フリーランスエンジニアのスキルシートとは

フリーランスエンジニアとしての活動実績、所持しているスキルなどを記載するレジュメ、シートのことをスキルシートと呼びます。これはクライアントがそのエンジニアをどう見るかの重要な基準となります。
プロフィールやこれまで関わってきた案件の期間、その業務の内容などの詳細を書きます。チーム体制やシステム環境なども合わせて記入し、クライアントがわかりやすい内容がベストです。
特にこうしなければならない、という厳格なルールが存在するわけではありませんが、クライアントの心象を良くするのがスキルシートのコツです。そのコツや、基本的な書き方を紹介します。
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スキルシートと聞くと、職務経歴書と似たようなものだと捉える人もいます。確かに類似性はあるのですが、スキルシートは、純粋にエンジニアとしての実績や使用可能なスキルを記すものです。
クライアントへの営業活動において、スキルシートは採否の大きな要素を担います。自分の長所や経験を余すことなく記入し、その案件にどれだけ貢献できるかをアピールしましょう。
スキルシート作成の基本

何のためにスキルシートを書くのかと言えば、クライアントに自分のことを見てもらうためです。そのため、クライアントにとってわかりやすく、かつ魅力的な内容にするのが基本です。
ただ単に経歴を書きこんでいくだけでなく『その仕事で得たもの、提供したもの』を具体的に書いていくことが重要です。雑な内容にせず、自己満足にしないようにしましょう。
A4用紙2枚程度にまとめる
スキルシートの分量としては、A4用紙2枚程度が基本になると考えましょう。どんなに多くても3~4枚程度に収めるべきものです。それ以上になるとクライアントの負担になってしまいます。
分量に上限があるので、無駄のないスマートな記載が理想です。記載できる実績やスキルが多い場合は、その中でよりクライアントが求めているであろう内容をピックアップしましょう。
5W1Hを用いて書く
基本的な書き方としては、5W1Hを用いることが基本になります。いつ(when)、どこで(where)、誰が(who)、何を(what)、なぜ(why)、どのように(how)を明確にしましょう。
加えて、手がけた案件がどのような成果を上げたのかわかる内容であればなお良いと言えます。そうすることによってクライアントはあなたのスキルを正確にわかりやすく把握できるのです。
守秘義務にかかわる部分は慎重に記入
スキルシートは詳細に、かつ具体的に書くことが肝心です。しかし一方で、手がけてきた案件に守秘義務がある場合、記載するときに慎重さが求められます。書きすぎてはいけないのです。
案件ごとに契約を交わしている中には、特定の情報については外に出さないという条項が盛り込まれているケースがほとんどです。契約条項に抵触しないよう、内容は慎重に吟味しましょう。
相手に伝わらない略語や社内用語は使わない
スキルシートを読むクライアントにとってわかりやすい内容を記載する、というのが前提です。エンジニア業界では略語や社内用語が頻繁に使われますが、なるべく正式名称を使いましょう。
どれだけ具体的に書かれたスキルシートでも、クライアントがわからない、わかりづらい内容になっては本末転倒です。自分ではなくクライアント側に立ち、わかりやすさを重視しましょう。
スキルシートの書き方

具体的なスキルシートの書き方ですが、ポイントはなんといってもわかりやすさです。加えて具体的であることも要求されます。せっかくのアピールチャンスなので、良いものを作成しましょう。
クライアントの採用担当がエンジニアであるとは限りません。専門知識が充分でない人事担当の人になることもあります。そういった人にとっても理解できるよう、魅力的なものにしましょう。
これまでの業務経験を具体的に書き出す
営業活動に臨むエンジニアにとって、最大の武器となるのはやはりこれまでの業務経験です。分量の制限はありますが、できる限り具体的に書き出していくのが理想的な形です。
使用したOSや開発言語、利用ツールなどをしっかりまとめ、どのような案件に関わってきたのか書き出してみましょう。特定の分野に強かったり、幅広く対応できたりなど、長所が見えてきます。
相手が求める人材であることをアピール
自分の実績やスキルをわかりやすくまとめることと同じくらい、重要になるのがクライアントの求める人材像です。どのような案件で、そこにはどんな人材が必要なのか理解して記載します。
言わばそのエンジニアのスキルを買い取るクライアントはお客さんで、エンジニアのスキルは商品です。その商品にはどのような魅力があって、どのような使い道があるのか説明しましょう。
見やすさも意識して作成
たとえば、これまで経験してきた案件を適当に書き殴っているだけのスキルシートも少なからず存在します。5W1Hがバラバラであるケースもあります。そんなエンジニアに魅力を感じるでしょうか。
手がけた案件の時系列や使用環境、担当工程などは順を追って、わかりやすく記載することでクライアントの印象はかなり違ってきます。ひいては待遇の面でも少なからず違いが出るでしょう。
スキル不足の場合はどう書く?

フリーランスのエンジニアとして独立してまだ日が浅く、スキルシートに記載できる内容があまりない場合はどうすればいいのでしょうか。その場合でも、記載方法次第で見映えを良くできます。
ここでは、スキルの不足しているエンジニアがスキルシートを書くための対策を紹介します。もちろん嘘をつくのは論外なので、今持っている材料を膨らませていくという方向になります。
フリーのエンジニアとして活動を開始するまでに、相応の人生経験を積んでいるはずです。その中には、エンジニアとして役立つスキルもあるでしょう。そういったものを掘り下げていきます。
どんな経験も書き、空欄を少なくする
たとえば対人関係のスキルを求められているとして、接客業の経験があればそれもひとつの実績と言えます。また、数ヶ月でもIT系の勉強をしていたのであればそれも記載すべきです。
とにかくスキルシートの空欄を埋めることが重要です。所持している資格も余すところなく記載しましょう。
スキルをアップするための努力も必要
依頼のあった案件に携わり、業務にあたっている最中でも、スキルをアップさせる努力は必要不可欠です。フリーランスで活動する以上、スキルシートを書く機会は少なからずあります。
その際に、IT系の資格を持っていることは間違いなく強みになります。業務にあたる時間はもちろん重要ですが、自分自身を磨く時間もフリーランスのエンジニアには必要なのです。
使用できる言語を増やしたり、現在の作業環境について考え直してみたり、できることは決して少なくありません。より自分の価値があがるよう、常に向上心を持つようにしましょう。
まとめ
スキルシートはフリーランスのエンジニアが活動していく上で、非常に重要なツールです。クライアントはエンジニアの腕を買うわけで、その商品の魅力については敏感になっています。
ネット上でもスキルシートのフォーマットは存在しますが、それを参考に自分なりのスキルシートを作り上げるのがベターだと言えます。同じフォーマットを使用すると魅力が伝わりづらくなります。
よりわかりやすく、より具体的なスキルシートを作成して、営業活動に役立てましょう。ある意味では、実際に持っているスキルと同じくらい重要です。存分に魅力を伝え、アピールしましょう。