個人事業主になるには。未経験でもできる副業の始め方を紹介

個人事業主になるには何をすればいいのか、開業手続きや法人との違いを考えてみましょう。副業で個人事業主になるときの注意点も紹介しています。会社員や配偶者の扶養に入っている場合など、それぞれの特徴や違いも考えていきます。

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個人事業主はいつでも誰でもなれる

個人事業主は、特に難しい手続きや基準を達成せずとも誰でもなれます。会社を立ち上げるような労力が必要ないため、気軽に始められる働き方です。

何か仕事を始めようと思ったときは、まず個人事業主から始めてみましょう。始めるのは副業でも問題はありません。

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個人事業主と法人との違い

個人事業主は、法人化せず事業をしている人のことです。開業届を出すだけで、個人事業主になれます。

主な違いは税金の区分です。個人事業主は所得税を納める必要がありますが、法人税を支払う必要がありません。

所得が290万円以上の場合には個人事業税がかかります。

また、自宅で仕事をしている人も多いことから家事按分が適用されます。従業員を雇う場合も、法人とはルールが別です。少人数の場合は、社会保険加入などの義務がありません。

開業や廃業の方法にも差があります。個人事業主は届けを出すだけで開業・廃業でき、コストがかかりません。法人は登記が必要で、会社を立ち上げるときや解散の際に費用がかかります。

会社員、主婦でも副業として始められる

個人事業主は、開業届を出せば誰でも始められます。会社員や主婦などの副業としても申請が可能です。

売上や収入が少なくても、開業届を出して青色申告申請を出し、認められれば最大65万円の所得控除が受けられます。

青色申告が認められるかは事業の規模にもよりますが、自由に始められるのは魅力です。販売だけでなく、ビジネススキルや能力を活かす仕事でも、副業としてすぐに開業できます。

榎本希

個人事業主とは法人以外で事業を行っている者をいいます。

ここでいう事業とは継続・反復して業務をを行うということです。

個人事業主は法人と違い、登記も不要で開業届を税務署に提出すればいつでも簡単になることができます。法人のような複雑な設立手続や設立費用もかかりません。

会社員が副業で行う事も専業主婦も、専業で事業を行う人も誰でもなることができます。

個人事業主となる手続き

個人事業主になるには、所定の手続きが必要です。手続きといっても簡単なもので、書類提出だけで終わります。

税金面の優遇を受けるには基準を満たす必要がありますが、個人事業主になる手続きは誰でもOKです。

開業届の提出

個人事業主として認めてもらうには、まず開業届を出しましょう。必要書類を税務署に提出すれば、手続きは完了です。届けを出していない場合は、フリーランスは単なる雑所得として捉えられます。

単にフリーで働きたい場合は、開業届の提出義務はありません。ただし、青色申告をするには開業届が必須です。

個人事業主を選択するのは、所得の申請や税金の優遇が受けられるかで決めましょう。

青色申告承認申請書の提出

個人事業主になり、青色申告をする場合は『青色申告承認申請書』の提出が必要です。青色申告の申請は、出した人全員が認められるわけではありません。

事業として認められる規模で、一定の収入があることが条件です。副業として個人事業主になる場合は、基準も厳しくなります。

もし、最大の65万円控除が認められない場合は、10万円控除対象となるでしょう。どちらにしても、税制的には得をしますので、申請手続きはしておきましょう。

その他、地方自治体の税事務所へ事業開始等申告書(地方自治体により名称が違います)を提出します。

確定申告をおこなう

個人事業主は、会社員のように年末調整がありません。税金も自分で納めます。

税金を納める時期になって手続きを忘れていると、ペナルティが課されるため締切までに処理が必要です。自分での処理が難しい場合は、税理士に依頼しても良いでしょう。

確定申告は毎年2〜3月に申告を行います。前年度1月1日〜12月31日までの収入を申告し、税金を収めます。

クライアントから源泉徴収されている場合は、還付を受けるチャンスです。経費や生命保険料控除など、申請を漏れなく行えば節税にもなります。

榎本希

個人事業主になるためにはまずは開業届を税務署に提出します。

青色申告を行う場合には青色申告承認申請書を、家族を従業員にする場合には青色事業専従者給与に関する届出書も一緒に提出します。

その他地方自治体に事業開始等申告書(地方自治体により名称が異なります)を提出します。

また、確定申告も自分で行わなければなりません。

副業で個人事業主になる際の注意点

副業で個人事業主になる場合、本業とは少し状況が変わります。事業として申請するか、雑所得として申請するかで、税金も変わることが特徴です。

収入によっては確定申告が不要なケースもあり、個人事業主になるかは注意点を押さえた上で判断しましょう。

会社員が副業をおこなう場合

会社員が副業を行う場合は、年間の収入によって確定申告の義務が変わります。サラリーマンの場合、年間の雑所得が20万円以下なら、申告の義務はありません。

ほとんど収入がない場合は、開業届を出すと不利になる点もあります。たとえば、開業届を出し、仕事をしているとみなされると退職後に失業保険が受け取れません。

会社をやめて失業給付を受け取ろうとすると、開業届を出していたばかりに却下されることも考えられます。あくまでも会社の収入がメインで、副業収入はほとんどない場合、無理に開業届を出すのはやめておいた方がいいかもしれません。

