ソフトウェア開発の基礎知識
ソフトウェア開発の相場について学ぶ前に基礎知識を知ってしておくとさらに理解が深まります。開発の種類や、業界全体の相場について紹介します。
ソフトウェア開発とは?
ソフトウェア開発は、顧客のニーズや市場調査を踏まえた上で、必要とされている機能やサービスを製品に落とし込むという営業から納品に至るまでのプロセスをさします。
ソフトウェア開発には、コンピュータを動かすOSなどを扱う『システムソフトウェア開発』と、ゲームソフトや事務で利用するオフィス製品をはじめとした『アプリケーソンソフトウェア開発』、そしてデジタル家電などの内部に組み込むための『組み込みシステム』があります。
その中でも、特に企業を顧客として行われることが多いのが『システムソフトウェア開発』です。
システム開発全体の相場は233万円
システム開発全体の相場はおよそ233万円といわれています。ただし、システム開発についてはシステムの内容や規模によってかなり金額差が出るため、一概に200万円以上かかるわけではないという点には注意が必要です。
簡単なデータベースの作成であれば10万円以下で済む場合もありますし、大規模な会員サイトなどの駆逐を全て依頼する場合には800万円以上かかることもあります。
案件によって費用はかなり違うので、その都度で開発会社へ確認を取るようにしましょう。
開発の内訳は?
ソフトウェア開発の予算がどのように決まっているのか、その内訳について解説します。システム開発の構築費と、費用算出の方法について見ていきましょう。
ソフトウェア開発の比率
システム開発の構築費用は、『OSなどのハードウェアの開発費用』『ソフトウェアのライセンス費用』『アプリケーションの開発費』の三つの項目に分類できます。全体の開発費から見ると、この三つの費用の構築比率は1:1:3となるのが一般的です。
オープンシステムが主流になったことでハードウェアの価格が低下し、一つのソフトウェアに利用するプラグインやツールの数が増えたことで、アプリケーションの開発にさらに資金開発を要しているのが理由です。
出典:システム開発費の内訳は?ITコストの謎 | 日経クロステック(xTECH)
主な費用は人月単価という工数で決まる
システム開発にかかる費用は『人月単価』によって決めるのが一般的です。人月単価とは、1カ月あたりに必要なエンジニア1人分の単価です。
2人の技術者が2カ月で作る場合は、2人分×2カ月分で『4人月』というように算出し、この総額によって全体的な費用を算出します。
技術者の単価の相場は上級システムエンジニアであれば、月に100~160万円、プログラマはもう少し安く、大手企業でも50~100万円というのが一般的な金額です。
開発費用を安く抑えるためには?
開発費を安く抑えるためにはどんな点に気を付けて、発注すれば良いのでしょうか?費用を抑えるポイントについて解説します。
具体的なイメージを伝える
これはソフトウェアの開発に限りませんが『実装して欲しい機能や仕様を具体的に伝える』というのが非常に重要です。
イメージが固まってないままに発注してしまうと、思っていたものと違うものがあがってくることがよくあります。修正ややり直しの費用がかかりますし、さらに期間が必要になるでしょう。
システムのイメージをしっかりと持って、導入して欲しい機能と不要な機能の線引きをしっかりと行っておくことが大切です。
使用年数を想定する
設計段階から使用年数を算出するというのは難しい作業ですが、明確に短期間しか使用予定のないソフトウェアに何百万円も予算をかけるのは、負債になってしまう可能性が大きいでしょう。
また、IT業界のように市場の動向や変化が著しい環境での使用は、短期間でソフトウェアの刷新しなければならないケースも十分にありえます。使用年数や耐久期間については、あらかじめしっかりと考慮する必要があるでしょう。
パッケージを利用する
システムの構築の方法には、すべてをオリジナルで1から開発する『フルスクラッチ』の他にも、必要な機能やサービスがある程度揃えられたソフトウェアが製品化された『パッケージ型』やインターネットを通じて機能を提供する『ASP型』または『クラウド型』などの方法があります。
全てを自社開発する『フルスクラッチ』は、他の方法に比べて膨大な費用がかかります。しかし、パッケージ型やASP型のソフトを利用すればコストをかなり抑えることができるでしょう。
ただし、パッケージ型やASP型は必ずしも望む機能が使えるとは限りません。開発会社などに依頼すればカスタマイズも可能ですが、ある程度のコストの算出や、仕様通りの機能が使えないことは留意しておく必要があります。
まとめ
ソフトウェア開発の相場については、どんなソフトを開発するかによって人月単価が変わってくるため、一概には言えません。しかしながら、パッケージ型ソフトの利用によって、費用を安くすることは可能です。
さらに費用を抑えるためには、どんな機能が必要か、また利用年数などを具体的に想定して開発事業者に伝える必要があります。どんなソフトが自社にとって必要なのか、あらかじめ検証してからソフト開発に移ることが重要です。