業務委託の契約期間
業務委託は、あらかじめ取り決めた成果や制作物の引き渡しによって報酬を獲得するのが一般的です。
次の仕事を探すタイミングなどを掴むために、契約期間の長さについて知っておきたいという人も多いのではないでしょうか?そこで、業務委託の契約期間の長さがどの程度のものか、まずは解説します。
契約期間はケースバイケース
結論として、業務委託の契約期間は「案件による」としか言えません。その理由は『案件ごとに作業に必要な期間が違う』ためです。
例えば、デザイナーが広告制作について業務委託契約を結んだとしましょう。その期間は、ポスターができるまでの1週間から1カ月程度となるのが一般的です。
しかし、企業のデータベースシステムを作るような大規模な案件であれば、1年以上かかる場合があります。このように制作期間によって契約期間を設ける業務委託では、特定の契約期間が算出しにくいのです。
1カ月〜1年単位が多い
それでもあえて契約期間の相場を出すとするなら、1カ月~1年単位となることが多いようです。その間にプロジェクトや委託した作業が終わらない場合は、契約更新をかけるという形を取ることもあります。
期間の長さは作業者の信頼度も関わってくる可能性が大きいでしょう。作業者のアサインが初めての場合、短い期間で契約を結んで様子を見るという企業もあります。
期間制限のある派遣とは異なり、上限がない
労働派遣法によって、派遣契約の作業者は同じ職場で働ける上限は3年と決まっています。3年以上働く場合は、別の職場に移るか、派遣先の企業と直接雇用契約を結ばなければなりません。
一方で業務委託の場合、期間に上限はありません。そのため、特定の企業のコンサルティングや、システムのメンテナンスのために長期契約を結んでいるフリーランスもいます。
期間に関わらず業務請負契約書の作成は必須
期間が1カ月でも1年でも、業務請負契約書は作成しておきましょう。自身の業務内容について明確化しておくことが、トラブルを防ぐことにつながります。
業務期間や条件を明記
当然ですが、契約は生涯続くわけではありません。しかし、契約が続く限りは作業に従事しなければならないため、たいていの仕事では契約期間と終了日については決めておきます。
仮にソフトウェアの作成業務を請け負った場合、企業側が延々とリテイクを出し続けて、いつまでたっても契約が終わらないという事態も考えられるでしょう。
そうならないためにも、業務期間と契約が終了する条件については、仕事にとりかかる前に定めておいた方が無難です。
途中解除や期間変更についても記載
自身が病気にかかってしまったり、身内の事情でどうしても仕事を変えなければならなかったりなど、やむをえない理由で契約を途中で解除したい場合も出てくるでしょう。
その場合にトラブルにならないように、途中解除や期間変更についても記載しておくことをおすすめします。解除や期間変更の条件、通知期間などを細かく決めておくことで、トラブルを防ぐことが可能です。
契約期間満了後の対応
契約期間が満了した場合、その後どのように対応するのが良いかを解説します。
契約期間延長の場合、再度契約書を交わす
請け負っているシステムやソフトの開発が終わっていないにもかかわらず、契約期間が満了を迎えてしまうケースもあるでしょう。
そのような場合には、契約を延長する場合には再度契約書を交わす必要があります。その際、報酬や業務内容に関する条件の見直しなど、必要性を感じるのであれば行いましょう。
自動更新契約を結ぶ場合も多い
システムのメンテナンスやアドバイザーなど、業務が長期に及ぶ場合、何度も契約更新することになりかねません。
そういった場合には、有効期間を定めた上で、自動更新についての項目を記載することが一般的です。契約書の作成や見直しを何度も行う手間が省けます。
契約期間を満了できない場合
万が一、何らかの事情で契約期間を満了できない場合、解除を持ちかけられた側から違約金の支払いを求められるといったことも考えられます。
そうならないように、満了せずに終了する場合の条件についても、あらかじめ契約書に定めておきましょう。
この場合、契約者相互の思惑や利益が対立することが予想されます。そのために、契約終了の告知期間の設定や、解除の条件など、ある程度譲歩できる内容にすることが望ましいと言えます。
まとめ
業務委託の契約期間は、案件によってまちまちです。1カ月から1年程度が一般的ですが、それよりも大幅に異なる可能性もあります。
トラブルにならないようにするためにも、契約書の作成は必須です。契約期間はもちろんですが、途中解約や期間変更など、起こりうるケースを想定して盛り込んでおくと良いでしょう。
長期的なプロジェクトへの参加が求められている場合、契約期間が途中で終了してしまうことも考えられます。高確率で契約更新が確定しているのであれば、自動更新についてもあらかじめ記載しておくと、更新の手間がなくなるのでおすすめです。