有価証券報告書で分かるカオナビの平均年収
株式会社カオナビの第17期(2025年3月期)の有価証券報告書では、提出会社の従業員は394人、平均年間給与が6.9百万円(690万円)、平均年齢が34.2歳、平均勤続年数が2.6年です(2025年3月31日現在・2025年6月26日提出)。
項目 | 第17期(2025年3月期) | 第16期(2024年3月期) |
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従業員数(提出会社) | 394人 | 304人 |
平均年齢 | 34.2歳 | 33.8歳 |
平均勤続年数 | 2.6年 | 2.7年 |
平均年間給与 | 6.9百万円(690万円) | 6.5百万円(650万円) |
出所: 株式会社カオナビ「有価証券報告書(第17期)」「有価証券報告書(第16期)」の「従業員の状況」(万円は百万円の値を換算)。
報告書の平均年間給与は百万円単位で書かれているので、690万円は10万円単位の目安として読んでください。注記によると、平均年間給与は基準外賃金なども含む値です。
平均の対象は株式会社カオナビ単体の394人
690万円は、株式会社カオナビ(提出会社)の従業員394人の平均です。同じ報告書の連結会社の従業員は、HRテック事業が406人、その他事業が7人の合計413人でした。
報告書は、報告セグメントを HRテック事業だけとしています。エンジニアもセールスもカスタマーサクセスも同じ平均に入るので、エンジニアだけの平均年収とは別の数字です。
第17期の報告書は2025年6月の上場廃止のあとに提出された
カオナビの株式は、2025年6月11日付で東京証券取引所グロース市場の上場廃止となりました。第17期の有価証券報告書は上場廃止のあと2025年6月26日に提出されたもので、載っているのは2025年3月31日現在の従業員の状況です。
同じ報告書によると、カオナビは公開買付けを含む一連の取引で株主を Keystone Investment Holdings, L.P. だけにし、株式を非公開化しました。The Carlyle Group が持分のすべてを保有する Keystone Investment Holdings, L.P. が、カオナビの支配株主です。
公式のエンタープライズセールスの求人票の会社概要は、いまのカオナビを「近い将来に向けた再上場へ」向かう変革期として紹介する内容です。690万円は2025年3月期の平均なので、いま募集している職種の年収は、求人票の想定年収とグレード別の年俸レンジを合わせて確かめてください。
男女の賃金の差異は正規雇用労働者で85.9%
第17期の有価証券報告書が載せる女性活躍推進法の規定に基づく指標のうち、提出会社の労働者の男女の賃金の差異は、全労働者で85.2%、正規雇用労働者で85.9%、パート・有期労働者で92.7%でした。
同じ表で、管理職に占める女性労働者の割合は26.3%です。報告書は、優秀な女性従業員の抜擢や男女間の賃金格差の解消に取り組むと書いています。
年俸は7段階のミッショングレードで決まる
株式会社カオナビの年俸は、コース別に定義された7段階のミッショングレードごとに幅が決まる仕組みです。公式の採用サイトの「働く環境」のページが、グレードごとの年俸レンジと、インセンティブを含めた上限額を公開しています。
ミッショングレード | 年俸レンジ | インセンティブを含む上限 |
|---|
1 | 450万円まで | 525万円 |
2 | 450万〜650万円 | 758万円 |
3 | 550万〜800万円 | 933万円 |
4 | 700万〜1,000万円 | 1,167万円 |
5 | 900万〜1,300万円 | 1,517万円 |
6 | 1,100万〜1,600万円 | 1,867万円 |
7 | 1,300万円以上 | 上限なし |
出所: 株式会社カオナビ 採用サイト「働く環境」(2026年10月29日取得)。
有価証券報告書の平均690万円は、年俸レンジで見るとグレード3(550万〜800万円)の幅に入る水準です。平均年間給与には基準外賃金なども入るので、年俸レンジと同じ物差しではない点に気をつけて比べてください。
年俸の幅は隣り合うグレードどうしで重なる設計です。たとえばグレード3の上の端800万円は、グレード4の下の端700万円より高く、同じ年俸でもグレードが違うことがあります。
マネジメントコースとスペシャリストコースを選べる
ミッショングレードを定義するコースは、マネジメントコースとスペシャリストコースの2つです。グレード1と2は両コースで共通で、グレード3から上はコースごとにミッションが分かれます。
