フリーランスのCSSの案件の特徴
フリーランスのCSSに関する案件にはどのような特徴があるのでしょうか。漠然としたイメージに、不安を抱いている人も少なくないかもしれません。ここではまず、以下の3つに分けて、フリーランスのCSS案件の特徴を解説します。
- 案件数が多い
- 単価は高くないが実は稼ぎやすいCSS案件
- CSSの案件の例
案件数が多い
HTMLとCSSの知識だけで対応できる案件数は、現在主要なフリーランス向けの案件サイトで確認すると、各大手求人サイトで数十件程度見つかります。
しかし、それらの知識に加え、WordPressをはじめとするCMSやフロントエンドのプログラミング言語JavaScriptの知識を含む広範なWeb制作の案件を見てみると、その数は一挙に増加し、それぞれ数百程度の案件を見つけることができるでしょう。
もちろん、HTMLとCSSだけの案件でも十分に収益を得ることができる案件数と言えますが、プログラミングのより幅広い知識・スキルがあれば、可能な案件数が倍増していくのがCSS案件の特徴と言えます。
単価は高くないが実は稼ぎやすいCSS案件
HTMLやCSSのみで対応可能な多くの案件は、それほど単価が高くないかもしれません。というのも、HTMLとCSSで対応できる案件の多くは、フロントエンドのコーディングというやや小さめな規模の案件になってしまうからです。
しかし、案件が小さいということは、初心者でも取り組みやすいことを意味します。はじめから規模の大きい案件を引き受けるには、そのハードルの高さを感じざるを得ないことも少なくでしょう。取り組みやすい案件は、確実に売り上げをあげる近道と言えます。
また、規模が小さいと言えど、その単価は数万円程度になる場合が多いので、複数の案件をこなせば、かなりの収入を期待することができます。大きい案件1つをこなすよりも、途中で断念してしまうというリスクも少なく、確実に収入を増やしていけるはずです。
この時、大切なことは、案件数をこなせば、自分の経験にも繋がる、ということです。経験を積めば、次第に大きな案件にも取り組みやすくなることでしょう。それゆえ、長期で見た場合も、HTMLやCSS案件は稼ぎやすいと考えられます。
CSSの案件の例
具体的な案件の例として、コーディングだけのものやデザイン業務を含むもの、WordPressなど他の知識と組み合わせた技術が求められるものが挙げられます。もちろん、案件の規模に応じて納期の長さも異なりますが、ECサイトを1から全て作るような大規模なものに比べ、短期間で完成するような案件が少なくない印象です。
応募の締め切りから半月、あるいは1ヶ月程度を納期としている場合が多いでしょう。また、成果次第で継続依頼になる案件もあります。
HTML・CSSコーダーの年収はどのくらい?
HTML・CSSコーダーの案件はあったとしても、それらをこなせばどのくらいの収入を得られるのか、疑問に思う人も少なくないかもしれません。ここでは、HTML・CSSコーダーの年収相場について、その具体的な金額を交え、少し見てみようと思います。
コーダーの年収相場
HTML・CSSコーダーの年収は、基本的に実務経験の長さに応じてその額が増減すると言えます。実務経験がない場合や短い場合は、おおよその目安として月収20〜30万程度が期待されます。一方、数年の実務経験を踏んでいるコーダーとなれば、月収40万程度までなら見込むことができると言えます。
このように経験年数に応じ、おのずとその額も増えていくでしょう。もちろん、一概に実務経験の長さがコーダーの能力の高さを示唆するものではありません。しかし、発注者はコーダーの能力を図る数少ない指標の1つとして、やはり実務経験を問うものです。それゆえ、コーダーの年収相場は、経験がものを言う、との傾向は否めないものです。
ただし、経験年数と同等に評価されやすい要素が1つあります。それは、実績です。過去にこんなものを作った、という紹介できるプロダクトが沢山あれば、それだけでその人の評価は上がるものです。
実績が豊富な人であれば、経験年数こそ短くても、他のコーダーよりも高い収入を得ている場合が往々にあります。それゆえ、経験が少ない人は、まずは沢山の成果物を生み出し、自分を売り込める実績を積み重ねることが大切と言えます。
フリーランスのCSSの案件でよくある必須要件と歓迎要件
案件を確実にこなしていくためには、HTMLとCSSの知識だけでは足りない場合も多いでしょう。ここでは、以下3つに分けて、CSSの案件でよくある必須要件と歓迎要件について解説します。
