GIFとは?
インターネットを使っていると『GIF』や『GIF画像』という言葉を目にしたことがある人も多いはずです。GIFとは、一体どのようなものなのでしょうか?
意外と知られていないGIFの詳細について、まずは基本的な情報についてまとめていきます。
GIFは画像フォーマットの一つ
『GIF』とは『画像ファイルのフォーマット』の一つです。『Graphics Interchange Format』というのが正式名称で、その頭文字をとってGIFと呼ばれています。
開発元は、アメリカの大手パソコン通信ネットワーク会社で、モノクロなら256階調、カラーなら256色まで表現が可能です。
画像ファイル形式としての認知度は非常に高く、JPEGと並んで高い頻度で利用されており、ファイルの拡張子は『.gif』で表されます。
GIFの特徴は、通常の画像に比べ『アニメーション』になっているという点です。そのため、画像形式でありながら、短い動作をファイル内で表現することができます。『動く画像』というように捉えるとイメージが湧きやすいでしょう。
GIFの正しい読み方は?
画像ファイルの形式として認知度の高いGIFですが、誕生当初は、正しい読み方が発表されていなかったため、『ギフ』と呼ぶ人と『ジフ』と呼ぶ人に分かれていました。
発明者であるスティーブ・ウィルハイト氏は、2015年ニューヨークで行われた生涯功労賞の授賞式の際に、『ジフ』と発音することを発表しました。
日本ではもともとジフと発音する人が多かったですが、ギフと発音してしまう人も依然多いのは、その英単語からも仕方のないことでしょう。
GIF画像が人気の理由
JPEGと並んで、ネット上でGIFが人気を誇っているのには、いくつかの理由があります。どんな理由で、近年人気を集めているのでしょうか?
通信機器の進化や普及、容量に関することなど、その原因もさまざまです。GIFが人気を集めている原因についてまとめるので、チェックしていきましょう。
スマートフォンの普及
GIFが世界的に流行り始めた理由の一つが『スマートフォンの普及』です。中でも特に、iPhoneの誕生は、GIFの需要に大きな影響をもたらしました。
スマートフォンが普及する以前、パソコンでGIFのような役割を果たしていたものが『FLASH』です。しかし、iPhoneはFLASHに対応していませんでした。
スマホが普及するにつれ、iPhoneにも対応しているGIFは勢いを取り戻します。変わって、対応していないFLASHの需要は、徐々に少なくなっていきました。これが、GIFが人気を集めるようになった理由の一つです。
容量が軽く自動で動く
GIF画像が普及したもう一つの理由が『容量が軽く自動で動く』という点にあります。
GIF画像は、動画のように再生ボタンを押す必要もなく、画面上に埋め込むと、勝手に再生が始まり、短い尺が終わるとまた自動で再生を続けループしてくれます。
さらに、あくまで画像形式であるため、動画に比べると容量が軽いというのもメリットです。動画だと、通信環境によっては画質に影響を与えます。しかし、GIFはもともと容量が軽いため、通信環境の影響を受けにくく、安定して閲覧できます。
伝えたいことを簡潔に伝えられる
再生時間が短いというGIFの特徴は『伝えたいことを簡潔に伝えられる』という魅力にもつながっています。この特徴は、短時間でコンテンツを楽しみたいスマホユーザーのニーズにも合致しています。
短い再生時間で内容をシンプルに伝えられるほか、その容量の軽さやSNSなどとの連携力の高さから、広告媒体としての利便性の高さにも注目が集まっています。
マーケティングにおけるGIF画像の使い方
広告媒体として注目を集めているGIFですが、マーケティングにおいてGIF画像を活用する際には、おさえておきたいいくつかのポイントがあります。
どのように活用すれば、より効果的なマーケティング活動を行うことができるのでしょうか?主な使い方や表現方法について見ていきましょう。
主な使い方
広告媒体としてGIFを使用する際には、利用目的別に大きく分けて5つあります。
1つ目が『ブランディング型』です。その名の通りブランディングを目的としていて、クリエイターの個性や作家性を生かしながら、ブランドの印象を作り上げます。
2つ目が『参加型』です。閲覧者との接点となるツールとして活用されるのが目的で、ルーレットや間違い探し、占いなどのゲーム性を持ったGIFにより、閲覧者からの反応を得やすくなります。
3つ目が『スタンプ型』です。キャッチーなイラストやキャラクターによって構成されており、SNS上で使用できるように作られています。
4つ目が『手順説明型』です。商品やサービスの使用方法などを簡潔に説明したアニメーションになっているのが魅力的で、閲覧者の理解を促す効果があります。
