国内のリモートワークの普及率
新型コロナウイルスの発生によって、リモートワークの普及が広まっていますが、発生前と発生後では普及率にどのような違いがあるのでしょうか?
新型コロナウイルス発生前の導入率は、ゆるやかな増加傾向
総務省の『通信利用動向調査』によると、2017年の国内企業のリモートワーク導入率は13.9%であり、初めて調査が実施された2012年の11.5%からゆるやかに上昇していることが分かります。
しかし、リモートワークを導入している企業の中でも、実際にリモートワークを利用している企業の割合はわずか26.9%であり、72.4%の企業が制度はあっても上手く活用できていないことが分かります。
また、『現在リモートワークを利用していないものの、これから積極的に利用したい』と回答している人は6.6%、『現在リモートワークを利用していないもののこれから利用してみたい』と回答している人は27.9%であり、この時点でリモートワークに興味を持っていた人は少なくないと言えます。
出典:通信利用動向調査
新型コロナウイルス発生後の導入率は8割
株式会社リンクライブの調査によると、新型コロナウイルスをきっかけにリモートワークを導入した企業の割合は、8割を占めていることが分かりました。
発生後の実施頻度に関しては、週5日が15.4%、週3〜4日が29.4%、週1〜2が29.9%、週1が25.4%いう内訳でした。
また、新型コロナウイルス発生前にリモートワークを導入していた割合はわずか22.4%であり、新型コロナウイルスをきっかけに、リモートワーク導入企業が2倍以上になっていることが分かります。
出典:株式会社リンクライブ
実際に、弊社が副業マッチングサービスOffersの登録ユーザー(エンジニアやデザイナー)を対象に行なったアンケートでは、8割以上がリモート勤務であるという回答結果を得ています。
海外のリモートワークの普及率
海外では、どれだけの企業がリモートワークを導入しているのでしょうか? ここでは、ヨーロッパとアメリカの普及率について紹介していきます。
アメリカの現状
『Global Workplace Analytics』が2018年に行なった調査によると、アメリカには現在430万人のリモートワーカーがおり、2017年から40万人の増加が見られます。
また、リモートワークを導入している企業の割合は、2013年に比べ40%増加しており、リモートワークの導入が加速していると言えるでしょう。
この背景には、成果に対して報酬を支払う『White collar exemption』という制度が関係しています。1週40時間を超えて労働させる場合は、50%の割増賃金を支払うことが義務付けられており、アメリカでは労働時間管理の規制を受けることなく、柔軟に働くことが可能になっているのです。
ヨーロッパの現状
『eurostat』がEU加盟国を対象に行なった調査によると、2017年に自宅で作業を行う在宅勤務者の割合は、5.0%であることが分かりました。
その中で在宅勤務者の割合が最も高い国がオランダの13.7%、続いてルクセンブルクの12.7%、そしてフィンランドの12.3%となっています。また、在宅勤務者の割合が最も低い国はブルガリアの0.3%であり、各国が独自のスタイルを持っていることから、リモートワークがアメリカほどは浸透しているとは言えないでしょう。
出典:eurosat
リモートワークに注目が集まっている背景
リモートワークは企業にどのような効果を及ぼすのでしょうか? ここでは、リモートワークのメリットについて具体的に解説していきます。
コストの削減
リモートワークの導入は、以下のコストを大幅に削減することに繋がります。
- 交通費
- オフィススペース代
- 出張費
リモートワークを導入する上では、環境整備のための初期費用が必要となります。しかし、リモートワークによって見込まれる削減コストは非常に大きいと言えるでしょう。
優秀な人材の確保
勤務地や労働時間に特定の制限がないリモートワークでは、世界中から優秀な人材を採用することが可能です。
自分に適した働き方ができるリモートワークは、企業にとってのアピールポイントになり、優秀な人材を確保できる可能性が高まります。
リモートワークの導入によって、企業の価値観にあった優秀な人材と出会うことができるでしょう。
まとめ
今回は、新型コロナウイルスの影響や海外の現状という観点から、リモートワークの普及率について解説していきました。新型コロナウイルス発生によって、日本では急速にリモートワーク導入する企業が増えています。みなさんもこれを機に、導入を検討してみてはいかがでしょうか?