【2024年7月最新】Node.jsとは?JavaScriptフレームワークとの違いを徹底解説

こんにちは。エンジニア、PM、デザイナーの副業・転職採用サービス「Offers(オファーズ)」のOffers Magazine編集部です。近年、バックエンド開発において注目を集めているNode.jsについて、その概要や特徴、利用シーンなどを詳しく解説していきます。Node.jsは、JavaScriptをサーバーサイドで実行できる環境として知られ、高速性やスケーラビリティの面で優れた性能を発揮します。本記事では、Node.jsの基本から応用まで、実務で活用するための知識を深めていきましょう。

Node.jsとは何か

Node.jsは、サーバーサイドでJavaScriptを実行するための環境で、2009年にRyan Dahlによって開発されました。それまでブラウザ上でしか動作しなかったJavaScriptを、サーバー側でも利用できるようにしたのがNode.jsの大きな特徴です。V8というGoogleのJavaScriptエンジンをベースに構築されており、高速な処理が可能となっています。

Node.jsの登場によって、フロントエンドとバックエンドの両方でJavaScriptを使えるようになり、開発の効率化や生産性の向上につながりました。特にリアルタイムアプリケーションやデータ通信の多いシステムにおいて、Node.jsの強みが発揮されます。

Node.jsの基本概要

Node.jsは、非同期I/Oとイベント駆動型のアーキテクチャを採用しています。従来のサーバーサイド言語では、リクエストを受け取るたびにスレッドを生成し、処理が完了するまで待機する必要がありました。しかし、Node.jsではシングルスレッドで動作し、非同期I/Oによってリクエストを並行して処理できるため、高い同時接続数に対応可能です。

また、Node.jsには豊富なパッケージ管理システムであるnpmが用意されており、開発者はさまざまなモジュールを簡単にインストールして利用できます。これにより、開発の生産性が大幅に向上するでしょう。

JavaScriptとの違い

Node.jsとJavaScriptの大きな違いは、実行環境です。JavaScriptはブラウザ上で動作するのに対し、Node.jsはサーバーサイド(バックエンド)で実行されます。つまり、Node.jsを使うことで、サーバー側の処理をJavaScriptで記述できるようになるのです。

また、Node.jsではブラウザ特有のオブジェクト(windowやdocumentなど)は使用できません。代わりに、ファイルシステムやHTTPリクエストなど、サーバーサイドに特化したAPIが提供されています。

Node.jsの登場背景

Node.jsが登場した背景には、Webアプリケーションの高度化と複雑化があります。従来のサーバーサイド言語では、同時接続数の増加に伴いスレッドの管理が複雑になり、パフォーマンスの問題が顕在化していました。

そこで、非同期I/Oとイベント駆動型のアーキテクチャを採用したNode.jsが注目を集めるようになりました。Node.jsは、シングルスレッドで動作しながら高い同時接続数を処理できるため、リアルタイムアプリケーションやデータ通信の多いシステムに適しているのです。

さらに、フロントエンドとバックエンドの両方でJavaScriptを使えるようになったことで、開発の効率化や生産性の向上が期待されました。これらの背景から、Node.jsは急速に普及し、現在では多くの企業や開発者に採用されています。

Node.jsの特徴と利点

Node.jsの特徴と利点の画像

Node.jsには、他の言語やフレームワークにはない特徴や利点があります。ここでは、Node.jsの主要な特徴について詳しく解説していきましょう。

シングルスレッドアーキテクチャの強み

Node.jsは、シングルスレッドで動作するため、メモリ使用量が少なく、高い同時接続数を処理できます。従来のサーバーサイド言語では、リクエストごとにスレッドを生成する必要があり、大量のリクエストを処理する際にオーバーヘッドが発生していました。

一方、Node.jsではイベントループを使用して、非同期I/Oを効率的に処理します。これにより、少ないリソースで多くのリクエストを並行して処理できるようになり、高いパフォーマンスを発揮できるのです。

ノンブロッキングI/O方式とは

Node.jsのもう一つの特徴は、ノンブロッキングI/O方式です。従来のサーバーサイド言語では、I/O処理(ファイル読み書きやデータベースアクセスなど)が完了するまで、その後の処理がブロックされていました。

しかし、Node.jsではI/O処理を非同期で実行するため、処理の完了を待つ必要がありません。I/O処理を開始した後、すぐに次の処理を実行できるため、効率的に処理を進めることができます。この非同期I/Oによって、Node.jsは高いスループットを実現しているのです。

