クラウドエンジニアとは
人それぞれ、収入アップやスキルアップなど転職理由は様々でしょう。職探しをしていて「なかなか目当ての案件を見つけられない…」という事はありませんか?
その原因のひとつに、条件を絞り切れていないという事が考えられます。転職を効率よく成功させるためにも、クラウドエンジニアがどんな職種なのか知る事が大切です。クラウドエンジニアの仕事内容や将来性について解説します。
クラウドエンジニアの業務
クラウドエンジニアとは、クラウドサービス上でインフラまわりの設計、構築、運用をする仕事です。どのクラウドサービスを使うのかといった選定から、オンプレミスで構築したシステムをクラウドサービス上へ移行するなど多種多様です。
クラウドサービスへの移行にはシステム構築の時間短縮や、コスト削減などメリットがあります。今までインフラエンジニアや、ネットワークエンジニアが担当した保守管理の作業負担を軽減できます。
全くエンジニア知識のない未経験者にとってもはやはり覚える事も多く難しい現状です。一方で、すでにエンジニアとしてのスキルや経験を積んでいる方であれば、個人差はあれど全くの未経験者よりも確実にスキルアップや収入アップを図る事ができるでしょう。
クラウドサービスに関する知識だけではなく、インフラ関係の知識も身に付けると、より需要の高いクラウドエンジニアを目指す事ができます。
時流に合っていて需要は大きい
多くの企業がテレワークの普及によって、オンプレミスからクラウドサービスに移行している点でも、クラウドエンジニアは世の中の流れにマッチしていると言えます。
また、以前まではサーバーやソフトウェアを自社で管理する必要もあり、保守を担当する専用のチームが必要でした。しかし、クラウドサービスなら全ての管理を外部に任せることができ、普及を後押しする形となっています。併せてシステム開発をするまでの時間を短縮できるため、コスト削減も期待できます。
クラウドサービスは日々進化を遂げており、ついていくのは大変です。特にエンジニアを始めたばかりの初心者や、全くの未経験者には難易度が高いため、「きつい」「やめとけ」などネガティブな声も挙がります。しかし、学ぶ姿勢のあるエンジニアであれば、今後も需要のあるクラウドエンジニアになり、高収入や市場価値を得ることができるでしょう。
クラウドエンジニアの年収は比較的高い
国税庁がまとめた、2019年の「民間給与実態統計調査」によると、国民全体の平均給与額は436万円で、男性が540万円、女性が296万円です。
一方で、クラウドエンジニアの平均給与額は、「求人ボックス 給与ナビ」調査(2021年)によると約597万円です。比較すると、日本の平均給与額よりもクラウドエンジニアの年収は、高いといえます。
上記の比較でみても、クラウドエンジニアが高収入を得られやすいというのが分かります。さらに収入アップを目指す場合は、クラウドエンジニアとしてキャリアを積んでスペシャリストになる選択も可能です。そこからプロジェクトマネージャーやコンサルタントに進むことで年収をよりアップさせることができます。
出典:クラウドエンジニアの仕事の年収・時給・給料情報|求人ボックス
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クラウドエンジニアの具体的な業務内容
クラウドエンジニアが担当する役割は主に3項目あります。クラウドエンジニアについて理解を深めましょう。
インフラを設計する
クラウドエンジニアには、インフラを設計する役割があります。具体的には、開発するシステムが最適に動作できるように、必要な要件をまとめることです。
最適なクラウドシステムを構築するためには、どのクラウドサービスを使うのか重要です。多数のクラウドサービスから選定していきます。設計時には、将来的に追加する予定の機能を拡張できるようにすることも必要です。
クラウドエンジニアでインフラの設計を担当する場合は、要件定義や企画の知識が問われます。さらにオンプレミスから移行する仕事が絡むのであれば、データベースやインフラ全般の知識も求められるでしょう。
クラウドでシステムを構築する
作成された設計書を基にクラウドエンジニアはクラウドサービス上でシステムを構築します。システムの構築は、新規の構築だけではありません。オンプレミスで動いていたシステムを移行させて、クラウド化するケースもあります。
