アートディレクターとは?
『アートディレクター(AD)』とは広告の視覚情報に関する分野を担当し、デザイナーやクリエイターを統括する立場の人です。
特にWeb制作会社やインターネット広告の代理店では、視覚情報に関わる成果物に対して大きな責任を負っています。デザインやWeb広告の分野では、具体的にどのような業務に携わっているのでしょうか?
アートディレクターの仕事内容
アートディレクターはデザイン代行会社やWeb制作会社・Web広告の代理店で、ビジュアルデザインを統括する立場の職種です。デザイン業界の中心ともいえる存在であり、携わるクリエイティブの種類は多岐にわたります。
Web広告業界では1番上に最終的な成果物の責任を負うクリエイティブディレクターを置き、アートディレクターやコピーライターがそれぞれ『言葉』『視覚表現』を担当するのが基本です。
アートディレクターはデザインや制作物の企画から参加し、実際にデザインを担当するデザイナーに全体の方向性やコンセプト・スケジュールに関する指示出しを行います。
自らデザインを担当する場合もありますが、キャリアが上がるにつれて指示出しやマネジメント業務が中心になっていくのが特徴です。デザイナーとしての経験や技術はもちろん、周囲からの信頼を得られる対人スキルも求められます。
アートディレクターの平均年収
アートディレクターはクリエイティブ職の中では、比較的高い収入を得られる職種です。平均年収はどの程度なのでしょうか?全体の平均と事業規模・年齢別の平均年収を見ていきましょう。
全体の平均年収
アートディレクターの平均年収は499万円程度で、日本における全職種の平均年収よりも比較的高くなっています。
月給に換算すると約29万円以上にはなるため、デザイナーとして働いている人の中には年収アップのためにアートディレクターへの転職を考えている人もいるでしょう。
ただし地域差だけでなく業界や個人の能力によっても年収額に差が出る職種です。高い人と低い人では328〜878万円も開きが出てきます。
経験とスキルが豊富なアートディレクターの中には、年収1000万円を超える人も珍しくありません。
出典:アートディレクターの年収を詳しく解説!|平均年収.JP
事業規模別の平均年収
働く会社の事業規模も年収に関わる要素です。大手の企業と中小規模のデザイン事務所や制作会社とでは、年収額に相応の差が出てきます。
大手と中小規模それぞれの年収や特徴を見てみましょう。
大手のデザイン会社・広告代理店
有名な大手のデザイン会社や広告代理店の場合、アートディレクターの収入は他の企業の社員やデザイナーが得ている平均収入より高めになっています。
社員数が1000名を超えるような大企業では、デザイナー全体の平均年収も500万円以上が一般的です。ビジュアルデザインを総括する立場のアートディレクターになると、年収が1000万円を超えるケースも出てきます。
企業規模が大きければ必ずしも高い年収を得られるとは限りませんが、社員規模が大きい企業は安定して高収入を得られる傾向はあるようです。
出典:アートディレクターの年収を詳しく解説!|平均年収.JP
中小規模のデザイン会社や広告代理店
中小規模のデザイン会社や広告代理店では、アートディレクターの平均年収に差が出るのが特徴です。400〜800万円が最も多くなっており、実力に応じた報酬設定を取り入れている企業もあります。
担当したプロジェクトが成功を収めたことで注目され、年収増につながるケースも少なくありません。年功序列ではなく実力主義の中小企業なら、若手のうちから高い年収を目指すことが可能です。
ただデザイナー自体の平均年収は、大手企業と比べて低めの傾向があります。中小規模のデザイン会社・広告会社でデザインに携わりながら年収アップを目指す場合、アートディレクターへの転向は魅力的な選択肢でしょう。
出典:アートディレクターの年収を詳しく解説!|平均年収.JP
年齢別の平均年収
アートディレクターにはデザインの経験・スキルが必須です。キャリアを積んできた人の方が年収も高くなっていく傾向にあります。年代別の平均年収は次の通りです。
- 20〜24歳:530万円
- 25〜29歳:445〜495万円
- 30〜34歳:468〜568万円
- 40〜44歳:539〜660万円
- 45〜49歳:617〜739万円
- 50〜54歳:682〜792万円
- 55〜59歳:675〜785万円
- 60〜65歳:435〜785万円
ある程度の経験を積んだ30代以降は年収が上がっていく傾向があります。ただアートディレクターは、携わったプロジェクトや個人のスキル・業界によって年収に差が出る職種です。
個人のスキルと事業規模・デザイナー全体の年収を考えて、実際にどの程度の収入になるかを判断しましょう。
出典:アートディレクターの年収を詳しく解説!|平均年収.JP
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アートディレクターの収入の特徴
アートディレクターの収入にはどのような特徴があるのでしょうか?他のクリエイティブ職との違いや、年収アップに関わる特徴をチェックしましょう。
他のクリエイティブ職よりも比較的高収入
デザイナーやクリエイターといった他のクリエイティブ職に比べて、比較的高収入なのがアートディレクターです。広告代理店やデザイン会社では、実際に成果物を作るだけの人材より進行管理まで行う人材に多くの報酬を支払います。
特に中小企業で実力重視の報酬設定なら、担当したプロジェクトで成果を上げたアートディレクターの年収は他のクリエイティブ職より大幅に上がるでしょう。
デザイナーとしてのスキルやマネジメント経験のあるアートディレクターは、一定以上の需要がある職種です。実際に成果物を作る立場に比べてライバルも少なく、企業から重宝されます。
賞を受賞することで年収アップも
広告賞やデザインに関する有名な賞を受賞し、アートディレクターとして有名になると年収アップにつながる可能性があります。企業で働く場合もフリーランスとして働く場合もネームバリューは重要です。
賞を受賞してクリエイターとしての実力を示せると、ディレクターとしても優秀と判断するクライアントが多くなります。賞をきっかけに名前が広まれば、所属している企業の利益になり報酬として還元されるケースが増えるでしょう。
独立して活動しているアートディレクターの場合も、有名になることで高い報酬の案件を獲得できるようになります。
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アートディレクターにおける収入アップのポイント
アートディレクターは就職する企業や携わった業務経験・スキルによって、大きく年収が変わる職種です。収入をアップさせるポイントは何なのでしょうか?
