フリーランスエンジニアとして稼ぐ準備
独立後に収入がない時期を作らないためには、会社を辞める前から稼ぐ準備をしておかなければなりません。フリーランスエンジニアとして収入を得るための準備を紹介します。
受注先の確保
フリーランスエンジニアとして初期段階から安定収入を確保するためには、何よりもまず受注先を確保しておく必要があります。独立した後に案件を探し始めても、すぐに仕事が見つかるとは限りません。
受注先を確保する際は、求人サイトやクラウドソーシングサイトなどをチェックし、どのようなエンジニア案件があるのか見ておきましょう。独立前の時点で獲得できる案件の内容や報酬を確認できます。
最初からいきなり無理をしないことも重要です。独立した後も仕事は探せるため、まずはフリーランスとしての働き方に慣れるために、仕事量は抑え気味にしましょう。
ポートフォリオ作成
サラリーマンエンジニアからフリーランスに転身する場合は、仕事探しをする際にポートフォリオが役立ちます。ポートフォリオとは、これまで自分が手掛けた成果物の作品集です。
エンジニア案件を探す場合、どのような方法で見つけるにしても、スキルや実績を企業側に提示する必要があります。しかし、スキルや実績の箇条書きだけでは、エンジニアとしての詳細な能力を判断してもらうのは難しいでしょう。
このようなケースでポートフォリオがあれば、実際に作ったアプリ・サイト・コードなどを見せられるため、より具体的に能力をアピールできます。企業が求めているエンジニア像を正確に把握し、企業ごとに適切な内容のポートフォリオを作ることがポイントです。
スキルアップ
独立後にやりたい領域が決まっているなら、その領域に関するスキルを磨いておくことも大切です。案件を獲得しやすくなるレベルにまでスキルを高めておきましょう。
実務経験があってもスキルレベルが足りなければ、希望する案件を獲得できない恐れがあります。狙っている仕事に必要なスキルレベルを確認し、独立までにスキルアップしておかなければなりません。
会社を辞めるまでの期間を利用し、独学やスクールでスキルを磨いておきましょう。エンジニアに特化した副業マッチングサイト『Offers』を活用し、副業でスキルアップを図るのもおすすめです。
フリーランスエンジニアになるための準備
フリーランスとして働き始めるタイミングでは、さまざまな手続きが必要です。会社を辞めた直後に行っておきたい主な準備を知っておきましょう。
健康保険や年金の手続き
サラリーマンは勤務先で社会保険や厚生年金に加入しています。しかし会社を辞めると、これらから脱退するため、独立するなら健康保険と年金に関する手続きが必要です。
年金については、国民年金へ加入することになります。健康保険はいくつかの選択肢があるため、どの方法が適しているのか事前に調べておきましょう。
健康保険と年金のいずれも、手続きの期限が定められています。フリーランスの仕事が忙しくなる前に、早めの手続きを意識しておくことが大切です。
開業届の提出
フリーランスとして働くつもりであれば、会社を辞めた後に開業届を提出しましょう。開業届とは、個人が事業を開始したことを税務署へ報告するための書類です。
期限内に開業届を提出しなくてもペナルティーはありませんが、開業届を提出していなければ青色申告を行えません。フリーランスが青色申告を行えば税制上の優遇措置を受けられるため、節税につなげるためにも開業届は提出しておくのがおすすめです。
青色申告を行うためには、開業届以外に青色申告承認申請書も提出する必要があります。いずれも提出が遅くなると青色申告を行えなくなる恐れもあるため、早めに提出しましょう。
事業用口座の開設
独立後は事業用の銀行口座を開設しておくのもおすすめです。プライベートの口座と事業用口座を分け、仕事に関するお金は事業用口座を通すようにすれば、お金の管理をしやすくなります。
口座を分けることで会計処理を効率化できる点もポイントです。青色申告で節税の恩恵を受けるためには複雑な帳簿付けを求められますが、口座を分ければ帳簿付けが楽になります。
開業届を提出した後なら、事業用口座を屋号名義で開設することも可能です。屋号名義の口座は個人名義の口座に比べ、取引先の信用をより高められるでしょう。
会社を辞める前に済ませるべき準備
フリーランスエンジニアの準備の中には、サラリーマン時代に済ませておく方がよいものもあります。会社を辞める前に済ませておきたい準備とその理由を覚えておきましょう。
クレジットカード作成
独立後にクレジットカードで各種決済を行えば、支払いを先延ばしできるため資金繰りが楽になります。仕事用のカードを使うことで経費をまとめやすい点もメリットです。
