副業とは
副業とは、勤務時間外に他の会社の仕事をすることです。しかし、本業以外に行う仕事の名称は複数あり、種類が分かれています。どのような違いがあるのでしょうか?
副業と兼業、Wワーク、複業の違い
仕事の種類として、本業以外によく聞くのが、『Wワーク』や『兼業』、『複業』、『副業』という言葉です。
『Wワーク』は、W=2つの仕事、どちらとも正社員ではなく、アルバイトとして掛け持ちで仕事をするという意味で使われます。『兼業』は、本業以外にも雇用契約が発生している仕事を持つことを言います。
そして『複業』も、同じように2つ以上の仕事を持つことを意味しますが、違いは2つ以上の仕事、そのどちらもサブ的なものではなく、本業を複数していることを指します。例えば、フルタイムで働く人が、同じようにメインとなる、もう1つの仕事をするのは難しいので、この場合は、複業にはなりません。2つ以上の仕事を同じ労力で行える場合のみ、複業と言えます。
『副業』というのは、主になっている本業があり、さらに他にも収入源となる仕事を持っている時、サブ的な職業のことです。兼業と似ていますが、副業に雇用契約は必要ないのに対して、兼業の場合には雇用契約が必要だという違いがあります。
副業の市場規模は拡大している
今まで副業と言えば、本業である会社には知られてはいけないものでした。それは、日本の多くの企業で副業が禁止されていたためです。所属する会社以外の仕事をしてはいけないというのが暗黙のルールでした。
しかし、2018年2月の厚生労働省の副業に関するガイドラインでは、副業に関するメリット示され、条件を満たした場合、副業は原則自由であると内容が変更されました。副業禁止の規定が削除されたことを受け、大手を含む多くの企業で副業解禁の動きが広まっています。
副業の市場規模は拡大しており、2015年と比較すると、その規模は3倍にもなります。副業フリーランスが生み出す経済規模は8兆円近くにのぼり、今後、ますます増えてくると考えられます。
出典:フリーランス実態調査 2018年版を発表 | ランサーズ株式会社
副業のおおまかな種類を知ろう
副業をしている人の数は飛躍的に伸びていますが、具体的にどのような仕事をしているのでしょうか?詳しく見てみましょう。
クラウドソーシングなどのネット系
今、一番多い副業が、『ネット系』です。『クラウドワークス』や『ポイントサイト』『データ入力』『アフィリエイトサイト』など、ネット系の副業は多くあります。
すきま時間や家にいる時など、片手間でできる仕事から、稼げるまでに数ケ月かかるものまで様々です。また、収益性も同じく、少しの金額から、本業以上の収益が出るものまであります。資産0円から始められるものが多く、個人で行うには比較的始めやすい副業と言えます。
FXなどの投資系
『投資系』の副業もあります。『株式』『FX』『不動産』『仮想通貨』などが、それに当たります。予備知識の習得は必要になりますが、元手となる資金さえあれば、簡単にできる副業です。
しかしリスクは高く、安全とは言い切れません。うまくいけば、大きな収益が出ますが、そうでない場合、元本割れの可能性もあります。
アルバイトなどの労働系
からだを使って働く『労働系』の副業には、『アルバイト』『覆面捜査官』『治験』などがあります。『労働系』は、誰でもすることができ、『治験』以外は安全性も高い副業です。収益の面でも、時間を費やした分だけ稼ぐことができます。しかし、『労働系』の副業の場合、まとまった時間が必要になるので、本業との時間配分ができるかがポイントです。
労働系の中には、他の企業で業務委託として働くことも含まれます。スキルアップのために他社で働く場合はこれに該当します。
副業は目的に合ったことをするのが大事
今は副業をしていないけれど、興味はあるという人も多いのではないでしょうか?自分が副業をする場合、どのような点に気をつけて選べば良いかを解説します。
まずは目的をはっきりさせる
副業を始める場合、自分のスキルや経験、ライフスタイルを一度ふり返ってみましょう。そして、どのような目的で副業をしたいのかを明確にすることが大切です。
『本業以外ですぐに収入を得たい』『スキルアップになるような仕事をしたい』または『自分の特技を生かせる仕事をしてみたい』など、目的を絞ることで、選ぶべき副業が変わってきます。
目的にあわせた仕事選びをしよう
副業をする目的が明確になったら、次はその目的に合った仕事を選びましょう。すぐに収入が欲しいなら、自分で仕事を起こしていては間に合いません。その場合は雇われて、お給料をもらえる仕事を選ぶことになります。
スキルアップするのが目的なら、その業界で、スキルアップが目指せる仕事を中心に探してみましょう。特技を生かしたい、好きなことを仕事にしたいという場合も、その業界で探しますが、副業として起業することを視野に入れても良いでしょう。
会社によっては、副業が禁止されているところもあります。副業を始める前に、就業規則の確認を忘れずにしましょう。
自分に合った副業を続けるポイント
自分の目的に合った副業を始めたら、なるべく長く続けたいですね。続けるためのポイントを紹介します。
目的をはっきりと持ち続ける
副業を選ぶ際に目的を決めると思います。その目的を見失わないようにしましょう。スキルアップのためならばスキルがどの程度身についたか、お金を稼ぐためならばどのくらいのお金を稼げたのか、を常に振り返るようにしましょう。
無理のないスケジュールで
副業はメインとなる本業ではありません。そのため、副業のスケジュールに無理があると、本業やライフスタイルに影響が出る場合も考えられます。そうなると、だんだん副業を続けるのが難しくなります。本業とバランスを取り、無理のないスケジュールで行うのが、副業を長く続ける秘訣です。
また、家族がいる場合は、家族の理解も必要です。副業を始める前には、家族にも相談しましょう。家族の理解なしに、副業を続けることはできません。副業を始めて忙しくなったとしても、家族と過ごす時間は作るなど工夫もしましょう。
稼ぐことにこだわりすぎない
本業以外の収入が欲しいために、副業を始める人は多いですが、稼ぐことにこだわりすぎると、無理をしがちになります。掛け持ちの仕事を増やしたり、仕事を増やしすぎて、体調を壊したり、続けること自体が辛くなってしまうことも考えられます。
また、早く稼ぎたいという気持ちが強くあると、起業などの場合、自分の知識がないまま、他人が考えたプランに安易に乗るなどして、失敗してしまうことも考えられます。副業を長く続けるためには、稼ぐことにこだわりすぎないことも重要です。
まとめ
国や企業の副業解禁の兆しを受け、副業に関わる経済規模は、ここ数年で飛躍的に伸びています。今後、副業に携わる人は、ますます増えてくるでしょう。副業を検討するなら、『副業する目的をはっきりさせる』『無理なスケジュールを組まない』『稼ぐことにこだわりすぎない』など、ポイントを押さえ、納得できる働き方を目指しましょう。