有価証券報告書で分かるサイバーコムの平均年収
旧サイバーコム株式会社の第45期(2022年12月期)の有価証券報告書では、提出会社の従業員は1,217名、平均年齢は35.1歳、平均勤続年数は10.0年、平均年間給与は5,001千円(500.1万円)です(2022年12月31日現在・2023年3月27日提出)。注記によれば、平均年間給与には賞与と基準外賃金が含まれています。
1期前の第44期(2021年12月期)は、従業員1,171名・平均年間給与4,874千円(487.4万円)でした。1年で平均年間給与は12.7万円上がり、従業員は46名増えています。平均年齢は35.3歳から35.1歳へ、平均勤続年数は2期とも10.0年です。
項目 | 第44期(2021年12月31日現在) | 第45期(2022年12月31日現在) |
|---|
従業員数 | 1,171名 | 1,217名 |
平均年齢 | 35.3歳 | 35.1歳 |
平均勤続年数 | 10.0年 | 10.0年 |
平均年間給与 | 487.4万円 | 500.1万円 |
出所: サイバーコム株式会社「有価証券報告書」第44期(2022年3月22日提出)・第45期(2023年3月27日提出)の「従業員の状況」(千円の値を万円に換算)。
同じ第45期の報告書によると、売上高は166億28百万円で前の期より7.1%増えました。内訳は主力のソフトウェア開発事業が131億37百万円、ネットワーク・サーバーの構築や保守・運用を担うサービス事業が34億63百万円です。
平均に入る人の範囲と、上場廃止・新設分割の後の見方
500.1万円は、提出会社の従業員1,217名をまとめた1つの平均です。報告書は「同一の従業員が複数の事業に従事している」として、セグメント別の内訳を記載していません。ソフトウェア開発・インフラ構築・営業を合わせ、平均年齢35.1歳・平均勤続年数10.0年の集団の平均として読むのが前提になります。
旧サイバーコムは、親会社の富士ソフト株式会社による株式売渡請求を経て、2024年2月8日に東京証券取引所の上場を廃止しました(当社株式の上場廃止のお知らせ・2024年2月7日)。そのため、平均年間給与を公表した有価証券報告書は第45期が最後です。
さらに公式サイトの沿革によると、現在のサイバーコム株式会社は2025年9月に会社新設分割により設立されています。有価証券報告書を提出した旧会社の法人(法人番号5370001008868)は、2025年9月1日に商号をCマネジメント株式会社へ変更しました(国税庁 法人番号公表サイト)。500.1万円は分割前の旧会社の2022年末時点の値です。今の水準を知るには、次の節で扱う掲載中の求人の提示年収と合わせて見るのが近道になります。
Offers Jobs に掲載中のサイバーコムの求人と年収
Offers Jobs で募集中のサイバーコム株式会社の正社員求人は3件で、提示年収は415万〜755万円です(2026年11月1日時点)。3件ともエンジニアの職種で、上限はどれも755万円、下限は経験の条件によって415万円と470万円に分かれます。
求人 | 提示年収 | 月給(求人票の記載) | 必須の経験(求人票から) |
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フルスタックエンジニア | 415万〜755万円 | 23万〜38万円+賞与年2回 | 同じプログラミング言語でのソフトウェア開発の実務経験2年以上(言語不問) |
フルスタックエンジニア(リーダー〜PM) | 470万〜755万円 | 26万〜38万円+賞与年2回 | ソフトウェア開発の実務経験2年以上と、チームリーダーやプロジェクトリーダー(PL)・プロジェクトマネージャー(PM)としてのマネジメント・後輩育成の経験 |
インフラエンジニア | 415万〜755万円 | 21万〜38万円+賞与年2回 | サーバーかネットワークの構築経験1年以上 |
(Offers(株式会社overflow)調べ・掲載中のサイバーコム株式会社の正社員求人 n=3・2026年11月1日時点)
下限が470万円と最も高いのは、リーダーやプロジェクトリーダー(PL)・プロジェクトマネージャー(PM)の経験を必須にしたフルスタックエンジニアの求人です。開発の実務経験2年以上だけを条件にした求人とは、月給の下限が23万円と26万円で3万円違います。月給の上限は3件とも38万円、賞与は3件とも年2回で、給与の欄には「勤務エリアによって変更あり」と添えられています。
