モバイルアプリ開発のメリット・デメリット
スマートフォン向けに開発されるモバイルアプリは、端末のOS固有のものや、ストア経由でダウンロードして利用するものなど、さまざまな種類があります。いずれも市場全体が成長し続けており、エンジニアとして十分な開発スキルがあれば、現状は案件に困ることはないでしょう。
しかし、モバイルアプリの開発を仕事にするのは、メリットもあればデメリットもあります。それぞれの点からアプリ開発の仕事をみてみましょう。
メリット
モバイルアプリの業界はまだまだ発展途上ではありますが、大きく成長し続けています。開発案件が非常に多く、相応のスキルを持ったエンジニアであれば、アプリの開発企業に就職・転職がしやすい状況です。また、フリーランスで仕事を請けたり、副業として案件に従事できたりするのもメリットと言えるでしょう。
実際、企業でエンジニアとして働きながら、副業でアプリ開発をしている人は、決して少なくありません。個人でモバイルアプリを開発し、有料で販売することで大きな収入を得ている人もいます。アプリ開発によってエンジニアとしてのスキルも磨けるので、開発実績の欲しいエンジニアにもおすすめの仕事です。
デメリット
他の案件に比べて、仕事が多く収入アップを実現しやすいモバイルアプリですが、開発にはそれなりの時間が掛かります。高度なスキルも要求されるため、高い収入を期待している人にとっては、開発時間などを考慮すると、思ったほど稼げないという結果になる可能性があります。
せっかく長い時間を掛けて個人開発したアプリでも、いざ公開してみると、ほとんど売れないという事態になるケースも決して珍しくありません。
個人開発でも人気の高いアプリは多くありますが、初めての開発で高い収入を上げるのは難しいのが実情です。市場のトレンドやユーザーの声を取り入れるなどして、試行錯誤を重ねながら、根気強く開発を続ける姿勢が求められます。たとえ市場の成長が著しいといっても、モバイルアプリの開発は楽して稼げる類のものではないという点は、よく認識しておく必要があります。
モバイルアプリ開発に必要なスキル
それでは、モバイルアプリの開発に必要なスキルを紹介します。モバイルアプリはiOSアプリとAndroidアプリの2種類に大別でき、必要なスキルが変わってきます。それぞれのOSで求められるスキルを確認しておきましょう。
iOSアプリの開発
iPhoneやiPadなど、iOSの端末から利用するアプリの開発には、プログラミング言語の中でも主にSwift(スウィフト)が用いられる傾向にあります。これは2014年にApple社が開発したオープンソースのプログラミング言語で、シンプルな見た目で学習しやすいのが特徴です。初心者でも学びやすいので、これからモバイルアプリの開発に携わりたい人にもおすすめです。
さらに、アプリの開発ツールとしてXcodeの知識やスキルも必要です。こちらもApple社が開発しているツールで、アプリ開発に利用するファイルの管理や、コンパイル処理などを行えます。他にもアプリを効率的に開発するためのフレームワークに関する知識や、iOSに関する最新資料を読み込むための英語力もあると良いでしょう。
Androidアプリの開発
Androidアプリの開発には、主にJavaやKotlinなどのプログラミング言語が用いられる傾向にあるので、これらを使いこなすスキルが求められます。
Javaはモバイルアプリのみならず、さまざまなシステム開発に使用される汎用言語で、習得すれば多くの開発案件に関われるようになるでしょう。一方、KotlinはAndroidアプリ開発のための公式言語として認知されており、今後Androidアプリの開発に携わるならば、習得しておくべき言語です。
さらにアプリの開発ツールとして、Google社が提供しているAndroid Studioのスキルも必要です。アプリを効率的かつ高速で開発できる機能が数多く実装されているので、まずはダウンロードして実際に触れてみましょう。
モバイルアプリ開発の平均年収
モバイルアプリ開発に携わるとどれほどの報酬が期待できるのか見ていきましょう。
実際の案件事例
当メディアを運営するエンジニアのための求人サイト『OffersJobs』求人マッチングプラットフォーム『Offers』に実際に掲載されている案件をご紹介します。
▼SNSアプリ案件・求人
- 稼働時間:40〜60時間/月(10〜15時間/週)
- 給与・報酬:時給3000円〜4000円
- 雇用形態:業務委託
- 技術スタック:Redis,PostgreSQL,Node.js,iOS,Swift,AWS,Firebase,Slack,zoom
- 備考:フルリモート勤務
▼金融系アプリ案件・求人
- 稼働時間:90〜160時間/月(22〜40時間/週)
- 給与・報酬:時給5000円〜7000円
- 雇用形態:業務委託
- 技術スタック:Figma,Adobe Photoshop,Adobe Illustrator,GitHub
- 備考:フルリモート勤務
▼Webメディアアプリ案件・求人
- 稼働時間:40〜160時間/月(10〜40時間/週)
- 給与・報酬:時給4000円〜6000円
- 雇用形態:正社員(業務委託からスタートもOK)
- 技術スタック:React,Redux,Ruby on Rails,Ruby,Elasticsearch,Kotlin,Swift,AWS,BigQuery,Firebase,GitHub,Slack,Notion
- 備考:フルリモート勤務
このように、3000円〜7000円と幅広い時給で掲載されており、スキルや経験によっても報酬に幅がある事が分かります。これらを年収換算とすると518万〜768万円となります。Offers Jobsには時給4000円以上の求人が半数を占めており、質の良い求人が豊富です。
モバイルアプリ開発におすすめのフレームワークとは
続いて、モバイルアプリの開発者におすすめのフレームワークを紹介しておきます。どのフレームワークを使用するかは、開発現場やエンジニア個人の裁量によるところが大きいですが、以下のフレームワークは多くの現場で使用されている人気の高いものです。
React Native
React NativeはFacebook社が2015年に開発した、クロスプラットフォームのフレームワークです。iOSとAndroidのどちらの開発にも対応しており、JavaScriptを用いてモバイルアプリを作成できるのが特徴です。プログラムコードの効率化や再利用が可能で、サードパーティー製のプラグインにも数多く対応しています。
Flutter
FlutterはGoogle社が開発・提供しているフレームワークで、高速かつ容易にモバイルアプリを開発できます。デザインパーツを活用して、誰でも一定レベルのUIが作成できるのが特徴で、機能性の高さから、モバイル以外のシステム開発にも利用されることが多いです。入力コードをiOSとAndroidの双方に対応させられるので、どちらの端末のアプリも開発したい人におすすめです。
まとめ
モバイル開発のメリットやデメリット、アプリ開発に必要なスキルを解説しました。モバイルアプリ市場は成長し続けており、エンジニアとして十分なスキルを持っていれば、多くの案件に関わることができるでしょう。
将来、モバイルアプリの開発に携わりたい人にとってもチャンスです。初心者でも学びやすい言語が用いられているので、エンジニアとして活躍したい人は、この機会に学んでみると良いでしょう。個人でアプリ開発ができる環境も整っています。