バックエンドエンジニアの副業との付き合い方

バックエンドエンジニアをしている髙妻智一(@Tomokazu106)です。

普段はGincoという会社で、仮想通貨取引所向けに仮想通貨を管理するシステムの開発をしています。その前は、新卒でサイバーエージェントに入社し、スマホゲームを作っていました。

ここ数年は、個人で技術ブログを書いたり、いろんなイベントに登壇したりと、アウトプットすることに重点を置いています。

▲ Google Insideで登壇した時の写真

その一環で、初の技術書を出版をしました。「Goで始めるBitcoin」というタイトルで販売中なのでぜひご覧ください。

▲ 「Goで始めるBitcoin」

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副業の魅力は収入アップと新しいチャレンジ

本人が置かれている状況によって変化すると思いますが、副業に邪魔をされて本業が疎かになるのは本末転倒です。

個人的に“副業は副業でしかない”ので、そこまで時間を割くべきではないと考えています。副業に割く時間が多くなってくるのであれば、本業にした方がいいでしょう。

この前提のもと、私が副業に求めるものは2つ。1つ目は「収入アップ」、2つ目は「新しいチャレンジ」です。

収入アップ

収入が減ることが多いベンチャーへの転職を選んだのは自分ですが、それを仕方がないと受け入れられるほど若くないので、収入をカバーするためにも副業は大事ですね。

実際問題として、ベンチャー企業でも大企業でも、正社員としての給料なんて年に数十万円上がれば、いい方じゃないでしょうか?

平均はもっと低いと思いますし、100万も年収が上がるなんてことはほぼないと思います。一般財団法人 労務行政研究所が出している資料「2020 年賃上げの見通し」によると、直近10年の昇給率は1.6%~2%台となっているので統計的にも合ってそうです。

しかし、副業なら年収が大きく上がる可能性があります。仕事を任せてもらえるだけのスキルが必要ですが、正社員で年収を100万アップさせるよりかは圧倒的に簡単なので、やらない手はないです。

スキルの有効活用

副業で大事なのは時間をかけないことなので、今あるスキルで成果の最大化を行うのが大切です。

本業で成果を出してきた人であれば、これまでの経験を通して得た知見とスキルはかなりのものだと思います。

それらを駆使すれば、短期間で高いバリューが出せるはず。

本業一本で大成功させて大金持ちになるのもいいと思うし、本業+副業でバランスを取りながら自分の人生に余裕を持たせるのもありだと思います。

私自身、一つのことに集中するのは憧れるし、かっこいいと思っています。しかし、それは成功すればの話。自分の頭で考えて常に軌道修正しながら自分にあった働き方・稼ぎを実行していくことの方が大事ではないでしょうか。

新しいチャレンジ

収入アップだけが副業の魅力ではありません。新しいチャレンジができるのも副業のいいところです。

私の場合、社内異動は割と簡単にできる会社でしたが、興味を持ち始めていたブロックチェーンを扱う部署はありませんでした。そこで、ブロックチェーン関連のベンチャーを友人に紹介してもらいました。

当時、ブロックチェーンを扱う企業は今より圧倒的に少なかったので、運よく副業として携わりながらブロックチェーンについて学ぶことができました。

副業がきっかけで転職し、現在のGincoに就職

興味があることに副業で挑戦するのもありです。私は副業経験を経て、ブロックチェーンのへの興味が増しました。そこで副業先との契約が終わってからも独学を続け、技術ブログで積極的にアウトプットするように。トータルで400記事ほど書き、ブロックチェーンの分野である程度の認知を得られるまでになっていました。

そんな感じで1年くらいTwitterと技術ブログで発信しているうちに、現職であるGincoの役員陣から連絡をもらい、ブロックチェーンを本業として取り組むことを決めました。

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副業では案件を受ける基準を明確に

副業といってもどこの会社から、誰から受けるのかは非常に重要です。ここを安易に考えて、とりあえず受けようとすると失敗の元になりますので、案件選びには慎重になってください。自分も一度失敗したことがあるので、失敗談も紹介します。

この記事で何度も書いていますが、副業には基本的に時間を使わないという考えが軸としてあるので、案件の内容を聞いて時間がかかりそうだったり、短期間でバリューが発揮できなそうな案件は基本的に受けません。

では、どんな案件であれば受けるのかというと、1つ目は「知り合いの案件」、2つ目が「手を動かさない案件」です。

知り合いの案件

私は人材系のサービスに登録して副業案件を得ているわけではなく、知り合い伝いで受けることが多いです。

初めて副業する人は、知り合いから受けることをおすすめします。というのも、副業は本業の後の数時間だけ、と思っていても想定より時間が取られたりします。

しかも、一度受けたら短くても1ヶ月くらいはその生活を続けないといけないので、体力的にも、精神的にも休まらず、本業でいっぱいいっぱいの人には結構きつくなってきてしまいます。

すでに信頼関係もできていて、融通の利く知り合いからまずは案件を受けることをお勧めします。最初は知り合いの案件をお手伝いして、次はその知り合いの知り合いの案件をお手伝い、という感じが理想ですね。ある程度信頼関係があると心理的安全性があるので安心して受けられるはずです。

手を動かさない案件

私が優先的に受ける案件は、自分が手を動かさない案件です。具体的には下記2つになります。

  • アプリケーションの実装をしない
  • データベース設計を行わない

特にアプリケーションの実装の場合、検証からリリースまでかなりの項目をやり遂げなくてはいけません。そうすると不確定要素が増えるので、見積もりも難しくなります

また、言語、開発環境とか環境依存なものに時間を取られて本題に取り組むまでのオーバーヘッドがあったり、開発のコントロールもしづらいため、短期間でバリューが出しづらいのもあります。

