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“性愛エンタメ企業”ポインティを影で支えるCOOヒュジワラ彰吾の存在

株式会社ポインティCOO
ヒュジワラ彰吾氏
1993年生まれ、兵庫県出身。早稲田大学を卒業後、新卒でクックパッド株式会社へ入社。広告開発部で1年目からグループリーダーに抜擢されるなど、活躍する。2018年にクックパッドを退職し、株式会社ポインティを共同創業した。同社のCEO佐伯ポインティとは大学時代のサークル「広告研究会」の同期。

「仕事って辛いよな」と思う瞬間ありませんか? でも、その辛さを感じると同時に仕事に熱中している自分に気づく瞬間があるのも事実。そこで、この連載「一人はつらいよ」では、「辛い辛い」と言いながらも会社や社会で他人にはできない業務を楽しんでいる“一人肩書き”の方々に光を当てます。

第一回に登場するのは、クラウドファンディングで700万円以上の調達に成功した「猥談バー」をはじめ、「親しい関係性の中で、楽しむ性愛」をテーマにした事業を展開する株式会社ポインティの創業者兼COOであるヒュジワラ彰吾さん。同社は、マスコットキャラ的存在とも言えるCEO・佐伯ポインティさんが有名ですが、そのかたわらには調整役として事業を陰から支えるヒュジワラ彰吾さんの存在がありました。

「性愛」をテーマにしているだけに、ただでさえハードルの高そうな事業ですが……。実際のところはどうなのでしょうか。自由奔放な佐伯ポインティさんを支えているヒュジワラさんの素顔に迫ります。

給料が減っても、ユーザーの顔が見える仕事がしたかった

ヒュジワラさんはクックパッドにいたんですよね。

はい。新卒で入社して3年ほど在籍していました。バリバリ働いた結果、1年目の途中からグループリーダーに選ばれたりもして。

それなのに、どうしてクックパッドを辞めてポインティに?

ユーザーの顔が見える仕事がしたくてクックパッドに入社したんですけど、すごい数の人に利用されているサービスなのですが、コアユーザーは主婦の方で自分ではないんですよ。

わかってはいたのですが、入社してから「家に女性を誘うときしかご飯作ってねえじゃん……」とあらためて実感しましたね。天津飯ばっかりうまくなって。

そんな感じで仕事をしていると最後の細かいユーザーの感覚がわからないんですよね。それでモヤモヤすることが多くなって、自分で自分がほしいものを作る会社を興そうと思って辞めることにしました。

そうしたら、ポインティに入るために辞めたわけではないんですね。

そうなんです。もともとは会社の同期で、現在はポインティでCTOを務める染谷テク一郎と起業しようと考えていました。

では、どういった経緯でポインティのCOOに?

あるとき、ポインティと飲んでいるときに「猥談バー」を試験的にはじめるという話を聞いて、面白そうだから遊びに行ってみたんです。

そしたら、たくさんの人で賑わっていて。しかも、ものすごく感謝されてたんです、「こんな素敵な場所を作ってくれてありがとう」って。なんだこれは、と衝撃を受けました。

ヒュジワラさんがやりたかったユーザーの顔が見える仕事をポインティさんがやっていたわけですね。

はい。しかも、自分自身が性愛でうまくいかないタイプなんですよ(笑)。出張から帰ると半同棲してた人が跡形もなく消えてたりとか……。

そこに課題を感じていたので、自分みたいな人が良い関係を築けたり、楽しめるものがいろいろ作れるんじゃないかと思うようになりました。

ポインティが目指す世界観を汲み取れるんじゃないかと。

しかも、こうした性愛をテーマにした事業がこれまでなかった理由って倫理規範の問題が大半を占めていると感じたので、初期資本がなくても事業を拡大できる可能性があるなと思ったのもあります。

でも、給料は一気に下がるじゃないですか。抵抗はありませんでしたか?

前職から比べると3分の1くらいになりましたね(笑)。

だけど、僕は精神的負担の方が嫌なので、お金がなくてもストレスなく続けられる仕事の方がいいんですよ。昼は大体ポインティと松屋食べてますね。とてもおいしいです。

トラブルシューティングが大好きな性分

「性愛」を扱っていることもあり、会社設立から間もないにも関わらずいろいろ大変な目にあっていますよね。プレスリリースを出せなかったり、オフィスが借りられなかったり。でも、調整役であるヒュジワラさんがいることで、株式会社ポインティはうまく回っている気がしています。そのあたり、実際はどうなんでしょうか?

