必要とされるフロントエンドエンジニアになるには
フロントエンドエンジニアはWebサイトやWebアプリケーションの「フロントエンド部分」の設計を行うエンジニアです。
利用者のユーザビリティを高めてWebサイトの反応率を上げたり、アプリケーションの利用者満足度を向上させたりする役割を持っており、データベースの設計などを手掛けるバックエンドエンジニアとともに、企業のWeb運営に欠かせない存在です。まずは、多くの企業から必要とされるフロントエンドエンジニアになるためのスキルから確認していきましょう。
多くの現場で求められるスキルを知る
まず大前提として、Webサイトを制作するためのHTMLやCSS、そしてJavaScriptのスキルは必須です。これらの言語を習得し、企業の要請に応じて適切なコーディングをするスキルが求められます。
加えて、SEOを意識したマークアップはもちろん、アニメーション制作に関するスキルが必要な場合も少なくありません。さらに、フロントエンドエンジニアとしてUIやUXの設計スキルや、CMSの構築に関する知識やスキルも学んでおくことが推奨されます。
技術の動向をキャッチアップする積極性が大切
さらに近年では、特にAndroidやiOSといったモバイル向けの画面を開発できる人材が求められており、モバイル向けに最適化されたWebサイトやWebアプリケーションの開発が必須になってきています。モバイル端末はパソコン端末以上に技術の進化が速いため、常に最新技術をキャッチアップする積極性が必要です。
また、Webサイトの制作に欠かせないJavaSctiptに関しては、3大フレームワークと呼ばれる「Angular」「Vue」「React」の活用が主流になっています。特にReactは世界中で圧倒的な導入率を持っており、日本でも活用事例が増えているので、今後さらに注目すべきフレームワークといえるでしょう。
出典:Stack Overflow Trends|stack overflow
フロントエンドエンジニアの転職求人の探し方
では、フロントエンドエンジニアとして自分に合った企業に出会うためには、どういったアプローチが有効でしょうか?重要なのはフロントエンドエンジニアの現状を客観的に把握し、自分の理想とするキャリアと照らし合わせた上で、転職する企業を慎重に選ぶことです。
フロントエンドエンジニアの現実を知る
フロントエンドエンジニアの需要は年々高まっているものの、より自分に合った業務を求めて転職したり、働き方を変えるために仕事を辞めてしまったりする人も少なくないのが実態です。ひと口にフロントエンドの開発といっても業務内容はさまざまで、高いレベルでプログラミングのスキルが要求される場合もあれば、フレームワークやライブラリを用いて簡易的なデザインをすれば要件を満たせるケースもあります。
フロントエンドエンジニアとして、自分の理想とする仕事に出会えなかったことがモチベーションの低下につながっている人も少なくありません。
元々、デザインやUIの設計に興味のある人がフロントエンドエンジニアを目指すことが多いですが、実際の業務範囲は幅広いので、転職する際には、実際の業務内容をよく確認しておくことが大事です。
転職エージェント等を積極的に活用しよう
フロントエンドエンジニアの職種では転職によって大幅な年収アップに成功するケースもあります。ただし、上記のように業務内容は多岐に渡り、自分の望んだ業務に就けるとは限りません。そのため、闇雲に転職活動をするよりも、転職エージェントなどを積極的に活用するのが有効です。
転職エージェントならば数多くの業界に精通しており、クライアント企業の具体的な業務内容も把握しています。転職後のミスマッチが起こりにくいので、一人で転職活動をするよりも、自分の理想とするフロントエンドエンジニアの業務に従事できる可能性が高まります。
裁量労働制、完全在宅勤務の求人もある
正規雇用のフロントエンドエンジニアとして企業に雇用されるケースが多いですが、採用労働制で働ける企業や、完全在宅勤務の求人も少なくありません。相応のスキルを持っていれば、自分の好きな時間に好きな働き方ができる場合もあります。
実際、フルリモート勤務が可能なフロントエンドエンジニアの場合、本人のスキルレベルにもよりますが、他の職種の平均年収と比べると高収入で求人数も増えています。独立してフリーランスとして活躍している人も少なくありません。
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フロントエンドエンジニアの転職準備
続いて、フロントエンドエンジニアとしてキャリアアップしていくために必要なポイントを解説します。転職活動をするにあたっては、以下のポイントを意識して準備を進めることが大事です。
品質にこだわり、改善を続ける姿勢を
フロントエンドエンジニアは、WebサイトやWebアプリケーションにおいて、ユーザーが直接操作したり確認したりする部分を担当します。そのため常に品質にこだわり、改善を続ける姿勢を見せることが重要です。
ユーザー側の「体験」を意識し、ユーザビリティの向上に妥協しない特性が転職活動でも評価されやすくなります。思考が柔軟で、自ら考えてエンジニアとして実践できる行動力も必要です。
連携が必要な分野等、知識の幅を広げる
