タイポグラフィーポスターがおしゃれ。デザイン概要や副業への活用

ポスターなどのデザインにおいて、文字をどのように見せるかというタイポグラフィーは重要な要素です。文字をデザインの一部として視覚的に訴えかけられるのもタイポグラフィーの魅力と言えます。その概要や、タイポグラフィーを活用できる副業を紹介します。

タイポグラフィーとは

タイポグラフィーという用語は、大きく二つの意味合いで使われています。歴史的経緯とともに見ていきましょう。

もとは活版印刷術の1つ

現代の活版印刷は、15世紀にヨーロッパで聖書を大量に頒布するために始まったグーテンベルク聖書を起源としています。

このとき、当時の手書きで書き写された聖書の字体や飾り文字を再現するために生まれたのがタイポグラフィーです。また、活字を組み合わせて、版とし経済的かつ効率よく印刷するための文字配置といった意味合いもありました。

文字の配置やデザインの一部とする手法

現代のタイポグラフィーは、文字を見やすくするための配置法という意味合いが大きくなります。みだりに多くの字体を使わない、重要なものは大きな太字に、そうでないものは小さな細字にするなどといった知識の集積です。

また、文字自体をイラストや画像のようにデザインの一部として前面に押し出したものもタイポグラフィーと呼ばれます。タイポグラフィーによるデザインなどといった場合は、主にこちらの意味です。

ポスターやインテリアなどおしゃれに活用

印象的なタイポグラフィーは、ポスターやおしゃれなインテリアとして生活に取り入れられています。部屋の印象に合ったタイポグラフィーポスターは雰囲気づくりに大きく貢献するでしょう。レストランなどの店舗でも活用されています。

たとえば、淡いブルーの地に白で王冠の図案と『KEEP CALM AND CARRY ON』の文字がデザインされたポスターは、第二次世界大戦に際してイギリス政府が国民に向けて作成したポスターをもとにしています。デザイン的に優れているので、歴史的文脈なしで見ても力のあるデザインとして人気です。

KEEP CALM AND CARRY ON ポスター

日本でインテリアとして目にするタイポグラフィーは、英語のものが多いようです。とはいえ、たとえば『ありがとう』という平仮名5文字を組み合わせて、『夢』という漢字の形にデザインしたポスターなど、日本語ならではのタイポグラフィーも見られます。

夢ありがとう ポスター

タイポグラフィーを用いたポスター

タイポグラフィーとしてインパクトの大きいポスターの例を紹介していきます。いずれも文字を使った大胆なデザインが行われている点が特徴です。

ドバイオープンテニスNIKEポスター

ラファエル・ナダルなどの有名選手の画像の一部として、彼ら自身の名言をデザインして入れ込んだドバイオープンテニスのNIKEポスターは、選手とともに言葉が力強く躍動しています。

大きな太い活字で大胆に配置されたコピーは、選手のシェイプのなかにおさまっていながらも、きちんと読めるようにも配慮されており、絶妙のバランスです。

ドバイオープンテニスNIKEポスター

『愛は好機を演じる』劇場公演ポスター

『愛は好機を演じる』(EL JUEGO DEL AMOR Y DEL AZAR)という舞台のポスターは、全面的に文字が主役です。

AMAR(愛)のMという字の裏にはZの文字が見え、AZAR(好機)と読めます。一字違いの表裏一体で愛と好機があるという、作品テーマが印象的に表現されています。またモノトーンの配色が文字のインパクトを最大限に押し出しています。

『愛は好機を演じる』劇場公演ポスター

日光東照宮青春18きっぷ

まさに文字がデザインそのものとしてアレンジされた青春18きっぷのポスターは、文字のみで自由に表現された情報が特徴的です。極度に図形化された文字で描かれていますが、日光東照宮と青春18きっぷの知名度から、見た人にそれらの情報を連想させています。

同じく個性的でありながら、シンプルなデザインのキャッチコピーが目に飛び込んでくることもあり、通る人の足を止めさせるデザインといえるでしょう。日光東照宮という存在や字面の重みを、タイポグラフィーの軽やかさがよい意味で裏切り、イメージを豊かにしています。

日光東照宮青春18きっぷポスター

タイポグラフィーを使った副業とは

タイポグラフィーのセンスを磨くことで、デザインの世界で副業とすることもできます。活躍できる二つのかたちを見てみましょう。

ポスターや壁面のグラフィティアーティスト

公共建造物などへの落書きから生まれたグラフィティは、日本ではまだまだ海外ほど市民権を得ていません。しかし、徐々に日本の街並みにも壁画などとして取り入れられてきています。

催し物の主催者や、学校や会社などの施設からの依頼でグラフィティを描くといった仕事などがあるでしょう。

また、グラフィティ的なものは既にアートや商業デザインにも広がっているのが現状です。アートやデザイン業界でも、グラフィティの技法を生かしたデザインを求められる場合もあります。

Webデザインなどグラフィックデザイナー

Webデザインにおいてタイポグラフィーの技術は、冒頭で紹介した二つの意味のどちらでも重要です。

ネット上には、顧客に向けたホームページ作成例を紹介するサイトもあるので、そういったサービスを利用して、あなたのタイポグラフィーセンスをアピールするという手もあります。

まとめ

タイポグラフィーがどういったものなのか、そして、その活用を見てきました。いままで文字をどう見せるか、文字でどう魅せるかを考えてみたことがなかった方は、少し意識してみるだけでも、デザイン力が向上するはずです。センスを学び、磨くことで副業などの仕事に結びつけるのもよいでしょう。

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