エンジニア・デザイナーの給料・働き方
いざ、副業・複業のエンジニア・デザイナーを採用しようと思ったとき、まずはどこから手を着ければ良いのでしょうか。
採用の方法やコストの試算、雇用形態の決定など、準備するべきことは多くあります。
採用活動のスタート時には、主にどのような問題にぶつかるのか、例を挙げていきましょう。
エンジニア・デザイナー採用時に悩むポイント
- 「採用するにはどうしたら良いだろうか」
- 「採用チャネルはどこがいいの?」
- 「採用媒体・求人サイトはどこを使っている?」
- 「求人媒体の費用が高すぎる」
- 「オファーメッセージの作り方が難しい」
- 「採用するときは、どれくらいの給料がいいのだろう」
- 「雇用形態はどうしよう」
- 「どのような方法でコミュニケーションを取ろう」
どうでしょう。同じような悩みを持っている人も多いのではないでしょうか。
ここからは、このようなポイントについて、解決策の一例をご紹介します。
給料テーブルの設計はどうすればいい?
多くの採用担当者が最も悩むのが、給与テーブルの設計ではないでしょうか。
弊社でも、副業・複業エンジニア・デザイナーの人で、良い人が見つかったとしても、給料テーブルの設計、提示が業界水準から外れていると、せっかくのオファーも通らないことがあります。
下記のテーブルは、弊社で作成したエンジニア・デザイナー・ビジネス職の大まかな給料資料です。年収ベースになっているため、こちらを給料テーブル設計の参考とする場合は、年収から月収、稼働時間とブレイクダウンして考えてみてください。
ランク | ビジネス職 | デザイナー | エンジニア | タイプ・ランク | 市場にいる
人口 |
|
1 | 300-450 | 300-450 | 300-450 | 新卒 | 100% | |
2 | 400-500 | 400-500 | 400-500 | 新卒 | 50% | |
プレイヤーとして一人前 | 3 | 500-600 | 500-600 | 500-600 | 個人プレイヤー | 30% |
4 | 600-700 | 600-700 | 600-700 | 1チームの責任者 | 20% | |
事業化できる | 5 | 700-800 | 700-800 | 700-800 | 1チームの責任者 | 10% |
6 | 800-900 | 800-900 | 800-900 | もう一個上のレイヤー | 8% | |
7 | 900-1000 | 900-1000 | 900-1000 | もう一個上のレイヤー | 5% | |
CTO、CMO、COO、CXO、CCOクラス | 8 | 1000-1100 | 1000-1100 | 1000-1100 | 3% | |
9 | 1100-1200 | 1100-1200 | 1100-1200 | 2% | ||
10 | 1300- | 1300- | 1300- | 1% |
時給換算した時の計算の一例
上記のテーブルに基づき、時給換算をして契約する場合の一例を挙げましょう。
- 3,500円 * 8時間 * 22営業日=616,000円
- 年収にすると 7,392,000円
この計算で上記のテーブルに当てはめますと「事業化できるレベル」の副業の人ということになります。
ただし、副業・複業エンジニア・デザイナーの場合ですと、ショットで依頼することになるため、金額が上乗せになることが多いです。給料テーブル設計時には、そちらも考慮しましょう。
エンジニアによっては、CTO・ VPoE・リードエンジニアクラスになってくると、時給5,000〜7,000円という人もいらっしゃいます。
給料テーブルの考え方
まずはプレイヤーとして一人前かどうかです。新卒と書いているのは、主に「経験が1〜2年程度」のレベルと考えてください。
プレイヤーとして一人前の中でも、個人として優秀なのか、組織や事業を考えられる人なのかであっても異なります。組織や事業を考えて、スケーラブルな作業ができる人は、上記テーブルでの「事業化できる」レベルです。
さらに、企業の経営までコミットでき、会社全体に影響を与える人は「CTO・CMO・COO・CXO・CCOクラス」というレイヤーになります。
雇用形態はどうしよう?