5つ目が『バナーのGIF化』です。すでにあるブランドの広告などをGIFにすることで、強調したり注目を集めたりする効果を発揮します。
表現方法
前述した目的別の使い方以外にも、表現物としての効果をあげる方法がいくつかあります。例えば『シネマグラフ』などがそれにあたります。
シネマグラフは、もともと芸術的な写真の一部が動くことで、新しい魅力を際立たせる手法です。例えば、モノクロで写る女性のイヤリングのみが動いていると、画像だけでも素敵な作品にGIF独特の面白さが加わります。
ほかにも『ストップモーション』という手法があります。この表現方法は、折り紙や粘土などを活用した方法で、仕上がったGIFはコマ送りのアニメーションのようになります。適度な手作り感が、可愛らしさと親しみやすさを演出してくれます。
GIF画像の活用事例
GIF画像は、すでにいくつかの大手企業の広告媒体として活用されています。その業種もさまざまで、それぞれにGIFの使われ方に特徴があります。
私たちがよく知るファッションブランドや、車のメーカーなど、代表的ないくつかの活用事例について紹介していきます。
Googleのトップページ
インターネットの検索エンジンとして世界中で活用されている『Google』も、GIFをうまく活用している企業の一つです。
Googleのトップページを開くと、公式のロゴデザインが日ごとに変化しているのに気づいている人も多いのではないでしょうか?その正式名称は『Doodle』と呼ばれるものなのですが、ここでGIFが活用されている場合もあります。
可愛らしいデザインやポップなものなど、その日を象徴しているデザインに変わるDoodleも、動くデザインのときにはGIFが使われています。印象的なデザインをさらにかわいく強調する効果を発揮しているといえるでしょう。
ユニクロのシフォンスカート
日本だけでなく、世界中から愛されているファストファションブランドの一つである『ユニクロ』でも、商品広告の際にGIFを活用しています。
洋服のよさを理解してもらうには、いくつかの写真が必要になってきます。その点をうまくカバーできるのがGIF画像です。
例えば、春先から活躍するフレアスカートの紹介では、一定の時間で画像が別のアングルに切り替わるGIFが活用されており、ツイッターなどのSNS上で、簡単に複数のアングルからの商品着用例を見ることができます。
わざわざ検索する必要もなく、手軽に何枚かの着用例を見ることができるので、商品に対するイメージが湧きやすくなっています。
出典:【3つの事例で見る】いま再注目のGIFアニメ。 マーケティングで活用するには?
GIF画像の編集や加工ができるサイト
GIFに関する特徴や活用事例についてまとめてきましたが、そんなフォーマットを実際に使用したいとき、どのようにすればよいのでしょうか?
通常の画像に比べると少し特殊なGIFですが、専用のツールやWebサービスを使うことで誰でも簡単に作成できます。
それぞれのツールやサービスごとに特徴が異なるので、自分の使いやすいものでGIF画像を作成してみましょう。
シンプルで使いやすいバナー工房
画像加工サイトで提供されているサービスの一つとして、GIFアニメーション加工を施せるのが『バナー工房』です。このサイトでは、静止画からアニメーションGIFを作れます。
動かしたい静止画を登録すると自動でGIFアニメーションに変換してくれるため、初心者でも簡単に扱えるシンプルな機能が魅力的です。
一度に登録できる静止画は30枚までで、作成したGIFはそのままツイッターに投稿できます。
画像加工編集サイト - 無料で画像を加工、編集するならバナー工房
動画からGIFに変換できるgifs
動画をGIFに変換できる便利なWebサービスが『gifs』です。変換したGIFを切り取りやステッカー機能などを使って、サービス内で編集できます。
そのほかにも、白黒加工や色調補正など、編集機能に優れている点がgifsの魅力とも言えるでしょう。
注意しなければいけないのが、サイトが日本語に対応していないという点です。しかし、手順に沿って作業を行えば、別段困ることもないので安心です。すでに完成してしまった動画をどうしても編集してGIFにしたいという人にぴったりのサービスです。
gifs.com | Animated Gif Maker and Gif Editor
圧縮などさまざまな機能が使えるEZGIF
GIF変換後にさまざまな機能を使えるのが『EZGIF』です。容量が軽いというのがGIFの特徴でもありましたが、中には、少し重たいデータもあります。そんなデータをさらい軽くしたいときに活躍するのがこのツールです。
容量を軽くする以外にも、複数の変換機能が備わっています。例えば、GIFアニメのサイズを変えたり、特定の範囲を切り抜いたりすることも可能です。
