業務委託で常駐案件を請ける際の注意点まとめ。契約内容を確認しよう

フリーランスとして働いていると、業務委託で仕事を受けた際、発注先の会社に常駐して働くことがあります。常駐案件で仕事を請ける際のポイントや注意点について説明します。契約内容も含めてしっかりと確認しましょう。

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常駐案件の特徴

フリーランスのエンジニアやライターというと、自宅で働くというイメージがあります。日本政策金融公庫の調査によるとフリーランスの場合、自宅で働く割合が6割を越えているのです。

一方で、顧客から指示された場所で働くと答えている人も2割ほどいて、中には顧客の会社で直接働く『常駐案件』というものもあります。この常駐案件の特徴について、まずは見ていきましょう。

『フリーランスの実態に関する調査』日本政策金融公庫

メリット

常駐案件のメリットとしては、他のフリーランスと比べて収入が安定しやすいということです。

常駐案件は、労働時間によって報酬が発生する『準委任契約』の形をとっているところが多く、成果物を受け取ってもらえなければ報酬を得られない『請負契約』とは異なり、コンスタントな報酬の支払いが期待できます。

常駐先で人とのつながりが生まれることや、生活リズムを整えやすいのもメリットと言えるでしょう。

報酬や委託期間、業務の範囲などを交渉しやすいというメリットもあります。

また、エンジニアなどは中長期の稼働も多く、大型案件などでは自身のスキルアップにも繋がります。

デメリット

デメリットは、通勤する必要があることです。例えば、通勤に1時間以上かかったとして、月に20日出社するなら、20時間が通勤に費やされる時間です。これは大きなロスと言えます。

案件ごとに勤務先が変わることも多く、コミュニケーション能力が高いことも重要です。せっかく築いた職場での関係を頻繁にリセットしなければなりません。他には、後述する『偽装請負』につながりやすいといったリスクも懸念されます。

社員との境界がなくなるため、業務の責任範囲が曖昧になる事もしばしばある場合があります。

常駐型が向いている人

常駐型案件が向いているのは、次のような人です。

  • 現場経験があり、作業の流れが理解できる
  • コミュニケーション能力に長けている
  • 自分でキャリアを選択したい
  • 環境の変化を楽しむことができる

頻繁な環境の変化や人の入れ替わりにストレスを感じないことは必須と言っていいでしょう。集団の中で作業をするため、ある程度現場経験があることも望ましいです。

またプライベートと仕事を完全に分けられるため、メリハリをつけて作業したい人も向いています。

違法な常駐案件に気をつけよう

違法な常駐案件には注意しなければなりません。社会保障や待遇などで、フリーランスが損をしてしまう可能性が大きいからです。違法な常駐案件の内容について具体的に紹介しますので、違法性を感じたら契約を結ばないようにしましょう。

偽装請負

常駐案件で問題視されているのが『偽装請負』です。偽装請負とは、表面状は業務委託契約を結んでいるにもかかわらず、仕事の実態は派遣契約になっているというものです。詳しく見ていきましょう。

業務委託契約の場合、会社側は、『勤務時間や勤務日数の指定』『業務指示を出す』『仕事ぶりを評価・指導する』といったことをしてはいけないことになっています。掃除やゴミ捨てなど契約内容に含まれない簡単な雑務をさせることも禁止されています。

残業や休日出勤を依頼する事、注文者が社員規則などの服務規定を遵守するように管理したり通達する事も禁止されています。

業務委託契約の場合は、労働基準法や派遣法の対象にならないため、会社側は勤怠時間の配慮や、時間外手当の支払い義務がありません。何時間働かせても給料が同じです。そういった点から意図的に偽装請負を行っている悪質な会社もあります。

榎本希

常駐案件で特に問題になるのが偽装請負です。

偽装請負と判断されるような具体的な項目は以下のようなものになります。

  • 残業や休日出勤を依頼する。
  • 注文者が指揮命令をしている。
  • 注文者から始業時間や終業時間を指定されている。
  • 注文者が従事する労働者を選定している。
  • 注文者が労働者の評価をしている。
  • 常駐先の社員規則などの服務規程を遵守するよう管理、通達される。

常駐案件を請ける際の注意点

業務委託は労働基準法などの対象外なので、さまざまな点に注意する必要があります。常駐案件の仕事を請ける上でのチェックポイントを確認していきましょう。

契約前に内容を精査する

契約を結ぶ前に条件面をしっかり確認する必要があります。エージェント会社や仲介業者を通す場合は、念入りに確認しましょう。契約内容について、自分で直接確認することが重要です。

常駐先で『聞いていた仕事内容と違う』といったトラブルを未然に防ぐことができます。

仕事内容や期間、報酬など

仕事内容や報酬、期間について、事前にしっかりと確認しましょう。期間と報酬を照らし合わせて、『最低賃金を下回っている』といったことがないようにしっかりとチェックします。

あらかじめ聞いていた仕事内容と、実際の仕事内容が違わないかもチェックする必要があります。

大型案件であれば、専門家に契約書面を見てもらい、問題がないか確認してもらうことも検討しましょう。

コミュニケーションを大切にする

常駐案件は、案件ごとに職場が変わるため、あまり人付き合いについて考えない人がいますが、エージェントや仲介業者などに評判が伝わることもありえます。

あまりにコミュニケーションを取らずにいると、そういう人間だと思われて、仕事が入ってこなくなることもありえます。逆に人間関係を円滑にしておくと、別の案件で再び呼ばれる可能性もあります。職場でのコミュニケーションを大切にしましょう。

自己管理を徹底する

常駐案件でも自己管理が重要です。ライフスタイルを整え、作業ペースを決めて自分でマネジメントを行いましょう。

後々に作業が詰まってしまい、労働時間が延びてしまったり、徹夜が続くようになったりすると、常駐先に迷惑をかけることもあり得ます。

榎本希

契約を締結する前に以下の点についてしっかり確認を行いましょう。

  • 仕事の内容(具体的にどのような内容の仕事を行うのか、委託者と自分の認識にズレがないようにしっかり確認を行うようにすることが大切です)
  • 契約期間と仕事内容に合った報酬であるか(行う仕事の内容と仕事にかかる時間と報酬を照らし合わせ、労働に見合った報酬であるかを確認しましょう。また、契約期間についても延長の有無と併せて確認をしておきましょう)
  • コミュニケーション(常駐案件の婆愛には他の社員と一緒に仕事をするので他の社員との連絡・相談・報告など含めしっかりコミュニケーションをはかりながら業務を行う事を念頭に入れておきましょう)
  • 自己管理(常駐先の社員との報告・連絡・相談を踏まえた上でスケジュール管理を行うようにすることが大切です)

まとめ

フリーランスの仕事には、会社に出向して仕事を行う常駐型の案件もあります。その際、契約内容について働く前にしっかりと確認しましょう。

常駐案件は人脈の獲得やスキルアップなど、多くのメリットもあります。家で黙々と仕事をするより外に出て誰かと接したいという人には向いているので、注意点をしっかりと確認したうえで請け負ってください。

榎本希 [監修]

医療機関・医大の研究室にて長年勤務をした後、行政書士試験を受験。医療系許認可をメインに扱う行政書士として、行政書士のぞみ事務所を開業。再生医療関係の許認可・診療所開設・医療広告ガイドラインに基づく医療広告のチェック等の他、任意後見・契約書作成・起業支援を扱う。

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