マネジメントコースは、人・物・金・情報の経営資源を管理し、組織の成果に責任を持つキャリアです。スペシャリストコースは、特定の専門領域のスキルや知識で組織に貢献するキャリアで、グレード4では「高い専門性を活かし、部門内の重要課題を解決し成果を最大化する」ことがミッションに挙がっています。
エンジニアがマネージャーにならずに年俸を上げたいなら、スペシャリストコースのグレード4から上のミッションが、自分の経験で担える内容かを先に読んでおくと、応募の前に目安を立てやすくなります。
評価は年2回で、ミッション・バリュー・能力の3項目
カオナビの評価は、ミッション、バリュー、能力の3項目を踏まえた総合評価です。公式の採用サイトの「よくある質問」によると、年俸制のもとで年2回(上期・下期)に評価を行い、給与を改定しています。
ミッションはグレードに応じた目標の達成度を、バリューは会社のバリューを実践できたかを、能力は業務に必要なテクニカルスキルと全社員共通のポータブルスキルの到達度を評価する項目です。「働く環境」のページは、バリューの実践や能力の到達度に応じて年俸が決まると説明しています。
年に1回の昇給を前提にした会社から移るなら、評価と年俸の改定が半期ごとに来る点を押さえておくと、入社後の年収の動き方を見通しやすくなります。年俸制の仕組みと求人票で確かめる点は、年俸制のデメリット|求人で見る賞与と残業代にまとめました。
インセンティブはミッション目標の高い達成に半期ごと
カオナビには年俸とは別のインセンティブがあり、ミッションの目標に対して高い成果を出した社員に半期ごとに支給されます。グレード別の表の「インセンティブを含む上限」は、インセンティブまで含めた場合の上限として公開されている額です。
給与欄に「インセンティブ制度あり(半期の個人評価をもとに年2回支給)」の注記が付く求人票も、エンジニアやプロダクトマネージャーの正社員求人13件のうち11件です。今の年収と比べるときは、まず年俸レンジの部分で比べ、インセンティブは成果しだいで上乗せされる部分として分けて考えると判断を誤りにくくなります。
年間昇給10%以上の社員は24.2%
第17期の有価証券報告書は、人材戦略の柱の1つに「Pay for Performance」を掲げ、その指標として年間昇給10%以上の社員比率を載せています。2025年3月期は24.2%で、2024年3月期は21.1%、2023年3月期は24.0%でした。
同じ報告書では、成長や成果に報酬とより成長できるポジションで報いることを、人材の確保・育成に重要だと位置づけています。年俸レンジはグレードごとに決まっているので、上のグレードへ上がると年俸の幅そのものが上に移る仕組みです。
求人票に載るエンジニアとプロダクトマネージャーの想定年収
株式会社カオナビの中途採用の求人票(13件)では、エンジニアの想定年収は500万〜1,800万円、プロダクトマネージャーは800万〜2,000万円の範囲で募集しています。2026年10月29日に公式の求人一覧(HRMOS)から、エンジニア・QA(品質保証)・社内SE(社内システムエンジニア)・プロダクトマネージャーの正社員求人13件の給与欄を読み取りました。
求人票の職種 | 想定年収 |
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AIエンジニア | 800万〜1,800万円 |
【CTO室】フロントエンドエンジニア | 800万〜1,300万円 |
シニアバックエンドエンジニア(PHP) | 600万〜1,200万円 |
シニアバックエンドエンジニア(Go) | 600万〜1,200万円 |
プロダクトエンジニア | 600万〜1,200万円 |
フロントエンドエンジニア | 600万〜1,200万円 |
AWSエンジニア | 500万〜1,000万円 |
プロダクトエンジニア(カオナビパーソナリティ) | 500万〜800万円 |
QAリードエンジニア | 700万〜1,000万円 |
QAエンジニア | 550万〜800万円 |
社内SE/情報システム(インフラ・リーダー候補) | 600万〜900万円 |
シニアプロダクトマネージャー | 1,100万〜2,000万円 |
プロダクトマネージャー(労務管理・マネージャー候補) | 800万〜1,200万円 |
出所: 株式会社カオナビの求人票(HRMOS 採用ページ・2026年10月29日取得)の給与欄。
求人票の想定年収は「ご希望と経験・能力等を考慮し、当社規定により支給」と書かれた幅です。シニアバックエンドエンジニアの600万〜1,200万円は、グレード別の年俸レンジに当てはめるとグレード2から6にまたがる広さで、入社時にどのグレードで迎えられるかが提示年収の起点になります。
AIエンジニアとシニアプロダクトマネージャーは上限が1,800万円以上