クロスプラットフォーム対応

Node.jsは、Windows、macOS、Linuxなど、さまざまなプラットフォームで動作します。これは、Node.jsがJavaScriptをベースにしているためです。JavaScriptはブラウザ上で動作する言語として広く普及しており、クロスプラットフォームに対応しています。

Node.jsを使えば、同じコードをそのまま異なる環境で実行できるため、開発の効率化や移植性の向上が期待できます。特にマイクロサービスアーキテクチャを採用している場合、Node.jsのクロスプラットフォーム対応は大きなメリットとなるでしょう。

豊富なパッケージ管理システムnpm

Node.jsには、npmという強力なパッケージ管理システムが用意されています。npmは、Node.js用のパッケージ(モジュール)を管理するためのツールで、開発者は自由にパッケージを公開・共有できます。

2024年8月現在、npmには1,800,000以上のパッケージが登録されており、その数は日々増え続けています。開発者は必要なパッケージを簡単にインストールして利用できるため、開発の生産性が大幅に向上します。また、自分で作成したパッケージを公開することで、他の開発者と知見を共有することもできるでしょう。

Node.jsの実際の利用シーン

Node.jsは、さまざまな分野で活用されています。ここでは、Node.jsが特に力を発揮するいくつかの利用シーンを紹介します。

Webアプリケーション開発

Node.jsは、Webアプリケーション開発において広く使われています。特にシングルページアプリケーション(SPA)の開発では、Node.jsの非同期I/Oとイベント駆動型のアーキテクチャが威力を発揮します。

例えば、ユーザーの操作に応じてダイナミックにページを更新するようなアプリケーションでは、Node.jsを使うことで高いパフォーマンスを実現できます。また、Node.jsにはExpress.jsやNestJSなどの優れたWebアプリケーションフレームワークが用意されており、効率的な開発が可能です。

リアルタイムアプリケーションの開発

Node.jsは、リアルタイムアプリケーションの開発にも適しています。チャットアプリやオンラインゲームなど、ユーザー間でデータをリアルタイムに同期する必要があるシステムでは、Node.jsの非同期I/Oが大きな力を発揮します。

Node.jsには、Socket.IOなどのリアルタイム通信ライブラリが用意されており、簡単にリアルタイムアプリケーションを構築できます。また、Node.jsのイベント駆動型のアーキテクチャにより、多数のクライアントからの同時接続を効率的に処理できるでしょう。

APIサーバーとしての活用

Node.jsは、APIサーバーとしても広く利用されています。モバイルアプリやSPAなどのクライアントアプリケーションから、バックエンドのデータベースやサービスにアクセスする際に、Node.jsでAPIサーバーを構築するケースが増えています。

Node.jsのシングルスレッドアーキテクチャにより、大量のリクエストを高速に処理できるため、APIサーバーとして最適です。また、ExpressやKoaなどの軽量なWebフレームワークを使えば、効率的にAPIを開発できます。

IoTデバイスとの連携

近年、IoT(モノのインターネット)の分野でもNode.jsが注目されています。IoTデバイスから収集したデータを処理・分析するためのサーバーサイドシステムとして、Node.jsが活用されているのです。

Node.jsは、イベント駆動型のアーキテクチャにより、多数のデバイスからのデータを効率的に処理できます。また、MQTTなどのIoT向けのプロトコルにも対応しているため、IoTシステムの構築に適しています。

実際に、スマートホームやウェアラブルデバイス、工場の設備監視など、さまざまなIoTプロジェクトでNode.jsが活用されています。Node.jsのリアルタイム性と拡張性を生かすことで、IoTシステムの開発を加速できるでしょう。

Node.jsの導入手順

Node.jsの導入手順の画像

Node.jsを使い始めるには、まずNode.jsをインストールする必要があります。ここでは、Node.jsの導入手順を解説します。

Node.jsのインストール方法

Node.jsは、公式サイト(https://nodejs.org/)からダウンロードできます。自分のOSに合わせたインストーラをダウンロードし、指示に従ってインストールを進めてください。

インストールが完了したら、ターミナル(コマンドプロンプト)で以下のコマンドを実行し、Node.jsのバージョンを確認します。

  • node -v

正しくインストールされていれば、インストールされているNode.jsのバージョンが表示されるはずです。

初期設定と基本コマンド

Node.jsをインストールしたら、プロジェクトを作成するディレクトリに移動し、以下のコマンドを実行します。

  • npm init

このコマンドを実行すると、対話形式でプロジェクトの情報を入力できます。入力が完了すると、package.jsonファイルが生成されます。このファイルはプロジェクトの設定や依存パッケージの情報を管理するために使用されます。

