業務委託契約で確定申告が必要となるケース。副業や報酬の取り扱い

業務委託契約で仕事を行い報酬が発生すると、確定申告が必要になる可能性があります。どのようなケースで確定申告が必要なのでしょうか? 本業と副業の違いも解説します。確定申告の仕方も紹介するので、正しく税額の申告をしましょう。

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業務委託契約と確定申告の必要性

企業に雇われて働く場合、所得税は企業が給料から差し引いて納税しています。一方、業務委託は自分で所得税を納税しなければいけません。そのため、確定申告が必要なのです。

業務委託とアルバイトとの違い

アルバイトは企業に雇われて仕事をする働き方です。給料は、時給や日給で計算されることが多いでしょう。

雇用契約のため、労働者を守るための法律で保護されますし、条件を満たせば雇用保険や社会保険への加入も可能です。

業務委託は成果物を納品することで報酬を受け取る働き方です。時間や日にちで拘束されることがありませんし、業務遂行のために指示されることもありません。自由度の高い働き方といえます。

定められた成果があげられればよい働き方といえるのです。インターネット上で仕事を探せるクラウドソーシングも、業務委託の一種といえます。

業務委託による報酬のみの場合の確定申告

業務委託を請け負う個人事業主としてのみ仕事をしている場合、『所得38万円』を超えると確定申告が必要です。基礎控除38万円があるため、所得38万円までは申告の必要がありません。

注意したいのは、収入と所得の違いです。所得は収入から必要経費を差し引いた金額です。受け取った年間収入が100万円だった場合でも、かかった費用が80万円だった場合、所得は20万円になります。

38万円以内におさまっているため、このケースでは確定申告しなくてもよいのです。

※編集部注 2020年度分の確定申告より基礎控除が38万円から48万円に引き上げられます。

副業の場合の確定申告

会社員やアルバイトとして働いているかたわら業務委託として仕事をする場合、確定申告が必要になる所得が違います。副業の場合は、『所得20万円』を超えると確定申告する必要があるのです。

このケースでも、判断に用いるのは所得のため、収入から必要経費を差し引けます。確定申告をするときには、本業の企業から受け取る源泉徴収票を添えて、確定申告をしましょう。

出典:給与所得者で確定申告が必要な人|国税庁

榎本希

2020年度申告分より基礎控除が48万円に引き上げられ、給与所得は10万円引き下げられました。

医療費が10万円以上あるような場合には高額医療費控除などもあるので医療機関の明細は取っておくようにしましょう。

また、医療費控除が受けられない場合でもドラッグストアなどで医薬品を購入した際にその医薬品がセルフメディケーション税制対象のものであれば世帯の年間購入額が1万2000円以上であればセルフメディケーション税制の利用が可能です。

税額の計算方法

所得税や納税額はどのように計算するのか、順を追って紹介します。納税すべき税額を自分で計算できるようになりましょう。

課税所得の計算

税額を計算するには、所得金額を計算します。所得は全部で10種類あるので、それぞれの項目ごとに計算しましょう。給与所得であれば、下記の所得控除額を差し引いて計算します。

給与等の収入金額(給与所得の源泉徴収票の支払金額) 給与所得控除額
180万円以下 収入金額×40%、65万円に満たない場合には65万円
180万円超360万円以下 収入金額×30%+18万円
360万円超660万円以下 収入金額×20%+54万円
660万円超1000万円以下 収入金額×10%+120万円
1000万円超 220万円

No.1410給与所得控除|国税庁

2020年度申告分より給与所得は10万円引き下げられ、上限を195万円に設定されます。

給与等の収入金額(給与所得の源泉徴収票の支払金額) 給与所得控除額
162.5万円以下 55万円
162.5万円超180万円以下 収入金額×40%-10万円
180万円超360万円以下 収入金額×30%+8万円
360万円超660万円以下 収入金額×20%+44万円
660万円超880万円以下 収入金額×10%+110万円
850万円超 195万円

