経理の業務はフリーランスならではの悩み
経理の業務はフリーランスだからこその悩みだと言えます。具体的にどのような悩みが生じているのか解説します。
本業とは別の業務に時間を割かれてしまう
経理の業務に時間を費やすことは、本来費やすべき本業とは別の業務に時間を割かれることを指します。会社員のころとは異なる税金を納めなければならず、それに関連して覚えるべきことは非常に多いので負担は大きくなるでしょう。
同じフリーランスであっても、所得や働く場所などに応じて、経理業務の中でしなければいけないことは異なります。経理で起こるであろう複雑な作業に関する負担を減らすためにも経理代行の導入や、会計ソフトの利用は欠かせません。
どんな業務を任せられるのか
経理代行では、大きく分けて4つの業務を任せることが可能です。具体的にどんな業務を行うのかを解説します。
記帳業務
記帳業務は会社員の時にもやる、経理において基本的な業務です。ほかの経理上の業務にも深く関わっています。
専門知識に関してはそこまで必要ではないものの、量が多く負担になりがちな業務です。経理代行のサービスを利用すれば、領収書、請求書のコピーを渡すだけで記帳業務を行ってくれます。
給与計算
もし、個人のフリーランスではなく社員を雇っているまた誰かしらに業務を委託している場合は給与計算も重要になります。
それぞれの雇用形態、就業規則、扶養家族、入退社情報などと会社が決めている就業規則に基づき給与計算を行わなければなりません。雇っている人、委託先など異なる情報に基づき適切な処理を行わなければならないのはあなた自身にとっても大きな負担でしょう。
しかし、それだけではなく、もし給与計算を適切に行うことができなければ、社員や委託先からの信頼を失う恐れがあります。経理代行に任せて適切な対処を行うのも大切です。
売掛金・買掛金管理
売掛金・買掛金の管理は経理の処理の中でも特に大切です。売掛金を回収できていないなどという状況になれば、最悪の場合、黒字倒産になる恐れもあります。売掛金の時効期間は民法で明確に定まっております。それぞれの売掛金に合わせて適切な処理を行わなければいけません。対して買掛金は誤って支払わずに放置してしまった場合、税務調査で指摘される場合があります。状況によっては裁判上で請求される場合も存在します。
売掛金・買掛金の管理を経理代行に依頼することによって予期せぬ事態を防ぐべきでしょう。
決算、申告や年末調整業務
決算、申告などの年末調整業務は1年分の記帳、決算書、申告書、税の申告などを行わなければいけません。フリーランスの方にとって相当な負担となるでしょう。
所得税などそれぞれの状況によってことなる税や青色申告特別控除のようなものも存在します。状況にあった処理をしなければ、時間的だけではなく、必要のない金銭的な負担も生じます。
年末調整に必要な書類を経理代行に渡し、任せることで期限までに適切の経理を終え、状況に応じた税金の処理をできるでしょう。
持つ資格によって異なる費用や依頼できる業務
経理代行といってもやることが可能な業務、生じる費用はは持つ資格によって大きく異なります。その資格ごとにどんな業務が可能なのか解説します。
記帳代行に資格は必要ない
経理において基本的な業務である記帳代行に資格は必要ありません。税理士などだけではなく代行業者に経理代行を依頼することもできます。1仕訳あたり(領収書や伝票1枚当たり)の料金の相場は50~100円ほどです。
記帳代行を税理士に依頼するメリットとしては決算申告や節税に関しても依頼することができる点です。対して、記帳代行業者に依頼するメリットは相場が安いという点です。
駆け出しのフリーランスにとって金銭的な負担が低いのは魅力的かもしれません。ただ、税理士と比べて守秘義務が記帳代行の場合明確に定められていません。それゆえ、契約内容に十分注意してください。
税理士は申告や提出の代行業務が可能
決算申告や節税に関しては、税理士が代行可能です。税理士ののみ行える業務は3つあります。税務代理、税務署類の作成、税務相談です。記帳代行はこれらの行為に当てはまらないものの、申告は税理士でなければできません。相場は白色申告か青色申告、年間売り上げがどの程度なのかによって大きく異なります。
白色申告の場合、事前申請の必要もなく、複式簿記をつけなくて良いので手間があまりかかりません。そのため、白色申告だと、5万円~10万円程度が相場になります。
対して、青色申告の場合、事前申請の必要があり、提出書類も増加し、帳簿づけも白色申告の場合に比べて複雑になります。しかし、青色申告特別控除や、赤字が3年間繰り越せること、家族への給与を経費にできるなどのメリットが存在します。
青色申告は、白色申告に比べて報酬が高いものの、売り上げによって相場が異なります。
具体的には、青色申告と記帳代行を税理士に依頼する場合、売上が500万円未満で報酬の相場は10万円以上、500万円から1000万円で15万円以上、1000万円から3000万円で20万円以上と言われております。
会計士は企業の財務表を監査できる
会計士は監査を行うことができます。これは、会計士のみに認められている独占業務です。これは企業が作成した決算書が適切なものか確認し、報告、表明する業務です。一部の大手企業、上場企業などは金融商品取引法、会社法に基づき、監査を受けなければいけません。そのため、一部の大手企業、上場企業には、会計士の独占業務である監査が必要になるのです。
会計士の業務はフリーランスとの関係は低いです。会計士がどんな業務を行うかは頭の片隅においておくのでいいでしょう。
経理代行を導入する上での注意点
経理代行を導入すれば、経理上の業務も減り本業に集中することができるでしょう。しかし、経理代行の業務においても注意すべきことはいくつかあります。
契約内容の確認
たとえ、経理代行を導入したとしても、契約外となっている業務を任せることはできません。どこからどこまでの範囲を、誰に、いつまで任せるのかについては気を付けましょう。
税理士は法律上、守秘義務が明記されているものの、業者の場合は法律においてそのようなことが決められていません。法律によって既に決められていること、そうでないことがあるのでその点に注意して契約を結びましょう。
会計のノウハウを蓄積できない
経理代行を導入すれば、会計のノウハウを組織内に蓄積させることはできません。近年のIT技術の進歩に伴い、申告や納税の電子化など様々な改革が推し進められております。
ノウハウを企業内で蓄積させないことで、経理に関連した改正を把握できず担当している経理代行によっては、その改正に伴う恩恵を受けられなくなる可能性があります。もし経理代行を導入したとしても経理に関する改正に注視し、その状況に即した適切な経理代行を選びましょう。
まとめ
フリーランスが経理代行を導入した場合依頼できる業務、利点などを解説しました。フリーランスは会社員の時よりも管理しなければならないことが多いです。フリーランスとしての生活を楽しむためにも、経理代行を通じて経理を管理してみてください。