フリーランスの仕事の探し方、取り方
会社員であれば与えられた仕事をこなしていれば給料を支払ってもらえますが、フリーランスは何もしなければ誰からも仕事を与えてもらえません。仕事がなければ収入が得られないことから、自ら仕事を探す必要があるのです。
しかし、闇雲に探しても希望する仕事を見つけることは難しいでしょう。一体どのような方法で仕事を探すことが効果的なのでしょうか。その方法をいくつか紹介します。
知り合いや既存の顧客に相談する
株式会社日本アプライドリサーチ研究所が行なったフリーランスに対するアンケート結果によると、フリーランスとして仕事を受注する方法として、知人や同業者からの紹介が全体の55%以上を占めています。
発注者側からすれば、これまで付き合いがある人であれば人となりが分かっていることから、仕事を依頼しやすいという側面があるのです。
クラウドソーシングや仲介業者を利用する
クラウドソーシングや仲介業者を利用して仕事を探すという方法があります。
クラウドソーシングは事前に自分のプロフィールやスキルを登録しておき、希望に沿った仕事を探していくという流れです。仲介業者は、最初に登録手続きを済ませておけば、自分に適した仕事を代わりに探してくれます。提示された案件ごとに、受けるか断るかを判断すればよいので、仕事を探す手間が省けるのです。
登録するだけなら無料の場合がほとんどなので、できるだけ多くのクラウドソーシングや仲介業者に登録しておきましょう。
仕事獲得のために準備すべきもの
フリーランスが自分の希望に沿った仕事を獲得する際、発注者側に自分のスキルや実力を分かりやすく伝えられるものがあれば非常に便利です。ここでは、フリーランスが仕事を獲得するために準備すべきものを紹介します。
業務経歴やスキルを整理した職務経歴書
フリーランスが仕事を探す際は、事前に業務経歴やスキルを整理した職務経歴書を用意しておきましょう。これまでの経歴や身につけたスキルを発注者側に伝えることで、発注者側も仕事をお願いしやすくなります。
働いてきた会社の名前や携わったプロジェクト、具体的なスキルや、スキルを証明する資格などがあれば、できる限り詳しく記載するように心掛けましょう。
実績や作品をまとめたポートフォリオ
自分のスキルを相手に正確に伝えるために、これまでの実績や製作した作品をまとめたポートフォリオを作成しておくことをおすすめします。
ポートフォリオの形式に決まりはありません。できるだけ、相手が見やすい体裁のポートフォリオを作成することが重要です。紙媒体やインターネットを活用して、工夫しながら作成しましょう。
フリーランスになるタイミングの見極め方
会社を辞めてフリーランスとして活動を開始するタイミングを間違えると、なかなか仕事が見つからず、貯金を減らしながら生活することもなりかねません。ここでは、フリーランスになるタイミングの見極め方を紹介します。
仕事をもらえる見込みがある時
仕事をもらえる見込みがないのにフリーランスとして独立することは、あまりおすすめできません。
仕事がなければ仕事をもらうために時間を割いて営業する必要がありますが、駆け出しのフリーランスが仕事を獲得することは決して簡単ではありません。逆に、仕事をもらえる可能性がある場合は独立するチャンスです。
特に、継続して仕事がもらえて収入が安定するめどが立つのであれば、フリーランスになるタイミングだと判断してもよいでしょう。
まとまった額の貯金はしておくべき
仕事がもらえる見込みがあるとしても、クライアントの事情が急に変わり、仕事がもらえなくなることもありえます。万が一の場合に備えて、まとまった額の貯金をしてからフリーランスになるのがベターです。
自らの仕事に集中するためにも、少なくとも半年間は仕事がなくても生活できる程度の貯金をしておきましょう。貯金が少ない状態で焦って独立すると、アルバイトに追われたり、借金をかかえたりなど、余計な苦労することになりかねません。
景気が良い時
フリーランスとして独立する際は景気の動向を見極めましょう。なぜなら、フリーランスは景気に影響を受けやすい存在だからです。
景気が良ければ仕事をもらえる機会も多くなる一方で、景気が悪くなれば簡単に契約が打ち切られるケースもあります。突然収入源を絶たれてしまい、生活が成り立たなくなる可能性もあるのです。
そのような事態を避けるためにも、できる限り景気が良い状況で独立することをおすすめします。
仕事選びで失敗しないコツ
フリーランスとして活動するのであれば、仕事を選ぶ際の基準を設定することをおすすめします。何の基準も設定せずに闇雲に仕事を引き受けると、割に合わない仕事をするハメになります。