DB設計もアプリケーションの仕様をすべて把握しないといけないので、短時間で行うには割と大変です。仕様はコロコロ変わったりするものなのでキャッチアップも大変ですしね。

インフラの設計/レビューなど知見を有効活用できるもの

では、実際に何を行うかというと次のようになります。

  • 適切なインフラの選定
  • 設計済みインフラのレビュー

「これからインフラを構築しようとしているけど、どっちのミドルウェアを使用すべきなのかわからない」といった具体的な相談から、「そもそもAWSとGCPどっちを使うべき?」といったざっくりした相談までさまざまです。

「そんな案件あるの?」と思うエンジニアの方も多いと思いますが、意外とあります。まだまだ世の中、クラウドを使ったことない人もいるんです。

また、アプリケーション全体の設計を行うこともあります。めちゃくちゃ複雑でなければ、大抵は同じような設計になるので、仕様を細かいところまで把握していなくてもインフラの設計はできます。

こういった案件であれば、自分の持っている知識を活かして聞かれたことに答えていくだけなので想定通りの時間しかかかりません

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実際の稼働開始までの流れ

自分の場合は仕事終わりか休日にカフェなどで話して決めることが多いです。

そこで具体的に求めている成果と報酬について一気に確認します。この2つが合わない場合は、そのミーティングだけで終わるのでコストもそんなにかかりません。

自分が受けられる範囲内であればもう少し踏み込み、詳細な内容と稼働時間などについて確認します。合意できれば、その後CloudSignなどで業務委託契約書にサインして、すぐに業務開始。

基本的にリモート可なものしか受けないので、できる日にどんどん進めます。その際に取り組んでいる内容をメッセンジャーで都度報告するようにしています。そうすることで相手に安心して任せてもらえるようになります。

タイムマネジメントで意識していること

副業か本業かに関わらず、タイムマネジメントは大事なことですね。数回やりとりすれば、この人は地雷だな、みたいなのって割と簡単にわかります。なので、時間への意識はめちゃくちゃ大事にしたいところです。

私は副業のタイムマネジメントについて、「案件を受ける前」と「案件を受けてから」に分けて考えています。

案件を受ける前に気をつけていること

タイムマネジメントは案件を受ける前から始まっています。本業以外の可処分時間を副業に割り当てるので、どのくらい時間がかかる案件なのか、しっかり把握することが大事です。

1案件で月40時間のような、工数の大きな案件は受けないようにしています。週10時間なら大丈夫かと思ってしまいそうですが、実際やってみると大変ですし、心理的にもストレスかかります。特に手を動かす案件の場合は不確定要素が多いので、より慎重になるべきですね。

なるべく短時間・短期間でバリューを発揮できるものを選んでいます。そこでうまくいけばそのまま継続して契約を伸ばしていけばいいので、最初から長時間・長期間の契約は、お互いにとってあまりメリットはありません。

あと、定期的に集まらないといけない案件は避けていますね。過去に一度だけ、毎週土曜に集まってミーティングをするという案件を受けてしまい、大変な思いをしたことがあります。隣の駅だから楽かなと思っていましたが、わずか1時間くらいのミーティングのために毎週行くのは気が重くなり、最終的にその案件からは離れました。

関わる人を見極める

専門的な仕事を受けるといっても、人と仕事をすることになるので関わる人を見極めるのは非常に重要です。私はいろんな失敗を通して業務内容以上に、誰と関わるかは気にするようにしています。

挙げればきりがないですが、一番ダメだなと思うのは返信が早くない人です。返信が早くない人はほぼ仕事できない人ですね。

大抵こういう人は決めるのも遅いし、重要な判断ができない、決断を後回しにしていつもタスクで溢れています。そうするとこちら側にしわ寄せがきたり、余計な心配をしないといけないので、そういった人がいる案件は問答無用でお見送りします。

案件を受けてから気をつけていること

案件を受けてから気をつけていることが2つあります。1つ目が即レスすること。2つ目が最初に信頼関係を築くことです。

slackとかメッセンジャーを繋げてもらったらなるべく早く即レスしていくことですね。最初に相手に信頼してもらうと、今後の仕事がやりやすくなるので最初に一番頑張ります。

普段からアウトプットしておく

最後にアウトプットについて書いておきます。技術ブログ、個人開発、Youtubeなんでもいいですが、普段から自分がやっていることや得意なことをアウトプットしておくとさまざまなメリットがあります。

例えば直接の知り合いじゃない人と仕事をするとき、自分の信頼度を示すアウトプットがあれば、明らかに仕事を任されやすくなります。

副業のためにアウトプットを推奨するわけではないですが、結局、結果でしか人は評価できないですからね。

同じような人と、同じような仕事をしている人こそ副業を

もっと自社のことに時間を使ってくれと考える会社経営者もいるでしょう。

しかし、従業員の立場になってみると話は別。働きまくったとしても、収入が増えるわけではないのが実情です。働き方の方針は、人それぞれ自由です。しっかり自分でどうするべきか考えるいいタイミングだと思います。

同じような人と、同じような仕事をしている人は、一つのことに取り組むのが普通になってしまい、そもそも副業しようなんて考えなかったりしますよね。でも、そういう人にこそ、一度くらいは副業を経験してほしいと思います


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