プロダクトマネジメントの基礎知識
まずは、『プロジェクトマネジメント』と混同されやすい『プロダクトマネジメント』の基礎知識について解説していきます。プロダクトの価値を最大限発揮させるため、正しく意味を理解して活用していく必要があるでしょう。
プロダクトマネジメントの概要
プロダクトマネジメントとは、製品の開発から市場への導入、そして商品のライフサイクルといった商品の生産に関わる部分を管理することを言います。
プロダクトマネジメントの役割を担う人のことをプロダクトマネージャーと呼び、製品に関するあらゆることに責任を持ち、価値をもたらす任務があります。
プロジェクトマネジメントは製品の価値を最大限に引き出すことを目的としたものです。
ロードマップとは
『ロードマップ』とは予定表や工程表、計画図などといった意味を持つ言葉です。将来までの展望やあるべき姿を分かりやすくまとめたものなのですが、業界によって少しニュアンスが違ってきます。
ロードマップと混同しやすい言葉としてスケジュールとマイルストーンがあります。
作業工程の具体的な内容や、事業計画を含めたものがロードマップであり、単なるスケジュールとは明確に意味が異なります。
次に、マイルストーンは達成地点の途中にある目標地点までを表すものです。達成地点までの全体像を表すロードマップとも違います。
プロダクトロードマップとは
プロダクトロードマップとは、プロダクトマネジメントの流れを、ロードマップに起こした表のことを言います。
プロダクトロードマップがあることで、プロダクトに関する理解が得られやすくなり、生産の効率化をはじめ適切な製品管理を行うことが可能となります。
プロダクトロードマップの種類と意義
プロダクトロードマップには、社内向けと社外向けがあります。自社の重要事項を表すプロダクトロードマップですので、公開してよい情報とそうでない情報を分けているというわけです。
社内向けプロダクトロードマップ
プロダクトロードマップを見ることで、情報を社内で共有することができます。社内向けプロダクトロードマップがあることで、企業のビジョンやミッション、全体的なプロダクトの流れを社内に共通認識として浸透させることが可能です。
同じ方向に向かって意思疎通を図るために社内向けプロダクトロードマップは重要な役割を果たします。
社外向けプロダクトロードマップ
一方、社外向けプロダクトロードマップはパートナー企業や顧客、社会に向けた情報発信という意味合いで作成されます。今後、どのような方針で事業を行うかという行動指針です。
顧客や投資家などにとっては、業界および企業の動向把握やその企業を評価するための重要な資料になります。
社内向けほど詳しい記載はありませんが、外に出すためにより見やすく、デザインもわかりやすく作成するケースが多いです。
プロダクトロードマップを作成してみよう
それでは、実際にプロダクトロードマップを作成する手順を紹介します。
ポイントは、何を目指すのか明確にし、目標達成に至るまでのいくつかの目標を設けるということです。さらに、できるだけシンプルで企業のビジョン・ミッションに結び付いているということも重要です。
社内向けプロダクトロードマップと社外向けプロダクトロードマップは対象や目的が異なりますが、基本的な構成要素は同じになります。
作成の手順
プロダクトロードマップの作成は、どれくらいの期間範囲で作成するのか、どれくらいの細かく盛り込むのかといったルールを決定するところか始まります。これから何年先の計画をどのくらいの詳しさで示すかということを決めるというわけです。
そして、業界動向を分析しつつ、社内においてロードマップの位置付けを行います。企業にとって、どれだけ重要な事柄なのか明確にして、社内向けプロダクトロードマップを作成します。
作成したロードマップを社内の利害関係者(ステークホルダー)に確認してもらい、合意を取り付けます。その社内向けプロダクトロードマップを元に社外向けプロダクトロードマップを作成するという流れです。
作成時のポイント
プロダクトロードマップを作成するときのポイントは三つあります。
- シンプルであるか
- 見たときに深堀りして考えることができるか
- 企業のビジョンやミッションと関連があるか
プロダクトロードマップに限った話ではないですが、ぱっと見て分かりにくい資料は求められません。シンプルでかつ的確な示し方である必要があります。
また、プロダクトロードマップを見ることで、企業のビジョンやミッションを確認できることが望ましいです。
まとめ
プロダクトロードマップは、製品の作成・マーケティングを管理する上での重要な資料です。社内向けと社外向けの両方に作成することで、内外からも理解を得られやすくなるでしょう。
さまざまなプロダクト関係者に見せるため、複雑なプロセスであってもわかりやすいように見た目を整えることもポイントです。製品開発を行う際には、まずはロードマップの作成を検討してみてください。