次に、必要なパッケージをインストールします。例えば、Express.jsをインストールする場合は、以下のコマンドを実行します。

  • npm install express

このコマンドを実行すると、Express.jsがプロジェクトにインストールされ、package.jsonファイルにも記録されます。

その他、Node.jsの基本的なコマンドは以下の通りです。

  • node ファイル名.js:指定したJavaScriptファイルを実行する
  • npm install パッケージ名:指定したパッケージをインストールする
  • npm uninstall パッケージ名:指定したパッケージをアンインストールする
  • npm update:インストールされているパッケージを最新版に更新する

これらのコマンドを使いこなすことで、Node.jsの開発環境を効率的に整えることができるでしょう。

Node.jsの主要フレームワークとツール

Node.jsの主要フレームワークとツールの画像

Node.jsには、開発を支援するさまざまなフレームワークやツールが用意されています。ここでは、代表的なフレームワークとツールを紹介します。

Express.js

Express.jsは、Node.js向けの軽量なWebアプリケーションフレームワークです。シンプルで柔軟な設計が特徴で、豊富なミドルウェアによって機能を拡張できます。

Express.jsを使えば、ルーティングやリクエスト/レスポンスの処理、ミドルウェアの組み込みなど、Webアプリケーションの基本的な機能を簡単に実装できます。また、PugやEJSなどのテンプレートエンジンにも対応しているため、HTMLの生成も容易です。

NestJS

NestJSは、TypeScriptで書かれたNode.js向けのフレームワークです。Angularのアーキテクチャに影響を受けており、依存性の注入やモジュール化などの機能を提供します。

NestJSは、大規模なアプリケーション開発に適した設計となっており、メンテナンス性や拡張性に優れています。また、TypeScriptの型システムを活用することで、コードの品質や開発効率を高められるでしょう。

Koa.js

Koa.jsは、Express.jsの開発チームによって作られた軽量なWebアプリケーションフレームワークです。Express.jsの経験を生かし、よりシンプルで洗練された設計になっています。

Koa.jsは、ミドルウェアの構成にジェネレーターを使用しており、非同期処理を簡潔に記述できます。また、コンテキストオブジェクトによってリクエストとレスポンスを一元管理できるため、コードの可読性が高くなります。

Socket.IO

Socket.IOは、Node.jsでリアルタイム通信を実現するためのライブラリです。WebSocketを使ってクライアントとサーバー間で双方向通信を行います。

Socket.IOを使えば、チャットアプリやオンラインゲームなど、リアルタイムでデータをやり取りする必要があるアプリケーションを簡単に構築できます。また、自動再接続やバイナリデータの送受信など、便利な機能も提供されています。

これらのフレームワークやツールを活用することで、Node.jsの開発をより効率的に進められるでしょう。プロジェクトの要件に合わせて適切なフレームワークを選択し、生産性を高めていきましょう。

Node.jsのメリットとデメリット

Node.jsのメリットとデメリットの画像

Node.jsには多くのメリットがある一方で、いくつかのデメリットもあります。ここでは、Node.jsのメリットとデメリットについて解説します。

Node.jsを使うメリット

Node.jsを使うメリットは以下の通りです。

  • 高いパフォーマンス:シングルスレッドとノンブロッキングI/Oにより、高速な処理が可能
  • 開発効率の向上:JavaScriptをフロントエンドとバックエンドの両方で使えるため、開発の生産性が高まる
  • 豊富なエコシステム:npmを通じて多数のパッケージが提供されており、開発を効率化できる
  • リアルタイム性:Socket.IOなどのライブラリを使ってリアルタイム通信を簡単に実装できる
  • スケーラビリティ:シングルスレッドで動作するため、水平スケーリングに適している

これらのメリットを生かすことで、高性能なWebアプリケーションを効率的に開発できるでしょう。

Node.jsのデメリットと対策

Node.jsのデメリットとその対策は以下の通りです。

  • CPU負荷の高い処理が苦手:シングルスレッドで動作するため、CPUを大量に使う処理は不向き。⇒ CPU負荷の高い処理はC++などの言語で拡張モジュールを作成し、Node.jsから呼び出す。
  • コールバック地獄:非同期処理を多用するとコールバックが深くネストし、可読性が低下する。⇒ PromiseやAsync/Awaitを使って非同期処理を制御する。
  • エラーハンドリングが難しい:シングルスレッドで動作するため、エラーが発生すると全体が停止してしまう。⇒ try-catchやPromiseのエラーハンドリングを適切に行い、予期せぬエラーに備える。

