Gmailはビジネスで使える?G Suiteのメリットとは

有料、無料を問わず多様なメールソフトが存在する中、ビジネススーンでの利用においても話題のGmailはどのように活用されているのでしょうか。また、有料版サービスであるG Suiteについても詳しく解説します。

Gmailはビジネス用に使える?

『Gmail』はビジネス用にも使えるのかどうか、利用する場合の注意点を解説します。

基本はビジネスシーンでも利用できる

Gmailはフリーメール(無料サービス)として普及しており、個人用として多くの人に利用されています。

フリーメールながらメールの転送ができるなど多機能で、セキュリティが強固であるため、Gmailは実際にビジネスシーンにおいても多くの企業に活用されているのです。

ただし、ビジネスシーンでフリーメールを利用するのをふさわしくないと考える企業もあります。Gmail自体に問題があるのではなく『必要なところにお金をかけていないのはビジネスパートナーとして不安』と判断されてしまう可能性があるためです。

そのため、Gmailをビジネスシーンで利用する場合は、有料版サービスの活用を検討する必要があります。

ビジネスならG Suiteがおすすめ

『G Suite』はGoogleが提供しているビジネス向けのサービスで、Gmailの有料版とも言えるものです。無料版と違って独自ドメインが取得できるため、個人事業主としての信用も高まります。

プランにもよりますが、G Suiteは月額600円から利用可能です。G Suiteの導入にあたって難しい知識は必要ないため、初心者でも簡単に利用できるでしょう。

以下の項目では、料金プランの詳細のほか、メール以外にも活用できるG Suiteのさまざまなメリットを紹介します。

G Suiteとは

ここからは、G Suiteの導入方法と料金プランを紹介します。

G Suiteの導入方法

すでに無料版のGmailやGoogleカレンダー、Googleハングアウトなどを利用するためにアカウントを保有している場合は、新たにGoogleアカウントを取得する必要はありません。

G Suiteはすでに保有しているGoogleアカウントに適用できるサービスです。

必要事項を入力していくだけで独自ドメインのメールアドレスが使えるようになります。

料金プラン

G Suiteの料金プランは『Basic』『Business』『Enterprise』の3種類です。いずれも14日間の無料体験期間を設けています。

プラン名 1ユーザーあたりの月額費用 特徴
Basic 600円(680円) 30GBのストレージを備えたプラン
Business 1200円(1360円) 無制限のストレージとアーカイブ機能を備えたプラン
Enterprise 3000円 高度な管理機能を含むプラン

注意点としては、2019年4月2日から月額料金の引き上げが行われます。BasicとBusinessの両プランは表中の()内の金額に変更となります。

また、メールアドレスに独自ドメインを利用するためには、取得費用として年額1,000円程度の費用が別途必要です。

Gmail: ビジネス向けの安全な企業メール | G Suite

G Suiteのメリット

G Suiteを導入することには、以下の5つのメリットがあります。

独自ドメインが取得できる

すでに紹介しているとおり、G Suiteでは『独自ドメイン』の取得が可能です。メールアドレスに『@(会社名).com』や『@(屋号).info』など独自の表記が可能になります。

もちろん、@より手前の部分は無料版と同様で自由に設定することができます。個人事業主なら『(氏名)@(屋号).com』など、好みに応じて設定しましょう。

ストレージ容量が大幅に増える

ストレージ容量についても、無料のGoogleアカウントでは15GBしか付与されませんが、G Suiteを利用すればBasicプランでも30GBまで利用できます。BusinessとEnterpriseプランではストレージ容量が無制限です。

これはGmailだけではなく、GoogleドライブやGoogleフォトを含めてのストレージ容量です。最近は動画のマニュアルや資料を共有する企業も増えたことから、ファイル容量も大きく、ストレージ容量を消費しやすくなっています。

