基本情報技術者試験の難易度は?
基本情報技術者試験は、すでに高度IT人材としての必要な基本的知識や技能を有し、実践的な活用能力を身に付けた者を対象としていることから、その難易度も高めに設定されています。ここでは基本情報技術者試験の難易度について解説します
合格率は20〜25%
ここ10年ほど合格率は20〜25%で推移しており、受験者の4人から5人に1人が合格する割合です。基本情報技術者試験は4段階ある情報処理技術者試験制度のスキルレベルのうち2番目に位置しており、中級レベルと言えます。
ITエンジニアである開発者側を想定した問題作りとなっているので、インターネット構造に関する専門的な知識が要求されます。
決して簡単に受かる試験ではなく、確実に合格するためには計画的に試験勉強に取り組む必要があります。
2020年4月以降の受験は要注意
次世代のAI時代に対応できる人材の育成を視野に入れ、近年基本情報技術者試験の出題内容の見直しが行われました。
出題されるプログラミング言語が、現在の教育業界や産業界のIT活用状況に応じて見直され、プログラミング能力や理数能力に関する出題が強化されています。
見直された試験は2020年4月以降に実施される予定です。確実に合格するためには、これまでの傾向を踏まえた新たな対策が必要となります。受験を予定される方は情報処理推進機構のホームページをチェックして、最新の情報をこまめに情報収集しましょう。
合格のために必要な勉強時間の目安
一流ITエンジニアの入学試験とも言えるこの試験は、基本的ですが専門的な知識や内容や問われているので、決して誰でも合格するものではありません。
合格率も平均20%台とさほど高くないので、学習計画を立てて段階的に学習を進める必要があります。確実に試験に合格するためには一定の勉強時間を確保する必要があるのです。
半年間で合格を目指そう
試験は毎年4月と10月の2回実施されます。一年間で2回受験するチャンスがありますが、複数回の受験を想定して勉強に取り組むことは決して得策とは言えません。
この試験は合格した後の実務が大切になるのです。受験を長引かせることなく確実に合格するためにも、半年間の勉強で合格することを目指し計画的に勉強しましょう。
目安は180時間
受験する方の多くは仕事をされている社会人の方ですので、1日の中で多くの時間を試験勉強として確保することが難しい場合もあるでしょう。
しかし試験内容は情報通信技術全般に及ぶことから、試験に合格するためには一定の勉強時間は確実に必要になります。
試験勉強開始から半年で合格することを目指し、できれば毎日1時間確保して継続的に勉強に取り組み、試験までの半年間で合計180時間勉強時間を確保することを目標にしましょう。
初学者や文系の受験者はもっと掛かる場合も
基本情報技術者試験は、情報通信に関する基本的な知識だけでなく、アルゴリズムやプログラミングについての専門的な内容が問われます。情報技術に関し全くの初学者や文系出身者は、経験者や理系出身者よりも多くの勉強時間を確保する必要があります。
離散数学やプログラミングは理系の学生はすでに学んでいることが多く、文系出身者は理系出身者に比べてより試験勉強に時間が掛かるでしょう。
今の自分の知識レベルと、この試験が合格に必要とされている知識レベルとの距離をきちんと把握し、その距離を確実に縮めながら合格に向けて勉強を進めていきましょう。
試験内容
基本情報技術者試験は、情報処理に関する内容だけでなく、経営戦略マネジメントや企業の会計財務、知的財産権や労働関連法規なども出題され、その範囲は多岐にわたっています。
そのため試験の対策を立てることは合格には欠かせません。ここでは試験のスケジュールや試験内容について、具体的に解説していきます。
午前、午後
基本情報技術者試験は午前の部と午後の部に分かれており、それぞれ150分間実施されます。午前中は暗記型の小問が80問出題されます。
試験内容の内訳としては、テクノロジー系問題が50問と半分以上の割合を占めており、他にはマネジメント系問題が10題、ストラテジー系の問題が20問出題されます。
午後は長文の穴埋め形式の問題が出題され、より専門性に富んだ応用的な問題が出題されます。午前午後ともに100点満点で採点され、互いに60点以上得点すれば合格となります。
選択科目
午後の試験は選択問題が含まれています。できるだけ勉強時間を短くしたいことから、選択するジャンルを事前に決めて勉強する方もいますがあまりおすすめはできません。毎年出題傾向も変わりやすいので、満遍なく学習して柔軟に対応できるように準備しましょう。
表計算を攻略しよう
表計算を苦手にしている受験生は多く、逆にしっかり対策して理解できれば得点源にできる分野です。特に演算子と絶対参照、関数の三つをマスターすることで表計算をマスターすることが可能なのです。
合格のための学習計画
ITエンジニアに必要な基礎的な知識や能力を問われる基本情報技術者試験ですが、計画を立てずに生半可な気持ちで受験しても、そう簡単に合格するレベルの試験ではありません。
ここでは、忙しい時間のなかで上手に時間を使い、効率的に学習して試験に確実に合格するための、おすすめの対策の立て方について紹介します。
学習計画を立てる
やみくもに試験勉強に取り組む前に、事前にしっかりとした学習計画を立てましょう。最初に自分がどの時期に受験するのかを決定し、受験当日までの期間に合格レベルに達するためにはどうすれば良いのか、戦略的な勉強計画を立てることが大切です。
効率的に勉強を進めながら確実に合格するためには、まずは全体像を把握し、今自分がどの段階にいるのかを把握する必要があります。今自分がどの知識を身につけていて、どの知識が不足しているのかを、常に分かっておく必要がるのです。
無駄な学習をしないためにも、学習する範囲に優先順位をつけながら計画的に取り組むことを心がけましょう。
過去問対策を重点的に
試験は主に『過去問』を中心に構成されています。特に午前の試験は、以前に問われた内容が何度も出題されており、問題の半分以上が過去出題された問題で構成されています。
残りの問題も過去問の類似問題が出題されていることから、午前試験は過去問対策だけでも十分に対応できるものとなっています。
他方、午後試験は過去問がそのまま出題されることはありません。テキストや問題集を利用して対策を立てましょう。過去問に関しては、午後試験の出題形式や傾向を探るためにも、一度は試験の内容に目を通すようにしておきましょう。
まとめ
基本情報技術者試験は、ITエンジニアにとって基礎的なIT知識を問われる、入門的な試験です。この試験に合格することでエンジニアとしての自信にも繋がり、将来IT業界で活躍するきっかけにもなります。
きちんと対策を立ててひとつひとつ着実に勉強すれば、初学者でも合格可能な試験です。効率的に勉強に取り組んで、あなたも確実に合格を掴み取りましょう。