さらに、GIFアニメにエフェクトを加えることもできます。このように、さまざまな変換機能が備わっているため、GIFをいろいろな形式に変えて保存したい人にぴったりのツールといえます。
Animated GIF editor and GIF maker
GIF画像の編集や加工ができるアプリ
GIF画像をパソコンで作成できるツールやサービスについて紹介してきましたが、実は、スマホのアプリを使ってGIF画像の編集や加工を行うこともできます。
いまだその数は少ないですが、中でも人気を集めているアプリを厳選してまとめていきます。それぞれの機能と特徴を見極め、うまく活用しましょう。
変換可能なファイルの多いGIFトースター
GIFへの変換可能なファイルの多さが魅力的なのが『GIFトースター』です。このアプリは、その変換可能ファイルの多さから、GIFを作成するならとりあえず持っておきたいアプリとして多くのユーザーを集めています。
ビデオや写真はもちろん、Live Photosやパノラマ写真、タイムラプス写真などにも対応している優れものです。操作感もシンプルなので、初心者でも使いやすいアプリとされています。
フィルターが使えるFlamm
動画をGIFアニメーションとして保存できるのが『Flamm』です。動画用のフィルターを複数活用でき、無料でインストールできるアプリとは思えないバリエーションの豊富さが魅力です。
フィルター機能を使えるだけでなく、簡単な編集もできます。動画をGIFアニメーションにしたい人にぴったりのアプリです。
- アプリ名:Flamm
- 価格:無料
- App Store:ダウンロードページ
自動で生成してくれるMomento
GIFの自動再生が魅力の『Momento』では、GIF動画を作成できるだけでなく、一つにまとめることもできます。
中でも特徴的な機能が、撮影したLive PhotosをGIFに変換できることです。そのため、動きのある風景などを切り取ると、木の葉が揺れる様子などをGIFで表現できます。
また、エディター機能を使って簡単な編集ができるのもメリットの一つです。シンプルな機能でGIF作成を楽しみたい人は、1度使ってみるとよいでしょう。
商用利用可能なフリー素材サイト
GIFを自分で作成できるスマホアプリやWebサービスについての特徴を見てきましたが、自分で作るのは面倒だという人でもGIFを探せる『フリー素材サイト』があります。
フリー素材サイトにも、それぞれのサイトごとに扱っているGIFの特徴が異なります。ポップなものや動物素材が多いものなど、いくつか紹介していくので参考にしてみましょう。
写真素材でも有名なぱくたそ
フリーの写真素材を集めているサイトとしても有名なのが『ぱくたそ』です。写真だけでなくGIF動画の素材を見つけられます。
それぞれの素材が大きいものが多いので、容量が少し重くなる可能性もありますが、静止画の時点でクオリティの高い作品がそろうサイトなので、GIFの質にも期待できます。
実写で作成されたGIFだと画質が少し荒くなってしまいますが、使用したときのインパクトは絶大です。
ポップな絵柄のマップラボ
ポップな絵柄で親近感の湧く可愛らしいGIFを取りそろえているのが『マップラボ』です。全ての作品が一定のトーンに統一されていて、穏やかな雰囲気を楽しめます。
商用可能なGIFなので、やわらかいブランドのイメージを表現したいときなどに、活躍してくれるサイトです。
動物の素材が多いカツのGIFアニメ
サイトのデザインからもゲームのRPG感が漂っているのが『カツのGIFアニメ』です。このサイトのGIFは、基本的にドット絵によって作られています。そのため、どの作品もレトロゲームのような雰囲気が漂っていて、とてもかわいらしい仕上がりです。
特に多いのが動物のGIFで、羊が走っているような可愛いアイコンもあります。動物だけでなく、風景GIFも存在し、青空をひこうき雲が流れているGIFアニメーションは、使いやすいシンプルさとドット絵独特の雰囲気を楽しめます。
ローディング素材が手に入るLoading
動画の読み込みやページ移動の際に表示されることのあるローディング画面ですが、この画面をGIFにして使える素材として集めているのが『Loading』です。
「ローディング中の表示をGIFにしてどう使うんだ」と思った人もいるでしょうが案外、活用する機会が多いローディング素材は人気を集めています。
[素材] 著作権フリーの「Loading」Gifアニメーション画像 40個 | Tips of Rubbish
まとめ
インターネットを活用する人なら誰でも一度は見たことがあるであろうGIFには、単純な見た目の面白さだけでなく、広告媒体としての活用方法もあります。
そんなGIFについての基本知識を身につけ、SNSなどでうまく活用していきましょう。