Unityでフリーランスとして案件を獲得するために意識していること

ゲーム開発の現場で用いられることの多いUnity。最近では、医療や音響など使用される機会が増えており、ますます注目のゲームエンジンです。

今回は、フリーランスのUnityエンジニアとして活躍されているベコタイジ(@bekotaizi)さんに、営業マンからUnityエンジニアになるまでの過程や案件獲得で意識していることを伺いました。

フリーランスとして働くことを決めた理由

はじめまして、Unityを使用したゲーム開発やインディーゲームクリエイター、2Dモーションデザイナーとして活動しているベコタイジ(@bekotaizi )と申します。

現在は、PC向けの横スクロールアクションゲームの制作をしており、こちら(@GeraniumGameDev)が開発・宣伝用のアカウントになります。

▲ 製作中のゲーム①「ゼラニウム」

私がフリーランスとして働くのは、地方(愛媛県)に住みながら、完全リモートワークでゲーム開発のお仕事と自作ゲームの開発を両立をさせたかったからです。

在宅でゲーム開発に関われるのがフリーランスだった

愛媛県は家賃も安く、とても住みやすいところです。瀬戸内海の魚介類や四国独自のお米の品種といった美味しいもので溢れており、いたるところに温泉が湧いています。

しかし、地方の正社員では理想としている給料が貰えず、希望していたゲーム開発の案件も見つかりませんでした。加えて、同居人が病気の治療をしていたため、身体に負担のかかる県外への移住は選択肢にありませんでした。

そこで、勤務地の制約を受けづらく、ゲーム開発にも関われるフリーランスとして働くことを決めました。

Unityを使ったフリーランス案件内容と単価

現在はリードエンジニア兼レベルデザイナーとして、Unityを用いたアクションゲームを制作しています。

仕事内容としては下記のようなものがあります。

  • ゲーム全体のプログラミング
  • ステージのデザイン
  • 細かい演出の作成
  • 仕様の提案
  • プランナー・デザイナー・シナリオライターから送られてきた画像や文章、仕様書のゲームへの落とし込み

現在の単価としては、1案件につき月70~90万円前後で交渉しています。年収はだいぶ上がったため、自作ゲーム開発の制作費用も貯めることができるようになり、PCやデスクといった自宅の作業環境を向上させる余裕も生まれるようになりました

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未経験からフリーランスとしてUnity案件を獲得するまでにしたこと

僕は、もともと新聞の営業マン、工場員、事務員など色々な職を転々としておりました。IT会社やゲーム会社で働いたことも無く、プログラミング経験も全くありませんでした。

ただ、ある時、「このまま転職を繰り返しているだけで良いのか?」と疑問を抱き、職業訓練学校のITコース科に1年間通うことにしました。そこでは、ゲーム制作については学べませんでしたが、JavaやSQLサーバーなどのプログラミングの基本について一通り習得できました。

卒業後もいきなりエンジニアになったわけでないのですが、Unityというゲームエンジンの存在を知ったことが転機となります。以降、Unityを使ったゲーム制作の面白さにのめり込み、制作物をTwitterで発表したり、ゲーム製作者さんをフォローしたりして活動の幅を広げていきました。

アウトプットし続けることが大切

SNSでは下記のような内容をアウトプットして、とにかく量を出せることを意識しました。

  • SNSのアカウント名とプロフィール欄に、Unityゲーム制作者や求職中であることを記入する
  • 日々勉強した事や技術記事などを紹介する
  • やりたいこと(絵、3D、音楽、プログラミング、イベントなど)に挑戦する
  • 『お仕事ください!』と呟くなどをして、頻繁に営業する
  • 成果が見える物をSNSに残す
  • ゲーム制作者さんに積極的に絡む
  • 意見や思いを全力で発信する
  • ただし、ネガティブな発信は控える

ちなみに、最後の『ネガティブな発信を控える』は最近まで出来ておりませんでした(笑)

