今の会社で3年目を迎えたエンジニアが転職を考えるとき、気になるのは「今動いて応募できる求人があるのか」と「何歳までなら転職で年収が上がるのか」の2つです。周りから「3年は勤めたほうがいい」と聞く一方で、求人票に何年の経験が求められているのかを確かめる機会は多くありません。

Offers に公開中の正社員求人の必須条件と、厚生労働省の転職者の統計をもとに、3年目のエンジニアが応募できる求人の範囲と、年齢ごとに転職で賃金が増えた人の割合を整理しました。経験年数の数え方と、在職中に進める転職活動の手順も扱います。

3年目のエンジニアが応募できる求人は満3年で広がる

3年目のエンジニアが応募できる求人は、経験が満3年に届いた時点で広がります。Offers に公開中の正社員求人のうち、必須条件に「3年以上」のように経験年数を書いた求人は943件中511件(54.2%)で、書かれた年数で最も多いのは3年の42.7%でした。年数が3年以下の求人は合わせて80.0%、2年以下に限ると37.4%です(Offers(株式会社overflow)調べ・公開中の正社員求人・n=511・2026年10月7日時点)。

必須条件に書かれた経験年数

件数

割合

1年以上

92件

18.0%

2年以上

99件

19.4%

3年以上

218件

42.7%

4年以上

9件

1.8%

5年以上

93件

18.2%

出所:Offers(株式会社overflow)公開中の正社員求人の必須条件の集計(2026年10月7日時点・n=511)。

3年目の途中で経験が2年台の人が年数の条件に届く求人は、2年以下の37.4%です。満3年を迎えると3年以下の80.0%に届きます。年数の記載が無い432件は必須条件に年数の条件が無いため、2年台で応募を検討できる求人は37.4%より多くあります。

必須条件の年数は何の経験かを読み分ける

必須条件に書かれた年数は、エンジニアとしての通算の年数とは限りません。「Go での開発経験3年以上」「チームリーダーの経験2年以上」は、特定の言語や役割の経験を年数で求める書き方です。

3年目のエンジニアは、通算では3年に届いていても、応募先の技術での経験は1〜2年ということがよくあります。求人票を読むときは、年数が通算の開発経験を指すのか、特定の技術や役割の経験を指すのかを確かめてください。自分の経験も同じ単位で数え直しておくと、応募できるかどうかを正しく判断できます。

年数の記載が無い求人は経験の中身で判断される

経験年数を書いていない求人では、年数ではなく経験の中身が判断の材料です。Offers に公開中の正社員求人で必須条件を書いた943件のうち、432件は「N年以上」の記載がありませんでした。

年数の記載が無い求人の必須条件には、「Web アプリケーションの設計から実装までの経験」「本番環境での運用経験」のように、担当した工程や扱った環境が書かれています。3年目でも、担当した範囲が必須条件に重なっていれば応募の対象です。

必須年数3年の求人は2年以下の求人より年収の上限が高い

必須条件の経験年数が3年の求人は、2年以下の求人より年収の上限が高く書かれています。年収の下限と上限を記載した公開中の正社員求人で比べると、上限の中央値は2年以下の求人が735万円、3年の求人が975万円でした。上限が800万円以上の求人の割合も、2年以下の48.4%に対して3年は74.6%です(Offers(株式会社overflow)調べ・n=927・2026年10月7日時点)。

必須条件の経験年数

件数

年収の下限の中央値

年収の上限の中央値

上限800万円以上の割合

2年以下

190件

450万円

735万円

48.4%

3年

213件

540万円

975万円

74.6%

4年以上

100件

700万円

1,010万円

91.0%

記載なし

424件

540万円

1,000万円

74.1%

出所:Offers(株式会社overflow)公開中の正社員求人の必須条件と年収の集計(2026年10月7日時点・n=927)。

求人票の年収は下限と上限の幅で書かれているので、上限の中央値だけでなく下限の中央値も合わせて見ておくと、転職直後の年収を見積もる材料になります。年数の記載が無い求人は上限の中央値が1,000万円で、3年の求人と同じ水準でした。2年台で応募できる求人にも、年収の幅が高いものが含まれます。

必須条件の年数と年収の幅を並べて比べるのに向いているのが、Offers Jobs の求人一覧です。ログインせずにエンジニア・デザイナー・PdM の正社員求人を職種や技術の条件で絞り込め、求人の詳細の業務内容・必須スキル/経験・歓迎スキル/経験・選考フローも会員登録なしで読めます。

転職で賃金が増えた人の割合は50代前半で減少を下回る

転職で前職より賃金が増えた人の割合は、20代後半から40代後半まで4割を超え、50代前半で減った人の割合を下回ります。厚生労働省「令和7年雇用動向調査結果の概要」によると、2025年に転職した人のうち賃金が増加した割合は25〜29歳で49.8%、45〜49歳で41.1%でした。50〜54歳では増加29.4%に対して減少が42.0%です。

