副業の収入も住宅ローン控除の対象。経費にする場合は注意が必要

住宅ローン控除とはどんな制度なのか、概要をまとめました。また、控除額や控除期間などのルールも紹介しています。副業収入がある人は住宅ローン控除が受けられるのか、経費計上したい場合の注意点についても見てみましょう。

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住宅ローン控除の概要

住宅ローン控除は、家を購入するときにローンを利用した場合に限り、税金が控除される制度です。うまく使えば、長期のローンを組みながら、お得に住宅購入ができます。

国で定められたルールの通り、購入した年度や金額によって控除額が変動します。住宅ローン控除が使えるうちに家を買えば、かなりの節税が可能です。

所得税から一定額が控除される制度

住宅ローン控除は、所得税から一定額が控除されます。たとえば、2019年に家を購入した場合、毎年の年末ローン残高に対して1%分が控除対象です。

最大では、年間40万円まで控除されます。もし年末残高が4000万円あれば、上限の40万円が控除され、所得税をほとんど支払う必要がありません。

所得税から差し引けない分は住民税から引かれますが、それでも差し引けない場合は控除を最大限に活用できず、お得感が減ります。

自分がどのくらいの税金を払っているのか把握した上で、住宅ローンを組みましょう。

控除額は様々な条件で変動する

住宅ローンの控除額は、住宅の購入額や本人の税金額によって変化します。また、省エネを意識した『低炭素住宅』の場合、控除額が年間40万円から50万円にアップする制度が利用可能です。

控除の上限はあくまで「最大の場合」であり、住宅の価格が安いときや税金が少ないときは控除額も少なくなります。たとえば、1000万円の住宅を購入したとき、1年目の年末残高が900万円とすると控除は9万円しか受けられません。

高額な住宅を購入しても、所得税と住民税を足した金額が上限です。繰越はできません。また所得が3000万円を超える人は、住宅ローン控除を受けられないため注意しましょう。

控除期間は10年間

住宅ローン控除は、10年間続きます。1年目の控除は年末残高が多いため控除も多く、10年目には少なくなっているでしょう。

例として、3000万円の家を買い、毎年200万円ずつ支払うローンを組み、1年目の年末に2800万円が残っているとします。控除額は28万円です。翌年は2600万円が残り、控除は26万円です。

最大限まで活用できれば、10年間で控除される金額は数百万円にのぼり、かなりの節税ができます。

出典:住宅ローン減税制度の概要|すまい給付金

副業の収入も控除の対象

副業をしている人は本業の収入だけでなく、副業分も含まれます。1つの仕事をしている人より、控除対象が増えてお得です。

しかし、副業をしている人ならではの注意点もあります。複数の事業所で給与を受け取っている人ではなく、個人事業主として働いている場合は経費や事務所費の処理も知っておきましょう。

控除は全所得が対象

住宅ローンに限らず、控除はどのような所得でも対象です。所得税や住民税は、すべての所得を総合して決定します。そのため、給与所得以外に事業所得や一時所得がある人は、すべてを足した額が全所得です。

なお不動産収入や株などの所得も、すべて含まれます。

本業の収入が少ない場合でも、トータルの所得が多ければ住宅ローン控除を活用できるでしょう。

経費にしたい場合は注意

副業の経費として住宅ローンを申請したい場合は、注意が必要です。オフィスの家賃は原則全額が経費にできますが、住宅ローンは利子分のみ計上できます。

経費計上しようと家を購入しても、ローン会社に支払う手数料(利息)分しか引かれません。状況によっては、賃貸物件を借りたほうが経費計上が多くなる可能性があります。

事務所分は控除の対象外

もし、事務所として利用するために住宅を購入した場合、住宅ローン控除の対象外です。自宅兼事務所として利用するときも、居住用部分のみ控除が受けられます。

ほとんどオフィスとして利用するなら、住宅ローン控除の恩恵は受けられません。

個人事業主が家を購入するときは、自宅とオフィスを分けたほうが節税につながります。ただし複数に分けると両方の家賃が発生するため、どちらがお得かはそれぞれの状況によって判断が必要です。

新たにローンを組む場合

これから新たに住宅ローンを組む予定がある場合、副業収入はどのような扱いになるのでしょうか。会社員としての収入に比べて、副業収入は安定していないとみなされるケースもあります。

副業が軌道に乗り、住宅ローンを申し込みたい場合は、年収としてカウントされるのかあらかじめ金融機関に相談しましょう。

副業の収入は年収に加算できる?

副業の収入が年収に加算できるかは、仕事の安定性によります。将来も継続して副業収入が得られる見込みがあれば、認められるでしょう。

しかし、収入が安定していると自己申告しても、背景がともなっていない限りは認められません。たとえば副業を今年始めたばかりで持続性が証明できない場合や、数年間の収入にばらつきがあるときは年収の加算は困難です。

場合によっては、副業をしていることでマイナスに働くこともあります。赤字が出てしまう仕事だと、申告した年収が確保できないと判断されるでしょう。

個人事業主のローン審査は厳し目

個人事業主に対しては、ローン審査も厳しく設定されます。会社員は、病気や怪我のときでも有給や傷病手当を利用すれば収入が途切れません。しかし、個人事業主は働けなくなると収入もゼロです。

また、大手会社に勤めている人に比べて、安定性がないように見られます。大きな会社が倒産するリスクは低いですが、個人で働いている人の収入源がなくなる可能性は高めです。

金融機関やローンの金額、種類にもよりますが、個人事業主としての収入がメインの場合は複数の会社に相談してみましょう。

まとめ

住宅ローン控除は、前年度の全所得が対象の制度です。家を購入する人は、10年にわたって控除を受けられます。

ただし、経費として申請したい人や、住宅を事務所として利用したいときは注意が必要です。場合によっては控除が受けられません。

また、副業収入が年収として認められるかは、収入の継続性や安定性が重視されます。

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