具体的な構築内容は、ソフトウェアの導入や仮想サーバーの作成です。ほかにもクラウドサービス上のストレージ設定や、データベースの構築など多岐にわたります。
構築が終わった後は、負荷テストを実施します。サーバーが正常に動き、システムが設計書通りに動いているか確認することも重要な役割です。
システムの運用・保守を行う
クラウドエンジニアの役割には、システムの運用・保守もあります。
具体的には、クラウド上で構築したシステムが正常に動いているか保守管理をします。システムのバージョンアップを管理するのも業務の一つです。システムに不具合が発生したときは、企業に損害がないように、迅速に原因を突き止める必要もあるでしょう。日々トラブルに対応するためにも、保守・管理は大切な役割です。
クラウドエンジニアの探し方・おすすめ求人サイト
エンジニアに特化した求人サイト『OffersJobs』で実際に掲載されているクラウドエンジニアの求人を見ていきましょう。
クラウドエンジニアの実際の求人や時給単価・年収の具体例
▼インフラ設計、実装、運用の案件・求人
- プロダクト:ウイルス対策ソフト
- 稼働時間:月32時間〜96時間(週8〜24時間)
- 給与・報酬:年収500万〜800万円
- 雇用形態:正社員(業務委託からスタートもOK)
- 技術スタック:Terraform,Ansible,AWS,Java,Ruby,Python,Go
- 備考:リモートワークOK/週1出社/東京在住の方のみ
悪意ある第三者からのサイバー攻撃に欠かせないウイルス対策ソフトの案件です。1日8時間稼働するとした場合、週1〜週3程度で年収500万〜800万円の収入を得る事ができます。
▼プロダクト運用の案件・求人
- プロダクト:企業支援事業
- 稼働時間:月50時間〜160時間(週12〜40時間)
- 給与・報酬:時給5000円〜
- 雇用形態:正社員(業務委託からスタートもOK)
- 技術スタック:AWS,Azure,GCP,Docker,Kubernetes
- 備考:リモートワークOK
企業の課題解決を支援するプロダクトの運用案件です。基本的にクラウドエンジニアの案件はリモートワークが可能です。年収換算すると最低300万〜最高960万円となります。
▼インフラ業務の案件・求人
- プロダクト:Web広告
- 稼働時間:月40時間〜100時間(週10〜25時間)
- 給与・報酬:時給2000円〜5000円
- 雇用形態:正社員(業務委託からスタートもOK)
- 技術スタック:Docker,Kubernetes,AWS,GCP,Python,Typescript
- 備考:副業OK/リモートワークOK/裁量勤務/PC・ディスプレイ支給
こちらの案件はこれまで紹介した案件よりも最低時給が2000円と低くなっていますが、副業としての稼働ができ、裁量勤務も可能なのでかなり融通が効きます。本業の傍、副業をする働き方も安定して収入アップが見込めます。
効率的に収入アップ・スキルアップを狙う方法
いざ、クラウドエンジニアの求人を探しても、希望の案件が出てこなかったり、希望の単価に見合うものが無いなんて経験はありませんか?探すだけでエネルギーを使い果たし、疲れて求職を先延ばし…なんて事も。効率的に案件を探したい人へおすすめしたいのが『エンジニアに特化した』求人サイトの活用です。
例えば、OffersJobsはエンジニアに特化したエンジニアのための求人サイトです。そのため、エンジニア案件が豊富に掲載されている他、プログラミング言語や希望のエンジニア職で絞って検索する事もできるので、一般的な他の求人サイトにありがちな『技術スタックが分かりづらい』『エンジニア案件がそもそも少なくて選びようがない』という問題も解消されます。掲載案件の半数以上が時給4000円以上と高額で、週1からOKという点もおすすめのポイントです。
案件を探したいのに時間がなくてあまり調べる事ができないという方や、今はそんなに副業・転職を考えていないけれど長い目で見て収入アップやスキルアップがしたいと考えている方は、企業側からオファーがやってくる求人マッチングプラットフォームへの登をおすすめします。
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クラウドエンジニアに向いているのはどんな人?
