スクラム開発の特徴
スクラム開発にはどのような特徴があるのかについて見ていきます。知らずにスクラム開発を行うと、思わぬ落とし穴がある可能性があるので、しっかりチェックしていきましょう。
コミュニケーションが重要
スクラム開発は、チームで開発を行うのが最も大きな特徴と言えます。そのため、密接なコミュニケーションは大変重要です。
個人で責任を持ってタスク管理をしなくてはならない一方で、不明点などは抱え込まずにメンバーやリーダーに相談しなくてはなりません。メンバー同士でお互いを認め、尊重しあうことによりスクラム開発の効果を充分に発揮できるのです。
スクラム開発のメリット
スクラム開発はアジャイル開発のひとつなので、短いスプリントを取ってシステム開発を行います。全ての手順を終えてからでないと仕様を確認できないウォーターフォール開発と違い、なんらかの仕様変更があった際には柔軟な対応が可能です。
また、上から順を追っていくわけではなく、優先順位の高い機能から開発を進めていけるため、短い期間であげられる成果がとても高いことも、スクラム開発のメリットと言えるでしょう。
スクラム開発のデメリット
スクラム開発は、チームで行う開発です。そのためデメリットとして、メンバーの出入りが多いと作業能率が落ちるということがあります。
チームによってやってきたことや学んできたノウハウが違うため、一から教育する必要があるためです。スキルレベルに差がありすぎると今までこなせていた仕事ができなくなるので、一定レベルのスキル保持者をそろえる必要があります。
また、チームの一体感や認識齟齬を防ぐため、ウォーターフォール開発に比べてミーティングが多くなっています。ミーティング時間を有効に使えないと、実際の開発に使える時間は少なくなる分だけ、作業能率は落ちてしまうので注意しましょう。
スクラムにおけるミーティングとは
スクラム開発におけるミーティングは、通常のビジネスミーティングとは少し異なる意味合いを持ちます。ここでは、スクラムにおけるミーティングの意味や、その重要性について見ていきます。
デイリースクラムの概要
スプリント期間中は、チームメンバーは個々で開発の成功に向かってまい進します。しかし、個々の保持する情報の共有がなされないと、スクラム開発の意味がありません。そのために行われるミーティングが、『デイリースクラム(朝会)』です。
デイリースクラムは基本的に毎日、全員で行います。ミーティングで確認するのは、3点でOKです。
- 昨日行ったこと
- 今日行うこと
- 進行中の仕事の障害
これらをチームメンバー全員で共有します。朝のミーティングに時間を取られると、全体の作業能率が格段に落ち込むため、ミーティング時間は15分を目安にするといいでしょう。
タスクボードと使い方
タスクボードを使うことも、デイリースクラムを行うに当たって重要です。タスクボードは壁とふせんを用いて作ります。項目は、こちらもToDo(これからやること)・InProgress(着手していること)・Done(完了したこと)の3種を準備してください。
全タスクをふせんに書き、ToDo欄に貼っておきましょう。デイリースクラムで報告した『昨日行ったことはDoneへ移動します。『今日やること』は、InProgressへ動かしておけば、視覚的に状況を把握できるようになるのです。
知っておきたいポイント
デイリースクラムを行う際、どのような点に気を付ければよいかを解説します。毎日行っているのに成果が上がらなかったり、どうしても時間がかかってしまったりするチームは、このやり方を参考にしてみてはいかがでしょうか。
長くなる場合
デイリースクラムは短い時間で行うのが鉄則です。ですが、どうしても時間が長くなってしまう場合は、『2人挙手ルール』を登用してみましょう。
ミーティング時間が延びる最大の原因は長くなるような話や個別の相談事項を話しているためです。もし誰かが『今している話は、全体には関係がない話題だ』と思ったら、手を挙げるのです。
そのうえで、2人目の手が挙がったら、今の会話をいったん止め、次の議題へ進みましょう。
個別相談への切り替え
止められた会話はミーティングが終わった後、その議題に関係しているメンバーのみで別の場所・時間を個別に続けましょう。その時間は、リーダーも認めて場所と時間を用意します。ミーティングでだらだらと話すよりも、効率的に対策を話せます。
個別相談の結果は、翌日のデイリースクラムでチーム全員に報告し、情報の共有を忘れないようにしましょう。
まとめ
ミーティングとスクラム開発には、非常に密接なつながりがあります。ミーティングがうまくいかない、意味のないものでは、個々の能力値を最大限に発揮することが出来ません。しっかりとしたミーティングを行い、スクラム開発を成功させましょう。