フリーランスは住宅ローンが通らないと言われる理由
フリーランスは、会社員と異なり、将来が安定していない働き方です。今と同じように、ずっと仕事が継続できるかはわかりません。
何らかの裏付けがなければ、ローンを組むのは難しいでしょう。フリーランスは安定性がないと捉えられていることが、住宅ローンを組めない原因です。
収入や将来性が不安定
フリーランスは、時期や年度によって収入に変動があります。毎月同じように給与を得られる会社員と異なり、仕事をした分だけ収入が増える仕組みです。
仕事が得られなくなれば、すぐに収入がなくなります。怪我や病気のときの保証はありません。将来性においても、継続して収入が得られるかわからないため、どうしても不安視されることが多いです。
会社員の場合、倒産やリストラなどの大きな問題が起こらなければ、継続的に安定した収入が見込めます。
年収だけでなく完済できるかが重視される
今の時点で高い年収を得ていても、住宅ローンを組むとなると数十年後の収入も加味されます。最終的に完済できるのかが重視されるため、フリーランスは審査において不利と言えます。
特に事業を始めたばかりだと、いつ収入が途絶えるかわからないと判断されてしまいます。10年後、20年後も同じように年収を維持できるのかが、重要なポイントです。
審査を有利に進める方法は?
住宅ローンが組みにくいフリーランスでも、審査を有利に進める方法はあります。特に、貯金や収入の確保は大切です。
必ず審査が通るわけではありませんが、はっきりした審査基準のローンを利用するなど工夫も考えましょう。
頭金を確保する
住宅ローンは、全額をローンで組むと決まっているわけではありません。頭金を確保すれば、審査にも通りやすくなります。
他の面で不利だと感じる場合は、先に貯金を始めましょう。たとえば、頭金10%で残りをローン支払いにするより、半分先に支払うほうが有利です。
ある程度の資金ができてから家を購入すれば、住宅ローンも組みやすくなります。できるだけお金を貯めておきましょう。
所得を正しく申告する
所得の申告ができないとなると、信頼性がありません。数年分の所得をきちんと申告しましょう。住宅ローン申請時には、多くの場合、3年分の所得がわかる書類が必要です。
フリーランスの場合、納税証明書や確定申告書類などを提出すれば、正しい所得が申告できます。ローンを組む前に、どんな書類が必要なのか確認しておけばスムーズです。
フラット35を選択肢に
フラット35は、比較的フリーランスや自営業の審査が通りやすい住宅ローンです。一定の基準があり、年収などの条件を満たしていれば利用できます。
年収が低すぎるのであれば利用できませんが、ある程度の年収が見込めるなら検討してみましょう。
ただし、フラット35はどんな家でも申し込めるわけではありません。
家の規模や性能などが、申込み基準に該当している必要があります。原則、長期でローンを組むにふさわしい優良住宅でなければ、申込みができません。
住宅ローン控除を活用しよう
フリーランスでも、住宅ローンが組められば控除が利用できます。住宅ローン控除は、節税にもなりおすすめです。
控除申請は確定申告のときに忘れず申告しましょう。住宅ローンが経費になるわけではないため、別のものとして申告が必要です。
住宅ローンは所得控除の対象
住宅ローンを組むと、所得控除が適用されます。2021年までに購入した住宅では、10年間の住宅ローン控除が利用可能です。
毎年最大40万円までの控除が適用され、大きな節税効果が期待できます。その年の年末のローン残高に1%をかけた額が控除対象です。
たとえば2000万円の家で、1年目の年末時点のローン残高が1900万円だとすると、19万円の控除が受けられます。残高が減るにつれて控除額も減りますが、10年間継続して控除されると考えると、かなりお得です。
確定申告で忘れずに申告
住宅ローン控除の申告は、毎年の確定申告で行います。フリーランスであれば確定申告を自分で行う人も多いため、そのときに合わせて申告しましょう。
忘れてしまった場合でも後から遡って申告ができますが、合わせて申告したほうが手軽です。確定申告の間違いを訂正できるのは5年間と定められているため、なるべく毎年忘れず申告しましょう。
経費にはならないので注意
住宅ローンは『経費』として申請できません。元金の返済でなく利息部分が経費として認められることはありますが、ほとんどの部分は経費として申請できないため注意しましょう。
個人で仕事をしている場合、家賃の一部は経費として認められることが多いため、間違えないことが大切です。賃貸物件とはやや条件が異なります。間違って経費計上しないよう気をつけましょう。
まとめ
フリーランスは住宅ローンの審査に通りにくいと言われますが、頭金を確保するなど工夫によってはローンが利用できます。条件がはっきりしているフラット35を検討することもおすすめです。
住宅ローンが利用できれば、控除なども忘れずに活用しましょう。収入の申告の際に、合わせて提出すれば、毎年一定期間節税が可能です。住宅ローンが利用できないと諦めず、審査に通る方法を考えてみましょう。