フルスタックエンジニアとして募集する開発職の2件が担う業務は、金融・流通・官公庁・医療向けの業務系、5G の通信制御や基地局のプロトコル開発などの通信系、ADAS(先進運転支援システム)や車載の電子制御ユニット(ECU)、産業用ロボットの制御系です。経験や希望に応じてどれかに配属される形で、組み込み・制御系や通信制御の開発経験は歓迎の条件に入っています。
同じ幅の中での提示額を決めるのは、担う工程と役割の評価です。面談で役割と期待の水準を聞き、自分が幅のどのあたりに入るかを確かめる進め方は「カジュアル面談の年収の聞き方|求人の年収帯の読み方」にまとめています。
掲載中の求人と提示年収を一覧で確かめられるのは、Offers Jobs のサイバーコム株式会社の企業ページです。
求人票で分かる給与と手当の仕組み
サイバーコム株式会社の求人票では、提示年収は月給と年2回の賞与で構成され、給与の欄に「勤務エリアによって変更あり」と添えられています(Offers Jobs の掲載求人・2026年11月5日時点)。勤務地は横浜本社ビル(横浜市中区)で、稼働時間は9時〜17時30分です。
年収を左右する手当として、3件の求人票に共通して書かれているのがスペシャリスト制度です。高度資格の取得者を「スペシャリスト」に認定し、社長直轄の「TAKUMI室」(TAKUMI は同社が組織名に使う固有の呼び名)に所属させたうえで別途手当を支給する制度で、技術の専門性を年収に反映させる仕組みとして読めます。
項目 | 求人票の記載 |
|---|
年収の構成 | 月給+賞与年2回(勤務エリアによって変更あり) |
スペシャリスト制度 | 高度資格取得者を「スペシャリスト」に認定し、社長直轄の「TAKUMI室」所属として別途手当を支給 |
残業代 | 1分単位で支給・残業は月平均16.1時間 |
年間休日 | 135日以上(2025年度実績136日) |
出所: Offers Jobs の同社の求人票(フルスタックエンジニア・インフラエンジニア・2026年11月5日時点)。
前職の年収と比べるときは、月給・残業代・賞与に分けて並べるのが確実です。求人票は残業代を1分単位で支給すると書いているので、提示年収の幅に残業代がどこまで入っているかは面談で確かめ、前職の残業時間との違いを差し引いて見ると条件をそろえられます。
インフラ職の求人票は、中途入社2年目で PL に抜擢される例が多数あり、実力に応じた早期のリーダー登用や昇給にも触れた書き方です。
AI 人材の育成と TAKUMI 室
サイバーコム株式会社のニュースリリース(2026年3月26日)によると、技術系社員の約半数となる509名が日本ディープラーニング協会(JDLA)の G 検定に合格し、実装の力を示す E 資格でも初の合格者が出ています。拠点は横浜・仙台・東京・新潟・名古屋・刈谷・福岡の国内7か所です(E資格・G検定合格者500名を突破)。
求人票は、TAKUMI 室が生成 AI やクラウド移行、DX 推進を取り入れたビジネスモデルの構築と、自社の AI アシスタント「ChatTAKUMI」などの自社プロダクトの開発を進めていると説明しています。案件の例にも、モバイル端末に載せる生成 AI 機能(音声認識・テキスト化・読み上げ)の PoC と開発支援が挙がっています。
生成 AI の開発やクラウド移行の経験は、スペシャリストの認定や TAKUMI 室での仕事に近く、面接で具体的に示せる材料です。
同じ職種の公的統計とサイバーコムの求人を比べる
厚生労働省の令和7年賃金構造基本統計調査を Offers Magazine 編集部が年収に換算すると、開発を担うソフトウェア作成者は企業規模計で578.5万円、従業員1,000人以上の企業で640.9万円です。サイバーコムの求人の提示年収415万〜755万円は、1,000人以上の640.9万円をはさむ幅で、上限の755万円はこの値を114.1万円上回ります。
サーバーやネットワークの保守・管理を含むその他の情報処理・通信技術者は、企業規模計で609.8万円、1,000人以上で639.4万円です。インフラ職の提示年収(415万〜755万円)も、この区分の2つの値をはさんでいます。
統計の区分 | 企業規模計 | 1,000人以上 | 35〜39歳(企業規模計) |