「クラウドエンジニアに転職はしたいけど、向いているか分からない」と思う方も少なくありません。どのようなタイプが向いているのか解説します。
新しい技術や情報が好きな人
クラウドエンジニアに向いている要素の一つとして、常にITに関する情報をアップデートし続けることが好きな人は向いているといえます。IT技術は、常に進化し続けています。古い情報のままだと、対応できないことも出てくるでしょう。
コンテナ技術やシステムのセキュリティ、サーバーレスコンピューティングに関する情報は常に変わり続けています。最新トレンドを追い続ける必要があります。
新しいテクノロジーが登場したら「やってみたい」「使ってみたい」と率先して取り組み、1から勉強するのが苦にならない人が向いています。
コミュニケーションを苦にしない人
クラウドエンジニアは、コミュニケーションが必要ないわけではありません。ほかのクラウドエンジニア、クライアント、協力会社のエンジニアなど、仕事上でコミュニケーションを取る必要があります。そのため、コミュニケーションを苦にしない人も、クラウドエンジニアには向いています。
クラウドエンジニアは、クライアントがどのようなシステムを求めているのか、正しく理解する必要があります。専門家ではないクライアントに対して、適切にコミュニケーションを図り、構築しシステムの仕様を分かりやすく正確に伝える能力も不可欠です。
クラウドエンジニアに求められるスキル
クラウドエンジニアは、クラウド技術はもちろんのこと、ネットワーク関連やミドルウェアに関する知識が必要になります。どんなスキルが必要になるのか見ていきましょう。
クラウド技術やサービスに関するスキル
クラウドエンジニアとして活躍するなら、クラウド技術が求められます。構築したいシステムによって、最適なクラウドサービスが異なるからです。
代表的な例としてはAWS、GCP、 Azureなどが挙げられます。主要なクラウドサービスの種類や、特徴を熟知しておきましょう。クラウド化する上で、サーバーやネットワークの仮想化関する知識もあると良いでしょう。
クラウド構築手順やクラウドのメリット・デメリットなどを的確に把握し、現場でスムーズに作業ができるようにしておくと、エンジニアとしての価値が高まるといえます。
サーバーやネットワーク関連のスキル
クラウドエンジニアには、サーバーやネットワークに関連するスキルも必要です。それに関連して、 Linuxの知識も必要になります。クラウドサービスの基礎がLinuxであることが多いからです。
具体的には、サーバーやネットワークの基本的な知識です。仮想化技術も使う機会があるでしょう。クラウドサービスが提供するサービスを適切に利用しようとすれば、Linuxの知識を頭に入れておくのに越したことはありません。
構築だけでなく、保守管理を担うのであればネットワーク上でトラブルが起きたときにも対応しなければならないため、身に付けておきましょう。
ミドルウェア関連のスキル
ミドルウェアに関するスキルも、クラウドエンジニアには重要です。オンプレミスで動いていたシステムを、クラウド上で構築するときに必要になります。設計したシステムを、ミドルウェアやソフトウェアを駆使して構築するということです。
クラウド構築に必要なミドルウェアのスキルとは、データベースやアプリケーションサーバーなどを指します。
クラウドエンジニアを目指すのであれば、ミドルウェア関連も扱えると重宝されます。
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未経験者がクラウドエンジニアに転職を成功させるカギ
未経験でクラウドエンジニアに転職するためには、持っている経験やスキルを整理して言語化しましょう。クラウドエンジニアに対して、熱意や意欲があることを伝える方法について説明します。
身に付けたビジネススキルをアピールする
クラウドエンジニアへの転職には、プログラミングスキルだけでは十分とはいえません。培ってきたビジネススキルをアピールする必要があります。転職先の企業に、どのような貢献ができるのか伝えることで採用される可能性が増えるといっても過言ではありません。
例えば、ヒアリング能力の高さが問われることもあります。クライアントからどんなシステムがいいのか、聞き出すために必要になるからです。ほかにもマーケティングスキル、コミュニケーションスキル、社会人マナーなどアピールできるポイントがあるはずです。
クラウドエンジニアを目指すのであれば、これまで磨いてきたビジネススキルを一度見直してみましょう。自分自身にとって転職で重要なアピールポイントが見つかるはずです。
持っていると有利な資格を取得する