ただし、フリーランスになると社会的信用が低くなりやすいため、カード審査に通りにくくなります。独立直後はフリーランスとしての実績も乏しいことから、カードはより作りにくくなるでしょう。
独立後にカードを活用したいなら、社会的信用が高いサラリーマン時代に作っておくのがおすすめです。年収が高いほど、また勤続年数が長いほど、カード審査に通りやすくなります。
ローン契約
フリーランスになった後は、ローン契約も結びにくくなります。理由はクレジットカードが作りにくくなるのと同じです。
ローンを組んで自動車やマイホームを購入したいなら、社会的信用が高いサラリーマンである間に契約しておきましょう。サラリーマンなら必ずローンを組めるとは限りませんが、少なくとも独立直後に比べれば契約しやすい状況です。
既に各種ローンを返済中である場合は、フリーランスになった後も返済し続けられるのか確認しておきましょう。返済が厳しくならないようにするためには、独立前に収入の見通しを立てておくことが大切です。
リモートで働く場合の準備
フリーランスとして働きたい人の中には、在宅での業務を希望している人も多いでしょう。リモートで働く場合に済ませておきたい準備について解説します。
仕事に必要な道具の購入
サラリーマンエンジニアなら、仕事に必要な道具は基本的に会社が用意してくれます。一方、フリーランスエンジニアとしてリモートで働くケースでは、仕事で使う道具を自分で準備しなければなりません。
エンジニア案件に取り組む場合、パソコンの用意は必須です。自宅以外でも仕事に取り組みたいなら、どこでも使えるノートパソコンを購入するとよいでしょう。
在宅での作業中にできるだけ体への負担をかけないためには、机やいすも自分に合ったものを準備する必要があります。
通信環境の整備
リモートで働く際は、通信環境が整っていなければなりません。他者とメッセージやデータのやり取りを行う場合、インターネットを利用する必要があるためです。
在宅案件をメインに働きたいなら、自宅の通信回線でスムーズに送受信できるか確認しておきましょう。通信速度があまりにも遅い場合は、回線契約の変更も検討する必要があります。
自宅以外でも作業を行いたい人には、持ち運びが可能なWi-Fiルーターがおすすめです。通信方法にはさまざまな種類があるため、コストや使い勝手を考慮して自分の働き方に合ったものを選びましょう。
コミュニケーションツールの導入
フリーランスエンジニアがリモートで働く場合は、クライアントからコミュニケーションツールとしてチャットツールの導入を求められるのが基本です。
チャットツールがあれば、クライアントとエンジニアとの間で迅速かつ気軽にやり取りを行えます。導入を求められるツールの種類は、クライアントによりさまざまです。
代表的なチャットツールとしてはChatWorkやSlackが挙げられます。ビデオ通話が可能なSkypeやZoomを使う機会もあるでしょう。これらのツールの使い方を事前に覚えておけば、独立後もスムーズに対応できます。
その他やっておきたい準備
これまで紹介してきた準備以外にも、フリーランスエンジニアとして独立する前に準備しておきたいことを紹介します。仕事を軌道に乗せやすくするための参考にしましょう。
人脈作り
フリーランスエンジニアになると、基本的には1人で業務を行うことになります。組織に属しているわけではないため、周囲に頼れる人も少ないでしょう。
会社を辞める前に人脈を作っておけば、不安を抱えながら独立するのを回避できます。SNS・セミナー・イベントなどを活用し、相談できる仲間を探しておくのがおすすめです。
エンジニアとして人脈を広げることで、案件探しに役立つケースもあります。独立前だけでなく、フリーランスになった後も積極的に人と交流する機会を持ちましょう。
貯金
独立前の案件確保がうまくいかない場合、フリーランスとして活動し始めてからしばらくは生活費に困りかねません。サラリーマン時代に、ある程度の貯金をしておくのがおすすめです。
生活費の3カ月~半年分を貯金できれば、安心して独立に踏み切れるでしょう。案件の報酬の支払いは翌月や翌々月になる場合が多い点にも注意が必要です。
生活だけでなく、仕事に必要な道具の準備にもお金がかかる可能性があります。エンジニアはそれほど開業資金がかかる業種ではないものの、万が一のためにできるだけ多く貯金しておきましょう。
まとめ
フリーランスエンジニアになるためには、さまざまな準備が必要です。最初から収入を得るためには、事前に案件を確保しておかなければなりません。
会社を辞めた後に必要な準備や、サラリーマン時代に済ませておきたい準備もあります。どのような準備が必要なのかきちんとチェックし、できるだけ準備を整えて独立しましょう。