高収入の企業に転職する
もともと高い報酬を設定している企業に所属すれば、必然的に収入アップを実現できます。相場よりも低い報酬しか得られない企業で働いていた場合は、転職で収入が上がる可能性が高いでしょう。
成長途上でマーケットが広がっている業界にシフトするのも、アートディレクターの収入アップに効果的です。
プロジェクトの上流工程を担当する
アートディレクターでも現場でデザイナーとともに作業をする立場よりは、プロジェクトの上流工程で全体を舵取りする立場にあるディレクターの方が収入は高くなります。
進行管理ではなくデザイン自体に多く携わっている状態なら、上流工程に関わる立場を目指しましょう。
特に大きなプロジェクトはディレクターとしての実績を作る良い機会です。結果が出れば業界で名前が広まり、所属している企業に多くの仕事が入ってくる可能性もあると言えます。
フリーランスとして独立する
アートディレクターは独立すると、デザイナー・クリエイターと比べて高い収入を得られる職種です。ある程度経験を積んだアートディレクターの中には、フリーランスとして高収入を得ている人もいます。
メディアで取り上げられるほど有名なアートディレクターは、自分の事務所を開いて仕事を受けているケースも少なくありません。能力次第で高報酬の案件を獲得できるため、企業で働くより大幅に年収が上がる場合もあります。
ただしフリーランスとして独立すると、全て自己責任でビジネスを回していかなければなりません。案件を獲得する営業スキルや、組織をうまくマネジメントする能力も求められます。
将来的にアートディレクターとして独立を目指すなら、実務経験を積みながら経営のノウハウも学んでおくとよいでしょう。
出典:アートディレクターの年収を詳しく解説!|平均年収.JP
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アートディレクターへのキャリアパス
デザイナーとしてのスキルやチームをまとめた経験がある人は、アートディレクターに向いているかもしれません。現在のクリエイティブ職からアートディレクターに転向したい場合は、どのような方向性でチャレンジすればよいのでしょうか?
豊富な実務経験が必要
アートディレクターになるのに年齢は関係ありませんが、デザイナーやクリエイターとしての豊富な実務経験は必須です。実務経験が浅ければ、適切な方向性の決定やクリエイターへの指示出しができません。
少なくとも2〜3年はデザイナーやクリエイターとしての経験と実績が求められます。アートディレクターとして転職したい場合は、同分野のデザイナーとしての経験が必要です。
現在担当しているのが別の分野だったとしても、応募先の企業が納得するようなデザイナーとしての実績があれば転職に生かせます。チームのマネジメント経験が豊富なら現場のディレクションを担う立場で採用される可能性もあるでしょう。
まずはデザイン会社や広告代理店で活躍する
経験と実績が求められるため、未経験者や経験の浅い人がアートディレクターとして活躍するの事は難しいでしょう。転職に必要な経験が足りないと感じる方は、まずはデザイン会社や広告代理店などでデザイナーとしての実績を積みましょう。
周囲から認められる実績を上げれば、転職に有利な要素が多くなります。
優秀な人材ならば性別や年齢にかかわらず、アートディレクターとして活躍できる可能性があります。デザイナー経験が浅い状態からキャリアチェンジを試みる場合は、経験年数が少なくても採用されるデザイン会社・広告代理店を探してみると良いでしょう。
まとめ
アートディレクターの仕事内容と平均年収、収入アップのポイントを解説しました。アートディレクターはデザイナーやクリエイターを統括し、デザインや広告プロジェクトを主導する役割を持っています。
数あるクリエイティブ職の中でも年収は比較的高く、人気のある職種です。ただしアートディレクターは豊富なデザイン経験がなければ務まりません。デザイナーやクリエイターとしての能力に加えて、周囲から信頼される対人スキルも必要です。
アートディレクターに転向できた後に経験とスキルを磨けば、大手企業のディレクターやフリーランスとして高い年収を得られるチャンスが待っているかもしれません。