ガントチャート作成の目的
ガントチャートを活用すると、どういった利点があるのでしょうか。
プロジェクト進捗管理と作業内容の把握
たくさんの人間で仕事を分担してプロジェクトを進めていると、誰が何をどのくらい進めているのか、どの作業がどれくらい進んでいるのか、全体を把握するのはなかなか大変です。
ともすれば全体が見えなくなり、やるべき工程に漏れが出たり、遅れがある工程に人や時間を割くべきなのに気付かなかったりということが起こります。横軸に時間を、縦軸に必要な工程や参加メンバーを配置してプロジェクトを管理するガントチャートを使えば、横棒の伸びで作業の進み具合が一目でわかります。
個別の工程の進捗が分かるだけでなく、プロジェクト全体の進捗状況を視覚的に把握することができます。またガントチャート作成のために、必要な工程をリストアップするので、工程の漏れなどのチェックや必要な作業内容の確認などにも役立ちます。
チーム内での情報の可視化と共有
ガントチャートの利用は、プロジェクトチームを率いるリーダーが進捗を把握するのに役立つだけでなく、チーム内のメンバーと情報を可視化して共有できるという面でも大変有益です。
作成したガントチャートをメンバーと共有していれば、リーダーが一人だけで進捗のすべてをチェックして差配をしなければならないという状況を改善することができます。
自分が担当している作業がどれくらい遅れているのか、あるいはまだ余裕があるのかが分かり、どれくらい急がなければならないのかということが分かります。場合によっては余裕のある担当からヘルプを出してもらうべきといったことも見えてくるでしょう。
リーダーが指示を出す際も、全員がガントチャートで情報を共有していれば、前提となる現状が見えているので、指示への理解も得られ、作業を効率的に行うことができます。
ガントチャート作成アプリを活用しよう
手書きでガントチャートを書かなければならなかった頃は、情報の整理や更新も大変な手間でした。しかし今は必要事項を入力していけば、自動でガントチャートを作成したり更新したりしてくれるアプリが各種あります。
PCやiPhone、Androidで利用可能
ガントチャートを利用するにあたっては、ネット上で情報を共有するアプリが便利です。PCでもiPhoneでもAndroidでも利用出来るアプリを活用すれば、メンバーの全員がいつでも自宅にいてもプロジェクトの進捗を把握することができます。
便利な共有、コミュニケーション機能
ガントチャート作成のできるアプリには、ガントチャートの共有以外にも、様々な情報の共有機能があります。また、メッセージやコメントといった、他のメンバーとのコミュニケーションを取れる機能もあるので、ガントチャートの情報をもとにチームの一体化を強めることができます。
以下、そういった、PCでもiPhoneでもAndroidでも使えて、便利な機能も併せ持つガントチャートのアプリをご紹介していきます。タイプの違う3種類のアプリ、ぜひ参考にされてください。
Backlog
『Backlog』は株式会社ヌーラボが2005年からサービスを行っているアプリです。公式サイトでは、シンプルで直感的に使えるデザインを謳っています。
300種類以上のキャラクターアイコンや絵文字を使うことができ、スターによるいいね機能などを備えており、開発者以外のメンバー、社外の担当者などともコミュニケーションが取りやすい点を強調されています。ウェブ制作やソフトウェア開発のほか、大手の広告代理店や全国紙の新聞社などの業種でも使われているといいます。
様々なプロジェクト管理ツールを提供
Backlogはガントチャートによるプロジェクトの管理のほか、様々なツールを備えているので、幅広く活用することができます。課題管理という面では、チームメンバーごとのタスクを把握したり、課題の更新をメールで知らせたり、締め切りを管理するスケジュール機能もあります。
バグ管理システムでは、発生したバグに関して、その日時や再現するための方法、修正の履歴やテスト状況などを記録管理し、バグの追跡を行いやすくしています。また、GitやSubversionによるバージョン管理にも対応しており、ソースコードをプロジェクトと紐付けて共有することができます。
各ツールはガントチャートと連携していて、ガントチャートをより使いやすくしています。たとえば、ある課題のスケジュールを設定すれば、自動的にその課題がガントチャートに作成されます。