僕、トラブルシューティングが大好きなんです。はじめて会った女性の家を探してあげたり、当時の彼女がなくして諦めてたスマホ見つけてきたり、解決することでテンションが上がる性癖なんですよね。

この前もシェアオフィスを追い出される事件が起きたんですけど、もうめちゃくちゃテンションが上がりましたね。「オフィスないよ、やべえ、どうする」みたいな(笑)。

すごい前向き(笑)。

ドラマはないよりもあった方がいいですから。何か起きると僕とポインティはテンション上がってますね。

最近は何かトラブルありました?

ライターインターンの人と連絡とれなくなっちゃって、「猥談の持ち逃げか?」ってなったことはありましたけど、比較的最近は落ち着いてますね。

成長スピードをどう上げていくか、みたいな細かい課題はありますが。なんとなく、避け方を理解してきたのかも。

避け方?

僕らの立ち位置的に正面口からお願いしたら通らないことってすごく多いんですよ。

だから、意思決定できる人にアプローチするとか、他の会社を巻き込んでそちらから申請してもらうとか。“エロ企業”としての世渡り方法を覚えはじめているのかもしれないです。

ちなみに、現在の一番の課題って何ですか?

世の中の性愛に対する解像度が高くないことですね。性愛にまつわる関係性っていろいろあるはずなのに、何をやっても風俗・アダルトビデオだと思われてしまう部分があって。

生活を営んでいくうえで当たり前のことが、事業になると線引きが性的な合意をお金で買うエロに偏っているんですね。どうすればこの認識を変えていけるのかを考えていく必要があるなと思っています。

やりたい仕事、できる仕事、やりたくない仕事

「猥談バー」やクローズした「なりきりデート」をはじめ、すごくユニークなサービスが多いですが、事業アイデアはどのように生まれるのですか?

何を作るのかは基本的に僕とポインティが、それをどう実装するかは僕とテク一郎が話して決めています。

ヒュジワラさんがハブになっているんですね。

そうですね。完全にハブです。しかもポインティはすごく面倒な奴なんですよ。基本的にアイデアは彼が発案することが多いのですが、それを僕とテク一郎が形にしていくと「いや〜どうなんだろう。佐伯はこれ使わないな〜」とか平気で言いはじめるんですよ。

どうやら、彼の中にはポインティという人格の他に、佐伯というユーザーの人格があるらしくて(笑)。

それは面倒臭い(笑)。

「いや、お前が考えたんだろ!」って日常的にキレてます(笑)。

なんだか、保護者みたいですね。

かなり近いですね。ポインティとは大学から8年くらいの付き合いで、どういう人間か大体わかってますし。

大学生の頃の二人はどんな感じだったんですか?

もともと早稲田大学の「広告研究会」で一緒だったんです。それで2人で早稲田祭でのイベント企画の代表をしてたんですけど、彼は目立ちたがりで、僕は仕切りたがりという感じで。

僕がほとんど企画運営を担当して、あいつは隣で1年生と仲良く喋ってるだけ、みたいな(笑)。その関係は今もいい意味で変わらないですね。

あと、ポインティは思いつめたときに「なんとかなるからどうでもいいや〜」みたいな破滅思考に陥る傾向があって。そこを僕が「ちょっと待て!」と食い止めて補うことが今でもけっこうあります。

それは得意領域だから? それとも、仕方なく?

3人の中で“やりたいこと”と“やりたくないけどできること”、そして“できないこと”の3つを分けて考えていて、その中でできないことはやらないようにしています。でも、できることは誰かがやる。

たとえば、ポインティは会計処理とか細かい話、予定調整とかがまったくできないので、それは僕ができる範囲でやりましょうと。その代わり、僕は人と対面したときに好感を持たせることだとかSNSでの発信とかが得意じゃないので、それはポインティに任せています。

うまくバランスを取っているわけですね。でも、ハブ役のヒュジワラさんへのしわ寄せが半端ない気がします。

仕方ない部分もあるんですけど、3人の中では僕が一番やりたくないけどできることが多いので。これから一緒に働く人が入ってくれば、得意分野をうまく振り分けられるのかもしれませんね。

そうすると、ヒュジワラさんが一番やりたいことって何ですか?

僕は事業の仕組みを考えるのが好きなので、今もそこはやっています。工数もかかるし、前職よりも煩わしいことは増えていますが、精神的な負担は減っているし、めっちゃ楽しいです。

ヒュジワラさんがいれば、株式会社ポインティはこれからも発展していきそうな予感がします。

だといいですけどね。課題自体を見誤っている感じはしないですし、知っている限りで同じようなことをやっている会社はないので、粛々とやっていきたいと思います。

インタビュー:村上広大
執筆:角田貴広
編集:村上広大
撮影:なかむらしんたろう

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