契約の種類には、以下の2つがあります。
-
準委任契約:受注者が約束した時間だけ「発注者の仕事を行う」「代わりに仕事をする」という契約で、仕事を完成させる義務を負わない
-
請負契約:仕事の完成が義務付けられており、瑕疵担保責任を求めて、バグがおきた時などに対応してもらう
通常、一緒にサービスやサイト・システムを開発をして行く場合は「準委任契約」、開発のするものの仕様や完成品が明確になっている場合は「請負契約」を結びます。請負契約における瑕疵担保責任の期間は、2〜3カ月間が一般的で、この期間が長い方が雇用側には有利です。
弊社の場合は、ユーザーの行動によって、サービスの仕様や機能を変更、最適化しています。あらかじめ仕様の決まったシステムを作るのではなく、一緒にサービスを作り上げるという動きが多いため「準委任契約」として業務を委託しています。
準委任契約・請負契約は上記のように分けられますが、現実的には事業内容に合わせて、これらのハイブリッドな契約を結ことが理想です。
また、時給と納品物、どちらで契約するのかというのもよくある悩みです。これは、プロダクトの性質によっても異なりますので、下記を参考にしてみてください。
プロダクトごとの時給・納品物契約の分け方
- 納品物で契約:ページ数や構成などが明確なページ作成・開発・toBサービス・コーポレートサイト
- 時給契約:PMF(プロダクトマーケットフィット)する前のサービス・実装する時に仕様が変わりそうな案件・toCサービス
- 月額固定:運用案件やコミットが定期でわかりやすい案件
企業に勤めながら副業・複業していただきますし、初めての場合もありますので雇用周りの契約は丁寧に行いましょう。人によっては、時給契約することを嫌う人もいますので、まるっと納品物での契約をするか、月額固定での契約をおすすめします。
そのほか、サービスやサイトを開発していくなかで、追加の作業が発生することもあるでしょう。その場合は、ページ単価・ページ作成にかける時給単価で、上乗せして支払う必要があります。お互い気持ちよく仕事を進められるように、金額は双方の合意の上で決めましょう。
どのような方法でコミュニケーションを取ろう?
使用するコミュニケーションツールは、企業によって異なるため一概には言えませんが、下記のようなツールがよく使われています。
開発は継続的なものですので、お互いにコミュニケーションしやすいサービスを利用しましょう。
コミュニケーションでよく使われるツール
- Slack
- Skype
- Chatwork
- appear.in
- zoom.io
- メールサービス
上記以外にも、プロジェクト管理ツールなどもありますが、これも企業や事業部、サービスによって、使用しているものが異なります。
コミュニケーションで注意するべきこと
副業・複業の人とコミュニケーションを取る上で、注意するべきポイントを見ていきましょう。
正社員と同じ情報を
副業・複業の人を雇用する時に、社内の情報を分断して、関わってもらうタスクやサービスだけの情報共有に絞ることがありますが、これはあまり良い手ではありません。副業・複業の人であっても、一緒に働いてもらう仲間です。
情報の違いがあるということは、事業を進める中で、また社員と話しているときなどに、本人にわかってしまいます。
そうすると、疎外感や不信感が芽生え、心からコミットすることが難しくなります。採用するからには「一緒に事業を成功に導いて欲しい」はずです。性善説に立って、情報を分断せずに、正社員と同じ情報を共有しましょう。
事業・技術がわかっている人を担当者にする
副業・複業を行う人は、当然本業があるので忙しいです。副業・複業を依頼したいのに、コミュニケーションコストがかかる場合、なかなかその仕事を引き受けたいとは思えません。
事業や技術のことをわかっている、VPoE・CTO・テックリード・リードデザイナー・デザイナーなどの人を、できるだけコミュニケーションの担当においたほうが良いでしょう。
副業・複業を行う人と、企業側のプロダクト担当者との間に人が立っているだけで、無駄なコミュニケーションが発生し、ストレスになってしまいます。事業を円滑に進めるためにも、コミュニケーションコストは省きましょう。
採用するにはどうしたら良いだろうか?