青色申告のメリットはありますが、収入が少ない場合は、65万円控除が受けられるとも限りません。

配偶者の扶養に入っている場合

配偶者の扶養にはいっている場合、個人事業主としてお金を稼ぐと、扶養から外れてしまうことがあります。

パートなど、給与所得であれば年間103万円まで配偶者の扶養に入りながら働けますが、個人事業主は年間所得の考え方が違います。個人事業主は、基礎控除38万円と経費、その他の保険料控除などを差し引いた額がそのまま所得になります。

2020年度申告分から基礎控除は48万円になります。

個人事業主とパート収入の所得が違う理由は、給与に給与所得控除が設けられているためです。実際に経費として使っていなくても、固定の金額が控除されます。

個人事業主は、使った経費を実費でしか請求できません。もし配偶者の扶養に入ったまま収入を得たい場合は、税金面でパート収入のほうがお得になる可能性があります。

榎本希

会社員が個人事業主になった場合、何らかの事情で会社を退職した場合には失業手当が受給できなくなります。

また、扶養控除内で個人事業主となる場合には所得の計算方法が「給与-給与所得控除(55万円)-基礎控除(48万円)」ではなく「事業所得(売上-経費)-青色申告控除(10万円又は55万円又は65万円)-基礎控除(48万円)」となります。

副業を成功させるコツ

副業を始めても、全員が成功するわけではありません。成功するには、努力やコツも必要です。

事前の情報収集や、副業に関する分析から始めましょう。個人事業主としてやっていけるのか、客観的な判断も必要です。

情報収集と自己分析

副業には、情報収集が欠かせません。どのような仕事に需要があるのか、リサーチしましょう。個人事業主は、企業や顧客が求める物を提供しなければいけません。

自分に向いている仕事を探すために、自己分析も大切です。やりたい仕事と、自分の適性は異なります。

中にはやりたいことと適正がマッチしている人もいますが、そうでない人もいるでしょう。自己分析で自分に何ができるのか、どんな仕事なら収益を上げられるのか判断しましょう。

顧客を見つけておく

副業を始めるとしても、顧客がいなければスタートできません。相手が個人が企業かは、業種や個人の状況によって変わります。

自分の作品や商品を買ってくれる人がいるのか、需要を見極めた上で事業を始めましょう。本業での人脈を活かすとしても、事前の相談が大切です。せっかく仕事を始めても、需要がなければすぐに収入が途切れてしまいます。

スモールスタートでリスクを減らす

副業で大切なポイントは、最初から大きな見返りを求めないことです。まずは、必要な分だけ投資しましょう。

商品が売れるはずだと思いこんでしまうと、大量に在庫を抱えてしまいます。最初は限定した商品やサービスだけを用意して、顧客の反応で事業規模を拡大するスモールスタートがリスク回避におすすめです。

もちろん、後から追加が難しい部分に対しては、ある程度の投資が必要です。仕入れやサービスを限定する程度なら、反応がよいときにすぐ追加できます。

榎本希

個人事業主となって事業を始めてすぐは収入が安定しにくいケースが多いです。

そのため、最初から設備投資などのコストをかけすぎないようにすることが大切です。

また、個人事業主となる前から人脈を作っておくなど顧客を見つけておくことや、事業を行う上でマーケティングや自分の強みを把握したり、事業のコンセプトなどをの経営理念を決めておくと良いでしょう。

まとめ

個人事業主は、原則誰でもなれます。開業届を出せば、副業でも立派な個人事業主です。

ただし、副業の場合は青色申告が認められるとは限りません。本業でも売上が少なすぎると事業規模に達していないと判断されますが、副業では給与所得との損益通算の関係もあり、基準が厳しく設定されています。

給与所得とは控除も違うため、配偶者の扶養に入っている人は注意しましょう。

榎本希 [監修]

医療機関・医大の研究室にて長年勤務をした後、行政書士試験を受験。医療系許認可をメインに扱う行政書士として、行政書士のぞみ事務所を開業。再生医療関係の許認可・診療所開設・医療広告ガイドラインに基づく医療広告のチェック等の他、任意後見・契約書作成・起業支援を扱う。

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