13件のうち想定年収の上限がもっとも高いのは、シニアプロダクトマネージャーの2,000万円と、AIエンジニアの1,800万円です。どちらもグレード別の年俸レンジでは、グレード6(1,100万〜1,600万円)より上の水準に届く幅です。
AIエンジニアの求人票は、必須の経験として、Web アプリケーションを3年以上設計・開発してきたことに加え、生成 AI をプロダクトに組み込んだ経験と、LLM(大規模言語モデル)や AI エージェントの仕組みと応用への理解を求めています。AI エンジニアの年収を世の中の相場で見るなら、AIエンジニアの年収|統計と求人で見る相場が材料になります。
シニアプロダクトマネージャーの必須の経験は、プロダクトの方向性を自ら決め、作らない判断を含めて優先順位を付けた経験、事業の KGI(重要目標達成指標)・KPI(重要業績評価指標)を設定してアウトカムに責任を持った経験、経営・営業・カスタマーサクセス・開発など複数の部門と合意形成した経験の3つです。
Offers Jobs の正社員求人の提示年収と比べる
ほかの会社の正社員求人と並べるなら、Offers Jobs に掲載中の正社員求人の提示年収は、下限の中央値が540万円、上限の中央値が1,000万円です(Offers(株式会社overflow)調べ・年収を記載した掲載中の正社員求人 n=633・2026年10月6日時点)。
項目 | 値 |
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提示年収の下限の中央値 | 540万円 |
提示年収の上限の中央値 | 1,000万円 |
下限600万円以上の求人 | 297件 |
上限1,000万円以上の求人 | 325件 |
カオナビのシニアバックエンドエンジニアやプロダクトエンジニアの求人票(600万〜1,200万円)は、下限も上限もこの中央値より高い幅です。ただし求人ごとに求める経験年数や役割が違うので、応募したい職種と自分の経験に近い求人の幅を並べて見てください。
同じ HR 領域の SaaS の会社の年収は、SmartHRの年収|平均772.2万円と等級別レンジでも確かめられます。
Offers Jobs の求人一覧は会員登録なしで検索でき、検索結果の一覧のカードに年収・雇用形態・勤務地が表示されます。
同じ職種の相場(賃金構造基本統計調査)との比べ方
エンジニアがカオナビの年収を世の中の相場と比べるなら、厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」のソフトウェア作成者とシステムコンサルタント・設計者の年収換算が近い物差しです。提出会社の従業員394人にあたる企業規模100〜999人の列では、ソフトウェア作成者が555.0万円、システムコンサルタント・設計者が854.3万円でした。
職種(統計の区分) | 平均年齢 | 企業規模計 | 100〜999人 |
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ソフトウェア作成者 | 37.1歳 | 578.5万円 | 555.0万円 |
システムコンサルタント・設計者 | 38.3歳 | 889.0万円 | 854.3万円 |
出所: 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 職種第1表」(2026年3月公表・男女計)を Offers Magazine 編集部が年収換算。
年収換算は、毎月の給与(きまって支給する現金給与額)の12か月分に年間賞与などを足した概算です。統計は企業規模10人以上の企業に勤める、短時間労働者を除く一般労働者の平均です。
2つの区分は実装の仕事と設計・プロジェクト管理の仕事に分かれる
厚生労働省「賃金構造基本統計調査 職種一覧と解説」では、ソフトウェア作成者にプログラマーや社内システムエンジニアが含まれます。情報処理プロジェクトマネージャはソフトウェア作成者に入らず、システムコンサルタント・設計者の区分に入る扱いです。
カオナビのバックエンドとプロダクトエンジニアの求人票は Web アプリケーションの設計・開発経験を、フロントエンドエンジニアの求人票は React/TypeScript での実務経験を必須に挙げており、実装を中心に担う仕事はソフトウェア作成者の区分が近くなります。開発チームのリードや設計を任される立場なら、システムコンサルタント・設計者の区分も目安に入ります。
プロダクトマネージャーは2つの区分の含まれる職種の例に挙がっていないため、表の値を自分の相場としてそのまま当てはめないでください。
平均年齢34.2歳をはさむ30代前半と30代後半の年収換算
