トドケールPdM山本氏が実践する「戦略的」副業のススメ

1株式会社トドケール プロダクトマネージャー
山本隼汰
千葉大学で統計学を学び、在学中に会計ソフトのfreeeでインサイドセールスやインターンエンジニアとして勤務後、AI開発企業を経て、2018年9月レアジョブにデータサイエンティストとして入社。2021年3月、副業先の1つだった、郵便物や荷物の一元管理サービスを手掛けるトドケールのプロダクトマネージャーに就任。現在も本業の傍ら、マテリアル・インフォマティクスサービスを手掛けるMI-6のデータサイエンティスト、千葉大学社会学研究院の特任研究員として活躍している。

オフィスに届く郵便物や荷物を一元管理するクラウドサービスを提供するトドケールで、プロダクトマネージャーを務める山本隼汰さん(@hayata_yamamoto)は、これまで5つ以上のスタートアップや大学などで副業に携わった経験の持ち主。これまでデータサイエンティスト、機械学習エンジニアなど、自らの強みを活かした副業によって、戦略的にキャリア構築を実現してきたといいます。今回はそんな山本さんに副業で陥りがちなワナやその対策、副業によって成長するためのポイントを聞きました。

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5社以上の副業で得られた、副業を受けるべき基準

まずは本業でのお仕事内容を教えて下さい。

トドケールというスタートアップで、プロダクトマネージャーを務めています。仕事内容はプロダクトの要件定義、データ分析、新規・既存機能の開発改修のほか、採用に携わっています。なにせトドケールはスタートアップ。肩書きに捕らわれず、自分にできることはなんでもやるという感じですね。

山本さんは副業歴が豊富と聞きました。なぜ副業に興味を持たれたのですか?

前職のレアジョブ時代に同僚だった羽田健太郎さんから、副業に対するスタンスを聞き「いいな」と思ったのが、副業をはじめるきっかけになりました。

どんな点に興味を惹かれたのでしょう?

本業でマネジメントに専念するにしても、技術力が落ちるのは避けたい。でもプレイングマネージャーとして開発に携わると、メンバーの成長を阻害してしまう。だから副業で技術力を必要とする仕事を受けているという話でした。

2つの望みを1つの立場で叶えられないなら、本業と副業に分けてしまえばいいという発想です。マネージャーになっても、コードレビューなどで技術力が試される場面はあります。本業にも良い影響があるならと副業をはじめてみることにしました。

これまでデータサイエンティストや機械学習エンジニア、またアナリティクス関連の教育プログラムの作成や技術顧問として、副業に携わっていると聞きました。

いまでこそ副業は3つに絞りましたが、今年の4月、5月あたりは、本業以外に4つの副業を同時に掛け持ちしていました。現在の本業であるトドケールもその頃の副業先の1つです。

なぜそこまで、たくさんの副業を実践されたのですか?

数をこなしてみようと思ったのは、自分がどこまでできるのか限界を知りたかったからです。時間を切り売りすることの大変さと、その対価として得られる報酬の天井も見えたので、これはこれでいい経験だったと思いますが、さすがにきつかったです(笑)

それだけ多くの副業経験があると、副業に対するスタンスも固まってくるのでは? 山本さんなりの副業選びのポイントを聞かせてください。

避けているのは、作業だけを受けるような定型業務と、自分がいなければ業務が回らなくなるような副業です。逆に受けると思うのは、経営者やマネージャーの困りごとにコミットし価値ある解決手段が提供できそうな副業です。

それぞれを詳しく説明していただけますか?

はい。作業だけを切り出したような簡単な仕事は、手離れこそいいですが代替可能性が高いので、あっという間に価格競争に巻き込まれてしまいます

また発注元の業務に深く踏み込むこと自体は、まったく問題ないのですが、先方のコア業務には携わらないようにしています。自分の不在が先方にとって業務上のリスクになってしまうからです。

いくら自分の価値が出せる内容で報酬が高くても、責任が負えない仕事を依頼通りの形で受けることはありません。

「経営者やマネージャーの困りごとにコミットし価値ある解決手段が提供できそうな副業」とは、たとえばどういう副業でしょう?

自分が加わることで、相手にとってプラスアルファになる仕事です。たとえば副業で、データ分析チームの責任者を務めたり、日々のマネジメント業務をこなしたりするのは難しくても、データ分析チームの立ち上げや人材の育成、教育、助言であれば、副業でも関われる余地はたくさんあります。

なるほど。

発注元のお困りごとに対し、自分に解決できる能力があり、かつ自分にとって学びがあると思えば副業で請けることを検討しますし、そうでなければお断りするという線引きの基準です。現在、本業と位置づけているトドケールも、かつては副業先の1つでした

プロダクトと組織の成長を担うプロダクトマネージャーは副業では難しいと判断したので、いまは本業として取り組んでいます。私自身、自分の経験としても取り組んでみたいポジションであれば、本業、副業にこだわりはありません。適したほうを選択するだけのことだと思っています。

本業と副業を分ける線引きをハッキリしているのですね。

そうですね。ただ自分の時間は意味あることに費やしたいですし、本業と副業で力の入れ具合を変えるという気持ちもありません。就労時間で比較すると本業が長く、副業は短いため、副業は本業よりも報酬総額こそ少ないですが、時間単価で考えたら副業のほうが高い場合がほとんどです。