企業の採用・人事担当者として、移り変わる採用環境の変化に対応しなければならないのは大変ですよね。
採用は、企業にとって何よりも大切なことです。できる限りの力を入れなければいけません。どのようにして採用を成功させ、企業として持続的に事業を成長させていけばよいのでしょうか。
まずは、現在の採用環境を整理してみましょう。
採用状況は急速に変化している
一部企業への転職が集中している
高い利益率のプロダクトを開発し、そのサービスが伸びている企業では、高い給与を支払える上に、海外へのチャレンジ・育児関連・副業推奨など、充実した福利厚生があります。フリマアプリを運営する「メルカリ」が好例です。
現状、メルカリをはじめとする一部の企業への転職が集中しています。それらの企業と採用で争うのは、現実的ではないでしょう。
大手企業はいきなり評価制度を変更するのが難しい
大手企業では、いきなり評価制度を大幅に変更し、多くの人の給料を上げるといったことは難しいです。福利厚生などで調整するほかありません。上場している企業であればなおさらです。
そのような状況で「福利厚生もよく、給料も上がり、さらに技術的なチャレンジもできる」ということで、メルカリのような企業への転職が進んでいます。
採用コストの増加
採用にかける費用は、人口減少とともに増加しています。また、いくつかの求人サイトを試してみたものの、良いエンジニア・デザイナーを採用できず、頭を悩ませているのが現状ではないでしょうか。
このような現実から、経営陣・採用・人事を含めた「雇用のあり方」が、非常に高いレベルで求められていると感じます。経営陣を含め、人・もの・カネをどうするべきか、見直すタイミングなのかもしれません。
企業側は副業・複業解禁をすることで得られるメリットが大きい
上記の課題と、これだけ変動の大きい時代ですから、雇用体制を柔軟にしておくことが大切です。
副業・複業を解禁するメリット
- 転職をせずに自社に人材を確保しておける
- 自社社員の成長を促せる
- 他社で得た知見を自社に反映できる
- 副業先の技術者をリファラルで採用できることもある
以上のようなメリットがあります。
また、副業先で仲良くなった人を、そのままリファラルで連れてきてくれるというケースも、一部あるようです。
副業・複業の採用をお考えの方は「Offers」を
1年半の間、副業・複業人材だけで経営してきた弊社が開発・運営する「Offers」は、「ハイクラスなエンジニア・デザイナーの集まる副業・複業サービス」です。
サイバーエージェント・AbemaTV・メルカリ・メルペイ・DeNA・クックパッド・Gunosyといった企業のエンジニア・デザイナーが登録しています。中には、副業・複業を経験したことがあり、慣れている人もいらっしゃいます。
開発チームの思い・なぜ開発するのか?
開発チームは、大手企業出身で、当時は会社のブランドもあるため採用にはあまり困ったことがありませんでした。しかし、起業してスタートアップを経営する中で「採用の難しさ」を痛感しました。求人媒体を利用してもなかなか応募がこず、お金を垂れ流しているという感覚になったこともあります。
そのような中で感じた「採用課題の解決」や「同じような企業様に事業やサービスをうまく立ち上げていただく」ため、そして「副業することによって新しい世界を見て、挑戦してもらう」ために「Offers」を開発しました。「Offers」自体も、副業・複業エンジニア・デザイナーの皆さんの力を借りることで、リリースできました。
Offersでは、このような問題解決・要望を実現するべく、取り組んでいます
- なかなか中途採用できない
- いい人がこない
- 転職の求人広告が高くて支払えない
- 良い人材を探すのに時間がかかっている
- リファラルリクルーティングするのに時間がかかる
- 知り合いに仕事を依頼したいけど、誰がエンジニア・デザイナーなのかがわからない
- 信頼できる人に仕事をお願いしたい
- 採用のミスマッチを無くしたい
以上のような、採用における複数の課題を解決するべく、開発チームは取り組んでいます。
このような問題に、少しでもお悩みの企業の採用担当者様はぜひ、お気軽にお問い合わせください。