カオナビの提出会社の平均年齢34.2歳に近い30〜34歳と35〜39歳の年収換算は、ソフトウェア作成者が559.5万円と636.0万円、システムコンサルタント・設計者が866.1万円と968.1万円です。
年齢 | ソフトウェア作成者 | システムコンサルタント・設計者 |
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30〜34歳 | 559.5万円 | 866.1万円 |
35〜39歳 | 636.0万円 | 968.1万円 |
出所: 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 職種第5表」(2026年3月公表・企業規模計・男女計)を Offers Magazine 編集部が年収換算。
有価証券報告書の690万円は職種を分けない平均で、セールスやカスタマーサクセスの社員も含みます。統計との差をそのまま「カオナビの上乗せ分」と読まず、自分の年齢と職種の行で今の年収がどこにあるかを確かめてから、求人票の想定年収と並べてください。
カオナビへの転職で年収を確かめる進め方
カオナビへの転職で年収を確かめるには、応募する求人票の必須の経験を自分の経歴と照らし、選考の流れを把握したうえで、内定前のオファー面談で入社時のグレードと年俸の内訳を確かめる順に進めます。年俸はグレードごとの幅で決まるため、どのグレードで迎えられるかが年収の起点です。
求人票の必須の経験と自分の経歴を照らす
カオナビのシニアバックエンドエンジニア(PHP)の求人票は、Web アプリケーションを3年以上設計・開発してきたことと、オブジェクト指向での設計、単体テストを書きながら開発を続けてきたことを必須としています。同じ求人票の開発環境には、AI 開発環境として GitHub Copilot と Claude Code が並んでいます。
職務経歴書には、担当したプロダクトの規模や改善した指標に加えて、設計で決めたことと、テストを含めて継続的に開発してきた期間を役割つきで書いておきましょう。AI コーディングツールを仕事でどう使ってきたかも、具体的な使い方と成果で書けると材料になります。
グレード別のミッションと照らすなら、スペシャリストコースのグレード3は「専門的なスキルを高め、社外の情報を積極的にメンバーに連携する」、グレード4は部門内の重要課題を解決して成果を最大化する役割です。どちらに近い経験を積んできたかを、職務経歴書で読み取れる形にしておくと、提示年収の話し合いの土台になります。
選考は書類選考と2〜3回程度の面接のあとにオファー面談
公式の採用サイトの「よくある質問」によると、カオナビの基本的な選考の流れは、書類選考、2〜3回程度の面接、オファー面談、内定の順です。内定までの期間は、状況や職種によって違うものの平均2週間〜1か月程度で、面接・面談は基本的に Google Meet を使ったオンラインで行われます。
選考の前に話を聞きたいなら、公式の採用サイトの「採用情報」のページから申し込めるカジュアル面談があります。平日10時〜18時の間で30〜60分程度のオンラインで、選考ではないため履歴書や職務経歴書の用意は要らず、面談後の応募も必須ではありません。年収の幅の読み方と面談での聞き方は、カジュアル面談の年収の聞き方|求人の年収帯の読み方にまとめています。
オファー面談でグレードと年俸の内訳を確かめる
カオナビの選考では、内定の前にオファー面談があります。年俸がグレードごとの幅で決まり、インセンティブは成果しだいで上乗せされる仕組みなので、提示された年収のうち何が固定で何が変わるのかを、次の順に確かめておくと比べるときに迷いません。
確かめる項目 | 根拠の資料 | オファー面談で聞くこと |
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入社時のグレードとコース | 働く環境(ミッショングレード) | 提示の年俸がどのグレードの年俸レンジにあたるか、マネジメントとスペシャリストのどちらのコースか |
年俸とインセンティブの分け方 | 働く環境・求人票の給与欄 | 提示額にインセンティブが入っているか、半期ごとの支給の基準 |
評価と年俸の改定の時期 | よくある質問 | 上期・下期の評価のどちらから対象になり、改定がいつ反映されるか |
試用期間中の条件 | よくある質問 | 試用期間3か月の間も給与などの条件が変わらないことの確認 |
オファー面談で聞く項目を労働条件の面から整理した記事は、オファー面談で聞くこと|転職で労働条件を確かめる7項目です。
提示額を判断するには、同じ経験に対してほかの会社がどの年収帯を出しているかが材料になります。Offers Jobs の求人一覧で、職種と年収の条件から正社員求人を探してください。