仕事選びに失敗せず、着実にステップアップするためにも、自分なりに一定の基準を設定しておきましょう。
希望報酬や条件を決めておく
例えば、報酬が一案件30万円以下の仕事は引き受けないとか、締め切りが厳しい仕事は引き受けないなど、事前に報酬の金額や仕事を引き受ける際の条件を自分なりに設定しましょう。
一定の基準を設けることで、極端に単価の低い仕事やノルマの厳しい仕事に取り組むことがなくなり、余計なストレスを感じることなく効率的に仕事に取り組めます。
仕事がないときでも単価を下げるのは避ける
なかなか希望の仕事を得ることができない場合でも、一度設定した単価を安易に下げることは避けた方がよいでしょう。
確かに、単価を下げることによって仕事を獲得しやすくはなるでしょう。しかし、一度単価を下げてしまうと、再び単価を上げることが難しくなる場合があります。
その結果、常に低い単価で仕事を引き受けなければならない状態になり、満足のいく収入を得られないという悪循環に陥ってしまうのです。
自分のスキルアップに繋がるものを選ぶ
フリーランスとして着実にスキルアップしていくためには、仕事の中身を見極めることも大切です。単純に単価が高い仕事であれば自分のスキルアップに繋がるとは言い切れません。
また、流行りの仕事だからと安易に飛びついても、一過性のものであれば、流行が去った後は何も残らない可能性もあります。フリーランスとして大切なことは、自分の能力を磨いていくことです。
そのためには、できる限り自分のスキルアップに繋がる仕事を選び、仕事を通じてステップアップするように心がけましょう。
信頼できるクライアントかどうか見極める
フリーランスに仕事を発注してくるクライアントは個人から大手企業までさまざまですが、どんなクライアントでも誠実に対応してくれるとは限りません。
クライアントの中には、明確な指針を示さず、ほとんど丸投げで仕事を任せて、納品すると細かく修正依頼をしてくるというような担当者もいます。ひどい場合では、報酬を支払うことなくいつの間にか姿を消すというケースもあるのです。
仕事を引き受ける際は事前にコミュニケーションをきちんと取り、信頼できるクライアントかどうか見極めるようにしましょう。
安定収入を増やす方法
会社員と違って、フリーランスは将来の仕事が約束されているわけではありません。毎月決まった収入が得られる保証はどこにもないので、収入を安定化させるために、自ら意識して行動することが求められます。
ここでは、フリーランスが安定収入を得るための具体的な方法をいくつか紹介します。
特定のクライアントに依存しない
フリーランスとして活動する際、特定のクライアントだけと仕事をすることはできるだけ避けましょう。確かに、高い報酬を支払ってくれるクライアントはフリーランスにとって大切な存在です。
しかし、突然、そのクライアントから仕事を打ち切られる可能性もあります。安定した収入源が突如絶たれてしまうと、路頭に迷うことになりかねません。
そのような事態を避けるためにも、常に信頼できる複数のクライアントと付き合いながら仕事を進めることをおすすめします。
仕事の種類や幅を広げる
安定収入を増やすために、仕事の種類や幅を広げる努力をすることも重要です。もちろん、一つの仕事に集中して取り組み、その仕事を極めることは大切です。
しかし、どんなに高いスキルを身につけたとしても、その業界自体の景気が悪ければ、収入を安定させることはできません。仕事の種類や幅を広げながら複数の収入源を作ることで、多少時間はかかりますが、収入を安定させることができるのです。
スキルアップを怠らない
フリーランスとして長期的に安定した仕事を行うため、自ら意識してスキルアップに努めることも大切です。仕事が順調な時期は、スキルアップの必要性を感じることはあまりないでしょう。
しかし、突然仕事が打ち切られるなど、いつ何が起こるか分かりません。仕事が順調な時ほど危機意識を持ち、自分のスキルを高める努力をして、いかなる状況でも新たに仕事を獲得できる準備をしておくことが大切です。
書籍やセミナー、通信講座など、スキルアップに役立ちそうなものを積極的に活用して、スキルアップを怠らないことが重要です。
まとめ
働き方改革の影響もあり、会社から独立してフリーランスとして活動する人の数は増加しています。積極的にフリーランスを活用している企業の数も増えており、フリーランスを取り巻く環境は徐々に変わりつつあるのです。
しかし、何のプランも持つことなく目先の仕事ばかり追っていても、フリーランスとして満足いくキャリアを積むことはできません。フリーランスも立派な経営者なのです。自分のビジネスを安定的に継続させるためにも、明確なキャリアプランを立てて、戦略的に仕事に取り組むよう心がけましょう。