その点、G Suiteを導入すれば、上限を気にせずにストレージ容量を利用することができます。

管理コンソールが使える

組織としてG Suiteを利用するメリットは『管理コンソール』が使えることです。

管理コンソールが使えると、ユーザーごとの機能について細かな設定を行ったり、ドキュメントやスプレッドシートなどへのトラフィックを分析したりできます。

管理者が組織内のユーザーについて、権限などを細かく設定できるようになっていますので、セキュリティやコンプライアンスの維持には重要な機能といえます。

小規模なビジネスなら、この機能がなくても対応できますが、組織規模が10人、20人と大きくなるとユーザー管理が複雑になります。

複数ユーザーを細かなところまで管理する場合に、G Suiteが効果を発揮すると言えるでしょう。

サポート体制が充実している

G Suiteは料金プランを問わず、電話やメールによるサポートを年中無休で行っています。一方の無料版のGmailではサポート体制は特に設けられていません。

FAQを参考にして自己解決する必要があるので、メールやインターネットに詳しくない人にとっては不便さを感じるでしょう。

G Suiteの利用中は、わからないことをいつでも問い合わせできるので、トラブル解決をスムーズに行えます。

大企業も積極的に利用中

G Suiteは大企業も積極的に利用しています。

『株式会社帝国ホテル』『ビッグローブ株式会社』『株式会社あきんどスシロー』『全日本空輸株式会社(ANA)』など多くの大企業が導入しています。

株式会社帝国ホテルはG Suiteの導入にあたり、以下のようにセキュリティ水準の高さを評価しています。

「決め手となったのは、やはりセキュリティ面。Google では 約 550 名ものセキュリティ専門家が最新のセキュリティ情報に基づき、サーバーを監視してくれているということが心強かったですね。

出典:株式会社帝国ホテル 導入事例 - G Suite

また、ビッグローブ株式会社はセキュリティだけではなくメールやスケジュール機能を利用して、働き方改革の推進に努めています。

使いやすいメール機能やスケジュール機能、強固なセキュリティなど G Suite の先進機能を駆使して “働き方改革” を強力に推進

出典:ビッグローブ株式会社: 導入事例 - G Suite

このように多くの企業がG Suiteを利用し、業務環境の改善や効率化を図っているのです。

G Suiteにデメリットはある?

G Suiteには多くのメリットがあり、大企業も積極的に導入しています。しかし、覚えておきたいデメリットもあります。

一括でのデータ移行ができない

G Suiteのデメリットは、一括でのデータ移行ができないということです。つまり、Gmail以外のメールシステムから、G Suiteへ移行する場合に、従業員の数が多いなど、関係するアカウントが多いと移行するのが大変な場合があります。

厳密にいうと、ドキュメントデータについては一括移行が不可能なわけではありません。しかし、メール設定についてはそれぞれのアカウントにログインして各自が設定する必要があります。

移行させるにはアカウント利用者一人一人にマニュアルなどを渡して対応してもらうことになるでしょう。

マニュアルに関してもG Suiteにはわかりやすいマニュアルが完備されていないため、専門知識をもつ部門がない企業や個人だと、手間がかかることが考えられます。

1アカウントごとにコストがかかる

G Suiteは1ユーザー(アカウント)ごとに月額料金がかかります。当然、利用ユーザーが増えれば増えるほどコストがかかることになります。

小規模の個人事業主であれば問題になりませんが、ある程度の従業員規模があるとコストの面では注意が必要です。

メールサービスによってはユーザーが増えるスケールメリットにより単価を下げてくれるものもありますが、G Suiteはいくらユーザーを追加しても1ユーザーあたりの単価は下がりません。

従業員数が多い場合には、コスト面をじっくり検討する必要があるでしょう。

個人アカウントをビジネスで使うには?

G Suiteでは独自ドメインが取得できますので、ビジネスシーンでの信用度が高まります。ただし状況によっては、無料版の個人アカウントでも、十分にビジネスで使うことができます。

複数アカウントを使い分ける

Gmailはひとりで複数のアカウントを持つことができます。1つしかアカウントを持っていない場合は、プライベートなメールもビジネスのメールも同じアドレスに届いてしまうことになります。

『このアドレスは仕事用』『こちらはプライベート用』などと使い分けをすることが、ビジネスシーンにおける賢い活用法と言えるでしょう。

用途ごとに複数のアカウントを使い分けることは、公私を混同しないためにも効果的です。ただし、あまりにもたくさんのアカウントを持ってしまうと管理できなくなります。

プライベート、仕事、メールマガジンの登録用など、多くとも4〜5つくらいにしておくとよいでしょう。

無料版、有料版を使い分けるのもあり

複数の無料版アカウントを使い分ける際に「ビジネス用だけは有料版にして信用度をあげたい」と考えることもあるでしょう。

そのときは無料版はプライベート用として使い分けて、有料版をビジネス用にするのも選択肢に入れてみてください。

全てを有料版にして使用するよりコストを抑えた活用ができ、ビジネス用のアカウントはストレージも増えますので、ドキュメントなどのデータを多く保存できて有効的な使い方もできるでしょう。

まとめ

Gmailは無料で利用できますが、ビジネスで利用するなら独自ドメインが取得できるG Suiteがおすすめです。ストレージ容量も大幅に増え、機能面やサポート体制が整っています。

無料のGmailをビジネスで利用する場合は、プライベート用とビジネス用のアカウントを分けるなどの工夫をして使いましょう。

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