坪田朋が新人時代から考え続けている選択と集中の掛け算

Basecamp代表/dely CXO
坪田朋(つぼた・とも)
1981年生まれ。livedoor、DeNAなどで多くの新規事業立ち上げやUI・UXデザイン領域を専門とするデザイン組織の立ち上げを手掛ける。2017年にデザインファームBasecampを立ち上げ、スタートアップの事業創出を支援する。2019年7月にdely株式会社のCXOに就任。それと同時にBasecampをdelyの完全子会社とし、クリエイターギルド化させる。

活躍中のあの人や、話題のあの人にも、必ず新人だった頃がある。「バック・トゥ・ザ・フレッシュマン」では、社会に出て間もない頃の経験や教訓が現在にどう活きているのかを探っていきます。今回ご登場いただくのは、デザインファームBasecampの代表であり、dely株式会社でCXOも務める坪田朋さんです。

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バイクレーサーを目指す中で身につけた原因自分論

この連載では、いろいろな方々の新人時代にフォーカスしているのですが、坪田さんが今でも大切にしている当時の学びはありますか?

坪田朋:この仕事を始める前にプロのバイクレーサーを目指していたんですけど、そのときに学んだことが今でも活きてる気がします。というのも、レースの世界って完全に実力主義なんですね。勝つのも自分次第だし、負けるのも自分次第。だから、何か問題が起こっても誰かのせいにできなくて。自分が行動を変えればいいと考えてしまうんです。その姿勢が、これまでのキャリアにも表れている気がします。

もう少し詳しく聞かせてください。

坪田朋:僕はデザイナーとしてキャリアをスタートさせてるんですけど、仕事をしていると、そもそもの企画がイケてないことがけっこうあって。つまり、もともとの素材が50点だと、いくらグラフィックを頑張っても60点とか70点にしかならず、始まる前から負けている。そのときにデザインだけでなく、サービスのディレクションまでやらないと本当に良いモノは作れないと感じたんです。

それでサービスのディレクションもするようになった、と。

坪田朋:はい。でも、今度はサービスのディレクションだけできても物事が進まないと感じるようになったんです。ステークホルダーとなる営業やマーケの力も大切だと思うようになって、会社を俯瞰した目線で考えていくようになりました。そうやって課題を感じる度に自分の領域を広げていったことで、自ずとキャリアもスケールしていったんです。だから、自分の中で課題解決とキャリアアップってほぼ同義なんですよね。

手を動かし続けないと、現場感覚はどんどん鈍っていく

とはいえ、ある程度のスキルがないと実現できないことのような気がします。何か努力はしていませんでしたか?

坪田朋:それで言うと、ディレクション業務が中心になった今でも、1日数時間は必ず自分で手を動かしたり、調べ物をしたりするようにしています。それを習慣化できているのが強みかもしれません。

今でも勉強を続けているんですか!

坪田朋:ディレクションをする立場の人こそ、モダンなスキルを身につけたり、新しい情報をキャッチアップしていく必要があると思いますよ。特に今の時代はマネージャークラスになって手を動かすことをサボると、ものすごい速さで現場感覚が失われて即答できなくなる。そうすると、意思決定の材料を要求するようになってチームの生産性も下がる。だから、モノづくりの現場で意思決定する立場であり続けるかぎり、現場感を常に持ち続けるように意識してます

なるほど。

坪田朋:しかも、そうやって新しい技術や知識を習得していると、ニーズを察知する能力も身についていくんです。「ここだ!」っていう勘が働く。たとえば、1年くらい前に「bosyu」というサービスを作ったんですね。

キャスターに事業譲渡され、その後はbosyuで運営されていますよね。

坪田朋:あのサービスもすごく絶妙なタイミングでリリースできたと個人的に思っていて。時期が早くても遅くても、あの規模まで盛り上がらなかった気がします。個の時代と言われ始め、副業やリモートワークの注目度が高まるタイミングだったからこそ、世の中への認知も大きく広がったんじゃないかな。

確かに世の中の動きと合わずにグロースしないサービスはけっこうありますよね。

坪田朋:元々bosyuで売上を作っていくことは考えてなくて。当時、僕はデザイナーとして世の中に認知されていたんですけど、経営者にとってデザイナーは宇宙人のような存在なんですよね。そこで考えたのが、ゼロイチでサービス立ち上げること。そうして実績を作れば、デザイナーという抽象物から坪田朋として認識される。自分のキャリアを切り拓いていくために、わかりやすい実績を作りました。

仕事の成果は仕事。だから120点の結果を目指す

delyのCXOに就任したり、Basecampをクリエイターギルド化したりしたのもそういうことを考えての行動だったのでしょうか?

坪田朋:そうですね。20代後半まではロジカルに語ってるだけでも優秀な人として見られると思うんですけど、30代になったら確かな実績が必要で実績も無く口だけ達者だと経営者から大きな信頼を得ることは難しい。それに成果を出す人の方が大きな仕事をやれそうな人と出会うチャンスはあがりますしね。

いわゆる“仕事の成果は仕事”ですね。

坪田朋:しかも、勝ち方も大切で。80点より100点、100点より120点の成果を出した方がいい。だから、いかに120点を出し続けるかを意識するようにしています

120点を出すために意識していることはありますか?

坪田朋:やらないことを決めることでしょうか。例えば、会食やパーティーには行かないとか。

それは仕事に結びつかないことが多いと考えているからなのでしょうか?

坪田朋:いえ、行けば楽しいんです。でも、それで週に2回とか3回とか行ってしまうと、途方もない時間が奪われるじゃないですか。僕はそんなに器用な人間ではないので、それをやってしまうとスキルが下がり続けてしまうんです。だから、飲みに行きたい気持ちをグッと堪えて、それをスキルアップしたり、情報をキャッチアップしたりする時間に充てているんです。

そうやってやらないことを決めたのはいつなんですか?

坪田朋:レーサーになろうとしたときですね。本を読めば知識を身につけることはできるんですけど、それによって運転技術は向上しないんですよ。知識を身につけること、そして行動すること。その両方をしっかりやらないとレベルアップしない。だから、選択と集中をするようになりました。最近は服も同じモノを着るようにしているんですけど、それも理由は同じですね。

それは、いわゆる意思決定の回数を減らすためですか?

坪田朋:というより、自分に対する周りの評価を気にしないことで精神的負担をかけないようにしたくて。集団コミュニティだと一定の確率でファッションチェックをしてイジってくる人がいるじゃないですか。自分の中で優先度が低いにも関わらず、それを意識して対応するのがめんどくさいんですよね。同じモノを着て生きると自分で決めてしまえば、何を言われても気にしなくなる。その一方で、自分が作るモノに対する結果にはすごくこだわっています。

それはどうしてですか?

坪田朋:ユーザーが喜んでる姿を見たいからですね。誰かの期待に応えたいというより、自分の作ったサービスが使われる方がうれしい。その積み重ねによって世の中は変わると思うので。そういう意味では、クラシルなんてすごい可能性を秘めているわけですよ。だから、もっとスケールさせたいなと思っています。

それが結果としてdelyのミッションである「80億人に1日3回の幸せを届ける」みたいなところに繋がるわけですね。

坪田朋:そうですね。でも、実はそれだけじゃないんですよ。最近は自分で料理するのも楽しくて。なんかの本で読んだんですけど、40歳くらいになると急に蕎麦を打ったり、キャンプをしたり、カレーをスパイスから作るみたいな行動をしたくなるらしいです(笑)。自分もそういう頃合いになってきたんですよね、きっと。

インタビュー:村上広大
執筆:かえで
編集:村上広大
撮影:玉村敬太

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