WebサイトやWebアプリケーションの開発は、ユーザーが直接操作するフロントエンドだけで成立しているわけではありません。バックエンドでさまざまな機能が働いており、その部分の開発を担当するバックエンドエンジニアとの連携が不可欠で、全体の工程管理を担当するディレクターとも良好な関係を築く必要があります。
他の役割の人々とスムーズな連携を取れるように、サーバーサイドの基礎知識はもちろん、ビジネスに関する知識の幅も広げることが大事です。
フルスタックエンジニアとしての活躍も
フルスタックエンジニアとは、企業のWeb開発やシステム開発において、基本設計から開発・運用まで幅広くこなせるエンジニアです。
スタートアップ企業やビジネス規模の小さい企業など、少人数でシステム開発を行っている企業のエンジニアに多い形態で、フロントエンドエンジニアからバックエンド部分の知識やスキルを身に付けて活躍している人もいます。
要はオールラウンダーのエンジニアであり、人材不足に悩む企業にとっては重宝される存在で、スキル次第で周囲より高い収入を得られる場合も少なくありません。経験豊富なフルスタックエンジニアは、高収入を得られる場合もあります。
フロントエンドエンジニアのキャリアの広げ方
次に、フロントエンドエンジニアの現状と、よくあるキャリアプランをみてみましょう。転職してフロントエンドエンジニアになる人は多くいますが、そこからさらに自分の興味のある分野を目指す人も珍しくありません。
フロントエンドエンジニアの現状と将来性
フロントエンドエンジニアはここ数年、需要が増しており、多くの求人が見込まれます。日本でもWebサイトの数は安定して増えているので、フロントエンドエンジニアのニーズもそれに従って増加するでしょう。
ただし、長期的に安定した求人が見込めるかは未知数です。AI(人工知能)の進化により、フロントエンド部分をAIに開発させるシステムやサービスが登場し始めているため、単にWebサイトのインターフェースを設計できるだけでなく、よりビジネス的な視点から売れるWebサイトの企画・開発ができるエンジニアが求められる可能性があります。
リーダー職を目指す
フロントエンドエンジニアとして経験やキャリアを積むことで、エンジニアの平均年収よりも遥かに高収入のエンジニアになることも不可能ではありません。さらに、ビジネススキルを磨いて売れるWebサイトやWebアプリケーションなどのプロデュースをしたり、リーダー職として開発チームを率いたりするポジションを目指すこともできます。
また、フロントエンドエンジニアの経験を活かして、UI・UXエンジニアなどに転職するキャリアプランも考えられます。実際、転職してフロントエンドエンジニアになる人や、そこから自分のやりたい仕事にシフトしていく人も少なくありません。
Webデザインにも携わる
フロントエンドエンジニアは、HTMLとCSS、JavaScriptを用いてWebサイトの実装を行うので、エンジニアとしてキャリアを積んだ後に、Webデザインに携わる道も考えられます。デザインエンジニアと呼ばれる職種も近年採用されるようになってきました。
未経験からフロントエンドエンジニアに転職する場合
最後に、未経験からフロントエンドエンジニアに転職するポイントを解説しておきます。Webデザイナーやエンジニアとして経験のある人の方が転職活動は有利ですが、未経験からフロントエンドエンジニアに転職して活躍している人もいます。
強い意思や現在のスキルをアピール
未経験からフロントエンドエンジニアに転職を目指すならば、その理由付けと専門的な知識・スキルをいかに効果的にアピールするかが重要となります。他の業界からWeb業界に興味を持って転職する人は多いですが、単に「面白そうだから」といった理由で転職してもなかなか上手くいきません。
特に、習得すべき知識や技術が多いフロントエンドエンジニアは、転職後にさまざまな知識を身に付けられる素養があるか、チームに貢献できる人材かどうかを厳しく判断されるでしょう。熱意を伝えるだけでなく、実際にWebサイトやアプリケーションを開発して、ポートフォリオとして提出できるようにしておくと、効果的にスキルをアピールできます。
コーダーやマークアップエンジニアから
すでにコーダーやマークアップエンジニアとして活躍している人ならば、フロントエンド部分は未経験でも転職しやすいでしょう。事実、実務経験がなくてもマークアップエンジニアとしてHTMLやCSS、JavaScriptのスキルやWebデザインに関する広い知識を持っていれば、正社員としてフロントエンド開発に携われる企業は少なくありません。
フロントエンドエンジニアはWeb開発に関わる多くの人と連携する必要があるため、別工程の知識を持つ人を積極的に採用している企業は多くあります。自分の培ってきた知識やスキルが転職に活かせないか、実際に求人をチェックして確認してみましょう。
まとめ
フロントエンドエンジニアは基本となるHTMLやCSS、JavaScriptのスキルに加えて、UIやUXの設計スキルやCMSの構築など、幅広い知識が求められます。常に最新の技術動向をチェックしておき、自らのスキルをブラッシュアップできる人材が活躍できる業種といえるでしょう。
未経験から挑戦するのは簡単なことではありませんが、他分野から転職して活躍している人も多いです。将来のキャリアプランを明確にしておき、自分の経験や知識が活かせる求人案件はないか、補うべきスキルや何かなど、しっかりと調査してから本格的な転職活動に臨みましょう。