事業所得は『収入-経費』で計算します。青色申告の申請をしている場合には、青色申告特別控除も引きましょう。

全ての所得が計算できたら、それらを合計します。ここから医療費控除や社会保険控除などの所得控除を差し引き、課税所得を計算するのです。

税額の計算

課税所得が求められたら、所得税の税率を掛けて所得税額を求めましょう。税率は下記の表の通りです。

課税される所得金額 税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195万円超330万円以下 10% 9万7500円
330万円超695万円以下 20% 42万7500円
695万円超900万円以下 23% 63万6000円
900万円超1800万円以下 33% 153万6000円
1800万円超4000万円以下 40% 279万6000円
4000万円超 45% 479万6000円

No.2260所得税の税率|所得税|国税庁

実際に納付する金額を計算するには、さらに所得税額の2.1%の復興特別所得税をプラスします。また、税額から直接控除できる住宅借入金控除や寄付金控除がある場合には、それらを差し引きましょう。

榎本希

2020年度申告分より基礎控除が48万円に引き上げられ、給与所得は10万円引き下げられました。医療費が10万円以上あるような場合には高額医療費控除などもあるので医療機関の明細は取っておくようにしましょう。

また、医療費控除が受けられない場合でもドラッグストアなどで医薬品を購入した際にその医薬品がセルフメディケーション税制対象のものであれば世帯の年間購入額が1万2000円以上であればセルフメディケーション税制の利用が可能です。

確定申告の方法

初めての確定申告で慣れていない、という場合、手順が複雑で難しく感じられます。必要書類や確定申告書の書き方を解説するので、不備なく用意できるようにしましょう。

確定申告の必要書類

確定申告には白色申告と青色申告の2種類があります。どちらでも必要なのが、『確定申告書B』です。第一表と第二表があるので、両方用意します。

また、業務委託の事業所得を白色申告で手続きする場合には『収支内訳書』を、青色申告で手続きする場合には『青色申告決算書』をそれぞれ作成します。

確定申告書の作成には帳簿や領収書が必要ですが、これらは提出しません。ただし保管義務がある書類なので、整理して保存しましょう。

源泉徴収がある場合は支払調書を確認

業務委託の報酬でも、源泉徴収されて支払われている場合があります。この場合、企業から送られてくる支払調書をもとに、源泉徴収税額を確定申告書に記載しましょう。

支払調書は企業が税務署へ提出する書類です。そのため、業務委託を請け負っている個人事業主へは送付されないこともあります。その場合は、請求書をもとに源泉徴収税額を計算して記載しましょう。

きちんと記載することで、源泉徴収税額が多ければ還付されますし、徴収不足なら不足分のみ納付します。

申告書類の書き方

確定申告書を作成するときには、まず使用する書式を選びます。業務委託で得た所得の確定申告なら『確定申告書B』を使用しましょう。

各欄に何を記入すべきかは、欄の左側に記載があります。計算が必要な場合は、計算方法も書いてあるので、順を追って記入すれば完成です。

スムーズに記入するためには、必要に応じて下記の書類をそろえます。

  • 青色申告決算書か収支内訳書
  • 源泉徴収票
  • 医療費控除のための医療機関の領収書
  • 社会保険料の控除証明書
  • 生命保険料の控除証明書
  • 地震保険料の控除証明書
  • 寄付金控除のための寄附金受領証

榎本希

確定申告には白色申告と青色申告があります。青色申告特別控除を受けるためには青色申告承認申請書を提出していなければなりません。青色申告の場合には提出書類も多く最初は戸惑うかもしれませんが、税務署にて無料の相談も行われているので活用しましょう。

また、自分で提出書類を作成するのが困難な場合には税理士に相談することで確実に確定申告を行う事が出来ます。

まとめ

業務委託契約では、本業なら所得38万円、副業なら所得20万円を超えると確定申告が必要です。税額の計算方法や確定申告の仕方を知り、正しく手続きしましょう。

スムーズな書類作成のためには、資料として必要な書類をもれなく用意しておくことも大切です。事前の準備をしておくことで、正しく確実に確定申告ができます。

榎本希 [監修]

医療機関・医大の研究室にて長年勤務をした後、行政書士試験を受験。医療系許認可をメインに扱う行政書士として、行政書士のぞみ事務所を開業。再生医療関係の許認可・診療所開設・医療広告ガイドラインに基づく医療広告のチェック等の他、任意後見・契約書作成・起業支援を扱う。

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