェアテストを業者に依頼した場合、費用は『人月(にんげつ)』という、1人の作業員が1カ月に作業できる工数単位を考慮して算出されます。テストには費用も時間もかかるケースがほとんどですが、ソフトウェアの品質を担保するには必要な工程といえるでしょう。
ソフトウェアテストを業者に依頼した場合、どのくらいの費用がかかるのでしょうか。
規模やタイプにより費用は異なる
ソフトウェアテストの相場は、ソフトの規模や種類によって大きく異なります。
前述のとおり、複雑で規模の大きなソフトウェアは、検証や解析の工程が複雑でデータ量も膨大です。テストに臨むエンジニアの拘束時間も長くなるため、テストコストはかさむでしょう。
また、テストに当たるエンジニアのスキルレベルによっても、費用に差が生じます。会社によってはテスト専門のテストマネージャーを設置しているところもあり、このようなエキスパートが手がけるテストは高額です。
一方で、自動ツールを使ったり、他国に発注したりしている会社なら、テストコストは比較的安価に抑えられるでしょう。
業者へ見積りを取って検討が必要
なるべく不利益を被ることなく発注するには、複数の業者に見積りを取ることが必要です。
ソフトウェアテストの費用概算は算出しにくく、1社からの見積りのみでは、適正価格かどうか判断できません。テスト費用の概算を知るには少なくとも3社程度に見積りを出し、その内訳を比較することをおすすめします。
この時、3社が同じような金額を提示してくれば、見積りは妥当だと考えられます。細かい内訳や条件等を比較して、バランスのよいものを選びましょう。
また、見積り金額は安いにこしたことはありませんが、安すぎる見積りには注意が必要です。他社と比較して金額があまりにも低い場合は、含まれていない項目があるのかもしれません。テスト後に多額の追加料金が発生するケースもあるため、内訳の内容を精査し、不明な点は業者に確認することをおすすめします。
開発費の中にテスト費用を組み込んでおこう
ソフトウェアのテストはシステム構築の中の一工程です。そのため、ソフトウェアテストについても、開発を担当した業者が行うのがベターでしょう。
ちなみに、システム開発における要件定義から納品までを依頼した場合、60~100万円程度が必要です。
ソフトウェアテストを外注する
ソフトウェアテストのみを外注する場合、どのような方法があるのでしょうか。外注先や外注のポイントについて紹介します。
専門会社に依頼
ソフトウェアテストを専門会社に依頼することは、第三者視点からの検証を受けられるというメリットがあります。
また、ソフトウェアテストを専門にしているだけあって、担当するエンジニアもエキスパートばかりというケースがほとんどです。
『ソフトウェア品質技術者(JCSQE)』『JSTQB(Japan Software Testing Qualifications Board)認定資格者』『IT検証技術者認定試験(IVEC)合格者』などが揃った会社も多く、質の高いテストが期待できるでしょう。
複数の業者から見積りを取って比較しよう
前述のとおり、業者から見積りを取る際は、1社では不十分です。細かい内訳や料金が分かるよう、複数やからの見積りを比較しましょう。
近年は、ソフトウェアテストを外国に丸投げしている業者も散見されます。知らずに依頼するとトラブルになった場合に、セキュリティ面を問われることになる可能性があります。
安すぎる見積りには理由があると心得て、納得できる業者に依頼しましょう。
まとめ
ソフトウェアテストは、システムが適切に動作するかどうかを確認するテストです。テストで見つかったバグや不具合を修正することで、リリース後のトラブルリスクを低く抑えられるでしょう。
テストは細部にわたって行われるため、かかる費用や日数は多くなります。業者によって費用設定も異なるため、テストを業者に依頼する際は、複数社からの見積りは必須です。
見積りではトータル金額よりも内訳をしっかり確認し、納得のできる業者を選びましょう。