結果的にTwitterのフォロワー数が12,000人を超え、色々な企業様からお仕事をいただけるようになりました。

受注するまでの交渉

取引先様と交渉をさせていただくときの流れについて解説していきます。

  • 作りたい作品の概要
  • 制作期間と納期
  • 単価、保守の内容、支払い条件

などをヒアリングし、契約書を作成させていただきます。契約書についてはクラウドサインを利用する事が多いです。

単価交渉に関しては、市場の相場単価と実作業の総時間数や工数を元に計算して、更に仕様変更や緊急対応、保守などの費用も総括した内容で交渉させていただきます。

不明点がなくなるまで丁寧に説明をすることが、お互いの利益に繋がります。作業中に不安な点が浮上した際は、随時取引先様に質問をして聞くことが大切です。

Unityエンジニアとして必要なこと

▲製作中のゲーム②「ロストオフユグドラシル」 

Unityフリーランスに関わらず言える事だと思うのですが、日々勉強したことをSNSで発信して、先ずは自分が何者なのか知ってもらうことが必要だと思います。

その上で、積極的に営業活動や広報活動、求人サイトなどに登録し、取引先を見つけて行く姿勢が重要です。

もちろん技術力を身につけることも必要ではありますが、それ以上に積極的にお仕事を見つけに行く姿勢やこまめな報連相、取引先に歩む姿勢がフリーランスにとって欠かせない資質だと思います。

Unityは使用場面が増えている

ゲーム開発のツールとして使用されているUnityですが、最近では医療や音響、照明などの分野にも活用されております。また、VRやARなどの発展も凄まじく、色々な可能性を秘めているツールであるということは間違いありません。

将来性という面ではとても期待できると考えています。

新しい技術を吸収していく姿勢

メインのスキル以外にも、サブスキルとして色々な事に挑戦していくと新しい道が開けていくと思います。

ゲーム開発にはマルチなスキルが不可欠です。例えば、プログラマーが画像ファイルを触ったり、プランナーがUnityエディターを触ってステージを作ったり、デザイナーがGitを使用してプロジェクトリポジトリに画像を追加したりといった幅広いスキルが必要になります。

そのため、自分の得意ジャンル以外の領域や新しいサービスについての勉強が欠かせません。

最近注目しているサービス

僕の場合だと、最近は次の3つサービスに注目しています。

  • Unreal Engine
  • Bolt
  • Spine

Unreal Engineは、Unityと出来ることは同じですが、ロイヤリティーの上限が緩和された結果、個人開発者の売上の範疇なら無料になりました。さらに、3Dポリゴン描写の向上機能も開発中で、実際に使用出来るのを心待ちにしています。

Unityについては、最近コーディングをせずにマウスクリックだけで作成できるビジュアルノードエディターアセット『Bolt』というツールが無料になり、全Unityユーザーが利用可能になりました。これにより、プログラミングに苦手意識がある方でもゲーム作成に取り組みやすくなったのではないでしょうか

また、ソーシャルゲームなどで頻繁に使用されているアニメーションツール『Spine』は、使い手が少なく需要が高いため、プログラマーにもデザイナーにもオススメです。

まとめ

今後は、個人の力が試される時代になっていくと思います。フリーランスに限らず、会社員の方でもスキルを磨くことが問われるようになっています。

ここまでフリーランスの魅力を長々と書かせていただきましたが、フリーランスは戦い続けないと生き残れない厳しい働き方でもあります。しかし、同時に案件や働き方が選びやすく、仕事をしている間も生きていることを実感できて最高に楽しいです。

僕自身はフリーランス以外にも、インディーゲームクリエイターとして自分の作品で利益を生み生活していけるよう、日々チャレンジしております。ちなみに、Unityを使用した案件をお持ちの方は、お話だけでも聞かせていただけたらと思います。

最後に僕がいつも気合を入れる時に使ってる言葉を送ります。

魂を加速させろぉぉぉ!!

記事を読んで頂き、ありがとうございました。

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