副業の広がりと共にトラブルも増加
政府が『モデル就業規則の改定』などを行っていることで、副業を解禁する企業が今後増加し、結果として、会社員でありながら副業をしている人が増加するでしょう。
その一方で、副業に関するトラブルも増加しています。どんなトラブルが増えているのかを具体的に見ていきましょう。
ネット副業詐欺
副業の斡旋に見せかけたネット副業詐欺の被害が多数報告されています。SNSでの宣伝や簡単なデータの入力で高額報酬を得られるなどと謳っておいて、その初期費用として金銭を請求するというタイプはその典型でしょう。
高額な費用と引き換えに『必ず稼げる副業を教えます』などと誇大な宣伝で巧みに勧誘し、フタを開けてみれば『必ず稼げる副業』ではなく、支払った費用を回収できないという詐欺も多くあります。
ちょっとした時間で簡単にできる作業だと思って始めた結果、報酬は振り込まれずに音信不通になったというケースも後を絶ちません。
過重労働や怪我などの労災トラブル
本業とは別に副業を持つことで、過重労働や怪我といった労災トラブルも増加しています。中には1日に合計14時間以上も働く過重労働者もいて、そういった人が心身にダメージを被るケースも増えているのです。
複数社で働く場合、どこの会社から労災がおりるのかという点でトラブルとなり、中には裁判にまで発展するケースもあります。
本業の会社から懲戒を受けるケースも
政府が副業を推奨し始めたといっても、日本にはまだ副業を禁止している会社も少なくありません。
会社に無断で副業を行ったことで、会社から懲戒を受けるケースもあります。税金の支払いなどによって副業を会社に知られてしまう可能性が高いため、会社に黙って副業をするとなると、副業で得られる報酬以上に高いリスクを背負うことになってしまうのです。
会社員が副業を始める際の注意事項
会社員が副業を始める際に、どのようなことに注意すべきかを確認しましょう。
会社の就業規則の確認と相談
副業をする際にやってはいけないのは「会社に無断で副業を開始する」ということです。中には就業規定で副業を禁止している会社もあり、発覚したら重い処分が下ることもあります。
そうならないように、副業についてはあらかじめ会社の就業規定を確認しておきましょう。
会社としては雇用している人間の労働実態を把握するため、副業について知っておかなければなりません。その点からも、副業を始める前にあらかじめ会社に相談することが必要です。
仕事選び
副業の種類にも色々あります。PCを使って行えるWebクリエイター系の仕事や、株や不動産への投資、飲食店でのアルバイトなどさまざまです。
自分の環境と照らし合わせてどんな仕事にするかを選ぶ必要があります。
確定申告、税金の支払い
副業を営む場合、原則として副業で得た所得が20万円を超えると確定申告が必要です。
確定申告をせず、住民税・所得税を未払いのまま放置すると延滞税などが課せられる可能性があります。確定申告の必要性について、あらかじめ把握してから副業を始めるようにしましょう。
副業をスムーズに始めるコツ
「副業を始めたい」と思っていても、なかなか副業に取りかかれないという人もいるのではないでしょうか?そのような人のために、副業をスムーズに始めるポイントについて解説します。
副業を行う目的を明確にする
ここまで解説したように、副業には体調を崩したり、会社とトラブルになったりするリスクが少なからずあります。そのため、ただ漫然と収入が欲しいというだけで副業を始めるのは危険です。
目的が曖昧だと、月の副業時間を制限できず、ワーカーホリックになってしまうといったデメリットが発生する場合もあります。
月にいくら程度の金額が欲しいのか、何をするために収入を増やしたいのか、どのようなスキルを身につけたいのかなど、副業の目的を明確化しましょう。
余裕を持ったスケジュールを組む
副業でよくある失敗として挙げられるのが、ハードすぎるスケジュールを組んでしまうパターンです。
ぎっしりスケジュールを組んでしまうと、自身が病気にかかった時でも、無理に仕事を進めなければならなくなってしまいます。
そうならないように、あくまで生活に支障をきたさない範囲で副業のスケジュールを組むことが重要です。
まとめ
政府が積極的に推進していることから、会社員でも副業を始めたい人は多くいるでしょう。しかし、会社の就業規定の関係でトラブルになったり、働きすぎで心身を壊してしまったりといったケースも発生しています。
また、会社は社員の労働時間を管理することが義務づけられているため、副業を始める前には必ず会社に相談することが重要です。
そして副業を始める時には漠然とではなく、明確な目的を定め、余裕を持ったスケジュール作りを行うことが重要だと言えます。