エンジニアとして4年目に入ると、実務経験は3年を超えます。転職の求人では「経験3年以上」が必須条件によく使われる区切りで、4年目は応募できる求人が広がる時期です。

同じ年代の年収の水準は、厚生労働省の賃金構造基本統計調査で確かめられます。経験年数ごとの提示年収を見る材料は、Offers に掲載された正社員のエンジニア求人です。

2つを並べると、いまの年収がどの位置にあり、次の1〜2年でどこまで上げられるかが見えてきます。

エンジニア4年目の年収は20代後半〜30代前半の統計が目安

エンジニア4年目の年収の目安は、厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」を年収換算した値で、プログラマーや社内システムエンジニアを含む「ソフトウェア作成者」が25〜29歳で484.7万円、30〜34歳で559.5万円です。システムコンサルタントや情報処理プロジェクトマネージャを含む「システムコンサルタント・設計者」は、同じ年齢で641.6万円と866.1万円になります。

ここで使う職種別の表は年齢階級で分かれているため、4年目の年齢に近い20代後半と30代前半の2つの行を目安にしました。年収換算は、きまって支給する現金給与額を12倍し、年間賞与その他特別給与額を足した編集部の算出です。

統計の2つの区分とエンジニアの仕事の対応

賃金構造基本統計調査は、エンジニアの仕事を主に「ソフトウェア作成者」と「システムコンサルタント・設計者」の2つの区分で集計しています。厚生労働省の「賃金構造基本統計調査 職種一覧と解説」が挙げるソフトウェア作成者の職種の例は、テクニカルスペシャリスト、プログラマー、社内システムエンジニアなどです。システムコンサルタント・設計者の例には、システムコンサルタント、システムアナリスト、情報処理プロジェクトマネージャが並びます。

実装を中心に担う4年目のエンジニアは、ソフトウェア作成者の区分に近い立場です。要件定義や設計、プロジェクトの管理まで担う人は、システムコンサルタント・設計者の区分に近くなります。

2つの区分の差は、担う工程による年収の差として読めます。区分ごとの年収の詳しい比較はシステムエンジニアの年収にまとめました。

年齢別の年収換算

年齢別に見ると、ソフトウェア作成者の年収換算は20〜24歳の363.0万円から35〜39歳の636.0万円まで上がります。システムコンサルタント・設計者の年収換算は、同じ年齢の範囲で476.6万円から968.1万円です。

年齢

ソフトウェア作成者

システムコンサルタント・設計者

20〜24歳

363.0万円

476.6万円

25〜29歳

484.7万円

641.6万円

30〜34歳

559.5万円

866.1万円

35〜39歳

636.0万円

968.1万円

出所: 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 職種第5表」(2026年3月公表・企業規模計・男女計)を Offers Magazine 編集部が年収換算。

4年目から数年で30代に入る人にとっては、30〜34歳の行が次の目安です。同じ年齢でも区分によって年収の水準が大きく異なるため、年齢だけでなく担う工程で比べます。

企業規模別の年収換算

企業規模別では、ソフトウェア作成者の年収換算は1,000人以上で640.9万円、10〜99人で518.2万円です。システムコンサルタント・設計者は、1,000人以上で1,010.4万円、10〜99人で585.1万円でした。

職種(統計の区分)

平均年齢

企業規模計

1,000人以上

100〜999人

10〜99人

ソフトウェア作成者

37.1歳

578.5万円

640.9万円

555.0万円

518.2万円

システムコンサルタント・設計者

38.3歳

889.0万円

1,010.4万円

854.3万円

585.1万円

出所: 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 職種第1表」(2026年3月公表・男女計)を Offers Magazine 編集部が年収換算。

企業規模別の値は全年齢の平均です。4年目の年収と直接比べる値ではなく、勤め先の規模で水準がどれだけ動くかを見るために使います。

経験3年以上を求める正社員求人は上限の中央値が975万円

Offers に掲載された正社員のエンジニア求人のうち、必須条件に「3年以上」の経験を求める380件は、提示年収の下限の中央値が540万円、上限の中央値が975万円です。「1〜2年以上」を求める356件の下限450万円・上限800万円より、どちらも高い水準にあります(Offers(株式会社overflow)調べ・年収の下限と上限を記載した正社員のエンジニア求人 n=1,740・2022年3月〜2026年10月公開)。

必須条件の経験年数

求人数

下限の中央値

上限の中央値

上限800万円以上

上限1,000万円以上

1〜2年以上

356件

450万円

800万円

56.2%

25.0%

3年以上

380件

540万円

975万円

75.5%

48.7%

4年以上

166件

650万円

1,000万円

93.4%

62.7%

年数の記載なし

838件

500万円

950万円

75.7%

46.7%

全体

1,740件

500万円

900万円

73.3%

44.2%

提示年収は、求人に書かれた年収の下限と上限を指します。「3年以上」の求人は上限が800万円以上のものが75.5%で、入社時の提示額が上限にどこまで近づくかは、選考で示せる経験の中身しだいです。

経験年数ごとの年収帯は、Offers Jobs のエンジニアの求人一覧で個別の求人を開いて確かめられます。一覧のカードには年収・雇用形態・勤務地が出て、求人詳細の必須スキル・経験は会員登録なしで読めます。

Offers Jobs でエンジニアの求人を見る

年数を書いた求人の8割は4年目で条件を満たす

実務経験が3年を超えた4年目のエンジニアが年数の条件を満たすのは、必須条件に経験年数を書いた求人902件のうち、「1〜2年以上」と「3年以上」の736件(81.6%)です。残る166件は「4年以上」の求人で、下限の中央値が650万円、上限の中央値が1,000万円でした。

