今注目を集めるリファラル採用とは
リファラル採用は、社員の友人や知人を採用することを意味します。似たような意味を持つ、縁故採用とはどのような点が異なるのでしょうか。リファラル採用の仕組みや特徴をチェックしましょう。
リファラル採用の意味と仕組み
リファラル採用は通常の採用方法とは違い、社員の紹介を通じて入社します。リファラル採用をする場合、人材紹介会社や社員募集の広告を通さずに済みます。
会社のことをよく知る自社の社員に、社風にぴったりな人物や必要なスキルを持った人物を紹介してもらう仕組みです。
すでにその会社で社員として働いている人は、自分が勤めている会社の魅力や仕事内容を十分に理解しています。また、スキル面や経歴の部分だけでなく、人柄が良い友人や知人を紹介してもらうことが可能です。
今までにあった縁故採用との違い
社員から社員となってくれる人物を紹介してもらう方法に、縁故採用があります。縁故採用と聞いて、コネ採用を思い浮かべる人は多いことでしょう。
縁故採用では、社員の血縁関係にある人物を採用するケースが多いです。仕事上必要なスキルがなくても、採用してもらえるようなマイナスイメージを抱く人もいるのではないでしょうか。その点、リファラル採用には後ろ向きなイメージはありません。
リファラル採用は、友人や知人を採用します。身内や、親族などを能力と関係なしに採用する訳ではありません。仕事を任せられる力がないと感じられる人は、そもそも紹介されないという点を押さえておきましょう。
海外では主流の採用法
リファラル採用は海外ではメジャーな方法です。グローバル企業が多く集まるアメリカのシリコンバレーでは、多くの企業が積極的に取り入れています。
2012年にアメリカの採用経路を調査した結果を見ると、求人求職サイトや自社の採用サイトを通した採用よりもリファラル採用の割合が高いです。
出典:米国の社員リファラル採用のしくみ|リクルートワークス研究所
リファラル採用が何故注目されるのか
ベンチャー企業の中には積極的にリファラル採用を行っている会社が多いです。アメリカだけでなく日本でもリファラル採用に対する関心が高まっています。リファラル採用のメリットや、注目されている理由をチェックしましょう。
リファラル採用が会社に及ぼすメリット
リファラル採用を行う大きなメリットのひとつが、費用対効果の高さです。求人誌や人材紹介サービスを利用するための費用がかからず、採用にかける時間や人員も削減することができます。
また、紹介してもらう側が実際に働いている友人や知人を通じて、社風や待遇面などの情報をしっかりと受け取ることができる点もメリットです。『思ったような企業ではなかった』と感じて離職してしまう人が少なく、定着率が高まります。
会社愛が強い人がリファラル採用を行うと、経営理念に魅力を感じている人々が多く集まり、組織としての一体感が向上する点もメリットではないでしょうか。
非正規雇用やフリーランスも注目
リファラル採用の対象となるのは、正社員ばかりではありません。非正規雇用やフリーランスの人をリファラル採用したいと考える企業も増加しつつあります。
正社員をリファラル採用するとなると、非正規雇用やフリーランスの人を採用するよりもコストが必要です。採用へのハードルが高くなって、必要な人材を確保しづらくなるケースもあるのではないでしょうか。
非正規雇用やフリーランスの人をリファラル採用する場合は、企業内の信用ある人からの紹介が多いため、紹介率や採用率が高くなると考えられます。
とくに、フリーランスの場合は在宅勤務を視野に入れることもできるため、企業にとって魅力的な部分が多いです。
リファラル採用してもらうにはどうすれば?
フリーランスの人がリファラル採用を受けるには、どうすればいいのでしょうか。フリーランスの人におすすめな方法をご紹介します。
家族や知り合いに紹介してもらう
リファラル採用は身近な人から紹介してもらうことが一番の近道です。家族や知り合いが勤めている企業が、リファラル採用を行っているかどうかチェックしてみてはいかがでしょうか。
自分と同じ業種の知り合いや、近い業界で働いている友人の協力を得られるにこしたことはありません。
仕事を求めていることをSNSで発信していく方法もひとつの方法です。仕事に関するプロフィールを充実させておくと、人材を求めている人の目に留まりやすくなるでしょう。
リファラル採用のツールに登録
リファラル採用に特化したツールを利用する方法もあります。たとえ友人同士であっても、お互いの仕事について詳しく知らない場合もあるでしょう。
また、企業側が社員にどの部署でどんな人材を欲しがっているのか、周知を徹底できていないと、せっかく友人や知人にいい人材がいても紹介しずらくなってしまうのではないでしょうか。
ツールを利用すると、企業側と紹介してもらいたい側両方にメリットがあります。紹介者側は、正確な募集要項を友人にスムーズに伝えることができ、紹介が欲しい側は情報を素早く受け取ることができるようになるでしょう。
イベントや勉強会などに参加する
勉強会やワークショップなどを通じて、自分が興味のある分野や得意とする分野の知人を増やし、チャンスを見つける方法もあります。
イベントに参加したからといって、すぐに仕事に直結するような情報を得られるとは限りません。しかし、飲み会や意見交換会のようなコミュニケーションの場で、積極的に名刺交換を行って名前を売っておくと、思わぬところから声がかかるきっかけになります。
積極的に自分の興味がある分野の人脈を広げるため、イベントや勉強会へ参加することは大切になります。リファラル採用につながることを目標に取り組むのであれば、どの分野の人事の方に合いたいのかなど、それぞれのイベント、勉強会で誰に何をすることを目標にしているのか明確にすることは欠かせません。
リファラル採用されるときの注意点
企業側にも働く側にもメリットがあるリファラル採用ですが、注意すべき点はあるのでしょうか。リファラル採用を受ける前にチェックすべきポイントをご紹介します。
自分で採用企業について調べる
紹介を受けたら、紹介者から社風や企業の評判などについて、詳しくヒアリングしましょう。
紹介してもらった内容をそのまま鵜呑みにせず、会社の情報をあなた自身で調査することが重要です。企業側からどんなに必要とされていても、企業理念や働き方が自分の感性とマッチしない場合もあります。
また、リファラル採用の話をもってきた友人や知人が、信頼できる人物であるかどうかは大前提だと言えるでしょう。付き合って日が浅い人や、そもそもあまりコミュニケーションをとったことがない人からの紹介の場合、思わぬトラブルに巻き込まれてしまう危険性もあります。
入社後の条件は事前に確認
紹介を受けると、自分のスキルや人柄を認められたと感じる人は多いことでしょう。しかし、企業研究をせずに安易に仕事を引き受けてしまうと、後から『もっといい条件の企業があったのに』と後悔することになりかねません。
提示された条件と、他の企業の募集要項をしっかりと見比べるようにすると、より好条件の企業からの募集を見逃さずに済みます。
まとめ
リファラル採用はメリットが多い採用方法です。今後、多くの企業がリファラル採用を取り入れていくことが予想されます。
フリーランスの人は、同業者やクライアントとつながりを深めることで、リファラル採用のチャンスが広がるでしょう。勉強会やイベントで交流を深めたり、リファラル採用に特化したツールを利用する方法もおすすめです。