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ソフトウェア作成者 | 578.5万円 | 640.9万円 | 636.0万円 |
システムコンサルタント・設計者 | 889.0万円 | 1,010.4万円 | 968.1万円 |
その他の情報処理・通信技術者 | 609.8万円 | 639.4万円 | 604.1万円 |
出所: 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」職種第1表・職種第5表(2026年3月公表・男女計)を Offers Magazine 編集部が年収換算。
1,000人以上の列は、旧サイバーコムの第45期の従業員1,217名と同じ規模の区分として置きました。35〜39歳の列は、同じ報告書の平均年齢35.1歳に合わせたものです。
統計の区分を選んだ理由
厚生労働省の「職種一覧と解説」では、ソフトウェア作成者を、ソフトウェア作成のための仕様決定、設計及びプログラミングの仕事に従事するものと定めています。業務系・通信系・制御系のソフトウェア開発を担う開発職の2件が、この区分に重なる仕事です。
その他の情報処理・通信技術者には、含まれる職種の例としてシステム保守技術者やサーバー管理者が挙がり、構内ネットワーク(LAN)設備の計画・設計・維持管理の仕事も含まれます。サーバーやネットワークの設計・構築・検証を担うインフラ職の仕事に近い区分です。
システムコンサルタント・設計者には情報処理プロジェクトマネージャが含まれ、PM として案件全体をまとめる役割に近い区分です。リーダー〜PM の求人で PM の役割まで担う人は、この区分の値も目安になります。
統計の値は企業規模10人以上の一般労働者の2025年の平均で、有価証券報告書の500.1万円は2022年末時点の全職種の平均です。年も対象も違うので、500.1万円と統計の値の差をそのままエンジニアの年収の差として読まず、求人の提示年収と統計の区分を並べて比べるのが近い比べ方です。開発の職種の相場は「組み込みエンジニアの年収|統計と求人で見る相場」、構築の職種の相場は「インフラエンジニアの年収|統計と求人の年収帯」で別に扱っています。
サイバーコムへの転職で年収を上げる準備
提示年収の幅の中で高い額を得るには、求人票の必須と歓迎の経験に対して、自分の経験を工程・規模・役割の言葉で示すことが出発点です。サイバーコム株式会社の求人票は、職種ごとに求める経験を具体的に書いています。
開発職の2件が歓迎の経験に挙げるのは、要件定義や基本設計・詳細設計などの上流工程、チームリーダーや PL・PM としてのマネジメントと後輩の育成、AWS(Amazon Web Services)・Azure・Salesforce などのクラウド環境での開発、組み込み・制御系や通信制御の開発です。リーダー〜PM の求人は、マネジメントと後輩育成の経験を必須の条件に引き上げており、下限も470万円に上がっています。
インフラエンジニアの求人では、要件定義から詳細設計までの上流工程、PL・PM やベンダーコントロールの経験、AWS や Microsoft Azure の設計・構築・移行の経験、CCNP(Cisco Certified Network Professional)や CCIP(Cisco Certified Internetwork Professional)などのシスコ認定資格とクラウド系の高度資格も歓迎の経験に入っています。スペシャリスト制度は高度資格の取得者を対象にしているので、持っている資格は職務経歴書の冒頭に置き、どの資格が認定の対象になるかを面談で確かめるのが得策です。
職務経歴書では、担当した工程、チームの人数とその中での役割、扱った技術を、求人票の業務系・通信系・制御系やサーバー・ネットワークの分け方に沿って書くと、求人票の条件と照らし合わせやすい職務経歴書です。経験の書き方と並べ方は「エンジニアの履歴書・職務経歴書|52人調査と書き方」を参考にしてください。
希望年収は、求人票の必須の経験に対して自分が担える役割を根拠に伝え、勤務エリアによる給与の違いとスペシャリスト手当の対象になる資格をオファー面談で確かめておくと、条件を比べやすくなります。希望額を伝える時期と根拠の示し方を詳しく扱ったのが「エンジニアの転職の給与交渉|タイミングと進め方」です。
サイバーコムの求人の提示年収と必須の経験は、Offers Jobs のサイバーコム株式会社の企業ページで職種ごとに確かめられます。