データベーススペシャリストの年収
データベーススペシャリストとは、経済産業省が認定する国家資格の一つです。数ある情報処理技術者試験の中でも難易度はトップクラスで、難易度を表す『スキルレベル』は最高ランクの『4』に分類されています。
難しい試験をパスしてデータベーススペシャリストになった場合、どのくらいの年収が見込めるのでしょうか。
年収
求人媒体で調べるとデータベーススペシャリストの年収は330~750万円程度です。30代エンジニアの平均年収が520万円程度であることを考えると、データベーススペシャリストの資格を保有下からといって、特段年収に影響があるわけではないと言えるでしょう。
ただし、資格を取った後の職歴によって、年収は大きく異なります。
データベーススペシャリストの資格を取った後、管理業務を行うマネージャーになったり、スキルを極めた技術者になったりなど、さまざまな選択肢があります。どのような職務に就き、どのようなプロジェクトに携わるかで、年収は大きく異なってくるでしょう。
出典:30代エンジニア2180人に聞いた平均年収の実態と満足度
資格手当が期待できる
スキルレベル4のデータベーススペシャリストは専門性が高く、給与面では優遇されます。
企業によっては高額な資格手当を支給しているところもあり、この資格手当がデータベーススペシャリストの年収を押し上げているケースも多いのです。
データベーススペシャリストの需要
IT業界の人材不足が叫ばれているなか、高いスキルと知識を持つデータベーススペシャリストのニーズは、どう変化しているのでしょうか。データベーススペシャリストの需要と、今後の展望について考察します。
将来的ニーズは高い
データベーススペシャリスト試験に合格できるほどの豊富な知識とスキルを持つ技術者であれば、多くの企業に必要とされます。将来的にも高いニーズが見込まれるため、資格を取得する価値はあると言えるでしょう。
ただし、IT業界はトレンドが変わりやすい分野です。求められる知識や技術の移り変わりが速いため、最先端の知識や技術には常に敏感であるべきでしょう。
知識の幅を広げることで需要が高まる
データベースを扱うエンジニアは、プログラマーやシステムエンジニアとしての知識やスキルも求められます。データベースのみではなく、知識を広範囲に広げることで、データベーススペシャリストとしての需要が高まるのです。
データベーススペシャリストへのなり方
データベーススペシャリストを目指すなら、まずはデータベーススペシャリスト試験に合格する必要があります。さらに試験にパスしたとしても、仕事は自分で探すことになるでしょう。
資格取得のポイントや、データベーススペシャリストとして、どのように仕事を探せばよいのか、考えてみましょう。
知識をつけ資格を取得
データベーススペシャリストの試験範囲にはデータベースからインターフェース、ネットワークまで幅広く含まれており、加えてマーケティングシステムや経営管理システムなど、ビジネス分野の知識も必要です。
合格率わずか13.9%(平成30年度)という難易度の高い試験をパスするには、十分な準備が必要となるでしょう。その資格の性質から、受験者の多くは実務経験3年以上の設計者や管理者です。
経験が浅い人や未経験者の場合は独学での勉強だけでなく、講座や通信教育でしっかり勉強してから試験に臨む方がよいでしょう。
転職が一番の近道
資格を取得することで、より専門性の高い求人にも応募できます。『データベーススペシャリストを優遇』とする求人があれば、資格を武器に応募できるでしょう。
データベーススペシャリストになることで、IT人材としての希少価値は高まります。有資格者を求める職場に転職すれば、高度情報処理技術者としての厚遇が期待できるのです。
職種名を限定しないで探す
データベーススペシャリストとしての仕事を探す際は、『データベース』という言葉にこだわらず探すとよいでしょう。
近年は、エンジニアにも幅広い知識が求められ、サーバエンジニアやネットワークエンジニアがデータベースの管理や運用を行っているケースが多々見られます。データベースに絞った求人は減少傾向にあるため、職種名を限定すると、条件の良い求人を見逃してしまう可能性があります。
データベーススペシャリストとして活躍できそうな仕事を探す場合は、職種名のみでなく、内容まできちんとチェックすることをおすすめします。
参考:データベースエンジニア転職の動向とは?年収や必要なスキルを解説
まとめ
データベーススペシャリストは、IT技術を支えるデータベースにかかわるスペシャリストとして人気の高い資格です。この資格を取得できれば『高度情報処理技術者』として認められ、給与面や労働条件等で優遇されやすくなるでしょう。
ただし試験の難易度は高く、合格には幅広い知識が必要です。十分な実務経験を積み、必要なスキルを取得してから試験に臨むことで、合格の確率を高められます。
データベーススペシャリスト試験をパスできれば、さらに条件のよい会社に転職することも可能です。エンジニアとしてより充実したキャリアを望むなら、データベーススペシャリスト試験に挑むのは、将来的にも有益といえるでしょう。