副業しているけどバレたくない。わかる仕組みからやさしく解説

副業をする際に多くの人が懸念をもつのは、本業の会社にばれないかどうかということです。会社によって異なりますが、副業が特に禁止されていなくても快く思われないことがあります。今回は、副業がばれる仕組みや、ばれずに済む方法などを解説します。

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副業がばれると何が問題になるのか?

副業していることがばれた場合、罰則を受けたり、最悪の場合解雇されたりすることが問題です。それでは、なぜ副業をしてはいけないのでしょうか。ここでは、副業をしてはいけない理由や、副業がばれた場合どうなるのか、具体的な例を紹介します。

多くの企業で副業は禁止

副業は法律で禁止されているわけではありません。しかし、多くの企業は、就業規則で副業を禁止しています。副業を認める企業も増えてきていますが、まだまだ副業をしてはいけない会社が多いのです。副業を始める前に、まず自分の働いている会社の就業規則を確認しておきましょう。

副業が禁止される理由

会社が副業を禁止する理由としては、副業が本業に悪影響を及ぼす可能性があることが挙げられます。副業が軌道に乗ると、ついつい副業のほうに力を入れがちになってしまうこともあるでしょう。

副業に夢中になりすぎて、本業のほうがおろそかになってしまうことが、会社側としては迷惑なのです。また、副業で何かトラブルがあった場合、会社が信用を落としてしまう可能性があります。

例えば、法律に触れるような副業を行っていた社員がいた場合、社員が逮捕されたときに会社名が公表される可能性があります。社員が犯罪に手を染めていたとなれば、そうした社員が所属している会社として評判に傷が付きます。

また、社員が会社名を副業に利用していた場合、トラブルがあったときに会社にクレームが来ることもあるでしょう。そのほか、会社の情報が漏れることを防ぐために副業を禁止している場合もあります。

会社にとって専門の技術や長年培ったノウハウなどは企業活動の生命線です。もし、社員の副業によって競合他社にそうした情報が漏れてしまった場合、会社は大きな被害を被るでしょう。

このように、社員の副業で会社に被害が及ばないように、また、会社の大切な情報を守るために、会社は社員の副業を禁止しているのです。

副業がばれて免職になった場合も

副業がばれた場合の処分は、会社によって、またその副業の内容によって異なります。状況によっては、口頭で注意されるだけで済む場合もあるでしょう。

しかし、副業を厳しく禁止している会社で、その副業によって会社に大きな被害が及ぶ可能性のある副業がばれた場合は、最悪、免職されることもあり得ます。

また、何らかの役職についていた場合は、降格処分が下されることもあるでしょう。さらに、数カ月間減給されたり、副業状況の調査のために出勤停止になったりすることもあります。

副業がばれたときの処分は、会社の就業規則や社内規定での副業に関する規定内容や、その副業によって会社にどの程度の損害が発生したか、発生する可能性があるか、によっても処分の重さは変わるでしょう。

副業がばれる仕組み

会社に内緒で副業をしていても、ばれてしまうことがあります。それでは、なぜ隠していたのに会社に副業がばれてしまうのでしょうか。会社に副業がばれる原因や経緯にはさまざまなものがあります。ここでは、副業がばれる仕組みについて見ていきましょう。

(1)住民税の変動

副業が会社にばれる理由として多いのが、住民税の変動です。副業をすると本業と副業の分を合算した給料が増えるので、住民税の額が変わってしまいます。

請求される住民税の額が増えることによって、会社に副業がばれてしまうのです。どうして、住民税が増えたことが会社に知られてしまうのでしょうか。

住民税の仕組み

会社員は、住民税が給料から天引きされています。会社員の住民税は、本人に代わって会社が自治体に払ってくれているのです。そして、バイトなどどこかに勤めて副業をしている場合、副業をしている会社も支払った給料を自治体に申告します。

自治体側では、その会社員には2つの会社から給与が支払われていることがわかります。2つの給与に対する住民税は、給与が高いほうの会社に請求がされることになっているのです。

よほど副業がうまくいっていない限り、本業の会社のほうへ住民税の請求が来ることになるでしょう。会社には、本業と副業の給料の合計に対する住民税が請求されます。

本業の給料に対する請求よりも高い請求が来ることから、その時点でその社員が副業していることが本業の会社にばれてしまうのです。副業の給料が少額の場合でも会社の経理は金額の大小にかかわらず計算しているので、ばれる可能性が高いでしょう。

(2)告げ口

同僚から会社に告げ口をされることによって、副業をしていることが会社にばれてしまう場合もあります。意図的ではなくても、うっかり会社側に伝わることもあります。副業を隠しておきたいなら、同僚や周りの人に自分が副業をしていることは黙っておくのが賢明です。

また、急に高価なものを買ったり身に付けたりすることによっても、副業がばれることがあります。突然高価なものをいくつも身に付けていたり、飲みに行ったときに羽振りよく他の人の分まで支払っていたりすると、会社の給料以外にも収入があるのではないかと疑われてしまう可能性が高くなります。

