【業種別】事業計画書の記入例。フォーマットを押さえてもう迷わない

事業成功のカギを握る事業計画書ですが、作成が難しいというイメージを持っている人が多いのではないでしょうか。事業計画書のメリットと、融資や補助金を受けるためにはどのように書けばいいのかを記入例とともに紹介します。

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事業計画書を作ると何がよいの?

事業計画書を作る理由として、まず資金調達や融資を受けるために相手方を交渉するケースがあげられます。このほかに、事業を始めようとする際や、事業を練り直す際に作るといったケースもあります。

事業計画書を作る理由は様々ですが、どの場面においても事業をよりよくするために必要となる重要なものです。

どのように作ればよいか分からず、なんとなく作ってしまうという人もいます。しかし、きちんと考えて作られた事業計画書は、経営者にさまざまな恩恵をもたらすといわれています。一体どんなメリットがあるのでしょうか。

イメージや計画が鮮明に

事業を始めようと思うきっかけは、ちょっとした閃きからというケースも少なくありません。しかし、その漠然としたイメージのまま事業をスタートしてしまうと、事業が失敗するという恐れも出てきます。

まずは、自分の理想とする事業規模や働き方などをきちんと思い描いて、事業計画書を作成しましょう。事業拡大の可能性の有無などをあらかじめ考えて視野に入れておくと、人材の増員や育成などの準備もスムーズになります。

次に、自社が3~5年後にどうなっていたいかというイメージを具体的に考えます。夢やアイデアを頭の中で巡らせているだけでは、ただの思いつきになってしまいます。事業計画書を作るとアイデアが整理され、客観的に見ることができるようになるのです。

また、事業を安定して継続していくためには計画的な運用が不可欠です。運営の仕方について計画をしっかりと練っておきましょう。今後の資金繰りに必要な額をあらかじめ予測することで、不足分の調達の仕方はどうするかといった問題も明らかになります。

補助金の申請にも必要

事業運営のために資金調達する際には、金融機関や投資家に事業計画書を提出する必要があります。国や地方公共団体の補助金を利用する場合も同様です。

事業計画書を見て、返済のできる企業なのか・将来性のある事業なのかを判断するのです。事業計画書の内容次第で融資の可否が決まるといっても過言ではありません。収支見込みや資金調達の計画が明確な、説得力のある事業計画書を作りましょう。

申請できる主な補助金

補助金は、国や地方公共団体などが中小企業支援のために支給する返済不要の資金です。創業時・新分野や異業種への進出時・新規の雇い入れ時など、活用場面に応じて種類も多い補助金ですが、具体的にはどのようなものがあるのでしょうか。

ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金

中小企業・中規模業者などが、生産性向上に資する革新的サービスの開発・試作品の開発・生産プロセス改善のための設備投資などを支援するものです。全国中小企業団体中央会が、毎年2月初旬頃に公募受付を開始します。

全国中小企業団体中央会/中小企業連携組織・協同組合の情報サイト

事業承継補助金

事業継承をきっかけに、経営革新や事業転換を行う中小企業者に対して、その取り組みにかかる経費の一部を補助する制度です。

事業継承補助金は、Ⅰ型:後継者承継支援型(経営者交代タイプ)と、Ⅱ型:事業再編・事業統合支援型(M&Aタイプ)の二つに分かれています。

事業承継補助金の公募時期や対象者については、中小企業庁のホームページでチェックしてみましょう。

中小企業庁:財務サポート「事業承継」

事業計画書のフォーマットを活用しよう

具体的にどのように書いたらいいか分からないという場合には、公開されている事業計画書のフォーマットを活用しましょう。事業計画書はこう書かなければならないという決まりはないので、既存フォーマットを参考として利用してみるとよいでしょう。

日本政策金融公庫

日本政策金融公庫では、事業計画書(創業計画書)の記入例を公開しています。項目に、『必要な資金と調達の方法』と『事業の見通し(月平均)』があるのが特徴です。

『必要な資金と調達の方法』は、設備資金と運転資金の二つについて具体的な金額などを記載するようになっています。

設備資金は内外装費・車両・店舗取得のための敷金などが対象で、運転資金は店舗取得のための敷金や礼金・人件費・家賃・商品仕入れ額などが対象となっています。

『事業の見通し(月平均)』は、創業当初から・1年後または軌道に乗った後と分け、売上・売上原価・人件費・家賃・支払利息・その他の項目をそれぞれ記入するようになっています。