- 基本的なSEOについての知識は必須
- レスポンシブ対応についての知識は必須
- WordPressについての基本的な知識は必須
基本的なSEOについての知識は必須
コーディングの案件とともに求められる技能において、SEO対策が求められる場合も少なくありません。というのも、SEO対策の多くはHTMLのタグ構造、いわゆるセマンティクスの部分に依存しているからです。
それゆえ、コーダーとして案件を引き受ける場合には、最低限SEOに関する知識は必須と言えます。ただし、SEOは、Googleをはじめとする検索プラットフォームの状況に応じ、刻々とその対策が変化していくものです。したがって、SEOに関する知識は、色褪せぬように日々情報を更新していく継続学習を前提とする知識であると言えます。
レスポンシブ対応についての知識は必須
CSSと密接に関わる知識として、レスポンシブデザインに関するものが挙げられます。多くのウェブサイトにおいて、ブラウザの画面幅に応じ、特にPCとスマートフォンのサイズに応じ、そのデザインを流動的に変化させるのが標準となっています。
中でも、新規で開発するウェブサイトのデザインにおいて、PCのみで対応したり、スマートフォンのみで対応したりと、一方のみに対応する必要性が少なく、基本的にはスマホ、PC両方の対応を前提としている場合が少なくないでしょう。それゆえ、CSSの案件において、レスポンシブ対応の知識は必須と言えます。
Wordpressについての基本的な知識は必須
HTMLやCSSに直接関わるものではありませんが、現在多くのウェブサイトがCMSの上に作られています。つまり、HTMLやCSSがある種のフレームワークの中で用いられているということです。
そして、その最たる例が、WordPressと言えます。各CMSの中でも圧倒的なシェア率を誇るWordPressの知識は、コーダーとしての案件をこなす上でも、避けては通れないものかもしれません。
最低限、WordPressでサイトを構築した経験と、デザインをカスタマイズした経験は求められることでしょう。
フリーランスのHTML・CSSコーダーの案件の受注単価を上げるために必要なこと
より高単価の案件に対応できるようになり、一歩上のコーダーを目指すためには、更に求められる知識があります。ここでは、フリーランスのHTML・CSSコーダーの案件の受注単価を上げるために必要なことについて取り上げていきます。
ウェブアクセシビリティについての知識
高齢者や障害者にも使いやすいウェブサイト、いわゆるウェブアクセシビリティを考慮したウェブサイトを作れる知識があれば、デザイナーとして、またコーダーとして、1つ上を目指すことができるでしょう。デザイナーとして必要なウェブアクセシビリティの知識としては、例えば、配色に関するものが挙げられます。
この知識があれば、色盲の人にとっても見やすいUIデザインを設計することができるでしょう。一方、コーダーとして必要な知識としては、例えば、HTMLタグのセマンティクスに関する知識が挙げられます。
この知識をもって、タグに適切な意味付けをしながらコーディングがなされれば、視覚障害の人がスムーズに読み上げ機能を利用できるウェブサイトを作ることができるでしょう。
JavaScriptを習得
UIのデザインを実装する上で必要な知識は、本来HTMLとCSSだけではありません。UIは見た目のみならず、動きをも含むユーザー体験をデザインするものだからです。例えば、アイキャッチ画像のスライドショー、アコーディオンボタン、ひいてはパララックスデザインなど、その可能性は多岐に渡ります。
これらデザインの動きの部分を実装するのが、JavaScriptです。JavaScriptの知識を持っているコーダーとそうでないコーダーでは、対応可能な案件数も大きく異なることでしょう。それゆえ、今以上に受注単価を上げるためには、JavaScriptの知識は必須と言えます。
まとめ
フリーランスのコーダーは案件数も比較的多く、初心者にも始めやすいという特徴がある一方、より多くの案件をこなすために、また、より高単価な案件をこなすためには、HTMLやCSS以外にも求められる知識は少なくないでしょう。大切なことは、まずは、小さな案件に取り組みながら、実績と経験を積み重ねること。そして、新しい知識を取り入れながら、少しずつ対応できる範囲を拡大させていくことと言えます。