これらのデメリットは、適切な対策を取ることである程度解消できます。Node.jsの特性をよく理解した上で使いこなすことが大切だと言えるでしょう。

Node.jsを使ったプロジェクト事例

実際にNode.jsを使ってどのようなプロジェクトが開発されているのでしょうか。ここでは、Node.jsを活用した事例を紹介します。

大規模Webサイトの事例

LinkedInは、Node.jsを使ってモバイルアプリのバックエンドシステムを構築しました。Node.jsの高いパフォーマンスと拡張性を生かすことで、大量のトラフィックに対応できるシステムを実現しています。

また、NetflixではNode.jsを使ってユーザーインターフェースを構築しています。A/Bテストの実施や、パーソナライズされたコンテンツの配信など、ユーザー体験の向上に Node.jsが貢献しているそうです。

リアルタイムチャットアプリの事例

Slackは、Node.jsとSocket.IOを使ってリアルタイムなチャットアプリを開発しました。Node.jsのイベント駆動型のアーキテクチャにより、大量のメッセージを効率的に処理できています。

また、Discordも Node.jsをベースにしたチャットアプリです。音声通話やビデオ通話、画面共有など、リッチなコミュニケーション機能を提供しており、ゲーマー向けのコミュニティプラットフォームとして人気を集めています。

IoTプロジェクトの事例

Node-REDは、Node.jsをベースにしたIoT向けのビジュアルプログラミングツールです。GUIでノードを配置し、線で結ぶだけでIoTシステムを構築できるため、プロトタイピングや小規模なIoTプロジェクトに適しています。

また、Amazonの「AWS IoT」でもNode.jsが活用されています。デバイスからのデータをリアルタイムで処理し、他のAWSサービスと連携させることで、大規模なIoTシステムの構築を支援しているとのことです。

このように、Node.jsは幅広い分野で実績を積んでおり、その適用範囲は今後さらに広がっていくことが期待されます。

Node.jsの学習リソースとコミュニティ

Node.jsを学ぶために役立つリソースやコミュニティを紹介します。これらを活用して、Node.jsの知識を深めていきましょう。

公式ドキュメントとマニュアル

Node.jsの公式サイト(https://nodejs.org/)には、初心者向けのチュートリアルから本格的なアプリケーション開発までカバーした充実のドキュメントがあります。基本的な使い方から最新のAPIリファレンスまで、体系的に学習できる内容となっています。

特に、「Getting Started」のセクションは、Node.jsを使ったプログラミングの基礎を学ぶのに最適です。サンプルコードを交えながら、Node.jsの重要なコンセプトや機能を解説しています。

オンライン学習プラットフォーム

Udemyや Coursera、Codecademyなどのオンライン学習プラットフォームでもNode.jsのコースが提供されています。ビデオ講義や対話型の演習を通して、Node.jsの基礎から応用までを体系的に学べます。

中でも、Udemy の「The Complete Node.js Developer Course」は、Node.jsの基礎からモダンなWebアプリケーション開発までを網羅した人気のコースです。Express.jsやMongoDBとの連携方法なども丁寧に解説されており、実践的なスキルが身につきます。

実践的な開発コミュニティ

Node.jsには活発な開発コミュニティがあり、困ったときに助けを求めたり、最新の情報を入手したりできます。

GitHubでは、Node.jsに関連するプロジェクトが多数公開されています。実際のソースコードを読むことで、Node.jsの使い方やベストプラクティスを学べるでしょう。

Stack Overflowでは、Node.jsに関する質問と回答が数多く投稿されています。つまずいたときは、過去の質問を検索したり、自分で質問を投稿したりすることで、解決のヒントが得られます。

また、Node.js日本ユーザーグループ(https://nodejs.jp/)は、日本国内のNode.jsコミュニティです。勉強会やカンファレンスを開催しており、情報交換や交流の場となっています。

これらのコミュニティに参加することで、Node.jsの最新動向を追いつつ、実践的な知見を共有できるでしょう。

まとめ

Node.jsは、非同期I/Oとシングルスレッドアーキテクチャによる高速処理、npmの豊富なエコシステム、JavaScriptによる高い生産性が特長です。一方、CPU負荷の高い処理への不向きさ、コールバック地獄、エラーハンドリングの難しさといった課題もあります。現在、大規模Webサイトやアプリケーション、IoTシステムなどで広く活用されており、今後もマイクロサービスやサーバーレスの分野でさらなる適用が期待されています。Node.jsの学習には、公式ドキュメントやオンライン学習プラットフォーム、コミュニティが役立ちます。Node.jsの強力な機能を理解し、適材適所で活用することで、高品質で生産性の高い開発を実現できるでしょう。

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