経営リソースの配分に苦慮しているスタートアップ経営者の立場で考えたら、副業だからといってアウトプットの質を下げてもいいなんて思えません。もっといえば、プロダクトや組織が育ち、自分が関わることの意味が薄れてきたと思ったら、すぐに身を引くぐらいの覚悟で副業に向き合っているつもりです。

片手間仕事=副業という認識では、採用側も働く側も幸せになれない

お話をうかがっていると、副業選びのポイントに発注側の視点が含まれているのが印象的です。

私自身、ワーカーとして副業に携わるだけでなく、副業を希望される方々に仕事を発注することもあるからでしょうね。苦労しながらスタートアップの経営に携わっている友人もいるので、どうしても自分の利益さえ確保できればいいとは思えないんです。

先ほど「本業と副業も力の入れ具合は変えない」とおっしゃいました。違いがあるとすれば、費やす時間の差でしかないということでしょうか?

そうですね。あえて違いを挙げるなら時間配分の違いくらいでしょうね。ですから「本業は全力で取り組むが、副業は片手間でいい」という考え方には賛同できません。どちらも自分の人生の貴重な時間を費やすわけですし、仕事を引き受けたからには求められる成果以上のものをお返しするのがプロだと思うからです。

どちらも前のめりになるくらいコミットしたほうが、多くのものが得られるので、いまは「本業だから」「副業だから」と意識することすらありません。どちらも全力で取り組みます。

副業は本業の空き時間にやるものだと思っている人の目には、山本さんのような考え方は新鮮に映るかもしれません。

だからといって、空き時間にお金を稼ぎたいという人を否定するつもりは毛頭ありませんよ。ただ、時間やスキルの切り売りだけに終始していると、どうしても消耗戦に巻き込まれてしまいます。ですから、できるだけ価値ある仕事、意味のある仕事に携わっていたいというだけのことです。

自分の価値の出し方についても、工夫されていますよね。

多くのスタートアップ経営者や事業責任者は、常になにをどう解決したらスッキリするかわからないモヤモヤを抱えているもの。

それを汲み取って言語化し、解決まで持っていけたら「あなたに頼んで良かった!」ってなるじゃないですか。しかも副業によって、本業では得られない学びやよろこびが得られるのであれば、働く側としてもこれ以上いうことはありません。それが私の理想とする副業との向き合い方です。

副業にあてられる時間は限られています。だからこそ、考えを巡らせて戦略的に取り組む必要もありそうです。

そうですね。ただ、新しいことにチャレンジしようという段階で、自分が提供できる価値について思いを巡らせるより、まずは「打席に立つ機会がほしい」という気持ちもよくわかります。

そういう場合は、切り出された作業を請け負うのもアリでしょうね。ただ、副業だからといって「片手間仕事で構わない」というスタンスは当事者を含めて誰も幸せにできません。どうしてもやるなら、アウトプットの質にも気を配りながら、期間を決めて取り組むべきだというのが私の意見です。

データサイエンティストが成果を出す副業の受け方

いまさまざまな業界でデータ活用が進み、データサイエンティストの需要が高まっています。データサイエンティストの副業事情については、どのようにご覧になっていますか?

需給間の期待値の調整がかなり難しいと感じています。

どういうことでしょうか?

データサイエンティストの立場からすると、副業に望むのもデータ解析業務だと思いますが、分析結果が事業収益として実を結ぶまでには長い時間を要します。しかも労力に見合うだけの結果が得られないこともしばしばです。

発注側の立場からすれば、結果が出るかどうかわからない役務に対して、延々と報酬を支払い続けるのは辛いもの。であれば、成果報酬に切り替えるという手段も考えられますが、成果報酬だと発注者が望む結果が得られなければ、前工程に費やした手間や時間が水の泡になってしまう可能性もあります。これは副業ワーカーとしては避けたいところ。

データサイエンティストと副業の関係は一筋縄ではいかない印象です。

解決策はありますか?

もちろん、副業でデータサイエンティスト業務に携わるべきではないというつもりはありません。解決策といえるかわかりませんが、たとえば、営業施策やマーケティング施策の立案、プロダクト開発など、結果が定量化しやすく一定期期間内で成果が出る取り組みと併せて、データサイエンスの知識や経験を活かすのはどうでしょう。

施策立案や開発の合間にデータ分析してくれたら、きっとお得感を感じてくれるはずです。データサイエンティストの知識や経験がそのままプラス評価につながりますし、開発サイドやビジネスサイドへの理解も深まるのでおすすめです。

データ分析だけにこだわらなければ、活路はあるということですね。

そうですね。副業で分析業務に携わることだけに固執すれば選択の幅は限られていますが、データサイエンティストとしての能力を活かしつつ、分析領域以外でも価値提供できるのであればチャンスはたくさんあるはずです。

もう副業には取り組まれないのでしょうか?

いまは本業であるトドケールのグロースが最優先なので、そもそも副業自体にはあまり時間を割いていません。そのため、手を動かす業務よりは、技術顧問やアドバイザー的な関わり方が中心になってくると思います。

副業を考えているエンジニアに伝えたいことはありますか?

一般に副業というと、空き時間をお金に換えるための手段だと思われがちですが、戦略的に振る舞えば、自分のやりたいことを実現するための有効な手段になります。スキルアップ、キャリアアップの武器にもなるので、ぜひ副業を上手に活用してほしいですね。

なるほど、ありがとうございました!

山本さんの在籍するトドケールの募集はこちら!

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