応用情報技術者試験の概要
応用情報技術者試験は、基本情報技術者試験のさらに上のランクに位置するIT関連における難関国家試験です。
ITエンジニアの最高峰の試験であることからその難易度も高く、技術から管理、経営に至るまで、IT技術者としての幅広い専門的な知識が求められる試験でもあります。
試験形式は基本情報技術者試験と同じく、午前と午後に分けて行われます。試験時間はそれぞれ150分間あり、午前中が4肢択一形式の問題、午後は記述式問題が出題されます。
合格の基準も基本情報技術者試験と同様に、午前と午後それぞれの試験で100点満点中60点を取る必要があります。
ITに関する総合的な知識と技能を問われる
応用情報技術者試験の受験者は、ITに関する総合的な応用知識、専門技能をすでに身につけていることが求められています。
基礎的な能力をマスターした上で、基本戦略の立案やITソリューション、製品やサービスを実現する業務に従事する能力が問われているのです。
具体的には、需要者が直面する課題に対し独力で情報技術を活用した戦略を立てる能力や、システムの設計や開発を行い、信頼性や生産性の高いシステム運用サービスを実現するための知識や技能を問われています。
試験形式と科目
応用情報技術者試験は1日で行われます。試験は午前9:00〜12:00までの150分、午後13:00〜15:30までの150分間実施され、それぞれの試験で出題形式が異なります。
午前の試験は多肢選択式となり、4つの選択肢の中から1つを選ぶマークシート式です。問題は全部で80問出題されます。
一方午後の試験は記述式で出題され、全部で11問出題されますがそのうち5問を選択して解答することを求められています。
午前対策におすすめの参考書
午前試験はテクノロジー系の問題が50問、マネジメント系の問題が10問、ストラテジー系の問題が20問、合計80問で構成されています。
どの分野も高度なITエンジニアとして要求される高いレベルの知識が問われる内容になっているので、しっかりと対策を立てて学習する必要があります。
また、出題範囲が広いので勉強も効率的に進めることが大切です。頻繁に出題される類似問題が多くあり、毎回問われるき基本的知識もありますので、本番試験の出題傾向をつかんだ上で綿密な勉強計画を立てることが求められます。
ここでは午前試験の対策におすすめな参考書を紹介します。
応用情報技術者 合格教本
この本は応用情報技術者試験の出題をほぼ全て網羅したテキストで、午前試験と午後試験どちらにも対応した汎用性の高い一冊になります。
25回分の過去問とその解答のデータを収録したCD-ROMも付属しており、試験範囲を体系的に学習できるおすすめの参考書となります。
テキストをある程度学習したら、すぐに過去問に取り組むことをおすすめします。付属している詳細な解答を読むだけでも学ぶ点が多く、その後の試験勉強にも役立ちます。
キタミ式イラストIT塾 応用情報技術者
この本は、イラストレーターであるきたみりゅうじさんが執筆した参考書です。カラフルなイラストや図をいくつも用いて、イメージとロジックの双方を意識した読みやすい構成となっています。
きたみさんは元SEということもあり、業界の経験を生かした細やかな配慮が見られるおすすめの一冊です。
きたみさんの印象的なイラストによって、専門的で難解なIT知識が取り組みやすく分かりやすいものになっています。楽しみながら学習を進めることができることから、受験生にも人気の高いテキストです。
応用情報技術者 午前 一問一答問題集
この問題集には、収録されている300題以上の問題全てに解説がついているので、一問一問じっくり考えながら取り組むことができます。
出題分野ごとにきちんと分類もされているのでどこからでも取り組むことが可能で、効率的に解き進めることができます。
またkindle版も出ているので、通勤や通学の隙間時間を活用して利用することもできます。忙しい時間の合間を見つけて効率的に勉強を進めることができるおすすめの問題集です。
午後対策の手順
午前の試験は選択問題であり、単純な知識問題が多く出題される傾向にあります。しかし午後の試験は思考力や国語力が問われ、高度なレベルの応用問題が出題されます。
出題形式は記述式なので、問題文の意図を正確に読み取り理解した上で、求められる解答を分かりやすく短い文章で読み手に伝える必要があるのです。
得意分野に絞って勉強がおすすめ
午後の試験は、必須科目である情報セキュリティーを含め幅広い範囲から出題されます。
したがって短期間の効率的な勉強で合格するためには、全ての範囲に満遍なく手をつけるよりも自分の得意分野に絞って、無駄のない対策を立てて勉強することをおすすめします
応用情報技術者 午後問題の重点対策
午後試験は、ストラテジ系の3分野、テクノロジ系の6分野、マネジメント系の3分野、合計11分野から問題が出されます。
この全ての分野を学習するとなると膨大な時間が必要となるので、あえて分野を絞り自分の得意な範囲を重点的に勉強すると良いでしょう。
応用情報技術者過去問道場を活用
応用情報技術者試験の過去問を効率的に学ぶツールとして、『応用情報技術者過去問道場』というWEBアプリがあります。これはこれまでに出題された過去問が全て網羅されており、すべて無料で利用できる優れものです。
通勤や通学の隙間時間を使って手軽に勉強することができるので、ぜひこのアプリを活用されることをおすすめします。
過去問のやり込みは必須
おおよそどの試験においても、過去問対策は非常に重要になってきます。それは応用情報技術者試験においても変わりません。
試験を作る側も特別なことがない限り過去の出題傾向に沿った試験問題を作成し、重要な範囲に関しては本試験で何度も出題することで勉強すべきポイントをアピールするのです。
市販の問題集もありますが、あまりおすすめはできません。それらも過去問を参考に作られている場合が多いからです。過去問のやりこみは、試験勉強において最大の効果を発揮するのです。
過去問の再出題が多い
出題問題の大半は過去問をもとに作成されています。午前中の問題の中には何度も同じ問題が出題されていますし、過去問の類似問題が出題されているケースも多々あります。
また午後の試験も過去問で傾向と対策を探っておくことが大切です。
午前中ほど過去問がそのまま出題されるケースはありませんが、記述式である午後の問題も、過去問を解くことで解答の書き方を学ぶことができるので安心して試験に臨むことができるからです。
問題と解答のPDFを取得可能
応用情報技術者試験の運営元である情報処理推進機構のホームページには、これまでの全ての過去問とその解答、採点講評をPDF形式でダウンロードできるようになっています。
採点講評ではその問題を出題した意図や試験の対策などが具体的に記述されているので、受験前に一度目を通しておくと良いでしょう。
まとめ
応用情報技術者試験は、ITエンジニアとしての総合的な能力が試される難易度の高い国家試験です。
すでに実務において経験のある技術者の方が試験を通じて学習することにより、よりレベルの高いプロフェッショナルな知識を身につけることができるでしょう。
確実に合格するためにも、事前に計画を立ててしっかりと準備して試験に臨みましょう。