発注書の書き方を知ろう
発注書には、用紙やサイズの決まりはありません。しかし、記載すべき項目には決まりがあります。発注書の書き方を知り、不備なく作成できるようにしましょう。
発注書の主な項目
発注書には一定の形式があり、業務を依頼するときには『国税庁が定める主な項目』を記載した上で、受注者に受け渡す必要があります。主な項目は下記の通りです。
- 発注者の氏名もしくは社名
- 取引年月日
- 取引内容
- 取引金額
- 受注者の氏名もしくは名称
より分かりやすい発注書にするためには、必要最低限の項目に加えて、発注者氏名の箇所に、住所・電話番号・メールアドレスなどを記載するとよいでしょう。
発注書の例文
発注書はメールに添付して送信するケースもあります。発注書をメールに添付して送る際の例文を紹介します。
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いつもお世話になっております。株式会社〇〇の〇〇です。
先日は御見積のご送付ありがとうございました。
いただいた御見積に基づいて、発注をお願いしたいので、PDFデータにて発注書を添付させていただきました。ご査収のほど、よろしくお願いいたします。
なお、大変恐縮ではございますが、〇月〇日までに納品いただきますよう、お願い申し上げます。
ご不明点がございましたら、ご連絡くださいませ。どうぞよろしくお願いいたします。
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ビジネスメールでは、できるだけ簡潔に内容を伝えます。実際のメールでも、分かりやすい文章を心がけましょう。
発注書の訂正はどうする?
発注書に誤字脱字をはじめとする記入ミスがあった場合、原則として訂正はしません。記入ミスの部分を修正し、再発行するのが基本です。
パソコンで発注書を作っていれば、再発行にかかる手間は最小限で済みます。どうしても再発行が難しいときのみ、訂正印で修正しましょう。
訂正する場合は、訂正箇所に二重線を引き、正しく書き直します。発注書の端には、印鑑を押印し、その上に二重線で削除した文字と加えた文字を記入して完了です。
ただし、訂正の方法は、企業ごとに決まりが設けられている場合もあります。やむを得ず訂正対応する場合には、先方に特別なルールがあるか確認してから訂正しましょう。
岩井和幸
発注書に必要な記載事項としては書類作成者(発注元)の氏名や名称、発注年月日、発注内容、税込みの発注金額、発注書の交付を受ける事業者の氏名または名称です。
また、自社の管理上発注番号を記載しておくと、問い合わせを受けた場合にも対応しやすくなります。
発注書の訂正は訂正印を使わず、再発行し、元の発注書は発注先で破棄してもらいましょう。その際に発注請書をもらい、訂正内容の確認も忘れずに。
テンプレートを参考にしよう
発注書に必要な項目を理解していても、実際に書こうとすると「どのように書けばよいのか分からない」ということがあるでしょう。そんなときにおすすめなのが、テンプレートの活用です。
ダウンロードして項目を入力してゆくだけで、すぐに発注書を作成できます。便利なテンプレートを活用して、効率的に発注書を作りましょう。
ワードテンプレートを扱うサイト
テンプレートにはいくつかの種類があります。まず紹介するのは、ワードを使って作られているテンプレートです。普段、ワードをよく使用しているならばワードテンプレートが使いやすいでしょう。
どのテンプレートにするか迷っているなら、スタンダードな内容でどんな業態でも使いやすいものがよいでしょう。発注書の項目は、必要に応じて書き換えることも可能です。使いやすそうなテンプレートを選んでカスタマイズすると便利でしょう。
エクセルテンプレートを扱うサイト
エクセルで作ったテンプレートをダウンロードできるサイトもあります。
スタンダードで使いやすいテンプレートはもちろん、FAXで発注するための専用テンプレートや、発注請書付きのものもあります。
いつもの発注方法で使いやすいテンプレートを見つけると、業務の負担軽減にもつながるでしょう。
メールで発注する場合のポイント
内容が伝わりやすい発注メールを作成するには、ポイントがあります。簡潔で分かりやすい発注メールを作成しましょう。
メールでの発注文の書き方
発注をメールで行うときには、発注のためのメールということが一目で分かるようにします。件名を『発注のお願い』といった具合に、分かりやすく内容が伝わるものにしましょう。
メール本文には、発注に必要な項目を漏れなく記載しましょう。商品の発注であれば、商品名や型番・数量・納期の希望日・納品場所は、最低限書いておかなければいけません。
その他にも、注文内容や特別な要望がある場合には記載します。
加えて、発注担当者に直接つながる電話番号やメールアドレスを記載しておくとよいでしょう。発注について不明点があった場合、直接問い合わせができるからです。
発注書添付する場合の書き方
メールに発注書を添付して送信する場合もあります。この場合にも、件名は発注メールであることが分かる内容にしましょう。『〇〇の発注のお願い』とすると一目で発注メールと分かります。
本文には、発注書を添付していることを記載しておくと、添付ファイルに気付かないミスを予防できます。添付ファイルは、『開けない』『開けたけれど閲覧できない』などの不具合が起こることもあります。
そうしたときに迷わず問い合わせてもらえるよう、不都合な点や不明点などがあった場合にはご連絡ください、との一文も添えておくと親切です。
添付する発注書は、書き換え防止のためにPDFファイルに忘れず変換しましょう。
発注書と収入印紙
原則として、発注書に収入印紙は不要とされます。しかし、契約書と同様の効力があるとみなされる場合は、収入印紙を貼らなくてはなりません。具体的なケースをみていきましょう。
印紙の必要性
発注書であっても、取引成立を示しているなら、その発注書は契約書として扱います。そのため、報酬金額に見合った収入印紙を貼らなければいけません。
他に発注書が契約書とみなされるのは、注文請書を受け取らないケースです。この場合、発注書で契約成立という扱いになる可能性があり、必要に応じて発注書に収入印紙を貼らなくてはなりません。
見積書に基づいた注文であることが分かる文言が記載されている場合も、契約書に該当する発注書です。
メールやFAXで送る場合は不要
収入印紙は、発注書の内容によって必要であるか決まります。ただし、メールやFAXで送信する場合は、収入印紙を貼る必要がありません。
なぜなら、収入印紙は文書を交付したときにかかる税金とされるためです。
発注書をメールやFAXで送信することは、交付に該当しないと考えられています。そのため、メールに添付して発注書を送る場合に収入印紙は不要です。
割印について
発注書に収入印紙を貼った場合には、再使用防止のために割印をします。これは『印紙税法第8条2項』によって定められているものです。
割印は、収入印紙の彩紋と発注書の用紙にまたがるように押印します。
この決まりさえ守れていれば、使用する印鑑の種類は問いません。社印・代表社印・役職名のゴム印・日付印など、どんなものでも構いません。
印鑑ではなく、署名でも割印として認められます。ただし、鉛筆や消えるインクの場合には割印になりません。
岩井和幸
基本的に発注書には収入印紙を貼る必要はないですが、発注請書を発行しない場合には貼る必要がケースが出てきます。
ただし、請負金額が1万円未満だったり、電子書面で交付する場合は収入印紙を貼る必要はないです。
収入印紙を貼る際には割印が必要になりますが、必ずしも印鑑である必要はなく、代表者以外の署名などでもOKです。
まとめ
簡単に必要項目を満たした発注書を書くには、テンプレートの利用が便利です。発注メールの例文や、収入印紙のルール・割印のポイントをおさえて、不備のない発注書を作成しましょう。