未経験でクラウドエンジニアに転職するなら、知識をアピールする必要があります。資格を取得することで、その分野に対して、正しい知識があることの証明につながります。転職を成功させためにも、有利になる資格の取得を目指しましょう。
どの資格を取ればいいのか迷う場合は、主要なクラウドサービスの資格がおすすめです。転職先の企業によって、どのクラウドサービスに関する資格を取るかは異なりますが、「AWS 認定 ソリューションアーキテクト-アソシエイト」や、「Google Cloud 認定資格」「Microsoft Azure 認定試験」が人気が高く、第三者からの理解も得られやすいでしょう。
資格の取得をアピールする際には、資格を勉強したことで得られた知識が、どんな場面で役に立つのか説明できると好印象となるでしょう。
熱意や意欲の高さを伝える
実績がなくても採用されるためには、先述した資格取得が大きな武器となることが多く、仕事に対する熱意や学習意欲をアピールできます。継続的に計画して、学習できるというアピールにもなります。
中には、クラウドエンジニアを1から育てたいと考える企業があります。そういった企業に対し、「この人を採用したらうちで頑張ってくれるだろう」と思ってもらうのが狙いです。
転職をするに当たって、経験者と比べると経験の部分ではどうしてもかないません。同じ土俵には立たず、未経験でもアピールできるところを探し出し、熱意を伝えるのが無難です。
クラウドエンジニアの転職活動において見逃せない重要ポイント
クラウドエンジニアに転職するためには、自己分析や業界研究は非常に大切です。一人ではカバーできない部分もあるため、転職エージェントサービスを利用してサポートしていただきましょう。
自己分析と業界の研究
転職に先立って自己分析をすることで、自分自身を冷静に見つめ直すとともに自分の良さを見つけられることがあります。自分の良さを理解することで、転職先の企業とのミスマッチを減らし、長く働き続けることが可能になってきます。
自己分析のやり方にはいくつか方法がありますが、基本となるのは自分の職歴です。自分のたどってきた道を振り返ることで自分の持っている個性や市場価値を客観的に捉えられます。
自己分析とともに同時に業界研究も必要です。業界の将来性や市場で求められる人材がどんな人物なのかも把握しておきましょう。業界研究では、やりたいと思う仕事と本当にマッチしているのか、情報収集を行いましょう。関連する職種まで幅広く調べることで志望動機が明確になってきます。
転職エージェントサービスの活用
転職活動においては転職エージェントサービスも時間と手間を減らすのに有効です。働きながら転職活動をするのであれば、エージェントを利用することで負担を減らせる上、不安なことがあればエージェントに相談もできます。
エージェントは、転職希望者と企業との間を取り持ちます。面接の日程調整や働く際の条件面などを自分に代わりに企業と交渉してくれるほか、履歴書、職務経歴書の添削から面接対策まで幅引くサポートを受けられるのでおすすめとなります。
転職エージェントサービスは、転職におけるさまざま負担を減らせます。仕事が忙しいと感じる方には、特に有効な手段です。
クラウドエンジニアのキャリアパス
最後に、クラウドエンジニアのキャリアパスについて見ていきましょう。
クラウドエンジニアになって経験を積んだら、次のステップはどうしますか?なんとなくでも未来のキャリアを描いておけば、益々スキルアップが捗るかもしれません。
- プロジェクトマネージャー(PM)になる
- スペシャリストとして講師になる
- クラウドに特化したコンサルタントになる
- フリーランスとして事業を始める
これはほんの一例です。スキルを身につければ、そのスキルを人に教える事ができます。エンジニアに教えるプロジェクトマネージャーや未経験者に教える講師、企業に教えるコンサルタントなど多岐にわたります。また、明確な商品アイデアがあるのであれば、フリーランスとして事業を始めたり、会社を立ち上げる事もできるかもしれません。
IT業界の需要は今後も伸び続け、クラウドエンジニアのキャリアパスも更に多様化していく可能性を秘めています。
乗り遅れないうちに、クラウドエンジニアのスキルやキャリアを積みましょう。
まとめ
今回の記事では、クラウドエンジニアに転職するための方法について解説しました。
クラウドエンジニアは将来性が見込める高収入な仕事として人気ですが、業務は決して楽ではありません。事前に自分の適正と合っているか分析を重ね、場合によっては転職エージェントを活用するのも有効です。
エンジニアからの転職が多いとされますが、仮に未経験だったとしても、今まで培ってきたスキルをアピールすれば、転職できる可能性があります。クラウド構築に関するさまざまスキルを磨きながら、転職活動をしていきましょう。