年齢

賃金が増加した割合

賃金が減少した割合

25〜29歳

49.8%

23.9%

30〜34歳

48.6%

29.0%

35〜39歳

43.5%

23.9%

40〜44歳

44.9%

27.4%

45〜49歳

41.1%

30.1%

50〜54歳

29.4%

42.0%

55〜59歳

25.5%

38.9%

出所:厚生労働省「令和7年雇用動向調査結果の概要」表6 転職入職者の賃金変動状況別割合(2025年)。

前年の令和6年の同じ調査では、50〜54歳でも賃金が増加した割合が39.0%で、減少の28.2%を上回っていました。増加と減少が入れ替わる年齢は、1年で55〜59歳から50〜54歳へ下がった計算です。

3年目のエンジニアが年齢別の統計から読み取れること

厚生労働省の雇用動向調査の値は全産業・全職種の転職者のもので、エンジニアに限ったものではありません。それでも20代後半から30代前半の転職者は半数近くが賃金を増やしており、3年目のエンジニアが「何歳まで」を気にして転職を急ぐ理由は統計からは見当たりません。

応募できる求人の範囲と年収の幅は、前の節で見たとおり必須条件の年数と対応しています。満3年に届いているか、応募先の技術での経験を何年と数えられるかを、年齢と合わせて確かめておきましょう。経験年数ごとの転職の時期の考え方は「エンジニアが後悔しない転職タイミングと市場価値を高めるポイント」にまとめています。

3年目の転職で評価されるのは担当範囲と成果の具体性

3年目のエンジニアの転職で評価されるのは、どの工程をどの規模で担当し、何を変えたかの具体性です。経験年数は求人の必須条件で足切りに使われる一方、書類選考や面接で比べられるのは、同じ3年の中で何を任されてきたかです。

職務経歴書には、担当した工程(設計・実装・テスト・運用)、チームやサービスの規模、使った技術、自分の判断で変えたことと結果を書き分けます。「機能の実装を担当」とだけ書くより、「決済画面の改修で、設計からリリースまでを1人で担当し、問い合わせの件数を減らした」と書くほうが、任されてきた範囲が伝わります。書き方の例は「エンジニア転職で差別化できる経歴書の書き方」にまとめてあるので、合わせて読んでみてください。

3年目の転職で気をつけたい年収の下がり方と在籍期間の説明

3年目の転職でも、年収が下がる場合はあります。厚生労働省「令和7年雇用動向調査結果の概要」では、2025年に転職した25〜29歳のうち23.9%は賃金が減少し、1割以上減った人も16.5%いました。職種や業界を変える転職では、新しい分野の経験が浅いことを理由に、年収の下限に近い額を提示されることもあります。

提示された年収が想定より低いときは、求人票に書かれた年収の幅のどこに置かれたのか、入社後にどう評価されて上限に近づくのかを確かめましょう。交渉の進め方は「エンジニアの転職活動時の給与交渉」にまとめています。

面接で聞かれることのある質問の1つが、3年で転職する理由です。今の職場への不満だけを話すと、次の職場でも同じ理由で辞めるのではと受け取られやすくなります。3年で身につけたことと、次の職場で広げたい経験をつなげて説明するのが基本です。伝え方は「エンジニアの転職活動における「転職理由」」が参考になります。

3年目からの転職活動は棚卸し・求人との照合・応募の順に進める

3年目のエンジニアの転職活動は、経験の棚卸し、求人の必須条件との照合、応募と面接の順に、在職中に進めます。

  1. 経験を技術と役割ごとに数える: 通算の年数に加えて、言語・フレームワーク・クラウド・担当した役割ごとに何年の経験があるかを書き出す
  2. 求人の必須条件と照らす: 気になる求人の必須条件の年数が、通算か特定の技術かを読み分け、届いている求人と、満3年や次の数か月で届く求人に分ける
  3. 年収の幅を確かめる: 年収の下限と上限の両方を見て、今の年収と比べる
  4. 在職中に応募と面接を進める: 面接の日程は始業前や終業後に寄せ、有給休暇を使う日を絞る
  5. 内定後に条件を確かめる: 提示された年収が求人票の幅のどこにあるか、評価の時期と基準、入社日を確かめてから退職を伝える

2の照合は、求人を何件か並べて読むと、自分の経験で届く範囲が見えてきます。Offers Jobs の求人一覧で職種や技術の条件から気になる求人を集め、必須条件を読み比べてみてください。満3年を待つべきか今動けるかを判断しやすくなります。