ほとんどは住民税の変動でばれる

副業がばれる原因には、住民税の変動や告げ口などがあります。そのほかにも、SNSや社内のパソコンの利用履歴を見られることによって、副業が発覚するということもあります。

このように、副業がばれる原因や状況はさまざまですが、その中でも一番多いのは、住民税が変わったことが会社に知られて、その結果、副業をしていることがばれるという状況です。

副業がばれないようにする方法とは

副業は、住民税が増えたことが本業の会社に知られて、ばれてしまうことが多いというのはわかりました。それでは、どうすれば副業がばれないようにできるのでしょうか。ここでは、副業がばれないようにする方法を解説します。

住民税を普通徴収に切り替える

住民税の徴収方法を「普通徴収」に切り替えることによって、副業がばれるのを防ぐことが可能です。徴収方法を普通徴収にして自分で住民税を納付すれば、副業で発生した住民税は会社に請求されることはありません。

ただし、市区町村によっては普通徴収を選んでも会社に報告をする可能性があります。会社に副業を知られたくない場合は、事前にそうした内容を市区町村に相談する必要があるということです。

普通徴収と特別徴収の違い

普通徴収とは、納税者が自ら住民税を市区町村に納税する徴収方法です。会社に属していない自営業者やフリーランスなど、特別徴収の対象でない人のための納税方法といえます。

普通徴収の場合、個人に向けて納税通知書が交付されることになります。徴収は、6月、8月、10月、1月の4回に分けて徴収が行われます。副業を知られたくない場合は、住民税の納税を普通徴収で行う必要があります。

特別徴収は、主に給与の支払いを受けている人に適用される徴収方法です。会社から給料を貰っている場合は、会社が給与から所得税を天引きし、本人の代わりに納付を行う「源泉徴収制度」が適用されます。

住民税も、源泉徴収制度に合わせて毎月の給与から天引きされ、会社が社員に代わって納税を行う特別徴収という方法が採用されているのです。

普通徴収に切り替えられないときもある

市区町村によっては、副業所得がアルバイトで稼いだ給与所得の場合など、普通徴収が選択できないところもあります。普通徴収が選択できなければ住民税の請求が本業の会社にされてしまうので、副業がばれる可能性が高くなります。普通徴収ができるかどうか、事前にお住いの市区町村に確認する必要があります。

住民税の申告は20万円以下でも必要

本業以外の収入に対する所得税は、20万円以下であれば課税されることはありません。確定申告も不要となっています。しかし、住民税についてはすべての収入を合算した額にかかる税金なので、収入の額に関係なく申告が必要です。副業の収入が20万円以下で確定申告の必要がなくても、住民税の申告は必要になります。

確定申告と住民税の申告は異なる

所得税は国税であり、税務署に申告する必要があります。一方、住民税は地方税であり、市区町村の役場に申告するものです。所得税を申告する確定申告と住民税の申告は、似てはいるものの全く違います。

また、所得税の確定申告をしている場合は、住民税の申告をする必要はありません。税務署が申告書の情報を市区町村に送ってくれるため、住民税のみの申告は必要ないのです。さらに、年末調整を行った場合も、基本的には住民税の申告は必要ありません。

ただし、年末調整を行っても20万円を超える所得があった場合は、所得税の申告が必要になります。基本的に、年末調整をしなかった場合や、確定申告が不要だった場合に、住民税の申告が必要になるということです。

なお、所得税は給与所得が103万円以下で非課税になります。しかし、住民税が非課税になるのは給与所得が98万円以下のときです。そのため、103万円を超えないようにギリギリで調整している人は、住民税の申告が必要になる可能性があります。

手渡しなら副業はばれない?

給料が手渡しであっても、副業がばれてしまう可能性はあるのです。給料が手渡しの場合に、副業がばれてしまうケースとは、どのようなものなのでしょうか。

国にはばれる

副業がアルバイトやパートである場合、給料が手渡しであっても、確定申告をしなければ税金の未納が発覚する可能性があります。副業先の会社が市区町村に提出する給与支払報告書には、マイナンバーが記載されているのです。

そのため、マイナンバーを見られてしまえば、税金を申告していないことがばれてしまいます。故意で申告をしていなかった場合には、最悪の場合、脱税とみなされることもあるのです。

本業先には所得によって異なる

本業の会社に副業がばれるかどうかは、どのような形で所得を得ているかによって異なります。副業の収入には給与所得や雑所得などがあり、所得の種類によって扱い方が異なるのです。では、どのような収入なら会社にばれてしまうのでしょうか。

給与所得はばれてしまう

副業の収入が給与所得である場合、本業の会社にばれる可能性は高くなります。副業がアルバイトやパートであった場合は、どこかの会社に属して給料をもらうことになっているはずです。