しかし、日本政策金融公庫が公開しているフォーマットだけでは、記入する内容では不十分な面があります。金融機関や投資家を説得するには、市場分析の資料など他の参考書類を添付する必要があるでしょう。

各種書式ダウンロード|国民生活事業|日本政策金融公庫

J-Net21

独立行政法人中小機構が運営しているサイトでも、フォーマットが公開されています。事業計画書だけでなく、コンセプトシートや事業骨格シートも用意されているのが特徴です。

事業骨格シートは、『起業する動機・目的は何か?』『サービス・商品を提供する人は誰か?』『どのような利便性を提供できるのか?』という基本的なことを記入するため、客観的に事業を見つめ直すことができます。

J-Net21が提供するフォーマットでは、数値部分がざっくりとしているので、別途具体的な数値を記載していく必要があるでしょう。

各種書式ダウンロード|起業する|J-Net21[中小企業ビジネス支援サイト]

主な業種の事業計画書記入例

日本政策金融公庫では事業計画書の記入例を公開しています。職種別の記入例も公開しているので、具体的にどのように書いたらいいのかを職種別に見ていきましょう。

ソフトウェア開発

『経営者の略歴等』に、今までの経験で身に付けたスキルやノウハウを記載してアピールしましょう。取得した資格や携わってきた開発の実績を明記してもいいでしょう。

事業立ち上げ当初の受注見込みがあるのかどうかもポイントです。創業時に『取引先』があるのかというのも、受注が見込めるかどうかの判断材料になるため『取引先』はできるだけ具体的に記載しましょう。

また、開業資金以外の借り入れがある場合は、『お借入れの状況』にありのままの現状を記入します。住宅や車のローンが審査に影響を与えることは、全くないとはいえません。金融機関が調べると虚偽記載はすぐに分かるので、正直に全て記載するようにしましょう。

借入状況はソフトウェア開発だけでなく、どの職種にも共通していることです。

ソフトウェア開発の記入例

カフェや居酒屋など飲食店

まずは『創業の動機』に動機や目的を記入します。『経営者の略歴等』には、飲食店開業までの経緯を書きます。

飲食店勤務の経験がある場合は、できるだけ具体的に書くとよいでしょう。動機と経歴がきちんと結びつくと説得力が増します。

『取扱商品・サービス』には、提供する料理や飲み物の内容・金額を具体的に記載します。それぞれの商品が売上に占める割合も明記するといいでしょう。すでに料理が完成していれば、資料として写真を添付するとよりイメージしやすくなります。

カフェや居酒屋など飲食店の記入例

美容室や通所介護などのサービス

経験がないまま、美容室や通所介護施設を開こうと思う人は恐らくいないでしょう。ほとんどの人が、美容室や通所介護施設などで働いたことがあるはずです。

『経営者の略歴等』には、今までどのような経験を積んできたかを詳細に書いていきます。また、その経験から感じた課題を創業の動機に前向きに繋げるといいでしょう。

融資担当者が気になるのは、『新規顧客をどうやって獲得するのか』です。『販売ターゲット』や『競合』は良く調べて記入する必要があるでしょう。

美容室・通所介護施設ともに数が増えているので、周辺のサービスと差別化を図る方法をしっかりと考えましょう。

美容室の記入例

通所介護サービスの記入例

建築業や内装などの工事

建設業はとても業務の幅が広く、競合も多い業種といえます。内装業者も同様でしょう。幅広い業務の中で、どの業務が得意で、どんなサービスを提供できるのか『セールスポイント』に記入してアピールしましょう。

『企業を取り巻く状況』で、業界の問題点についても触れてみましょう。それをどのように解決していくのかを明記できたら、競合他社とは違う自社サービスの強みになるでしょう。

建築業・内装業は、車両や工具を多く揃えたりと、他業者よりも多額の資金を要する業種です。運用のために必要な資金を明確に把握し、資金を調達するための受注計画を『事業の見通し』にしっかりと記載しましょう。

建築業や内装業の記入例

まとめ

綿密に練り上げられた事業計画書は、今後のイメージや計画が明確になり経営者にたくさんのメリットをもたらします。事業計画書は金融機関だけでなく、国や地方自治体からの補助金を受ける際にも必要なものです。

作成は難しそうというイメージがありますが、公開されている事業計画書のフォーマットがあるので、自分なりの事業計画書を完成させましょう。


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