チームマネジメントとは
超高齢化社会で働き手が減り、高度IT化社会の中で顧客ニーズが多様化していく昨今、ビジネスの現場も変化が求められています。
人材確保が難しくなり長時間労働の規制も厳しくなる中で、少人数かつ短期間で成果を上げる『生産性の向上』が重要といえるでしょう。
しかし単純に業務を圧迫すれば解決するわけではありません。メンバーがモチベーションを維持し、目的と自主性を持って仕事に向かうからこそ生産性は高まります。
本記事ではこれを実現する方法である『チームマネジメント』を紹介します。
チームマネジメントの意味と目的
チームマネジメントは1人のリーダーと複数のメンバーからなる『チーム』をリーダー主導でマネジメント(管理)する手法を指します。
チームは明確な『共通のゴール(目的・目標)』を持ち、これの達成をメンバーが一丸となって目指します。
メンバーは全員がゴールに対して責任を持ち、コミュニケーションを重視した透明性の高い職場環境の中で『全員がリーダーシップを発揮』します。
それぞれに個性の異なるメンバーの『弱みをカバーし強みを活かす』システムを構築することで、チーム全体やメンバー各自の生産性を向上させ目標達成を成功させることを目的としています。
チームマネジメントの必要性
目標達成に一丸となって向かうチームに対して、共通のゴールを持たない集団を『グループ』と呼びます。グループでは1人のリーダーから落ちてきた仕事をその他のメンバーが処理するという状態に陥ります。
この形では、もしメンバー全員が優秀で失敗を犯さずモチベーションの維持も問題ないというなら十分に機能するでしょう。しかし、そうでない場合は責任放棄する者やミスを繰り返す者がでてくることは容易に想像できます。
様々な個性をもつメンバーが適材適所で仕事をし続けるには、常に情報共有がなされていてコミュニケーションも怠らず、『エラーを修正して向上していけるチームの構築』が重要といえます。
特に少人数のチームではプロジェクトによって編成を変える必要がある場合があります。チームマネジメントが成功すれば人的資源を無駄にすることなく、『不測の事態にも柔軟に対応』していけるでしょう。
チームマネジメントの手法
チームマネジメントはプロジェクトの始まりから終わりまで一貫して進行させる必要があります。具体的な手法をいくつか見てみましょう。
適切な目標を設定する
チームにとってまず最も重要なのは『適切な目標設定』です。目標が実現不可能なものであったり曖昧であったりするとチームの存在意義が失われかねません。
チームが一丸となって達成を目指すためには、メンバーがその「目標を達成したいと思えるか」「目標達成のイメージが描けるか」といったことを確認する必要があります。
またゴールに向けて予定通りに進行しているかどうかを随時チェックすることも重要です。
建設的な雰囲気をつくる
チームにとってメンバー間の信頼関係の構築は非常に重要です。弱みは誰しもが持ち、ミスはゼロにはできません。リーダーがまず自分自身が脆弱であることを認め、メンバーに指導を求める姿勢を見せてみましょう。
成功するチームはメンバーが批判や争いを恐れず、互いの脆弱性を認め『全員がチームに対する責任と権利を持つ』ことを自覚しています。
メンバー全員が説明責任を果たす『自信と勇気』を育むことが重要です。
それが実現できれば、メンバーがそれぞれのリーダーシップを発揮して、互いの弱みをカバーし、強みを活かすことを自然に求めるようになるでしょう。
チームマネジメントに要求される能力
チームマネジメントにはリーダーに要求される能力と、リーダーが教育してメンバーに発揮させるべき能力があります。
全員がリーダーシップを発揮するためには、十分なコミュニケーションを通じた互いを許容し合う関係性の構築と、メンバーをサポートする意識を持ったリーダーが指導力を発揮していくことが重要です。
コーチング能力
チームにおける『コーチング能力(指導力)』はリーダーだけではなく、ときにメンバー各自が発揮することになるでしょう。
コミュニケーションが活発なチームワークにおいては弱みが露呈することは避けられません。ミスや業務の遅れが見られたなら、これの修正や改善を求めることになります。
全員がそれぞれの特性を持った全員に対するコーチであることができたなら、問題は素早く解決され生産性は向上し続けるでしょう。
コミュニケーション能力
これを欠いてはチームが成り立たないといえるほどに、コミュニケーション能力は必須です。
チームにおいては組織環境の透明性の高さが生産性向上に繋がります。透明性を高めるにはメンバー間のコミュニケーションを密に行い距離感を近付けていくことが大切でしょう。
また、言われなくても察知できるほどに相手をよく知っておくことや、自分の判断が間違っていないと自信をもって言える『信頼関係の構築』も重要です。
スケジュール管理能力
チームにおいては持続的発展が求められます。ここでまず綿密な事前計画が立てられているかが重要です。
透明性を重視するチームにおいて、仕事の流れの曖昧さは排除すべきであり、明文化・可視化してメンバー全員が確認できるようにすることも大事です。
全体的に無駄のない動きができているかをチェックし、進捗状況と照らし合わせて改善していけることもチームにおけるスケジュール管理の一環といえるでしょう。
まとめ
チームはリーダーが独裁的にコントロールするものではなく民主的にマネジメントするものであって、メンバー全員が主体性を持つことが求められます。
職位差で固定化された命令と義務のような発想は捨て、メンバーが自らリーダーシップを発揮していけるチームの形成を求めることが重要です。
より良いチームをまとめ上げ、めまぐるしく変化する社会とニーズに即応していけるシステムを作り上げていきましょう。