ブロックチェーンエンジニアの副業。副業先との出会い方とその魅力。

初めまして、谷口 英と申します。

芸術大学を卒業後、なぜかエンジニアになりました。大手HRパッケージベンダー、レコメンドエンジン関連の開発などを経験していた矢先、もっと新しい領域に関わりたいと思うようになり、そのタイミングでビットコインの存在を知りました。

2016年から仮想通貨取引所、Defiの開発経験を経て、今はGameFiに取り組んでいます。

並行して、PyconJP mini Osakaの座長やイベントでの講演等に携わっています。

副業ではDapp(ブロックチェーンを基盤として構築される分散型アプリ)の設計から得意な言語を生かしたリファクタリング、これからくる新しい概念のアーキテクチャの実装などさまざまな業務に関わっています。

副業を始めたきっかけは育休

▲ Python boot camp in 京都というイベントで、Pythonというプログラミング言語の講師をした時の様子

育児休暇を取ったことによる収入減が理由です。育児休暇を取得すると育児休業給付金がもらえます。とてもありがたいのですが、給料が全額補填されるわけではありません。

子供も生まれ、これからお金が必要になってくる時期に収入の減少と言うのはとても不安になりました。当時はコロナ前だったこともあり、あまりリモートワークが普及していないという状況でしたが、運よくリモートワークが可能な企業様を見つけることができました。

ブロックチェーンの副業先との出会い方

▲PyCon jp 2015でスピーカーした時の様子

副業の依頼は、Twitter経由でいただくことがほとんどです。副業の依頼はTwitterとLinkedIn等のSNSによくきますが、実際に副業として携わった数を比較するとTwitterとその他SNSでは9:1ぐらいです。

企業から直接連絡がくると言うよりも、相互フォロー関係のアカウントの方から、人が必要な時に連絡がくるというパターンが多いです。

Twitter経由が多いのは人となりとスキルのレベルが伝わるから

改めて、なぜTwitter経由で話が色々くるのかと自分でも考えてみたところ、おそらくですが、普段のツィートから人間性やスキルの方向性がわかるからかなと思っています。

たとえばこのツィートはただのネタツイですが、身内だけがわかるネタとして作用します。

一言でブロックチェーンエンジニアと言っても、あらかじめ用意されているAPIを実行してアプリケーションを構築している人、ブロックチェーンにデプロイするコントラクトを開発している人、そもそもブロックチェーン自体を開発している人などさまざまです。

これは決してAPIを叩いている人間はレベルは低いと言う意図ではありません。そもそも当時の私はチェーン自体を作っているわけではなく、また、コントラクトを作成・デプロイするところも経験が豊富ではなかったため、その辺りのもやもやを表現したのかなと思っています。

考えすぎかもしれませんが、このツィートからは、少なくともそういう違いがわかっている人間であると言うことが伝わるかもしれません。

Twitterでの定期的な発信が声掛けにつながる

最後に、最近プチバズしたこのツィートですが、これはゼロ知識証明を利用したLayer2の個人的な所感をつらつらと書いたものになります。

Layer2とは、EthereumなどのLayer1におけるガス代対策として登場した概念であり、セキュリティを担保するためにロールアップと言う仕組みを利用しています。

そのロールアップをゼロ知識証明を利用して実装したものが、今後続々とリリースされてくるのですが、その違いと現状を書いたものがこのツィートのスレッドになります。

今(2022年冬現在)の話題のうちの一つがこのゼロ知識系Layer2の台頭であり、どこが覇権をとるのか、皆注目しています。その辺りをいちエンジニアとして切り込みました。

このスレッドからは、ゼロ知識証明を利用したLayer2はどのようなものがあるのか、それらがどんな特徴を持っているのか、今どのような状況なのか、これからどうなっていくのかと言う予想、それらの知見を持っている人間であると言うのが伝わるかなと思っています。

あくまで予想ですが、こういうツィートがある程度の人格や能力を予想させ、声をかけやすくしているのかなと、勝手に思っています。逆に言えば、Twitterでこうした発信を定期的に行っていることが、案件のお誘いにつながっているのかなと考えています。

ブロックチェーンの副業の内容

▲ PyCon mini Osaka

本業に影響を与えない範囲で、週10時間前後を目安に稼働しています。業務内容はあまり詳しくは言えませんが、実際にコードを書いて手を動かす仕事がほとんどです

参画フェーズ

リリース前のプロダクト立ち上げからすでにリリースしたプロダクトの機能追加、メンテナンスなど、さまざまです。

もちろんそのまま伸びていくプロダクトもあれば、残念ながら陽の目を見ることがなかったプロダクトもあります。実際、私が一番最初に副業で関わったプロダクトはリリースされませんでした

限られた時間や労力の中で、何をやって、何をやらないかという優先順位の取捨選択が常に必要になってくるので、頭は休まらないですが、とても面白いです。

技術のキャッチアップ方法

本業では扱っていないチェーンの開発に関わることもあります。そのため当然ながら技術のキャッチアップは重要な問題になります。

一番重要なことは、「公式のドキュメントを読む」ことです。良いプロダクトは良いドキュメントを書きます。別媒体の2次情報は情報が古くなっていることが多く、何か変更があっても修正されていません。

開発者向けドキュメントを一通り読み、時には実際にコードに落とし込んで触ります。プロダクトによってはライブラリを公開していますが、稀にドキュメントよりもライブラリの実装を確認した方が、プロダクトの思想を理解できることもあります

ここまでやってざっくりとしたプロダクトの方向性や完成度がある程度頭に入るのかなと思います。

なお、新しい技術が出ることを知る、一番のきっかけは主にTwitterです。新しいプロダクトのアカウントや優良なインフルエンサーをフォローして、情報を集めます。

ブロックチェーンエンジニアが副業をするメリット

まずブロックチェーンエンジニア自体が非常に少ないので、いい待遇で働ける可能性が高いです。これは給与だけではなく、リモートワークだったり、フレックスだったりといった、働き方の自由さも含みます。

また、新しい技術が日々生産される領域なので、一つの企業で働くよりも複数の企業で働いた方が、業界の方向性や知見が溜まり、視野が広がります

これは本業にもいい影響を与えます。一言に「ブロックチェーン」と言っても色々あり、企業によって扱うチェーンも変わってきますので、そう言う意味でも複数の視点と言うのは強い武器になります。

ブロックチェーンエンジニアの副業ニーズは増えている

副業の需要はもちろん増えています。先にも記述した通り、ブロックチェーンエンジニアやある程度ブロックチェーンを理解している人自体が少ないので、人材の取り合い、シェアのし合いになっています。

副業を続けることによって、金銭面だけでなく、技術面での向上も見込めるので、自分の時間が許す限り、特に自分がやったことのない分野の仕事を優先して続けていきたいと思っています。

ただ最近は5年後、10年後を見越した場合、英語の勉強をした方がプラスになるのではとも思っています。

リモートワークが当たり前になった影響もあり、就業先が世界の企業になりました。人材という点において、英語が使えることがすごいことではなく、当たり前のことになりつつあります。

これは英語が苦手な人の場合という前提があるので、やはりケースバイケースですね。

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