無料期間、フリープランあり
料金プランは、ネット上で情報共有するタイプのものは、使える容量に応じて5つが用意されています。無料で使えるフリープランは容量100MBまで、プロジェクト数は1、ユーザー数は10まで登録することができますが、ガントチャートは使用できません。
有料プランではいずれもガントチャートが使えます。有料プラン最安のスタータープランは月額2400円、容量1GBまで使え、プロジェクト数は5、ユーザー数は30まで登録することができます。
公式サイトがおすすめするプレミアムプランは月額19800円で100GB、プロジェクト数、ユーザー数は無制限となっています。
ネット上のサービスを利用できないユーザーのためには、サーバーにインストールしてBacklogを利用するオンプレミス型エンタープライズというプランもあります。料金は個別に見積もりとなり、年額15万円からとなっています。どのプランも無料で30日間試すことができます。
Jooto
『Jooto』は株式会社PR TIMESが提供する、2014年にリリースされたアプリです。日本語にも英語にも対応しており、公式サイトによると、13万ユーザーが使う無料タスク・プロジェクト管理ツールだといいます。ドラッグ&ドロップによる簡単操作で使うことができるので、初めてタスク管理ツールを使う人にも使いやすいと謳われています。
シンプルな画面構成が特徴
Jootoの画面構成はとてもシンプルです。作業内容を入力したタスクカードをドラッグ&ドロップで必要なところへ動かして配置し、管理していきます。ボードに付箋を貼ったり剥がして動かしたりというイメージでプロジェクトを管理していくことができます。
この編集は複数人でリアルタイムで行えます。タスクカードへのコメントでコミュニケーションを取ることもできます。
タスクカードに開始日や締め切り日を入力すると、ガントチャートに切り替えてプロジェクトを管理することができます。また、SlackやEvernote やChatworkといった外部ツールとの連携も可能です。
無料含む複数のプランを用意
料金プランは無料のフリープランと月額500円からのスタンダードプランの2種類があります。フリーだと4ユーザーまで登録できます。スタンダードだと月額500円で5ユーザーまで登録でき、以後1ユーザーごとに月額500円増しとなります。
容量はフリーで500MBまで、スタンダードは5GBに1ユーザー追加ごとに5GBが増やされます。プロジェクトの履歴とデータのエクスポートは、フリーで過去30日分、スタンダードで過去1年分となっています。
Redmine
Redmineは2007年にリリースされたプロジェクト管理のオープンソースソフトウェアです。インストールやサーバー運用にはやや専門的な知識を必要としますが、これらが不要なクラウドサービスを提供している会社も複数あります。上記の日本語情報サイトでは、下の2つのサービスが紹介されています。
プロジェクト管理に特化
Redmineを使えば無料で複数プロジェクトの管理ができ、もちろんガントチャートを利用することもできます。また、カレンダーやロードマップなどの形式での表示も可能で、非常に多機能です。
メンバーのお知らせをニュースで掲載、Wiki形式でのメモの作成共有、SubversionやGitとの連携といった機能もあります。
オープンソースなので、公開されているものや自作のプラグインを使用することができ、拡張性も高くなっています。これらプラグインを活用して、ユーザーごとに使いやすいようにカスタマイズすることもできます。
複数言語に対応
複数言語に対応しているので、日本語で使えるのはもちろんのこと、各自がメニューや画面の項目を自分の好きな言語で表示させることができます。チームの母国語が複数にまたがるプロジェクトなどで便利に使えます。
こういった複数言語対応のオープンソースですので、Redmineは世界中で利用されており、国を跨いだプロジェクトなどの際には共通言語として使いやすい面があるかと思われます。
まとめ
以上、ガントチャートが利用できる、3つのアプリをご紹介いたしました。いくつか試して目的に合ったアプリを見つけるのもいいでしょう。ガントチャート活用で円滑なお仕事環境をつくり出してください。