フリーランスでも履歴書が必要な場面
フリーランスで働く場合、履歴書が必要なく、あまり書いたことがないという人も少なくありません。しかし、フリーランスでも履歴書が必要になる場面はいくつかあります。2つの場面が想定されますので、ケース別にみていきましょう。
案件を受注する場合
フリーランスの場合は直接顧客と契約して働くことになります。そのため、就職や転職とは違い、面接や履歴書などを必要としないケースも多いのです。しかし、直接契約という性質上、それぞれの顧客によって契約方法が違ってくるという場合があります。
そのため、案件を受注して契約をする際に履歴書の提出を求められるということもあるでしょう。履歴書の提出を求められやすいのは、長期にわたるような契約や大型の案件を受注する場合、また企業に常駐して働くような案件、といったものになります。
紹介サービスに登録する場合
インターネットなどに多くある、フリーランサーと企業を結びつけるような紹介サービスを利用する場合は、履歴書が必要になります。
フリーランスで働く場合には、知り合いに紹介されたり前の会社のつながりで、というように仕事を紹介されることが多いのですが、人脈に不安がある、もっと色々な仕事を受注したいという場合には、紹介サービスを利用するという方法もあるでしょう。
このような紹介サービスに登録する場合には、履歴書や職務経歴書などを提出して登録する必要があるのです。
フリーランスの履歴書のフォーマットと記入例
フリーランスの場合どのように履歴書を記入したらいいのかわからないという人も多いでしょう。職歴には何と書けばいいのかわからなくて悩んでいるという人も少なくありませんから、フリーランスの場合のフォーマットと記入例について紹介します。
職歴
履歴書を書く場合には職歴が必須になりますが、フリーランスで働いていた場合には、「個人事業主」という立場で職歴を記載することになります。開業届けを出さずに働いているような場合には、「平成○○年4月個人事業主(Webデザイナー)として活動」「平成○○年3月一身上の都合により活動停止」と改行して記載します。
開業届け・廃業届を出していた場合
開業届けを出してフリーランスで働いている場合や、廃業届を出していた場合には書き方が少し違ってきます。まず、「平成○○年4月個人事業主(イラストレーター)として開業」というように、記入しましょう。
個人事業主として開業だけでもいいのですが、それだけだと何の仕事なのかわからないので捕捉として括弧内に職種を記入するといいです。廃業届を出している場合には「平成○○年12月一身上の都合により閉鎖」としましょう。
業務内容
仕事の内容や具体的にどのような業務を請け負ってきたのか、どのようなものを顧客に提供してきたのかを簡潔に書きます。関わった仕事と詳しい業務内容、その業務にかかわった具体的な年月などを記載することになります。
この時に、仕事の規模や当初の目標値、実際の利益などを時系列順に記入していきましょう。
実績
フリーランスとして働いてきて、どのような成果があるのかを簡潔に記載します。実績については、業務内容と合わせて書くことが多いので、業務内容と一緒に実績も書いていきましょう。
この時、だれにでもわかりやすく実績が伝わるように、データなどを混ぜ込んで記載するとより効果的です。たとえば、「平成〇〇年〇月プロジェクトを立ち上げ、売り上げ目標を○○万円に設定」「平成〇〇年〇月売り上げ目標を達成」「平成〇〇年〇月○○メディアに取り上げられ、さらに〇%の売り上げアップを実現」というように、時系列に沿ってデータを基にした実績アピールをしていきましょう。
志望動機
志望動機は、なぜこの仕事をしたいのかということをアピールすることが必要です。志望動機は重要視されやすい部分ですから、自己理解を深めてその業務に対する思いや、自分の仕事でどのように貢献していきたいかをアピールしてください。
たとえば、「Webデザイナーとしての経験はもちろんですが、フリーランスとしての自由な発想や枠に捕らわれない柔軟な考え方で、貴社の事業発展に貢献したいと考えております。また、貴社のプロジェクトに関わる事でWebデザイナーとしてのスキルアップに役に立つと考え、応募いたしました。」というように記入するといいでしょう。
自己PR
自己PRも履歴書の中で重要視されやすいポイントです。自己PRは、自分がどのようなスキルを持っているのか、今までの業務から何を得てきたのかということを書くことになります。
フリーランスとして働くのなら、謙虚になりすぎることはNGです。自分が誇れるスキルや実績をしっかりとアピールすることが仕事につながりますから、堂々と今までの実績、成果、スキルを記載しましょう。
記入例としては、「それぞれの作業工程にしっかりと目を向けて工程管理をしていくスタイルに、高い評価をいただいています。また、プロジェクトに携わる全員が主役だということを常に念頭において、様々なアイディアを融合させて形にしてくことを得意としています。」というように、自分が得意なことや評価されていることを記入しましょう。
職種別フリーランスの履歴書の書き方
フリーランスといってもさまざまな職種があります。それぞれの職種によって適切な履歴書の書き方というのは違ってきますから、職種ごとに履歴書のポイントを見ていきましょう。ここでは、イラストレーター、クラウドワーカー、アルバイト、それぞれの職種別に履歴書の書き方を紹介します。
イラストレーター
イラストレーターはセンスや技量が問われる職種です。そのような部分は実際に持参した作品によって判断されることになりますので、履歴書ではそれ以外の部分をアピールしましょう。職種は開業している場合には「個人事業主(イラストレーター)として開業」と記載しましょう。
それ以外の部分としては、管理能力やコミュニケーション能力、プレゼンテーション能力が伝わるような内容にすると効果的です。イラストレーターの場合には、顧客の求めるものをしっかりと理解するコミュニケーション能力、自分の作品をプレゼンテーションする能力が必要だとされていますから、その点をアピールしましょう。ブログやホームページなどがあるのなら、そのURLを記載して人柄をアピールするのもいい方法です。
クラウドワーカー
クラウドワーカーとして働いている場合、履歴書に書いてもいいのか悩むという人もいるでしょう。クラウドワーカーの場合でも職歴に記入することは可能です。
クラウドソーシングサービスに登録しているような場合には「平成○○年5月○○クラウドソーシングサービスに登録」「平成○○年5月※※社から@@案件を受注」「平成○○年6月○○クラウドソーシングサービスを一身上の都合で退会」、または「平成○○年4月在宅ワークを開始」「平成○○年5月※※社から○○案件を受注」というように、一行ごとに改行しながら記入しましょう。
この時に、どのような案件を受注したのかわかるように書くことが重要です。たとえば、Web上の記事を書いていたならWebライター、簡単な入力業務ならExcelやWordを利用した文字入力、などというように仕事内容がわかるようにすることが大切になります。
アルバイト
フリーランスとアルバイトを掛け持ちしているという人も多くいます。そのような時にはどのように履歴書を書けばいいのでしょうか。基本的に、アルバイト歴は職歴として書く必要はありません。
しかし、フリーランスの仕事に関わるようなアルバイトをしていたという場合には、アルバイト歴を職歴として記載してもいいでしょう。たとえば、フリーランスでデザイナーをしながら、アパレル関係のアルバイトをしていたなどという場合には、デザイナーの仕事にも役立つということで職歴として記載してアピールしてもOKです。