エンジニアリングとエンジニアリング組織
まずはエンジニアリングとエンジニアリング組織について基礎から把握しておきましょう。
エンジニアリングの意味
『エンジニアリング』はもともと『工学』のことを意味する言葉です。工学の種類は幅広く、プラントエンジニアリング・ITエンジニアリングなど多岐に及んでいます。
また、『エンジニア』は、それぞれの分野のプレイヤーを指す言葉です。プラントエンジニアリングのプレイヤーならプラントエンジニア、ITエンジニアリングのプレイヤーならITエンジニアという呼び方をします。
エンジニアリング組織とは
エンジニアリング組織にはそれぞれ課題があります。エンジニアリングの技術を用いて課題解決をすることが『エンジニアリング組織』の大きな目的です。
組織において重要なのは人員の数ではなく『根本的な課題を解決できるかどうか』です。近年は技術が進化し、その需要がより高まってきました。
顧客のニーズに対応することは企業経営の面からも欠かせないミッションです。最速で成し遂げるために、企業内のどこにどういった組織を作るのかがポイントになってきます。
組織論においてフォーカスすべきポイント
組織論ではどのような点にフォーカスするべきなのでしょうか。『メンタリング』と『コントロール』があげられます。
メンタリングとは
メンタリングでは『メンタリングを受ける側『メンティー』が自分自身で問題を解決できる能力を養い、メンタリングを実施する『メンター』は、受ける側が「成長できるきっかけを作る」ことが求められます。
迅速な対応が必要な場合やメンティーの能力では解決しきれないといった場合は別ですが、基本的には、メンタリングとはメンティーの自己解決能力を高めることが大きな目的です。メンターがメンティーの抱えている問題を解決してあげるというものではありません。
組織においては個々がそれぞれの能力を発揮できるようになることにもつながります。
コントロールについて
まずは自分がコントロールできるかどうかを見極めるのが重要です。
上司の評価・基準にのっとって、自分の行動を変えたり自分の考え方や担当している仕事を上司に説明したりすることは『コントロールできること』です。
対して上司の評価基準や上司の自分への評価はコントロールできません。それをしっかりと見極め、コントロールできることから行動に移し組織を改善していく必要があります。
不確実性のマネジメント
組織では経営者とエンジニアにはそれぞれ自分の得意分野とは異なる『未知のもの』『確実ではないもの』があります。それに対してはどのようなマネジメントが必要なのでしょうか。
不確実性が生む溝
不確実性によって時に組織は対立構造を生み出します。
たとえば経営者はビジネスに関しては組織の中で第一人者と言えますが、エンジニアはそうではありません。逆にシステム開発や構築についてはエンジニアが詳しく、経営者は今ひとつわからない、ということが多々あります。
そのため連携が崩れることを恐れ、両者が不確実性の高い分野には口を出さずコミニュケーションを取らないといった事態が発生します。
不確実性のマネジメントが成果を上げる
前述した溝があったままでは目標を達成し成果を上げることもままなりません。不確実性を逆手にとり、『自分の知らない分野を学びたい』という意識を両者が持つことが必要です。
そのために、率直に意見交換し不確実性のあるものに対しては相手からフィードバックを受けるようにしましょう。マネジメント側もエンジニアに敬意をはらい相手から学ぼうとする意識を持たなければなりません。
そうするとコミニュケーションは円滑に進み、仕事の成果も上がるはずです。
組織論においても同様
これは企業だけではなく組織論においても同様です。多様な個性が混在する組織の中でコミュニケーションを怠らず『不確実性の高い分野について学んでいきたい』という意識を持ち続けると、組織全体の目標達成においても有利に働きます。
組織を作り上げていく上で『不確実性』は常に念頭においておくことが要となります。
リーダーやマネージャーにおすすめの書籍
組織をマネージメントするリーダーやマネージャーはどのような書籍がおすすめなのでしょうか。ここでは『エンジニアリング組織論への招待』を紹介します。
エンジニアリング組織論への招待
この本はエンジニアのスキルではなく組織論に焦点をあて、『効率性を上げながら不確実性を軽減できる』方法が語られています。
技術や原理などChapterによって項目が分かれているため、興味のある項目から読んでいくこともできます。『メンタリング』や『コントロール』についても網羅されており、組織を動かしていくうえで必読の一冊です。
- 商品名:エンジニアリング組織論への招待 ~不確実性に向き合う思考と組織のリファクタリング
- 価格:2570円(税込)
- Amazon:商品ページ
まとめ
エンジニアリング組織論を習得するうえでは『コントロール』や『メンタリング』についても詳しく知り、組織のメンバーがそれぞれ抱えている不確実性もコミニュケーションによって改善していく必要があります。
『エンジニアリング組織論への招待』を読み、より理解を深め、組織を成功に導いていきましょう。