「4年以上」の求人には、5年以上を求めるものが多く含まれます(166件のうち、5年を求める求人が129件、6年以上を求める求人が16件)。4年目のうちに年数の条件を満たす求人へ応募するか、1〜2年かけて5年以上の求人を狙うかで、届く年収帯が変わります。

経験年数を書かない求人は全体の半数近く

必須条件に経験年数を書かない求人は838件で、全体の48.2%です。提示年収は下限の中央値が500万円、上限の中央値が950万円で、「3年以上」の求人と近い水準にあります。

年数で区切られていない分、必須条件に並ぶ言語・フレームワーク・担った工程を、自分の経歴と1行ずつ照らして応募を判断します。

4年目で年収に差がつくのは担う工程・企業規模・役割

エンジニア4年目で年収に差がつく条件は、担う工程、勤め先の企業規模、チームでの役割の3つです。令和7年賃金構造基本統計調査の年収換算では、設計やプロジェクトの管理を含むシステムコンサルタント・設計者が30〜34歳で866.1万円、ソフトウェア作成者が559.5万円で、担う工程の違いが区分の差として表れています。

担う工程を実装から設計・要件定義へ広げる

4年目は、割り当てられた実装を担う立場から、機能の設計や要件の整理を任され始める時期です。Offers の求人の必須条件にも、要件定義や設計を含む開発経験を年数とあわせて指定する書き方が見られます。

設計や要件定義の経験を職務経歴書に書けると、上の年収帯の求人に応募しやすくなります。いまの職場で設計を任される機会があれば、4年目のうちに引き受けた経験が、そのまま次の転職で示せる材料です。

勤め先の企業規模で年収の水準が変わる

統計の企業規模別の年収換算では、ソフトウェア作成者が1,000人以上で640.9万円、10〜99人で518.2万円でした。同じ表で、1,000人以上の企業はきまって支給する現金給与額と年間賞与その他特別給与額のどちらも10〜99人の企業より高くなっています。

勤め先の規模を変える転職では、月給と賞与の両方が動きます。提示年収を比べるときに求人ごとに確かめたいのは、賞与が年収に含まれているかどうかです。

チームでの役割を広げる

4年目になると、後輩のコードレビューや小さなチームのリードを任される人が出てきます。求人の必須条件にも、開発経験の年数に加えて、チームで開発をリードした経験を求める書き方があります。

リードの経験は、テックリードやエンジニアリングマネージャーの求人への入口です。役割ごとの年収はテックリードの年収で確かめられます。

4年目から年収を上げる進め方

エンジニア4年目から年収を上げるには、経験年数と担った工程を職務経歴書に書き、必須条件の経験年数が近い求人の年収帯と自分の年収を比べてから応募先を選びます。統計の年収換算は年齢や職種区分の平均で、提示年収は個々の求人の条件なので、2つは分けて見るのが前提です。

職務経歴書に年数と工程を書く

経験年数は、言語や技術ごと、工程ごとに分けて書きます。Webアプリケーションの開発3年・うち設計1年のように書くと、求人の必須条件の年数と1対1で照らせます。

担ったチームの人数や、コードレビュー・リードの経験も、年数とあわせて書いておきたい項目です。年数の条件を満たしているかを採用担当者がすぐ判断できる書き方は、書類選考の通過につながります。

求人の年収帯と今の年収を並べる

いまの年収が、経験3年以上を求める求人の下限の中央値540万円を下回るなら、転職で年収が上がる余地があります。上限の中央値975万円に近い提示を得られるかを左右するのは、選考で示せる設計・リードの経験です。

Offers Jobs のエンジニアの求人一覧では、求人ごとに年収と必須スキル・経験を並べて見られます。求人詳細の給与・報酬の欄などの概要表は、無料の会員登録のあとに表示されます。

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年収交渉は求人の年収帯を根拠にする

提示年収の交渉で希望額の根拠になるのは、同じ経験年数を求める求人の年収帯と、自分が担った工程・役割です。根拠を数字で示すと、提示額を上限に近づける理由を企業側も社内で説明しやすくなります。

選考の前に年収の幅を確かめる聞き方は、カジュアル面談の年収の聞き方にまとめました。

4年目の次に年収が伸びる道筋は専門性と役割の2つ

4年目の次に年収が伸びる道筋は、技術の専門性を深める道と、設計・管理・マネジメントへ役割を広げる道の2つです。統計の35〜39歳の年収換算は、ソフトウェア作成者が636.0万円、システムコンサルタント・設計者が968.1万円で、役割を広げた先の区分の方が高い水準にあります。

専門性を深める道では、クラウド・セキュリティ・データ・AI のような領域で経験年数を積み、領域を指定した求人の必須条件を満たしていきます。役割を広げる道の行き先は、設計やリードの経験を重ねた先のテックリードやエンジニアリングマネージャーの求人です。

次の年次の年収はエンジニア5年目の年収、20代全体の年収はエンジニアの20代の年収で確かめられます。

エンジニア4年目の年収の要点

エンジニア4年目の年収の位置を確かめる材料は、統計の年齢別の年収換算と、必須条件の経験年数で分けた求人の提示年収の2つです。

  • 令和7年賃金構造基本統計調査の年収換算では、ソフトウェア作成者が25〜29歳で484.7万円、システムコンサルタント・設計者が同じ年齢で641.6万円
  • 必須条件に3年以上の経験を求める正社員のエンジニア求人は、提示年収の下限の中央値が540万円、上限の中央値が975万円(Offers 調べ)
  • 4年目は、経験年数を書いた求人の81.6%で年数の条件を満たす
  • 年収に差がつくのは、担う工程・勤め先の企業規模・チームでの役割の3つ