会社が給料を従業員に支払う場合、例え手渡しであっても給与支払報告書を市区町村に提出しなければなりません。そして、どこかの会社に勤めて副業を行っている場合、それぞれの給与の住民税を各会社の給料から天引きすることは認められていないのです。

そのため、副業の収入と本業の収入を合算して割り出した住民税が、本業の会社へ請求されてしまいます。本業の会社の給与分よりも高い住民税が請求されるため、会社の経理担当者に気づかれてしまうというわけです。

雑所得・事業所得の場合はばれにくい

副業の収入が雑所得・事業所得の場合、きちんと手続きすれば副業が会社にばれることはありません。副業が雑所得や事業所得の場合、収入から経費などを引いた所得金額が20万円以下かどうかで手続きが異なります。

所得が20万円を超えていた場合は、確定申告が必要になります。確定申告をする際は、住民税の徴収方法を「自分で納付」にする必要があります。「自分で納付」にチェックすれば、本業の給与分の住民税納付書は勤めている会社に送られ、副業分の住民税は自宅に納付書が届くようになるのです。

副業の所得が20万円以下の場合は、確定申告をする必要はありません。ただし、確定申告は必要なくても、住民税の申告は必要です。住民税を申告する際も、確定申告のときと同じように徴収方法を「自分で納付」を選ぶ必要があります。

「自分で納付」を選んでおけば、確定申告のときと同様に、副業分の住民税の納付書は自宅に送られてくるので、会社にばれることはありません。

副業がばれない・ばれにくい仕事について

副業をする際は、できるだけばれにくい仕事を選ぶようにしましょう。ばれにくい仕事を副業に選ぶことで、安心して副収入を得ることができるといえるでしょう。それでは、どんな仕事が副業に向いているのでしょうか。

ポイントは、顔バレしない・給与所得以外の職業

副業がばれないようにするためには、顔バレしない仕事を選ぶことがポイントの一つといえます。レストランやコンビニなどの接客業は、多くの人の目に触れる仕事です。

そのため、会社の同僚や上司とばったり出くわしてしまう可能性があるでしょう。会社や住んでいるところから離れた場所で働いたとしても、知り合いに会う可能性はゼロではありません。副業する際は、接客業など顔バレしやすい仕事は避けましょう。

また、給与所得以外の職業を副業に選ぶことも大切なポイントです。収入が雑所得や事業所得の職業で副業をすれば、会社に副業がバレることはほぼありません。

在宅ワークはネットさえあれば気軽に始められる

在宅ワークなら顔バレすることはありませんし、インターネット環境があれば気軽に始めることが可能です。

また、在宅ワークの収入は多くの場合、「時給」などの給与所得ではなく、「雑所得」として分類されるので、住民税を普通徴収にすることができて、本業の会社に請求される住民税が増えないので、副業がばれる可能性が低いのです。

また、在宅ワークの場合、どこかに勤めているわけではないので、通勤に時間を取られることがありません。さらに、自分の好きなタイミングで副業ができるので、本業が忙しい場合でもある程度の収入を得ることが可能です。

ただし、自由な分、仕事の管理を自分できちんとしなければなりません。在宅ワークは副業に適していますが、自己管理能力がある程度必要になるでしょう。また、在宅ワークはデータ入力やネットライター、FXなど種類が豊富なので、自分に合った仕事が見つかりやすいでしょう。

アフィリエイトは工夫次第で大きく稼げる

アフィリエイトとは、簡単にいうと広告を使って収入を得るネットビジネスです。まず、自分のホームページやブログに企業などの商品やサービスの広告を掲載します。

その後、訪問者が広告をクリックして商品・サービスを購入した場合、広告主の利益になり、利益の一部が成功報酬として手に入るというわけです。アフィリエイトはホームページやブログを工夫して人気を集めることで、どんどん利益が上がっていきます。

工夫次第で大きく稼げるアフィリエイトは、副業に向いているビジネスといえるでしょう。また、アフィリエイトの収入も「雑所得」に分類できるので、住民税を普通徴収にすることができて、副業がばれる可能性が低いのです。

株・不動産投資はそもそも副業として認識されないことも

株や不動産投資は、そもそも副業として認識されないこともあります。株や不動産投資は資産運用と捉えられているため、副業とみなされないケースが多いのです。確実に、会社にばれることなく安心して副収入を得たいときには、検討してもよいでしょう。

まとめ

本来なら副業をしていることを本業先の人に理解してもらい、応援してもらえる状態が一番望ましい状態です。しかし、就業規則で禁止と明記されていなくとも雰囲気的に言い出しづらいこともあるでしょう。そのような場合は、本業先に迷惑はかけずに、住民税などに気をつけながら、自分にとって一番いいキャリアを模索することになります。

最近では副業を許可している企業も増えているので、副業禁止の雰囲気は和らいでいきます。地道に本業先の理解を得る努力をすることも大切になるでしょう。

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