副業をすることで想定されるリスクは?
「収入を増やしたい」「好きな仕事をやってみたい」という人にとって、副業は魅力的です。ただし、実際に始める前に、副業のリスクについて知っておくことは重要でしょう。
副業を行うリスクについて考察します。
副業の業務から発生するリスク
副業のリスクとしてよくあるのが、お金や納期に関するリスクです。
副業には『報酬がもらえない』『納期に間に合わない』というリスクは、常につきまといます。こうしたトラブルは、一度発生すると解決までに手間と時間がかかるケースが多いため厄介です。
また、知らずに請けた仕事が違法だったというケースもあります。仕事を請ける際は、仕事内容を詳細まで確認し、怪しいものは好条件でも請けないという用心深さが必要でしょう。
副業イコール楽な仕事ではない
副業だからと軽く考えていると、思わぬトラブルに巻き込まれる可能性があります。副業とはいえ、仕事は仕事です。副業を開始する前に、承知しておくべきポイントを紹介します。
仕事の完遂や品質に責任を持つ必要がある
仕事を請けた以上は、仕事を完了させることや、品質に関する責任を負うことになります。
契約を結んだ以上は契約通りに仕事を完遂する必要があり、クライアントが求めるクオリティの成果物を提出しなければなりません。
自身は「他に本業がある」と思っていても、クライアントには関係ありません。契約内容を適切に実施できない場合は、ペナルティが科せられたり、報酬が支払われなかったりする可能性があります。
損害賠償を請求される場合もある
納品が遅れたためにクライアントに損失を発生させた場合、損害賠償を請求されることもあります。また、自身の管理ミスで重要な情報が漏洩したり、成果物が知的財産権侵害に該当するとみなされたりした場合なども、賠償責任を問われるかもしれません。
企業に属する労働者は、企業の保護のもとにあります。しかし請負契約で働く場合、トラブルには自身で対処していく必要があるのです。
搾取される、詐欺にあうリスク
副業では自身に仕事の選択権がある一方で、不当契約によって搾取されたり、詐欺まがいの案件にひっかかったりするリスクがあります。
企業や団体に属さずに働く場合は労働基準法の対象外となり、法定労働時間や最低賃金が適用されません。そのため、労働力が安く買いたたかれやすく、長時間働いてもわずかな報酬しか得られないことがあるのです。
また、仕事を探す人を狙った詐欺も横行しています。引っかかれば収入を得るどころか損失を被ってしまうため、注意が必要です。
これでリスクなし?リスクヘッジ方法
副業にまつわる、さまざまなリスクを回避するには、自己管理が重要です。副業を始める人が行っておきたい、リスクヘッジ方法を紹介します。
契約内容をしっかり確認する
副業で仕事を行う場合、契約書の内容がすべてです。どんなによく知るクライアントでも契約内容は隅々まで確認し、納得したうえで契約を結ぶようにしましょう。
契約書で特に気をつけておきたいポイントは、以下の項目です。
- 報酬
- 納期
- 瑕疵担保責任
- 損害賠償義務
- 著作権
- 機密保持
面倒だからと契約書の内容を確認しないのは、後々のトラブルの元となるため、厳禁です。不利な条件で働かされることのないよう、疑問や不満がある場合は、きちんとクライアント側に伝えましょう。
無理のないペースを保つ
副業では、自由に労働時間を決められるため、ついついオーバーワークになりがちです。本業へ支障が出ないよう、副業にかけるペース配分は適切に行う必要があるでしょう。
無理なく副業を続けるには、仕事量と納期には余裕を持たせることが重要です。「もう1つ2つ請けられる」くらいの状態で働けば、体力・精神的にも楽になります。一つの仕事にしっかり集中できる分、仕事のクオリティも高くなるでしょう。
リスクが少ない仕事を選ぶ
副業によるトラブルを防ぐには、日頃からリスクを想定して仕事を選択し、リスクが少なくて安心して取り組める仕事のみを請けることも重要です。
常にリスクを想定して動けば、リスクに対して敏感になります。「この仕事はおかしい」「トラブルになりそう」という判断を付けやすくなるため、自然と『リスクが少ない仕事』のみを請けられるようになるのです。
まとめ
副業は気軽に始められる反面、リスクもあります。思わぬトラブルに巻き込まれないようにするためにも、事前の契約書は隅々まで確認しましょう。
また、仕事を請ける際は、負担なく働ける仕事を選ぶのがベターです。メインは本業と心得て、体力・精神力を疲弊しない仕事を選びましょう。
副業にかかるリスクは、備えていれば防げるものが多々あります。頼りになるのは自分のみと承知し、案件内容やクライアントの確認をぬかりなく行いましょう。